ウルトラマングラフィティ おいでよ!ウルトラの国

登録日:2012/09/24(月) 23:40:14
更新日:2023/05/31 Wed 11:20:34
所要時間:約 5 分で読めます





1990年に発売されたOVA。全1巻で6話収録。


◇概要

SD体型のウルトラマンや怪獣達が登場するギャグアニメ。
…なのだが主人公であるウルトラマンが「うだつのあがらないダメ男」という設定を始め学級崩壊とモンスターペアレンツ、政略結婚、遺産相続で揉める親戚など絵柄とは裏腹にかなりブラックなネタや風刺ネタが多い、子供向けながら大人も楽しめる(?)内容となっている。 何気に声優がとても豪華である。

アニメーション制作は「おそ松くん(平成)」「平成天才バカボン」のスタジオぴえろ(現・ぴえろ)、監督は「タイムボカンシリーズ」の笹川ひろし。


◇世界観

ウルトラマンも怪獣も「ウルトラの国」(光の国ではない)という所で人間と同じ様な社会を築き生活をしている。
なので「妻子を持ったウルトラマンが怪獣だらけの会社に出勤する」という光景が見られる。
平和な国で争いもないため街の中で光線や炎を出したり、公園以外の場所で空を飛ぶことは法律で禁止されている。
違反した場合は罰金が科せられる(例:空を飛んで電波障害を起こすと8万円、店の中で光線を使って10万円)。ウルトラの国なのにウルトラマンの立場はあまりよくない。


◇登場キャラクター

○ウルトラ一族

主人公。かつて地球を救ったヒーローで、メグ(声:山田栄子)という妻と長男のマックン(声:三田ゆう子)と長女のメル(声:久川綾))がいる。
職業はのセールス会社「モタモタモーターズ」のサラリーマン。役職は「販売部販売課第一販売係係長第二補佐」(要するに、限りなくヒラに近い)。
仕事熱心ではあるが、トイレにいるのが長いために会社に遅刻する事が多かったり、販売成績も良くないので上司であるバルタン部長によく叱責されている(そして居酒屋で戦うことさえできれば一発でやっつけてやると愚痴を吐く)。
戦士としての実力は健在だが、誰もヒーローを求めていない平和な世の中ではうだつのあがらないダメ男となっている。記念すべき初台詞が「また税金の値上げか」
しかしこの世界ではイケメンなのか様々な女性から好意を寄せられている。
かなりの不幸体質でほとんどの話で報われないオチになっている(自業自得な場合も結構あるが)

本気を出すとTV本編のようなリアルな姿にもなれる。ウルトラ水流も健在。
基本的には戦闘中の掛け声も田中秀幸が発しているが、タイトルを読み上げる際のスペシウム光線を発射する際などの音声にウルトラマン本編と同様の初代ウルトラマンの掛け声(中曽根雅夫)のものが流用されている。

ウルトラマンの実の兄。田舎暮らしで言葉が訛っている。
長年の夢だったスイカ畑を完成させるが…

大会社の社長となり、毎月家族と宇宙旅行に行く勝ち組。
妻にセリア、息子にブーン、娘にセラがいるがアニメには未登場。
キングの遺産相続にも社長の立場から自分がもらうべきと名乗りを上げたが、ウルトラの父に、「ヤクザまがいの地上げと土地転がしで儲けた」くせにと言われてしまった。もし本当なら後の息子涙目である。
そしてこれを皮切りに、TVシリーズでは絶対に有り得ない生々しすぎるウルトラ兄弟たちの戦いが始まる。
しかし、残念ながらウルトラ兄弟たちの戦いが始まっても逃げたニセウルトラマンを追いかけている間に会場に遅れてやってきたウルトラマンをニセウルトラマンと誤解してしまう。
更にウルトラマンのせいで相続できなくなったと言い張り、本物のウルトラマンを「あれだけ汚いことをしてきながらまだとぼける気か!」と責め立てた。そのせいでウルトラマン一家に愛想を尽かされてしまった。

OPと1シーンのみの登場で声もなし。仕事も不明と扱いが悪い。

小説家。
タロウ親子を「相変わらず仲睦まじい」と褒めていた。
しかし遺産相続とタロウが相続を主張すると、「いつまでも親離れできないガキに財産を渡せるか!」と態度を一変させた。レオと意見を合わせることが多い。しかし、ニセウルトラマンに騙された結果、乱闘騒ぎを起こしたと信じ込んで本物のウルトラマンを「どうしたですって!?」と責め立てた。

