ステージ1
要約
彼氏が浮気をしているようなので、風呂に入っている間に携帯を見たらやはりそうだった。それを告げると彼氏は携帯を勝手に見たことに逆ギレ。「ひとの携帯を見るお前の品性の方が下劣だ」という。わたしは欺されているのでしょうか?
私の思考
欺されています。
彼氏は論点をすり替えている。
そもそも善悪に基準はありません。
携帯を勝手に見ることは悪いことだと言うひとが過半数以上ならそれは社会的に悪いことだと見なされるにすぎない。
そして、現在の社会は携帯を勝手に見ることは「悪」だと見なされている。
裏を返せば、表向きは言えないことを隠れてやりたい人間の方が過半数以上を占める、ということです。
それが人類です。
これは、携帯を見るか見ないか、というよりも、表向きの視線からは隠れた場所での行動を自分には許容するが他人には許容しない、ということです。
だから、あなたは彼氏が風呂に入っている隙に勝手に携帯を見て、そして浮気の証拠を掴み、しかし素知らぬ顔でまるでそれとは別の理由でただもう好きじゃなくなったのだと別れを切り出せばよいのです。
しかし、結局のところあなたの男を見る目の問題です。
とはいえ、あなたにとって都合のよい男なんて実在するのだろうか? この世のどこかには実在するとしてもそれに巡り会う現実的な確率は?
ステージ2
要約
旅行ガイドの編集者をしている三十代の女なのですが、いつも締め切り間際にならないと仕事のスイッチが入らないのです。残り二週間を切ったところから会社に泊まり込み、猛烈にパソコンを操作して、ぎりぎりの時間に入校し、小さくガッツポーズするのです。しかし、もっと早くから始めればより良い本ができたはず。なんとかならないものでしょうか?
私の思考
どこに問題があるのかまったく判らん。
何だかんだ言ってもこのひとは、それなりのクオリティの本を仕上げているので首にもならずに仕事を続けているのでしょう。
時間ぎりぎりに仕事を仕上げるのを楽しんでいる。このひとはそういうことに楽しみを見いだすタイプなので、平常時からこつこつ仕事をすると長続きしないんじゃないでしょうかね。
もちろんクオリティの面では常に全力で仕事をするひとには及ばないかもしれないが、別に駄本を作っているわけでもないのなら、それでいいじゃないか。
しかし、あえて相談者の意向に沿って、平時から仕事をするように自分を仕向ける方法を考えてみる。
このひとは締め切り二週間を切るまではなにをしているのだろうか?
だらだらしているようでもなんやかんやと細かな情報が蓄積されているのではなかろうか。
しかし、そういう回答でも駄目な気がする。
単にクオリティを上げるということであれば、締め切り二週間前の時点でいまの完成レベルのものをつくって、そこからさらにクオリティを上げればよい。だが、どうやってそのモチベーションを沸き立たせるかが問題だ。
うーむ。そこはもうそのひとのメンタリティの問題だからなあ。ひとがどうこういってどうなるものでもない気がする…。その意味ではこのひとはそこまで旅行ガイド本作成を転職としているわけではないのだろうが、人間そんなものだろう。
先に上司に宣言してしまうっていうのも手だが。
ステージ3
要約
四十代の既婚男と不倫していたのですが、一年で捨てられました。もう不倫はやめようと思っていたのですが、職場に新しくやってきた三十代の既婚男にまたしてもときめきを感じ、何度かデートをしました。きっと同じことをまた繰り返すのでしょう。わたしは愛人体質なんでしょうか?
