「愛ある拳は 防ぐ術なし!!」
尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』に登場するキャラクター。
海軍本部所属の中将でありながら、
主人公モンキー・D・ルフィの祖父にして、
革命家モンキー・D・ドラゴンの父でもある。
アニメの担当声優は『
令サム』の
柳生十兵衛等を演じた
中博史
氏。
異名は
「英雄」「ゲンコツのガープ」など。
かつてセンゴクと共に海賊王
ゴールド・ロジャーを何度も追い込んだ伝説の海兵で、
老兵ながら
海軍大将に匹敵する実力を持つ。
ただし、ロジャーの事は海賊として対立することに迷いは無かったが嫌ってはいなかった。
ロジャーもガープのことは「腐れ縁」と見なし、海軍でありながら評価はしていた。
その関係は、本編におけるルフィと
スモーカーのようであった模様。
海賊に対しては「同情の余地無し」と見なしており、ルフィの海賊王になるという夢には一貫して反対していた。
ルフィの命の恩人である
シャンクスの事も「孫を海賊に引き込んだ」と恨んでいる。
一方で、世界政府に対しては忠実とは言えず、長年大将昇進の話を持ち込まれても
「自由にやるのにこれ以上の地位はいらん」と拒絶していた
(
海軍本部大将に課される「世界貴族の直属の部下」という責任と立ち位置を嫌がったためでもある)。
天竜人の事も
「あんなゴミクズ」とナチュラルにのたまう始末。
ただし職務に関しては真摯であり、孫同然に面倒を見ていた
ポートガス・D・エース処刑の際は、
苦悩していたがそれでも海兵としての職務を全うせんとした(
赤犬がエースを殺害した際は流石に忍耐が決壊して衝動的に彼を殺そうとしていたが)。
「たとえどれだけ人々が憎み合っている状況だとしても、
血さえ流れないなら自分はそれを『平和』と呼ぶ」とも語っており、
世界政府管理下の世の中に思う所はあるようだが、それはそれとして平和に対してはリアリストな思考の持ち主である。
ただ、悪党だが人情家な山賊であるカーリー・ダダンを見逃すなど、杓子定規な人物では無い。
ルフィへの教育というか特訓方式は完全なスパルタ式であり、幼いルフィをジャングルに放置するなど、職務が忙しい事を差し引いても常軌を逸している。
おかげでルフィはかなり強くなったものの、当然というかトラウマになっており、
「一人の時にはこれがいいんだ」と独りぼっちの環境では、ワライダケを常食する習慣までついてしまっている。
本編に先駆けて扉絵連載「
コビメッポ奮闘日記」に登場したのが初出。
この際は犬のような被り物を被っており顔が隠れていたが、職務の最中に居眠りをするなど既にルフィの親類らしい描写がされていた。
本編でその身の上及びルフィとの関係が明かされたのはグランドラインの章「ウォーターセブン編」の最後である。
ついでにルフィがドラゴンの息子であることを劇中で初めて明かした(というか
口走ってしまった)のもこの人であり、
約40巻経過して初めて明かされたルフィのエース以外の家族関係に麦わらの一味と読者は大きな衝撃を受けた。
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(ネタバレ注意) |
ガープが海軍でここまで大きな立場にいるのは、本人の実力もあるが若い頃に打ち立てたある「功績」のためである。
ロジャーが台頭する前の時代に海の覇権を握っていた「ロックス・D・ジーベック」率いるロックス海賊団を、
38年前に起こった「ゴッドバレー事件」で壊滅させたのが、他ならぬガープだった。
ただし、ガープが天竜人に虐げられている奴隷達を守るために結果として嫌っている天竜人も守ったこと、
本来敵対関係にあったロジャー海賊団と呉越同舟な形で共闘したことで、本人としては苦い記憶となっているらしく、人に話そうとはしない。
身内が犯罪者ばかり(その規模は新世界編に入る前ですら、ガープの首だけじゃ済まないとガープ本人が笑いながら言っている)かつ、
露骨に天竜人を快く思っていない態度を見せながら、ガープが海軍で排除されなかったのは、