銀行員。(声:塩屋浩三)と(声:坂本千夏)も登場。
遺産相続で「一流銀行という社会的信用のある職業に就いている者こそが財産を貰うべきなんだ」と主張したが、レオに、「親のコネで入社しただけのくせに!」と言われている。後の息子親友がいたらどう思ったことやら……。
ウルトラマンとは飲み仲間らしく愚痴を聞いてあげている。また、かなりのヘビースモーカー。
しかし、遺産相続の時はニセウルトラマンに騙された結果、乱闘騒ぎを起こしたと信じ込んで本物のウルトラマンを「恥ずかしくないんですか!」と責め立てたりと、全く信用していなかった。

流しの歌手。
喧嘩っ早い性格で、にせウルトラマンの後に来た本物のウルトラマンに真っ先に飛びかかり、彼の「自分に成りすましたにせウルトラマンの仕業です」という証言も「よくもそんな見え透けた言い訳を!」と一蹴しボコボコにした。
アストラもワンシーンだけだが登場。

小学校教師。ウルトラマンの息子の担任でもある。
マックンら校則を守らない生徒やモンペア達に頭を悩ませている。
ウルトラマンほどではないが苦労人で、しょっちゅう頭に色んな物が落ちてくる。

ウルトラの国で一番の豪邸に住んでいる伝説的英雄。
腕力や飛行能力が衰えており、灸師(星人ブニョ)に灸を据えて貰っている。
300万歳(!)の誕生日にバースデーパーティーを開くが…
ババルウ星人の変身は見破ったのに、ザラブ星人が化けたにせウルトラマンには気付けなかった。視力も落ちたのだろうか


○怪獣、宇宙人

モタモタモーターズの部長でウルトラマンの上司。
バル夫(声:塩屋翼)という息子がおり、ウルトラマンの息子と同じクラスで学級委員長を務めている。ウルトラマンの息子のマックンを始めとするクラスメイトの規則違反を先生に告発していた。
ウルトラマン曰く「親子揃ってバルタン星人に頭が上がらない」。

  • カネゴン(声:小林通孝)
ウルトラマンの後輩社員。
花嫁募集中でウルトラマン夫妻の仲介によってウー子とお見合いをするが…

社内のアイドルOL(!?)で何故か青い髪が生えている。
ウルトラマンが落ち込んでいる時にはキスをしてまで励ましていた。
余談だが、後に『パワード』や『Z』でメスのレッドキングが登場している。

ウルトラマンシリーズ最強の怪獣として名高いためか、この世界では警察をやっている。
ルールを破ったものには誰であろうと厳しい減点と罰金を科す。

  • ジラ子(声:坂本千夏)
ウルトラマンとは昔から親しいジラースの女性。
「都会で大会社の社長になって君を迎えに来る」というウルトラマンの言葉を信じ、美人でありながら田舎で待ち続けていた。
当のウルトラマンは平社員の上に既婚者となっていたため彼女に嘘をついてしまう。
…が、その直後に今の家族が現れて嘘がバレるという修羅場展開に。

  • ウー子(声:神代知衣)
ウーの女性でカネゴンのお見合い相手。照れ屋で(この世界では)中々の美人。
ところがウルトラマンをお見合い相手と勘違いした上に一目惚れしてしまい、結婚式当日に大騒ぎとなってしまった。
OPではビキニ姿を披露している。

  • ウー(声:郷里大輔)
モタモタモーターズの取引先であるウーカンパニーの上司。ウー子の父親。
会社のために、何よりもウー子の気持ちを考えてウルトラマンを娘と結婚をさせようとする。

過去にウルトラマン倒された個体と同一。
ウルトラマンに成りすましてウルトラマンキングのバースデーパーティーに参加し、莫大な財産を狙う。
これによってウルトラ一族が喧嘩し始め、ウルトラマンが騒動の原因としての濡れ衣を着せられ袋叩きにあってしまう。
最終的にキングの洗礼光線によって正体が見破られてしまったので「迷惑かけたなー」と言いながら逃走した。劇中では「偽ウルトラマン」としか呼ばれていない。

この他にもちょい役やモブとして数多くの怪獣達が登場している。


  • ナレーション(声:富山敬)
読んで字のごときナレーション。
時々ウルトラマンにツッコミを入れることもある。
要はタイムボカンシリーズの「説明しよう!」と同じ。


追記・修正はかつて地球を守ったヒーローにお願いします。

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最終更新:2023年05月31日 11:20