私の思考
知らんがな! 好きにしたらええがな! というのが率直な感想だが。
非モテの私にそんなこと相談するな。と思ってしまう。私からしたらその男たちが羨ましい限りである。この相談者もそんなにすぐにデートに誘われるということはそんなに不細工ではないんでしょうね。そして、不倫のスリルを含めて恋のときめきを楽しんでいるわけだから、やっぱり、好きにしたらええがな、という回答しか思いつかない。
まあ、もう少し相談者に寄り添うと、目先にある恋の誘惑は我慢してでも長期的に人生を豊かにするようなパートナーを探した方が良いのかどうか、それを相談しているのでしょうね。うーむ。そこは天秤に掛けるしかないでしょうね。このひとのメンタリティが愛人体質というのも加味した上で。メンタリティが愛人体質、つまり不倫に喜びを感じるタイプなのだから、不倫していた方がこのひとにとっては豊かな人生を生きていることになると思うんですよね。生を謳歌しているというか。
バルザックの「谷間の百合」に「死なないようにしているだけで、とても生きているとはいえないわ!」みたいな科白があったと思うが、あれですね。
でも、このひともそれなりにモテるのなら、不倫は楽しみつつ、一方で長期的なパートナーを探せばいいんじゃないでしょうかね。どうせ不倫なんだから、もともとみんなには大っぴらにできない関係なんだし。なんでそうしないんでしょうね。それが女心ってものなんですかね。
それか、不倫相手のことがそこまで好きならベタな手段ではあるがコンドームに穴を開けてでも子供をつくることですね。それだと生まれてくる子供が可哀想といえば可哀想なのか。
しかし、この手の話を考えるといつも思うのだが、多夫多妻制にすればいいんじゃないかと思うんですよね世の中を。なんでそうしないのだろう。人類のほとんどの社会は一夫一婦制だ。表向きには。自分が相手を裏切る利己心より、自分が相手に裏切られたくない利己心の方が上回っているからですかね。自分が相手に独占されたくない利己心より、自分が相手を独占したい利己心の方が上回っているからか。
ステージ4
要約
四十代の主婦です。旦那がヘビースモーカーで困っています。五年前に禁煙を宣言したときは三ヶ月で終わりました。わたしの父は喫煙が原因で健康を害し、そのまま他界しました。旦那の父も健康を損ねたときがあり、そのとき医者に言われたのを切っ掛けとして煙草をやめました。しかし、旦那はどんなに言ってもやめません。最近では離婚を考えています。
私の思考
これも「息子がオタクで悩んでいます」の冒頭にある父を嫌いな女子高生の悩みと同じような少しひねくれた考え方をすると、この主婦はまだ年金暮らしでもないのでいま旦那に死なれると金蔓がなくなってしまうから不安なんですね。その意味では、旦那の方は自分がしんでしまったら女房はひとりで困るだろうなあなんて心配するほど女房を愛しているわけではない。自分が死んだ後のことなど知ったことか! と思っている。主婦の方も旦那の人格そのものを愛しているわけではなく、旦那から得られる生活費を愛しているわけです。そうじゃなかったら離婚なんて考えませんよね。女なんてそんなもんです。煙草の煙その臭いだけが嫌いだとして離婚まで考えますかね? ベランダで吸うとかできるわけだし。
そう考えると、女房が愛しているのは、自分が持ってくる生活費ではなく自分の人格そのものなのだと日々の振る舞いから感ぜられ、それを信じられるようなら、逆に、旦那としても、女房のことを真に気遣い、自分がここで死んだら女房は可哀想だなあと思って健康に気遣うように変わるかもしれないですね。男ってそんなもんじゃなかろうか。
しかし、この主婦はもうそんな気持ちには戻れないところまでいっちゃっている可能性はありますね。旦那にそんな純粋な心なんてないよ、って感じかもしれない。
そのときには、離婚するしかないですね。しかし離婚してどうなるのだろう? それこそ生活費はどうするのだろうか? この主婦はそこそこ美人ですぐに別の相手を見つけられるのですかね。離婚というのは本当にするつもりはなく、一種の脅し文句として言っているだけじゃないですかね。
ステージ5
要約
シングルマザーです。お金がなくなったのでマンションを出ていかなければならなくなりました。
わたしは小さい頃から親の虐待をうけながら育ちました。高校卒業と同時に都会へでて、最初はOLをしていたものの、すぐに水商売の女に墜ちました。二十歳でお客の子供を産みました。認知はしてもらいませんでした。
私の思考
これはおいそれと答えられない悩みですね。深刻です。
しかし、自分でもこうしていくつかの回答を書くようにすると、そもそも悩み相談とは何なのかということを改めて考えますね。現実の状態はなにも変わっていなくても、相談者の考え方を直すことによって悩んでいる状態を取り除けたらそれでよいのだろうかとか。だとしたら、ある種の洗脳ゲームに堕するのではないかとか。
はっきり言ってこのひとにアドバイスできることなんてない。しかし、お金をどう工面するかだけでも考えたいところだ。
最終更新:2013年01月20日 21:11