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ファイア二世


「どけどけ 世界一のロボットのおとおりじゃ」

横山光輝氏の漫画『鉄人28号』に登場するロボット。
初登場時に「ビッグ・ファイア二世」と呼ばれているため、これを正式名としている資料もある。
開発者はスペルン国出身の科学者にして、パガオニア国におけるロボット工場を経営するビッグ・ファイア博士。

ビッグ・ファイア博士は科学者であると同時にやり手のロボットメーカー経営者でもあり、
ベラネード財団がダム建設にロボットを使用する事を知り、売り込み目的で用意したのがこのファイア二世であった。
そのため土木作業に長じ、コンクリート精製や工作の機能などを有する一方で、
土木作業目的のロボットながら極めて高い戦闘力も備えており、
パワーや格闘面でも鉄人に引けを取らないスペックを誇り、
両手の5本の指先から熱線を放ったり、全身から高熱を発する機能も備え、
後者は雪に埋もれて閉じ込められた際の脱出に使用している。
また、煙幕に覆われた際には口から強い息を吐いて、これを吹き飛ばしている。
しかし最大の特徴は、音声による指示に従って動く一方で、博士が開発した「知能回路」による自己学習能力であり、
独自の判断で自律的に活動する事ができる点にある。
実際、ファイア二世の振舞いを批判した正太郎を思い知らせてやると言わんばかりにつまみ上げるなど、
高い自尊心や感情を持っているような描写すらある。
土建ロボットとして土建機能、コンクリート再生機能も備えており、
建造物を破壊してコンクリートを回収し、それを利用してコンクリートの塀として再建する事も可能。
また、ファイア二世自体の能力ではないが、索敵及び偵察・攻撃を担う複数の鳥型メカを肩(もしくは背中)に留まらせて従えており、
今でいう遠隔ドローンのように必要に応じて支援をさせている。
何より、『鉄人28号』に登場したこれまでのロボット達と一線を画すのは、
これほどのスペックを誇りながら商業目的で量産化を前提とした商品であるという点にあり、
実際に後に強化調整された後続機であるファイア三世が登場している。
見た目は二世はカニ頭なのに対して三世は牛頭など異なるが自己学習機能などの基本機能は同等で、
拡張性にも相当優れていた事が分かる。

ビッグ・ファイア博士は、パガオニア国で開かれていた国際ロボット見本市にファイア二世を出品し、
最も優秀なロボットとして売り込み、市場を独占して大量の発注を取り付けようと企てていた。
自己顕示欲の強いファイア博士は会場に着くやいなや、展示されていた他のロボットをガラクタ呼ばわりした挙句、
諍いを起こした他社のロボット・スモッグに決闘を挑んでファイア二世に破壊させる等、狼藉の限りを尽くす。
そんな中、ベラネード財団が視察に訪れたが、財団側はファイア二世の性能を認めつつも飛行能力がない事を問題視し、
自力で山中まで移動できないならダム工事には不向きだと判断してしまう。
焦ったファイア博士は、ファイア二世を会場付近にある標高7300mのホワイト・バッファロー山に登らせると豪語。
更に他社に対しても挑発を行い、それに応じた他社のロボットも登山を開始する。
財団側も興味を示した為、事実上の採用選考登山レースが始まる。
しかし、ファイア二世は頂上を目指す他社のロボットへの攻撃を開始。全機撃墜してしまう。
数時間後、飛行可能なスカイ・キッドも含め一機もロボットが帰ってこないのはおかしいと考えた他社のレース参加者達は、
見本市にゲストとして鉄人を出品していた正太郎に協力を依頼。
現場撮影用のカメラを装備した鉄人は、撃墜しに現れたファイア二世と戦う事になる。
遠隔地のために自動で動く鉄人に対し、自己判断で活動するファイア二世は終始優位に立っていたが、
激しい戦闘で脆くなった氷雪から谷底へ落下し自滅。
事態を鳥メカから聞いて密かに現場に駆けつけた博士により、機密保持のために爆破処理された。
鉄人に装備されたカメラも戦闘で破壊された為、山中で何が起こっていたかは正太郎らにも分からず、
結局レースは全機未帰還、ファイア二世は未採用という形で終わった。

博士自身の名前の下に「二世」をつけた通り(恐らく「一世」は博士本人の事を指す)、
ビッグ・ファイア博士は自らが制作したファイア二世に強い思い入れと自信を抱いており、
二世を自らの手で爆破する事になったのは鉄人のせいだと逆恨みして仇討ちを誓う。
そして弟機であるファイア三世と鉄人は戦う事になるのだが、その後の詳細はあちらの項目を参照。

