桃白白

    

「世界一の殺し屋桃白白だじょー」

鳥山明氏の漫画『ドラゴンボール』に登場する悪役。「タオ・パイパイ」と読む。
担当声優は 大塚周夫 氏。『Z』では 岸野幸正 氏が担当しており、大塚氏の没後も岸野氏が引き継いでいる。
比較動画(4:19~)

初登場は「レッドリボン軍編」。天津飯の師匠・鶴仙人の弟であり、こう見えて実年齢は291歳。
鶴仙人が302歳なので実際ちょっと年の離れた兄弟程度の年の差しかない。
319歳と一回り年上だがほぼ同年代の亀仙人同様、仙丹を兄弟揃って服用していた可能性は高い。
衣服の正面に描かれた「殺」の字と背中に書かれた「KILL YOU!」が特徴。

元はしがないサラリーマンだったが、271歳の時に脱サラし、殺し屋稼業を始める。
本編では一般人にも名を知られる世界一の殺し屋として、標的一人につき1億ゼニーという法外な報酬で活動しているが、
孫悟空殺害の依頼を受けた時には「殺し屋さん20周年記念キャンペーン」で半額セールを行っており、5千万で引き受けた。
上記の実年齢からすると、殺し屋稼業は案外「最近副業として片手間に始めたけど割と評判になった」レベルなのかも知れない。
また殺し屋に相応しく、『ドラゴンボール』作中で明確な殺人行為を行ったのも彼が初だったりする。

ブルー将軍の頭を舌で刺して殺害したり、北東2300kmの位置にいる悟空と戦いに行くために、
折って投げた柱に飛び乗って移動する等、インパクトのある行動が多い。
中でも後に鶴仙流の技であったと判明した「どどん波」は、亀仙流のかめはめ波よりも発動が速い上に貫通力・殺傷力が高く、
マシンガンの斉射を受けても平気だった悟空をたった一撃で瀕死に追い込むという正に切り札に相応しい威力を見せた
(悟空の命が助かったのも懐に肌身離さず入れていた四星球が偶然防いでくれただけで、それが無ければ恐らく死んでいた)。
その後、悟空を殺し損なっていたと分かっても、どうせいつでも殺せると戦いでボロボロになった服を仕立て直す方を優先した*1結果、
カリン塔での修行を終えて大きくパワーアップした悟空の前には全ての技が通じなくなってしまった。驕れる者は久しからずである。
素手の勝負に青龍刀を持ち出すなど見苦しい戦いの末、最後は騙し討ちで投げた手榴弾を蹴り返され爆発の中に消えた
(なおこの時「爆弾投げられたら蹴り返せばいい」と悟空に学習させてしまったせいで、レッドリボン軍ラスボスも切り札のミサイルを蹴り返されている)。

悟空との戦いで死亡したと思われたが、ピッコロ大魔王編直後の第23回天下一武道会で殺し屋稼業の稼ぎを全額投入し、サイボーグ化して復活
悟空への復讐と鶴仙流を離反した天津飯達を始末する為出場し、餃子を予選で倒す。
一回戦で天津飯と戦うが、修行によって強くなった天津飯に全く敵わず、かつて憧れた兄弟子に無様な負け方をさせたくないという理由で降参を促されるが、
手首に仕込んだ刀で攻撃するという反則行為を犯し、天津飯の逆鱗に触れる。不利になるとヤッパを持ち出すとか、まるで成長していない…
その後、もう片方の手首に仕込んだスーパーどどん波で天津飯を殺そうとするも気でかき消された後、反撃を受け気絶。鶴仙人に抱えられて退場。
以降の動向は原作では描かれていない。

