午後二時。明は休憩に出る。
昼休みの時刻は特に決められていない。打ち合わせなどが入っていなければ、いつも二時から三時に昼休みをとるようにしていた。
オフィスの人たちはみんな一時から二時に昼休みをとる。それは、お店が一番混み合う十二時から一時のピーク時を避けるためで、昼休みの時間を自由にずらせる職場の者たちは、たいていそうしているのだろう。明は、そうした人たちをまた回避するために、さらに一時間ずらして昼食をとっていた。
喫茶店に入る。チェーン店ではなく、個人経営の店で、席は数えるほどしかないが、この時間なら誰もいないことも多く、今日もそうだった。カウンター席は椅子が高くて足の短い明には居心地が悪いので、テーブル席に着く。
「いらっしゃい」と、店の奥から店主が挨拶と共に顔を出し、明はいつものようにトーストと珈琲を注文した。
店主が奥の調理場へ戻る。明はデイパックの中から携帯電話を取り出すと、慣れた操作で番号を選んで通話ボタンを押した。
「はい。渋谷ストロベリー倶楽部です」
「今日、八時半から、清子ちゃんを一時間半で」声を潜めて明は話す。
「お名前は」
「野木です」
「八時に確認のお電話を再度お願いいたします」
「分かりました」
電話を切る。
デイパックから六百グラムしかない小型のノートパソコンを取り出して、テーブルの上で開いた。
無線通信の機器を付け、インターネットに繋ぐ。
和生からのメッセージが画面に浮かぶ。
「放送しているよ」
店主が奥から出てきて、トーストと珈琲を明のテーブルに並べる。明はパソコンを少し端に退け、店主が皿を置き安いように気を遣って見せるが、それはほとんど形式上のものにすぎない。
「ごゆっくり」とだけ言うと店主は愛想を振りまくことなくまたすぐに奥へと下がっていった。
パソコンとトーストの皿と珈琲カップ。テーブルの上に置かれたその三つの位置を僅かずつ、キーボードに手を置いたり、珈琲カップに手を伸ばしたりと何度か確かめながら微妙に修正して、再び画面の中を見る。
和生の部屋、をクリックする。
画面に和生が浮かび上がる。
和生は蛍光灯に照らされた白い壁の前に胡座をかいていた。
「なにしてるん?」明は打ち込む。
「暇だなぁ」和生は嬉しそうに言う。
その声が少しばかり大きかったので、明は自分にだけ聞こえるほどの音量にパソコンのボリュームを絞った。
「働けよ」明は続けて打ち込んだ。
「うーむ」
と和生は言うと、嬉しそうな笑みを引っ込めてしばらく黙った。
諧謔を見せたのは始めの一言だけだった。いつもならもう二、三言はおどけて見せるのに。
「働くって楽しいのかい」和生は平坦な口調で言う。
真面目な話? こっちは昼休みなんだけど、と明はコメント入力欄に文字を打ち込んだが送信はせず、思い直し、バックスペースを押して文字を消した。
「楽しくはないよ」と打ち直して、返事をした。
「なら何故やる」
「さあ」
「金か?」
「金というか……」
「糊口か?」
「まあ、そうだ」
「ふむ……」
和生は明を見つめていた。
明のノートパソコンはカメラをオフにしている。カメラをつけているのは和生の方だけだ。だから実際には明の姿が見えている筈はない。本当の和生は狭いアパートの部屋の中で一人、カメラを見つめて話し掛けているだけだ。しかし明は和生に見られている気がした。ただ見られるだけでなく、その空っぽの箱の中まで見透かされている気がした。
自分は働いている。箱なのに。誰に不平を漏らすでもなく働いている。働き続けている。当たり前だ。誰でもしていることだ。和生は立派な青年だ。無論、ひょろひょろしていて生っちょろい体格だ。ずっと部屋にいるから顔色も青白い。しかし、箱である自分に比べれば、何不自由があろう。腕も足も身体も、何の変哲もない人間のそれだ。和生なら、やろうと思いさえすれば、肉体労働だってできるのだ。明日からでもできるのだ。その和生が働かず、自分は働いている。何を恥じることがあろう。自分に疾しいことなどないのだ。なのにどうして今、自分は居たたまれなさを感じているのだろう。和生の視線を凛然と見返すことができないのだろう。それも、本当は見られているわけでもないのに。
