人間の絆

むしろこの人生において、幸福なといわれるものは、あたかも蜜蜂箱における蜜蜂のように、ほとんど自己を意識しない人間である。つまり、そうした人間の方に、幸福をつかむ機会は一番大きいからだ。彼等の経験は、すべての人間によって共有され、彼等の喜びは、そのまま万人共通に喜ばれるが故に、喜びなのだ。そうした人間を、諸君はきっと、聖霊降臨祭明けの月曜日、ハムステッド・ヒースで踊っている男女や、フットボール競技に夢中になって叫んでいる群衆や、さては、ペルメルのクラブの窓々から、王のろぼに対して、歓呼を送っている人たちの中に見るだろう。人間が社交的動物だなどと呼ばれるのも、結局つまりは、そのためにすぎないのだ。


















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最終更新:2011年08月07日 21:40
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