それまで天下一武道会などの試合形式での戦闘以外ではほぼ無敗だった悟空に明確な致命傷を与えた最初の悪役であり、
先述の行動の数々もあって固定ファンは少なくない。

余談ながら、ほぼ予備動作なしで指差して「どどん!」と叫ぶだけの高速かつ威力も高いという、
非常に実践的な技であるどどん波だが、鶴仙流の凋落と共に天津飯達でさえ使わなくなってしまう。
やはり一撃で人体を貫通し得る殺傷力の高さが問題だったのであろうか……。
殺傷力で言うなら気円斬だって大概だぞ!まぁ避けられて頬を掠めるとか尻尾の先を切るぐらいしか出来ないけど
後に溜め時間はかかるが貫通力と殺傷力はお墨付きの「魔貫光殺砲」、
予備動作ほぼなしの不意討ちという、まさにどどん波系の完成形と言うべき技の冴えでデンデを殺害した「デスビーム
などの類似の技が登場しているが、悉くが悪役(ないし元悪役)側の技というあたりがこの技の立ち位置を教えている。
ただし悟空に技を破られた経緯から考察するならば「格下相手への不意打ちには使えるが、同格以上には簡単に対処される」と言う暗殺術寄りの特性のため、
(物語を盛り上げる為にも)格上相手と戦わざるを得ない悟空達には使い道がないという意見もある。
ほら、マミヤのボウガンとかモヒカンは倒せてもケンラオウ相手だと「二指真空把」の餌食だったし大体あんな感じだよ
やはり格上相手に十分な殺傷力を得るには、かめはめ波や魔貫光殺砲みたいな「溜め」が必須なのだろう(その極致が元気玉だと言える)。

『Z』でもアニオリ回で登場。
誰も殺す者がおらず退屈していたようで用心棒稼業を営んでいるが、悟空の事がトラウマになっており、
孫悟飯と遭遇した際に素性を知るや否やあっさりと護衛対象を見捨てて逃げ出していた。
その回の4話後のアニオリ回で早くも再登場、今度はドラゴンボールを集めていたが、あろう事か超サイヤ人となった悟空本人と対峙する羽目になり、
悪知恵を働かせて逃げ出すも、瞬間移動で追い付かれてドラゴンボールを没収されてしまった。
もはやこの時点の悟空にとっては路傍の石扱いとなってしまっており、シリーズのインフレに置いていかれた悲哀すら感じさせる。

ONE PIECE』の作者である尾田栄一郎氏のお気に入りキャラでもあり、鳥山氏との対談でも語っている。
……鳥山氏は「桃白白って誰だっけ?」と返していたが。*2
また、『バーチャファイター』シリーズに登場するラウ・チェンは桃白白がモデルでもある。


MUGENにおける桃白白

+ KuR氏製作
  • KuR氏製作
バジル等を製作したKuR氏による桃白白。
GBAで発売された『アドバンスアドベンチャー』のドット絵を使用している。
AIもデフォルトで搭載されている。

+ Tomo氏製作
  • Tomo氏製作
多くのドラゴンボールキャラを製作している氏による桃白白。
氏のキャラの例に漏れずボイスは英語。イントロでは服を着ているが、すぐに脱ぎ捨ててしまう
ドットはアーケード版『ドラゴンボールZ』を意識した絵柄である。
AIは搭載されていない。

出場大会

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*1
この際、依頼先の仕立て屋に不眠不休で3日で仕立て直させた(本来は一週間掛かる)挙句、
代金も払わずに「カネのかわりにどいつかを殺してやろう」と提案。
断られると「ならおまえが死ぬか?」と言い放った直後に仕立て屋の額を人差し指で刺し貫いて殺害している。あまりにも酷すぎるカスハラである

*2
しかしながら、天津飯が天下一武道会でサイボーグ桃白白から斬りつけられて付いた傷跡を、
その後のセル編までわざわざ傷のある右側の胸が出るデザインの服を着せて描き続けていた事からして、
桃白白を本当に忘れていたのかについては疑わしい面もある。


おまけ

ペンタオパイパイナッパペン
石柱投げを科学的に検証&桃白白の見た光景


最終更新:2024年11月14日 03:27