間を取り繕うようにして、明はトーストに手を伸ばし、一口囓ったが、耳が焦げていて苦かった。
「確かに金は欲しいね」和生はそう言うと、胡座を組み直す。
「でも働くのはそれ以上に嫌だ」
和生は以前に働いたことがあると言っていた。何の仕事をしていたとか、それ以上の詳しいことは知らないが、有り体にいって、上司が嫌だったとかそんなところだろう。もう二年間もぶらぶらと今のような生活をしていると本人から聞いた。
「仕事か……仕事というか、……商売だな」
和生は途切れ途切れに言葉を継いで、また沈黙する。
「商売でも仕事でもどっちでもいいよ」明はキーを打ち返した。
「違う」
確かに違うね。その違いを敏感に感じ取る人、否、その違いにどうしても躓いてしまう人がいるのは分かるよ。和生は真摯なのさ。
「明は他人を殺しているんじゃないかな」和生は生真面目な表情を崩さずに言葉を続ける。
これは平日の昼間から面倒臭い議論に巻き込まれたな。まあ、嫌いじゃないけど。
「例えば誰を殺した?」エンターキーをほんの触れる程度に押す。明の打ち出した言葉は、微小な電気の波となって空間に飛び出していく。言葉は、まずは青空を駆け抜けていって電波塔にぶち当たり、そこからはどこをどう走り抜けていくのか知らぬが、瞬くうちに和生の家まで辿り着いて、画面の中心に浮かび上がると、そこからもまた飛び出して、和生の瞳の中にどぼんと飛び入った。
和生の瞳に浮かんでいた光の粒が仄かに揺らめく。
しかし、和生は視線を外さず、揺れた心も全部カメラに写し出そうと決めているようであった。
「例えば、俺を、殺した」
そんなことしないさ。
「和生は生きているぞ」
「これから殺すかもしれない」
だったら、殺した、と過去形でいうのは間違いじゃないか、と打ったがこれも思い直し、バックスペースキーで消してから、ただ「どうして?」とだけ書いた。
「明は働いているからさ」
分かるよ。
「働くと、人を殺すのかい」
「そうさ」躊躇いもなく頷く。
明は焦げたトーストをもう一口囓った。
「もちろん、間接的に、の話だが」
和生の言わんとすることは分かる。
商売は他人を押し退けてしなければならない。
その感覚は、分からぬ者にはもちろん説明などできる筈がないし、分かっている者はわざわざ他人に説明しないことだ。だから誰も教えてくれない。その感覚に躓いた者はこの出っ張りをどうして跨いで先の道を往くのか自分で考えるしかない。
「なあ」和生は顔を歪めていた。
とてもいい難そうな言葉を口に含んででもいるようで、明はこちら側でひとり驚いた。
「善とは何なのだろう」
和生は苦しそうだった。
「俺には善の量が不足しているように思えるのだが」
和生は、明の見ているパソコンの中で、苦しんでいた。
「明は善の正体を知っているのかい?」
そんな大それたことが自分に分かるわけないだろう。
和生は顔を顰める。
「俺のような者を鋭敏というのだろうか。俺は自分が鋭敏な感性を持っているなんて思ったことはなかったんだ。今までずっと。俺は何の才能もないし、平凡な男だから。だけど、もしかしたら、俺のような男のことを、鋭敏な感性を持つ者というのかもしれぬと最近になって考えるようになった。俺は他の奴らも俺と同じような感覚で生きているのかとずっと思っていた。それはまったくの間違いで、間接悪ならやってもいいことに、この世ではなっているみたいなんだ。しかし、俺はその違和感を乗り越えられん」
