リドサウルス


1953年に製作されたアメリカの特撮映画『原子怪獣現わる』に登場する怪獣
「太古の生物が水爆実験の影響で目覚める」という設定はゴジラをはじめ、昭和の怪獣映画ではよく見られた描写であるが、
本映画はそれを一番初めにやった作品であるといわれている。

北極のバフィン湾で眠っていた1億年前の四足型肉食恐竜。
氷河の中で眠っていたが、アメリカ軍が行った水爆実験の影響で目を覚ました。
かつてはニューヨーク州付近に棲息していたらしく、帰巣本能によってマンハッタンに上陸する。
きわめて凶暴な性格をしており、劇中では町を破壊したり人間を捕食したりした。

水陸両生で海中でも長時間活動可能。ソナーでも探知困難なステルス性を誇る。
頭蓋骨は分厚く機関銃の銃撃でも貫通出来ないほど強固だが、喉などの急所を狙えば歩兵のライフル銃程度でも傷を与えられる。
ただし、血液に未知の細菌が含まれているとの事で、下手に攻撃すると周囲が汚染される恐れがある。
劇中では歩兵たちが血だまりの近くを通っただけで感染して次々に倒れており、純粋な戦闘能力以上に厄介な特性と言える。

砲撃や火炎放射による攻撃は細菌汚染を広げる恐れがあるため対処法は無いかに思われたが、
物理学者の主人公が「放射性物質を体内に撃ち込み即死させる」作戦を立案。
遊園地で暴れるリドサウルスは喉に放射性アイソトープ製のライフルグレネード弾を撃ち込まれ、苦悶の末に絶命した。

原題は『The Beast from 20,000 Fathoms(2万尋から来た野獣)』。
これはレイ・ブラッドベリの1951年の短編小説『霧笛』の雑誌掲載時のタイトルで、この映画の原作とされている。
その割に「灯台を倒す」以外の共通点は無いが、これは本作が『Monster from Beneath the Sea(深海から来た怪獣)』の仮題で準備中に脚本を確認していると、
怪物が灯台を破壊する場面がブラッドベリの短編と似ているのを発見したプロデューサー達が、
せっかくだからブラッドベリの人気にあやかろうと小説の映画化権を買い取り、映画のタイトルを小説のタイトルに合わせて変更したという事情がある。
ちなみにこっちの小説は怪獣出現の経緯に核実験は無関係で、表題の「霧笛」を灯台が鳴らした際、
それを同胞の鳴き声と勘違いして怪獣が海からやってきてしまったという、怪獣の孤独と悲哀が強調されたものになっている。

また、ゴジラの仮題は『海底二万哩から来た大怪獣』とされており、
『霧笛』のように時計台の音に反応して破壊するシーンを描くために本来爬虫類にない耳を造形するなど、
特撮部分を担当したレイ・ハリーハウゼン氏からは本作の直接の影響が噂されているが、
本作の日本公開は『ゴジラ』より遅く、東宝側からの声明は無い。
後に『スター・ウォーズ』の情報が殆ど入らないまま没邦題と宇宙戦艦が出る程度の情報を頼りに『惑星大戦争』を製作し、
「スター・ウォーズから学ぶべきものは何もなかった」と開き直る東宝なので、断片情報だけから『ゴジラ』を作る事も可能ではありそうだが

一方で南の島生まれのゴジラに対して北極の核爆発で目覚め、灯台に引き寄せられるシーンもあったりと
実はゴジラ以上に本作に近い部分のあるガメラに対してはブラッドベリ氏は興味を持っていたという話もあり、レギオンのアイデアを聞いて高く評価していたとか。

余談になるが、撮影に使用された造形物は後年ハリーハウゼンの映画『シンバッド七回目の航海』に登場する、
黒魔術師ソクラの洞窟宮殿の門番ドラゴン「タロ」として改造・流用された。

後に南の島の核実験で変異した特に血は危険でもないが繁殖力が強い二足歩行のイグアナ或いはコモドドラゴンという、
何一つ合っていないレベルの映画が『原子怪獣』呼ばわりされるという謎現象が起きた。詳しくはUSAゴジラを参照


MUGENにおけるリドサウルス

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
2023年のエイプリルフール記念に公開されたキャラで、動きは「OPTPiX SpriteStudio」で作られている。
近接戦メインの性能をしており、超必殺技はいずれも1ゲージ消費で「必殺尻尾攻撃」「突撃」「未知の病原ウイルス」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
参考動画
プレイヤー操作(7:08~)

出場大会

  • 「[大会] [リドサウルス]」をタグに含むページは1つもありません。

プレイヤー操作



最終更新:2024年01月04日 12:39