「この名前に、もはやガマンもここまでだ……!!」
週刊少年サンデーで連載されていた高橋留美子氏による漫画『
らんま1/2』の登場人物。
担当声優は古本新之輔(現:古本新乃輔)氏。
'90年代アニメに親しんだ世代なら『クマのプー太郎』や『爆れつハンター』の主演でお馴染みだろうか。
腰に
パンティストッキングをベルトのように巻いた中国人。
無差別格闘流の創始者にして作中最悪のトラブルメーカーである
八宝斉を酷く恨んでおり、
とある目的を果たさせるべく来日する。
「鶴とウナギを抱えて牛にまたがった雪男が溺れた」悲劇的伝説のある牛鶴鰻毛人溺泉に浸かった事で、
水を被ると牛の頭に雪男の体、鶴の翼にウナギの尻尾を持つ怪物のような姿に変身する体質を持つ。
作中で「
悪魔」に喩えられるほどのその異形は、大柄で力もあって打たれ強く空も飛べるなど凄まじい能力を持つ。
その昔、呪泉郷の畔で産気付いていた妊婦の近くを、偶然修行に来ていた八宝斉が不幸にも通りかかった。
八宝斉はその母親が産んだ赤ん坊を産湯に浸していたのだが、その産湯というのが前述の牛鶴鰻毛人溺泉であり、
その赤ん坊、すなわち彼は生まれて間もなく変身体質になってしまうのだった。
だが、これ自体は恨んでおらず、むしろその強靭な能力を持つ変身形態を気に入ってさえいる。
問題はその後であり、その村には「産湯につけた者がその子の名前を決める」という掟が存在したため、
八宝斉は悩んだ末に「パンスト太郎」というあまりに酷すぎる名前を彼に与えてしまった。
しかも始末の悪い事に、その村には「改名出来るのは名付け親のみ」という掟も存在したため、
彼本人はどうやってもその名前を変える事は出来なかった。
そこで、改名して貰うために八宝斉を追って日本までやってきた、というのが彼の来歴である。
ちなみにこんな経緯だが、何故か
異常にパンストという存在に固執している模様で、
前述のようにパンストを腰に巻いている上、常に何枚も携帯しており、
人質を拘束したり傷を治す際にパンストを紐のようにして縛ったりなど、まるで手足のようにパンストを扱っている。
……何かしら屈折した心理が関わっているのかもしれないが、普通に考えたらただの
変態である。
なお、彼が改名を願っていた新しい名前は予め考えていたようで、その名も「かっこいい太郎」。
どうやらネーミングセンスに関しては名付け親と同レベルのようである。
そんな改名騒動だが、結局八宝斉が「やっぱりパンスト太郎が似合っとる」と反故にしたため、振り出しに戻ってしまう事になるのだった。
目つきが悪く、ひねくれた性格で口もかなり悪く、さらに相手の神経を逆撫でする罵倒が得意なようで、
戦闘中であっても巧みに相手を怒らせる口プレイで優位に立とうとするなど、ぶっちゃけ割と陰険な性格。
特に
乱馬とはかなり相性が悪く、彼の事を
「オカマ野郎」、逆に乱馬からは
「パンスト野郎」と呼び合い、
お互いにかなり険悪な態度でいがみ合っている。
ただし、根っからの悪人というわけでもなく、人質として捕らえた
天道あかねに対しても少し心を開いたりするなど、
不器用ではあるが全くの乱暴者というわけでもない。
またその境遇が境遇なので、最終的には八宝斉を共通の敵とする事で多少同情的な形ではあるが、
協力して改名を迫るほどには関係は緩和していた。
しかしそれでも乱馬との相性だけは変わらず最悪だったようで、後に再登場した際も再びいがみ合っている。
その戦闘能力は凄まじく、変身後は乱馬や
良牙、
ムース、
シャンプーと言った作中でも屈指の実力者達が、
協力して立ち向かった事でようやく対抗出来たほどで、それぞれがタイマンで挑んでも全く歯が立っていなかった。
まぁそんな彼も八宝斉には一撃で伸されるわけだが、これは流石に相手が悪すぎるので……。
八宝斉といいコロンといい、本作の小さいジジババキャラは事実上最強設定だからしょうがない。
さらに再登場時は、大ダコが溺れた章魚溺泉に浸かった事で背中からタコの触手が生え、
指先からスミを吐くなどさらに化け物染みた強化を得た
*1事で、さしもの乱馬も完全に圧倒されていた。
一方、変身前の姿にはそれほどの圧倒的な戦闘力は無いが、それでも乱馬と多少打ち合える程度には格闘に心得がある模様。
格闘ゲームにおけるパンスト太郎
1992年にNCSからリリースされた『爆烈乱闘篇』の隠しキャラ及び
ラスボスとして参戦しており、
ストーリーモードを一度クリアするとプレイヤーキャラとして使用可能になる。
1回戦は人間形態、2回戦は牛形態で登場する。
人間形態での
必殺技はパンストを伸ばして攻撃する「千歩堕」、
逆立ちして炎を纏った飛び蹴りを喰らわせる「一発逆転男蹴り」。
牛形態での必殺技は相手に猛突進する「猛牛突進」、急降下して片手で攻撃する「ジェットアタック」。
プレイ動画 |
ストーリーモード(人間形態)
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ストーリーモード(牛形態)
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(以上、Wikipediaより引用・改変)
MUGENにおけるパンスト太郎
『爆烈乱闘篇』の
ドットを用いたものが2体が確認されている。
+
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ゆ~とはる氏製作 人間形態 |
同作の 五寸釘光も手掛けたゆ~とはる氏による人間形態のもの。
操作性は基本的に 原作再現だが、ダッシュ、バックステップ、ガードキャンセル、挑発、オリジナル超必殺技、
それに伴う「爆烈モード」なる特殊ゲージ等のアレンジ要素も追加されている。
また、原作ゲームの勝利画面を再現しており、どのキャラでもanim 21211~21212、21214と-2ステートへの追加で対応する事ができる。
詳しくは氏のサイトか同梱されている対応テキストを参照されたし。
外部 AIはIX氏によるものが公開されている。
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+
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RUBEUS氏製作 牛形態 |
同作の ムースも手掛けたRUBEUS氏による牛形態のもので、 ボイスは外国語。
現在氏のサイトは消滅しているが、Colosse氏(quedataki氏)によるAIが本体同梱で公開されている。
操作方法はシンプルな4ボタン方式で、原作ゲームの技や演出が一通り搭載されている。
ちなみに氏は人間形態のものも製作している。
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「さあ、じじい、オレに新しい名前をつけるんだ!」
出場大会
削除済み
プレイヤー操作
*1
ちなみに、これは良く考えると少しおかしな話である。
この話が通るなら、呪泉郷に浸かる事で得る変身能力は「上書き」ではなく「加算」になってしまうわけであり、
そうなると本作でかなりの確率で話の取っ掛かりになっている、
「男溺泉に浸かってふざけた体質からおさらばする」
という目的が
全て無意味と化してしまうからである
(乱馬の場合はまだ男女で打ち消し合うと考えられなくも無いが、良牙の場合最悪
豚男になってしまう……)。
この辺りはファンの間でも議論の種になっており、流石にこれは設定の間違いか、
あるいは「牛鶴鰻毛人溺泉と章魚溺泉を混ぜて浸かったのでは」などと言われている。
……まぁ、
所詮はギャグ漫画なので深く考えたら負けである。
最終更新:2024年10月03日 05:42