ルソー
ルソーは啓蒙思想家である。人為的な拘束のなかった自然状態の自由が、正しい社会契約によって、市民的自由として高い次元で再現されることを目指す。
「社会契約論」の冒頭…人間は自由なものとして生まれついたが、いたるところで鉄鎖に繋がれている。
自由意志…何ものにも隷属せず、自分で自分を律する理性的な能力。理性が判断する道徳的正しさ。
社会契約…一般意志に従う契約。私人としての私が公民としての私自身と約束する面を含む。
主権者…契約の当事者からなる合議体。
一般意志…主権者の意志。一般人の合議体の意志。
特殊意志…自己利益を第一に考える私人としての意志。
自由…一般意志に従うことこそが自分自身の理性に従うという意味で真に自由になる。
カント
善意志
愚かな善人…カントでは愚かな善人が存在する。
意志…自分で自分を律する理性的な能力。善。
傾向性…情念。欲望。自然の傾向性。悪。
義務…意志。自分で自分を律する理性的な能力。善。
自由…理性の力で義務に従うこと。
反自然主義…理性の力で義務に従うこと。
反帰結主義…行為の善悪は、その行為がどういう結果を生み出したかには関係なく、行為者が何をするつもりであったかで決まる。
合法性…
道徳性…
仮言命法…傾向性や目的(実現を意図された結果)を条件節としてもつ命令文。例.人に好かれたければ、人に親切にしなさい。
定言命法…条件節をもたない命令文。例.人に親切にせよ。
普遍化…一般化。定言命法で表される。
完全義務…傾向性を利するような例外を一切認めないような義務。どんな場合でもそうしなければならない義務。
不完全義務…称賛に値する義務。場合によってはしなくていい義務。例外のある義務。
自分に対する完全義務…自殺をしない。
他人に対する完全義務…守るつもりのない約束をしない。
自分に対する不完全義務…自分の才能をのばす。
他人に対する不完全義務…困っている人を助ける。
自然の斉一性…自然はいつどこでも同じあり方をしている。
ヘーゲル
アインジヒトたちの考察
⑮
28 最高善…道徳的に善であることと幸福であることが一致した状態。
私の考察
① 自然本性として与えられた理性とは何なのだろう。要するに「理性」のことだろうか。
② 「理性」と「自由」の意味をルソーはどのように使っているのか、自分の感覚とは少し違っている気がするので注意したい。
③ ルソーは、人間が一般性の立場に立てることを前提としている。
④ カントでは、善いことをしようとした人は善い人だということですね。私はそうは思わない。アリストテレスと同じ感覚だ。つまり「愚かであることは悪いことなのだ」という感覚の方が強い。
⑤ カントでも「自由」の使われ方が、今日の語感とは異なるのだよね。注意したい。しかし、「内面の法廷」が無視できない問題であることは分かる。これについては後でゆっくり考えてみたい。
⑥ 自分の行為原則が普遍的な法則になることを意志しうるように行為せよ。これは分かる。異議も挙げられそうだが。
⑦
内面の法廷。
永井均「倫理とは何か―猫のアインジヒトの挑戦」(ちくま学芸文庫)
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最終更新:2012年01月13日 23:02