なお、カッパ・コミクスではファイア三世のエピソードが丸々カットされたため、
ホワイト・バッファロー山の登山レース中に、他の参加ロボット達をファイア二世に破壊させていた犯罪行為が露見して逮捕される形に改変されている。
ただし、カットされたファイア三世のエピソードは、秋田書店サンデーコミックス版で復活し、
その際には元々の原作漫画の展開ではなく、カッパ・コミクスで改訂された物語の続きとして描かれ、
ファイア二世を高く評価した謎の人物によってファイア博士は釈放され、
さらにパガオニアの工場施設まで提供されてファイア三世を造る事になる、
という導入部が新たに描き下ろされている。

+ 他媒体でのファイア二世
長谷川裕一氏の手による『皇帝の紋章』でも登場する。
本作ではフランスのロボット科学者グラン・フランム(巨大な炎、ビッグファイアの意)教授の開発したロボットとなっており、
フランム教授は雪中の青森は岩木山にてモンスター号を撃破した鉄人を"炎"II世(フランム・ドウジェーム)号で襲撃した。
正太郎達はモンスター号が複数機存在しており、鉄人が撃破した以外のモンスター号の探索に赴いていたため戦闘直後であった事もあり、
既にモンスター号を破壊したと豪語した"炎"II世号は、鉄人を無視して遠距離から操縦者である正太郎を執拗に砲撃する作戦で彼に重傷を負わせる事に成功。
フランム教授は「ドローンにより敵を観測、あらゆる不整地を走破する機動性を持ったロボットによる遠距離砲撃で、一方的に敵を破壊する」
という思想を持ち、ロボットに興味を持ったのも兵器として優れていたからに過ぎないと称して、
徹底的にアウトレンジから砲撃する移動砲台として"炎"II世を運用していたのだが、これは後に登場するフランケン博士や本作のラスボスとなるロビー同様、
的確に未来を予測する高い先見の明の持ち主であった事の証明と言える。
しかし正太郎が鉄人が雪崩に飲み込まれたと見せかけ、ロケットを切り離して雪中を潜航させるという奇策に打って出た事で、
まさかカメラも搭載されておらず自律行動も不可能な鉄人を、
僅かなリモコンへのフィードバックのみを頼りにそんな行動をさせる事ができるとは思いも依らず、
フランム教授は見事に出し抜かれて奇襲を受け、そのまま鉄人の一撃を受けて"炎"II世号は敗北した。
しかし軟性素材装甲を採用していたため内部機械は無傷であり、即座に復旧。
勝利したと思い込んでいる鉄人と正太郎を追撃し、今度こそ皇帝の紋章強奪を試みようとした際に、
モンスター号を破壊した真犯人であるブラックオックスを操るフランケン博士の挑戦を受けて交戦。
"炎"II世号同様に強力な火砲を持つブラックオックスと正面から交戦した所、
その驚異的な機動性、電子頭脳による圧倒的な反応速度、妨害電波、軟質素材をものともしない出力を前に手も足もでず、
簡単に弾切れにまで追い込まれ、手足を引き千切られたところに貫手を放たれ、体内に熱線を発射されて爆発四散した。
フランム教授の思想は前述の通りで、ロボットを開発したのも移動砲台として優れていたからに過ぎないと本人は語っていたのだが、
"炎"II世号を「息子」と呼び、撃破された際には悲鳴を上げ、残骸にすがりついて号泣するなど、思い入れは強かった様子。
なお、フランケン博士の見立てによれば「(躊躇無く操縦者を狙う)フランム教授の大人としての躊躇の無さが正太郎を僅かに上回った」としつつ、
「"炎"II世号程度の火力と弾数では全弾命中させた所で鉄人は撃破できず、そうなれば何一つ打つ手はなかった」との事で、
つまりロボット兵器としては鉄人に遥かに劣る、つまらない機体だと断じられてしまった。
その後"炎"III世号を開発したフランム教授は、鉄人へのリベンジを果たすべく再来日するも……。

