子どももための哲学対話 第1章

あんまり頁を分けるのも見にくいので、第1章には序章も、第3章には終章からあとがきまでも一緒に載せます。

序章



第1章

8.こまっている人を助けてはいけない?
こまっている人や苦しんでいる人を、やたらに助けちゃいけないよ。そのときかぎりの単純なこまりかたの場合ならいいよ。たとえばけがをしたとか、さいふを落としたとかね。でも、もっと深くて重い苦しみを味わっている人をたすけるには、きみ自身がその人の苦しみとおなじだけ深く重くなくちゃならないんだ。そんなことは、めったやたらにできることじゃないし、できたとしたら、きみの精神に破壊的な影響を与えることになるんだ。もし、きみ自身が深くて重い苦しみを味わったことがあるなら、それとおなじ種類の苦しみを味わっている人だけ、きみは救うことができる可能性がある。そういう場合だけ、相手が助けてもらったことに気がつかないような助けかたができるからね。
 …じゃあ、これだけ覚えといてくれよ。自分が深くて重くなったような気分を味わうために、苦しんでいる人を利用してはいけないってこと……。












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最終更新:2011年10月15日 06:15
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