「人々は獣の呪いの恐ろしさを思い知れ!」
岡山県にある食用にされた
牛を供養する鼻ぐり塚から、
鼻ぐりを盗んで腕輪にするという罰当たりな事をした高井という青年(演:蟹江敬三)を、
虚無僧に変身したヤプール人が牛の怨念を利用して超獣に変質させた存在。
生体改造ではなく怨念という超常的存在を利用して誕生した初めての超獣であり、
人間に食われた牛肉の怨念の化身であるため、その出自から厳密には生体兵器というよりも、
人工的な妖怪あるいは怪異と言って差し支えないが、同時に作中でも稀な超獣化した人間でもある。
ヤプールが人間を攻撃するために創り上げた割に「人間の奢りを戒め
反省を促す」という妙な展開を辿った存在である。
『A』が放映された当時、信仰を迷信と切り捨て軽視する言動が現代的と見なす若者は多数おり、高井もその一人であった。
岡山の実家に帰省していたTACの吉村隊員から鼻ぐりを返すように説得されても、祟りなんて信じないと強がる高井青年だったが、
ヤプールの干渉により顕現した牛の呪いのせいで、やがて牛の角が生え腕輪の周辺からから徐々に身体が牛のものに変貌し、
人間の食べ物を受け付けず草を食べられるようになる、牛の言葉が分かるなど牛に浸食されていった。
恐怖に駆られた高井青年だったが呪物と化した腕輪を自力で外すことができず、
やがて四足歩行する上に顔まで完全に牛と化した「牛神男」になってしまう。
自分が自分でなくなることに恐怖し、己の浅はかさを悔やみながら鼻ぐり塚で謝罪する高井青年だが、
ヤプールにより完全に超獣カウラへと変貌させられてしまった。
この時の変貌する己に恐怖する高井青年の様相は、蟹江氏の怪演も相まって非常に怖い。
「許シテクレヨォォ…牛ニシナイデクレェ…」
「オ願イダヨォォォ…頼ムヨォ、牛ニシナイデクレヨォォォ…!!」
牛の超獣らしくパワーに長けており、頭の角は岩石や鋼鉄でも貫く強度を持ち、
エースすら直撃すれば吹き飛ばす突進攻撃を得意とする他、
頭部から発射する強力なレーザー「パープル光線」や何でも溶かす唾液を武器にする。
最大の武器は催眠術による幻覚攻撃で、これにより
分身しているかのように見せて相手を惑わす。
腕輪代わりにしていた鼻ぐりを身に付けていた事から吉村隊員はすぐに高井青年かと疑い、
さらに変化しても高井青年の意識がわずかに残っていたのか吉村隊員の呼びかけに反応し、
助けを求めるような眼を見せたため吉村隊員は正体を確信。
しかし吉村隊員には打つ手が無く、自分に追いすがるカウラから身を隠すべく付近の古墳に逃げ込むが、
ここにきてカウラが入り口の前に陣取ったため身動きが取れなくなってしまう。
さらに、カウラの追撃のせいで通信機が故障したため仲間にこの事実を伝える術が無かったが、
位置情報探知機か何かで吉村隊員が閉じ込められた事をTAC側はすぐに感知し、
吉村隊員の身を案じてカウラへの攻撃は中止したため高井青年の死は免れた。
同時に事情を知っていた吉村隊員の母親もカウラの正体が高井青年と感付いたためその情報をTAC側に伝え、
荒唐無稽ながらもその話を信じたTACは「本体の人間を傷付けぬようにカウラを無力化する」
「吉村隊員が逃げ込んだ古墳を壊さぬよう戦闘する」という条件下で作戦を遂行せざるを得なくなる。
いつもの北斗の話もこれくらい素直に信じてあげればいいのに
一夜明けてTACが作戦を遂行する傍らで、鼻ぐり塚では神職達が供養の儀式を行うがヤプールの妨害で護摩行の炎が消え、
それに触発されたようにカウラの動きは再び活性化しだす。
TACは麻酔弾で応戦するが通じず、しかも付近のオリーブ油に攻撃が引火して大火事になり、
事態を終息させるべく北斗と南がエースに変身したため戦闘になる。
そのパワーやパープル光線、催眠などの多彩な技でエースを追い詰めるが、
一瞬の隙を突いてエースが入れた蹴りで呪いが集中している腕の鼻ぐりを取り外され、
鼻にセット光線を受けて鼻ぐりを付けられて怨念は沈静化。
そのまま地面に叩きつけられて牛の怨念は解かれ、元の高井青年に戻った。
1日中古墳に閉じ込められた吉村隊員はカウラとエースの戦闘の隙に脱出し、
やや衰弱してはいたが無事であった。
また、元の姿に戻った高井は改心して農場で真面目に働くようになった。
しかし、カウラの魂は高井からも牛の霊達からも独立した存在と化した上に完全には消えておらず、
最終回で最強超獣
ジャンボキングの素材として使われた。
原案ではカウラになるのは吉村隊員の自宅の近所に住む知り合いの10歳のガキ大将の設定だったらしいが最終的に変更になり、
その案は同じく石堂淑朗氏が脚本を担当した、冬の怪奇シリーズである41話『怪談!!獅子太鼓』に流用されたらしい。
なお、物語の発端となった鼻ぐり塚は岡山県牛窓町(現在は邑久町、長船町との合併に伴い瀬戸内市)に実在する供養塔で、
劇中に登場した牛窓オリーブ園も同じく岡山県に実在する施設である。
MUGENにおけるカウラ
カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
同じく氏が製作した巨大ヤプールのストライカーとして先にMUGEN入りしていたが、
2023年に画像を描き直した上で単体キャラとして公開された。
邓v东西氏の提供した
スプライトを用いて作られており、アニメーションは「SpriteStudio」を用いて製作されている。
突進技「体当たり」で距離を詰めてから近接戦に持ち込む戦い方が強い性能だが、
飛び道具の「溶解液」や相手を拘束する
設置技「鼻ぐり」なども持つ。
超必殺技はいずれも1
ゲージ消費で「パープル光線」「突撃」「幻覚」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
最終更新:2025年04月06日 20:58