静かな珈琲店の中の、明の座るテーブルの廻りにだけ訥々とした小さな和生の声色が広がる。それより外ではノイズを含むぼそぼそとした雑音に変わり、言葉の意味は消えているだろう。顔を上げて見ると、通りに面した壁一面のガラスの向こう側には、背広の上下に身を包んだ会社員たちが陽に照りつけられたアスファルトの上を革か革に見える靴で踏みしめながら速歩で行き交っていた。
「大きな事を言い始めても始まらんさ。得てして青年は大きな事を言いがちなわけだが」
「これは間違っているのだろうか」
明はトーストを齧った。
「そこまで考えることはないんじゃないか」
「思考停止か」
突っ掛からないでもらいたい。と明は考えたが、しかし思考は止めようと思って止められるものでないことを明も知っていた。再びカラスの外を見ると、やはり先ほどと同じように、たくさんの会社員たちがアスファルトの上を歩いている。彼らはどこから現れるのだろう。
「ヴァルネラヴィリティ」
脆弱性。
「馬鹿みたいだ」和生は言う。
そうだよ。
「この世に生きるということは、とても馬鹿みたいだ」和生は繰り返す。
「明だって本当はそう思っている筈さ。その白い箱の中にはそういう思いが立ち込めて、充満して、凝結して、お尻の方の角から漏れ滴っているのを俺は見たぞ」
そんなことある筈がないと思いながらも明はむず痒さを感じて尻の位置を堅い椅子の上で直した。
和生に、気休めでもいいから何か慰めの言葉を掛けてやりたかった。
「青年はいつの時代も悩むものらしいぞ。芸術的気質を持った青年は最後に悪を発見する、と芥川竜之介も云っている」
和生は目を伏せて俯き、唐突に持ち出された史上の人物名を頭の中で手繰り寄せているようであった。
「侏儒の言葉か。確かその言葉はこうだった筈だ。芸術的気質を持った青年の『人間の悪』を発見するのは誰よりも遅いのを常としている。この部分は何故か出版社によって異なっている。それはいいが、」
と言って、和生は言葉を一度句切ってから、また続けた。
「芸術的気質なんて、俺は寸分も持ち合わせてない。そう思っていたんだが、確かに気付くのが遅すぎた。みんなはずっと前から知っていたんだな。どうして俺は気付かなかったのだろう。それをもってしてみると、俺は芸術的気質を持っているのかもしれん。もっぱら芸術的気質があるだけで、芸術家ではないがね」
そこまで言うと、横を向く。そちらにはただ白い壁だけがある筈で、思考の妨げになるものが何もない。それは和生が相手の気持ちを鑑みるときの癖だった。和生が優しさと厳しさを天秤に掛けるときの癖だった。
明は、本当には誰も見ていない喫茶店の隅で、言葉に対して身構えた。トーストも珈琲もまだ殆ど残っている。
和生は見えない明を想像し、間をはかった後に口を開く。
「明の身長は何センチだ」和生は一息に訊いた。
言葉は明の胸を撃って波打たせたが、痛みはそれほどでもなく、寧ろ薄荷のもたらす清涼な刺激のように胸にじんわりと広がった。その質問をもう十数年もの間、明はされたことがなかった。
「144」と明は打つ。
和生は打たれた数字を吟味している。
「明は侏儒でもあるわけだ」
そう。私は、箱であり、侏儒である。
芥川竜之介は身体的な意味よりも、大人に成りきれぬ大人という意味で侏儒という言葉を用いたようだが、その意味においても私は侏儒であろう。
連鎖的に、明の意思とは関係なく、ある物語が想起される。ジョン・アーヴィングという小説家は「
ホテル・ニューハンプシャー」という小説の中で、大きくなれなかった人は死ぬより他に道がない、と描いている。
これは本当だろうか。
もう何年も前に読んだその小説のことを思い出すと、先ほど感じた清涼な刺激はどこかへ消えてしまって、明の心は途端に粟立ってきた。
「お互い生き残ろうぜ」明は打った。