今川泰宏監督による2004年アニメ版では、ビッグ・ファイア博士が開発した黒部ダム建設用ロボットとして登場。
本作でもファイア博士が息子のように自慢しているロボットである事は同じだが、
その設計は博士のオリジナルではなく、某国工作員から横流しされたブラックオックスの設計図を流用・改造したものになっている。
ファイア博士は敷島重工を乗っ取ったうえでベラネード財団(本作では悪の組織PX団と同一組織)と結託しており、
今後の日本経済を左右する黒部ダムの開発工事を独占する事を目論んでいた。
手始めに外装装着前のスケルトン状態で他社の工場に爆弾を仕掛けて破壊し、慢性的な資材不足を発生させる
(原作ではファイア三世が行ったテロ行為であり、スケルトン状態の形状も三世と同じ)。
鉄人とも交戦するが、この時正太郎は精神的に荒んだ状態にあったせいか鉄人を上手く操れず、結果的に圧勝する。
その後、長野で開催されたロボット見本市の会場で原作通りスモッグを決闘で破壊した後、
ベラネード財団総帥が黒部渓谷登山レースの開催を宣言、最も早く登山に成功したロボットを採用する事を日本政府に承諾させる。
山中では鳥型メカを使って他のロボットを次々と撃墜・破壊し、登山レース優勝に王手をかけるが、
そこに自殺したはずの敷島博士と何故か声が同じ謎の男ニコポンスキーと、彼が操るブラックオックスが出現。
ニコポンスキーはファイア二世がオックスの模造品に過ぎない事を知っており、オックスの構造からファイア二世の弱点を把握していた。
オックスはファイア二世の外装を破壊、崖から突き落として撤退したものの、そこに登山レースの状況を確認しに来た鉄人と正太郎が飛来する。
正太郎はスケルトン状態の二世が爆破テロに利用されたものと同一機体だと気付き、東京まで運んだものの、
運んだ場所が敷島重工だった事が災いし、工場内で量産されていたブラックオックス軍団が鉄人を制圧してしまう
(この時、正太郎はファイア博士とベラネード財団、PX団の繋がりまでは把握しておらず、最悪の場所を選んでしまった形になる)。
ファイア博士はその場の混乱に乗じてスケルトン状態の二世に新たな外装を装着、ファイア三世と名乗らせる事で不正の発覚を阻止した。
つまり本作においてファイア二世と三世は同一機体という事になる。

OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』では、OP映像にカメオ出演。
原作同様に鳥型のメカを肩に載せている姿の他、手からは電撃状の光線を発射する姿も見られる。
また、開発者であるビッグ・ファイア博士も秘密結社BF団の一員としてOPにカメオ出演している。
本編には未登場だが、設定上はBF団の主戦力である怪ロボットの開発者。
ちなみに『ジャイアントロボ』に登場する「ビッグファイア団」を原典とするBF団及び首領のビッグ・ファイアと名前が被っていたためか、
同作では「ブラック博士」に改名されている(恐らく元ネタは『鉄人28号』に登場する同名の人物。被ってる覆面もファイア三世と似てるし)。
OP映像


ゲームにおけるファイア二世

サンドロットによる2004年のアクションゲーム『鉄人28号』においては、何と土建作業ではなくテロ組織であるX団に売り込む。多分誰も違和感を覚えない
X団団長曰く世界最高の頭脳だそうだが、良く聞くと敬語がテキトーで後の三世の時には顕著になる。
完全クリア後の隠しステージでは二世と三世のタッグで7体の再生ロボットのトリを務める。トリだけに鳥メカが驚異。
性能的には飛行できないもののジャンプ力が高めに設定されているのが特徴。

必殺技は指先から熱線を放つ「熱光線」、敵ロボットの周りを飛び回る鳥メカが光弾を発射する「バードアタック」、
熱光線とバードアタックを同時に使用する「一斉攻撃」の三つ。
バードアタックの光弾は敵ロボットを麻痺させる効果があるので、上手く使えば一方的に攻撃する事が可能。
逆にプレイヤー側が挑む際は、操縦者がこの光弾に当たらないよう気をつけねばならない
(高難度で操縦者に命中すると即死する程度の威力がある)。


MUGENにおけるファイア二世

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
Gesura505氏提供のスプライトを用いており、モーションは「OPTPiX SpriteStudio」にて作られている。
「怪光線」や反撃技「放熱」に加えて画面内に三体まで召喚可能なバードメカを呼び出す技で戦う。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で「突風」「一斉攻撃」「締め付け」の3つ。
また、7P以降はガード不可になる代わりにハイパーアーマーが付与される。
AIもデフォルトで搭載されている。
参考動画

出場大会

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最終更新:2026年07月18日 19:06
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