イタリアの劇画コミック『DIABOLIK』の主人公。初出は1962年11月の『IL RE DEL TERRORE』。
なお、日本で単に「ディアボリック」と検索すると乙女向けのメディアミックス作品ばかりヒットするので、
「ディアボリック イタリア」等で調べる事を推奨する。
2022年のイタリア映画祭で実写映画化もされており、『
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』等に出演したルカ・マリネッリ氏が演じている。
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『DIABOLIK』作品概要 |
アンジェラ・ジュッサーニ女史とルチアナ・ジュッサーニ女史の姉妹が執筆したコミック。出版は一貫してAstorina社が担当。
ハードボイルド小説から端を発したジャンル「ノワール」 *1コミックの開祖と言われている。
当時、駅近辺に住んでいたジュッサーニ姉妹は、通勤中の サラリーマン達が電車の中で読む事を想定して、文庫本サイズの漫画を描こうと画策。
当時は1ページ3コマ程度しか描画できないサイズだったが、漫画を描くにあたっては必要十分な物だった。
このマーケティングが功を奏し、大ヒット。その後、他の多くの出版社も売り方を模倣する程であった。
本編以外にもいくつか派生誌があり、それも合わせて年間約400万部刷られている。
読者の5分の1は20歳未満(2分の1は35歳未満)、ほぼ30%が女性、20%がフリーランス、70%以上が学位を持っており、
さらに、北イタリアでの販売部数は中南イタリア、さらにはイタリアの島々での販売部数の合計と等しい。
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パリに似た架空の州、クレルヴィルで活動する本名不明の連続強盗犯。
その名が意味するのは、
恐怖、
死、そして不可能犯罪を意味する。
主に貴重な宝石や財宝を盗み、邪魔者には殺害をも厭わない。
一方で友情や感謝を大切にしたり、子供等の弱者を保護したりと独自の倫理観を持ち合わせており、マフィアや麻薬密売人、高利貸し、拷問人は許さない。
身体能力に優れており、後述するナイフが無くとも、手で相手に声を出す暇も無く始末する事ができる。
これは一時期在住していた東洋の地で学んだ恐ろしい武術を元にしている。
世界の各所に隠れ家があり、その全てに脱出路、警報装置、装備の実験室が備わっている。
一方でそれ以外の家具等は必要最低限の物に絞られており、特に洞窟や地下牢では文明的な物はラジオと携帯テレビぐらいしか無い。
この様なミニマリスト的な姿勢を、エヴァから苦言を呈された事もある。
それがディアボリックの好みを変えたのか、「高価な物を沢山盗んでいるのになぜ質素な家に住んでいるのか」と読者から疑問を持たれたためなのかは不明だが、
現在は豪邸のような隠れ家も持っている。
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装備 |
視力確保のために目の部分のみ空いており、それ以外は身体とぴっちり引っ付く。
暗い色も相まって闇夜に潜んで気配を悟られにくい。
車種は「ジャガー・Eタイプ」のクーペ。主に脱出する際に使い、複数所有している。
所有車のほとんどが装甲で強化されており、銃弾をも弾く。
タイヤも装甲車用のソリッドタイヤなので絶対にパンクしない(ソリッドタイヤは「ゴムの塊」なので、そもそも空気が入っていない)。
ディアボリックだけが知る製法で作られた極薄のプラスチックで構成される。
フードの様に被って あらゆる相手に変装できる。
具体的な構造等については、製造のための装置が携帯可能という事を除いてはほとんど知られていない。
優秀な機能から狙う者も多く、エヴァを人質にとって聞き出そうとする者も現れたが、その全員が悲惨な結末を迎えている。
電波時計で、エヴァとの通信に用いている。
携帯電話が普及した時代では古い規格だが、盗聴防止のために敢えて使い続けている。
火器の類は使わず、主にこれで戦う。
柄には様々な物を仕込む事が可能で、松明・麻薬ガス・懐中電灯・液体窒素・小型爆薬等等がある。殺傷能力は不変である。
ボタンを押す事で、麻酔針や毒針を発射する。
ただし、素肌に当てなければ刺さらない。エヴァも好んで用いる。
窒息剤や麻薬を含んでおり、相手の意表を突く場所に仕込まれている。
一回使用するだけで、すぐに部屋全体へ充満する。
ディアボリック達は鼻にフィルターを装備しているため、ガスの被害を受ける事は無い。
ボトルやキャニスターといった容器に入れている事もある。
複数種類あり、いずれも即効性が高い。
金庫を開けたり、壁や床を破ったりするのに用いる。
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オリジン |
1968年に描かれた『DIABOLIK, WHO ARE YOU?』では以下の過去が語られている。
コースから遠く離れた島の嵐の夜、沖合で救命ボートが発見される。
そこには苦悩する漂流者と奇跡的に無傷だった赤ん坊―後のディアボリックが乗っていた。
赤ん坊は島の住人に助けられて育てられるが、実はその島は「キング」という犯罪者が率いる国際手配犯達の隠れ家であった。
ディアボリックは、キングの手下が話す様々な言語、そして何よりも、彼らがそれぞれの犯罪の「専門分野」で使う様々なテクニックを学びながら成長し、
並外れた知性を発揮する。
豊富な化学知識を学んだ彼は、完璧なプラスチック・マスクを作るプロセスを完成させ、そのおかげで誰にでも変身できるようになった。
彼は、キングがマスクの秘密を手に入れるために自分を消そうとしていることを知ると、キングを殺し、
キングに化けて彼の部下に島の全ての富を高速艇に積み込ませて、本土に到着する。
2006年の『GLI ANNI PERDUTI NEL SANGUE』では更に掘り下げられており、島を脱出した後、東洋に渡り前述した武術を学んだ事が明かされる。
その後、クレルヴィルに到着し、キングが書斎に飾っていた 黒豹の剥製から取って「ディアボリック」と名乗る。
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(以上、「Diabolik Official website」より翻訳引用・改変)
MUGENにおけるディアボリック
ターザンや
アトム等の名キャラクターを数多く製作しているBrucewayne74氏によるキャラが存在する。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」の他、
コンプゲー『Dynamic Super Robot Wars - THE GAME』で知られるGIANNI from PARTINICO氏のサイトで代理公開されている。
ドット絵のベースは
ユリアンと思われる。
defファイルの切り替えによって
ボイスをイタリア語か、DukeNukem2417氏から提供された英語で選択可能。
イントロでは
マリオ、
ルパン三世、
ローガン、
テリー・ボガード等、様々なキャラに変装している。
操作方法は6ボタン方式。
必殺技には画面外に上昇した後、落下して攻撃する「Shadow attack from sky」や三連撃を繰り出す「Triple Combo」等の近距離攻撃に加え、
ストライカーとしてエヴァを呼んで遠距離攻撃する「Eva」や、ナイフを2方向に投げる「2 Knives」等の遠距離攻撃がある。
超必殺技には
乱舞技の「Hyper Combo」や、エヴァが乗ったジャガーに轢き逃げさせる「Eva and the Jaguar」等がある。
AIは
並程度の強さのものがデフォルトで搭載されている。
出場大会
*1
ミステリーの派生ジャンル。暴力的でアウトローな作風を持ち、
人の内に秘められている心の闇を客観的に描いていく。
由来「黒」を意味するフランス語「noir」。
某ゲームの女神や、
ストライクガンダムのバリエーション機の由来でもある。
アメリカで書かれたハードボイルド小説がヨーロッパでも人気を博し、これらに影響を受けて書かれたミステリー小説が発祥と言われている。
最終更新:2023年02月21日 09:02