文脈を端折って書かれた文字に、「うむ」と和生は小さく顎を引いて返事をした。
明がどんな積もりで書いたのかを、理解しているのかしていないのか分からぬが、余計なことまでいちいち問いたださない和生のメンタリティが、今の明にはありがたかった。
和生は
「しかし、考えることは悪いことではない。考えることに依ってしか到達できない心理の地平は存在するから」
「さっきはあんまり考えるなと言ったじゃないか。言っていることに一貫性がないぞ」
「そうだな……」明は笑った。
「なんでもやり過ぎは良くない。中庸が大事なのさ」
「なんだその月並みな助言は」
明の口元がますます綻ぶ。
「私は月並みだよ」
「案外そうかもしれないね」
和生も笑った。
「まったく月並みだ」
「酔ってなどいないと言う者は必ず酔っている。これは真だが、それでも俺は言いたい。俺は病んでなどいないと」
「だったら働けばいいじゃないか」
「俺は、恐いんだ。臆病なのさ。世に出て行くのが恐くて、この部屋から出られん」
「世間なんて恐がるほどのものでもない。そんなものに怖じ気づいて何にもせんのは、それこそ馬鹿らしいさ」
「俺と明はなぜ会話をするのだろう」
「今日はいろいろな話をするね」
「たまにはいいだろう」
「こっちは仕事の合間なのだが」
「それはすまんが、それはそれとして聞きたいのだが、俺と明の境目はいったいどこにあるのだ?」
「俺と明はどうして会話できる?」
「俺と明は本当に会話しているのか?」
和生は矢継ぎ早に質問してきたが、そこで新しい文字が画面に割り込んだ。
「おーい」とピンク色の文字が浮かぶ。
アンナ、と横に表示されている。
安藤杏菜の言葉だった。
「何話してんの?」
「あたしも入れてよう」
「あたしケータイからだから、あんまし早く打てないよう!」
「女は喋るように携帯電話で文字を打つとものだと聞いたことがあるのだが」
「そんな女ばっかりじゃないのよ!」しばらくおいて杏菜の文字が浮かぶ。
「そうか。それは良かった」そう言う和生の語調には愛想だけでもなさそうな笑みと安堵が混ざっていた。
「もう休憩終わりだから行くわ」
明は残りのトーストを全部口に押し込んでいると、
「仕事頑張ってねー、ばいばーい」という杏菜の言葉が浮き上がる。それを見届けて、明はパソコンのスイッチを落とした。
オフィスに戻ると、職場の者たちは皆パソコンに向かってキーボードをカタカタいわせていた。
「いいですよ」と明が打ち返した頃には、
「明さん」と女の声で呼ばれ、顔を向けると美也子が側まで来ていた。
「明さん、昼食とるの遅いんですね」
美也子は、椅子のことを切り出す。
「そんなもの持ってこなくていいですって」
「イヤなのですか?」
「とても可笑しな格好ですよ」
「そんなに変な椅子じゃないから、今度うちに見に来てくださいよ」
「美也子さんのうちに、ですか?」
タイムカードを押す。
風俗店。
「変な女の人が職場に入ってきてさ」
「椅子を持ってくるって言うんだ」
「へえ」
美也子は自分の家から椅子を持ってくる。
それは大きな椅子で、女が通勤時間に電車に乗って持って運ぶのは、およそ無謀な試みであった。
美也子は明のことを少しだけ思いやる気持ちがある。二回目。
明、健康診断を受ける。
普通の人、多くの人とこれほどまでにものの考え方が違うのかと苦しむ。
友達なんていなくても生きていけるんだよ。
「美也子さんが初めて会社に来た日、朝、コンビニの中で美也子さんを見たんです」
「どうして、あんな無防備な目をして朝の街を歩くのですか」
「ねえ、あなたは何を祈る?」
「どんなことを祈ってもいいんだよ」
美也子は明のことを少しだけ思いやる気持ちがある。三回目。
昼休みに、喫茶店に入る。
しばらくすると、美也子が店に入ってくる。