この際に助けた天竜人かその関係者がガープの意思とは無関係に後ろ盾となっているためらしい(センゴク曰く「実績と人望」)。
後のエッグヘッド編で断片的に明かされた情報にて、天竜人共は非加盟国だったゴッドバレーで現住民&奴隷狩りという非道な娯楽を行っており、
休暇でたまたま近距離にいたらしいガープは単に天竜人の修学旅行としか聞かされていない状況で、ロジャーの来襲を知り急行した模様。
現地で実際は何が行われていたのかを目にしたのは想像に難くなく、この事実が公けになると同時に読者からは、
「(結果論とは言え)あんな事した連中の味方したなんて思われたくないよね」と心底共感された。
なお、既婚者のはずであるが長らく奥さんの詳細は明かされていなかったものの、
1096話のゴッドバレー事件時の回想で、休暇中のガープの後ろに1コマながら配偶者らしき女性の後姿が確認されている。
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連載前にWJに掲載されたバージョンの読み切り『ROMANCE DAWN』でもルフィの祖父として登場しているが、
海兵ではなく海賊になっており、ルフィに麦わら帽子を託すという本編でいう
シャンクスの役回りを演じている。
とはいえデザインや性格はこの頃からほぼ変わっておらず、TVアニメ20周年記念で放映されたスペシャルアニメでは声も同じく中氏が担当した。
ちなみにシャンクス自身はそれより前にSummer Special増刊号で掲載されたバージョンの読み切りで既に登場しているのだが、
その展開が会心の出来だった事もあってWJ版読み切りでは連載に向けて読者へのインパクトを温存する方針に転向、
敢えてシャンクス周りのエピソードを封印し、その代わりに祖父が登場することになったのだとか。
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戦闘能力 |
本編時点で既に全盛期は過ぎているものの、過去に海賊王に肉薄した実力者だっただけあってその実力は圧倒的。
如何なる理屈か、覇気未使用の「愛ある拳」でゴムの身体を持つルフィにダメージを与える程で、
素手で大砲よりも強く砲弾を投げ、サウザンドサニー号の数倍のサイズがある鉄球を投げるなど、デタラメな身体能力を持つ。
この身体能力を最大限に活かし、異名の通りゲンコツ(パンチ)を主体とした肉弾戦で戦う。
若かりし頃は廃棄された軍艦を覇気を用いずサンドバッグ代わりに殴って拳を鍛えており(殴り続けた結果竜骨がボロボロに凹んだ)、
全盛期の実力はさらに凄まじく、チンジャオ戦のウォームアップには山をサンドバッグ代わりにして8つほど粉砕した事があるという。
前述の通り自分の意思で40年近く中将の地位に甘んじているが、若い頃は大将クラスどころか 四皇相当かそれ以上の実力者だったようで、
老いた現在ですら大きな影響力を持っている。
覇気も高水準で体得しているが、武装色未使用の状態でも モーガンの攻撃を受けて平気な程に頑丈。
ダダンの棍棒で流血していた?愛ある攻撃は防ぐ術がないんだよ。……まあモーガンも出血自体はさせているのだが
発動描写はないが、『VIVLECARD ONEPIECE図鑑』によると覇王色の覇気も使えるらしい。
使用する技名(即興技を除く)は「拳骨」に宇宙関連の言葉を組み合わせたものがメイン。 「拳骨」なのにパンチ技じゃないのもあるが
コビー救出の際に木っ端海賊を蹴散らした時は「 拳骨衝突」でハチノスの町の一帯を壊滅させ(すっかり衰えたとは本人談)、
元一番弟子の クザンを引っつかんで「 海底落下」で地割れを起こすほどの馬力でブン投げたり、
無差別放火の巻き添えを食って火だるまになった木っ端海賊を振り回して投げつける攻防一体の「海賊火の玉」なんて即興技も披露した。
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MUGENにおけるモンキー・D・ガープ
出場大会
最終更新:2025年02月04日 14:10