美也子は明に挨拶をしてから、明の向かいの椅子に座った。
断りの言葉もなく、ぞんざいに椅子を引いたその所作に、明の胸の内には嬉しいような、ぽっとした暖かみが仄めいた。
瞬間、顔に出ないようにと気を引き締めたが、無理だったかもしれない。その僅かな心の動きを、美也子は感じ取ったかもしれない。
それでもいいやと思った。
「明さんはずいぶんと韜晦なさるのね」
「わたし、よく考えたら毎日祈っていることがあるのよね」
美也子は、くりりとした目で、明に微笑んだ。
「明日が穏やかな一日でありますように」
と美也子は小さな声で言った。
第一段終わり
■第二弾
夜の渋谷。
夜の街を歩く。
風俗。
明はどのように成長したのか。
母とは断絶している。
たまにメールでやりとりする。
風俗の女。
浮浪者。
浮浪者の喧嘩。
俗な女。
■第三弾
夜の渋谷、続き。
だんだん気が狂っていく。
自転車泥棒。
夜の校庭。
私に似た人。
ドッペルゲンガー
ずっとインターネットで朗読している人。
■第四段
お金がない。
「私は、まるで私でないようなのです」
明は眠った。
「私は眠りました」
「ずっと海の底で私が見つけたのは、ひと掴みの矛盾でした」
働き始めた和生。
女に、見知らぬ女にナイフで刺されて死んでしまう。
ただ歩いていただけなのに。
その女は、気がふれているようでもあったのだが、とても寂しそうだった。
寂しくて、寂しくて、寂しくて、人を刺した。刺されたのは和生だった。
女は、バッグを背中に負って、その中にステンレスの包丁を入れていた。刃渡り十八センチだった。
葬式。
「お互いに生きようって、生き残ろうぜって、言葉を交わし合ったのに。和生は生き残れなかった」
「ずっと部屋の中にいれば、和生は死なずに済んだのに」
なんで部屋から出てきたんだよ。
部屋の中から出てきて楽しかったのか。
少しは楽しいこと、見つけられたのかよ。
渋谷なんていう街で、なにか見つけられたのかよ。
香奈は泣いていた。
死を基準に考えれば何だってできる。
「どんなことがあろうと死ぬよりはマシだ」
死ぬよりはマシさ。
死ぬよりはマシさ。
死ぬよりはマシさ。
第四段終わり
■第五段
美也子さんとの展開。
箱の角が欠けてしまう。
角砂糖をホット珈琲に入れて、ぐるぐるとかき混ぜる
「私は、自分というものを持ってはいけない者のような気がします」
第五段終わり
■第六段
美也子に決定的な、一番云われたくないと思っていることを云われる。
一番云われたくないことは、身体のことに触れられることである。
美也子との別れ。
美也子は明から去る。
一緒に暮らすのは無理だと思う。
香奈の慰め。
第六段終わり
■人物
野木明…箱。二十八歳。イラストのような人間。黒のデイパックを愛用。一人称は自分。
西尾美也子…二十六歳。狭間の人。凛としている。デザイナー。イラストと実写の中間。一人称はわたし。
和生…突っ掛かってくる人。二十九歳。明の友達。溝口の生徒。イラストと実写の中間。「明暗」の小林や「虞美人草」の甲野よう。しかし性格は朗らかで、「虞美人草」の宗近のよう。一人称は俺。
安藤杏菜…女友達。二十五歳。十人並みの器量。溝口の生徒。イラストと実写の中間。一人称はあたし。おおらか。
清子…風俗嬢。イラストのような人間。一人称は私。ソーネチカのように純潔。
橋本吾朗…俗で凡庸。サラリーマン。営業。実写の人間。二十六歳。一人称は僕。
溝口…テレビドラマの脚本家。実写の人間? 世界を割り切っている。一人称はオレ。
遙花…ろくでもない女。渋谷の路上にいる。俗な女。「
人間の絆」の。実写の人間。
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最終更新:2011年10月02日 22:07