ウー(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/08/30 Sun 12:31:44
更新日:2023/01/19 Thu 20:56:06
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ウーは、ウルトラシリーズに登場する怪獣。
別名は「伝説怪獣」
この項目では、円谷プロダクションで企画されていた同名の特撮番組『WOO』についても解説する。


【概要】

全身が白い毛に包まれた、雪男のような姿の怪獣。造型者の成田亨氏によるとデザインイメージは仙人。
口から猛吹雪を吐く事が出来る他、怪力を披露する事も多い。

下記の通り、大半の作品でウーは怪獣と言うよりも妖怪や守護神に近い存在となっているため、体重が設定されていない。
ただし実体は存在しているようで、足跡が雪に残されていたり、ウルトラマンに投げ飛ばされて家を潰したりしている。


【登場作品】



【主な活躍】

◇『ウルトラマン

登場:第30話「まぼろしの雪山」
身長:40m
体重:幻のため、存在せず

夏でも雪が降り積もり、吹雪が荒れ狂う「まぼろしの雪山」こと飯田山の伝説として語り継がれていた存在であったが、
ある時を境に本物のウーが現れるようになり、近くの村の人々は恐怖に怯え、観光客も来ない事態になった。

そんな村の人々から、迫害を受ける1人の少女がいた。
肉親も育ての親も亡くし、1人ぼっちで生き続ける孤児の少女「ゆき」である。
雪ん子と揶揄された彼女こそが、ウーが現れる原因だと決めつけられていたのだ。
現に、村人がゆきを虐めたり追い回したりする度に、彼女の呼ぶ声に応えてウーが出現していた。
どんなに吹雪が起きても、彼女だけは何故か無事だったのである。

実は怪獣ウーの正体は、ゆきを残して命を落としてしまった母親の魂が転生した、いわば守り神や妖怪のような存在。
怪獣の姿になってもなお、お母さんは娘を必死に守り続けていたのだ。
なお、この事実は本編では示唆される程度だが、関連書籍や総集編番組などでははっきりと明言される事が多い。

そんなある日、最悪の事態が起きた。
村の子供達がゆきを落とすために堀っていた落とし穴に酔っぱらった猟師が転落、そのまま死んでしまった。
村人達はそれをゆきのせいだと勝手に考えた挙句、命を奪おうと動き出してしまったのである。
必死に逃げるゆきの叫びを聞き、激怒したウーが飯田山のスキー場、そして村を破壊した事で科学特捜隊もビートルで出動する事態となった。

怪獣は所詮、人間社会には入れてもらえない悲しい存在なんだ……。

そしてハヤタ・シンもウルトラマンに変身。
必死に戦うウーだが、戦いはウルトラマン優勢となり、とうとうトドメのスペシウム光線のポーズを取る寸前、その時だった。

やめてー!!

ゆきの悲痛な叫びにウルトラマンは光線を撃つ事はなかった。
そして、『娘』の声を聞いたウーは幻のように消えていった。

ウー……ウーよぉ……。

そして、誰もいない雪山には「ゆき」であった亡骸が横たわっていた……


あんな清らかな心の持ち主には、二度と再び、会う事もないような気がするな……。


差別や偏見をテーマにした、幻想的ながらも切なく重い物語。
これは脚本を担当した金城哲夫氏が沖縄県出身のため、沖縄と本土人の関係を元にしていると言われている。
また、「人間が正体」という点はジャミラと同じであるが、国家から抹消され、直接人間から怪獣化して復讐を行ったジャミラに対し、
人間の霊体が怪獣化し、ただ娘を守る存在というジャミラとは異なる悲しさを持った怪獣でもある。

ハヤタ役の黒部進氏も「物語の内容と共に印象的な怪獣の1体である」と語っている。


◇『ウルトラマンA』

登場:第42話「神秘!怪獣ウーの復活」
身長:57m
体重:幻のため存在せず
初代『ウルトラマン』のウーとの関係はないが、便宜上「二代目」となっている。
飯田峠でとして崇められていた氷超獣アイスロンによって谷底へ落とされ、命を奪われた父親・良平の魂が娘・小雪を守るために姿を変えたもの。
彼の遺体が立ち上がり、無数の雪の結晶に包まれる事でウーに転生する様子が描かれた。
以前現れたウーとは異なり力強い男性のような姿になり、大きさもより巨大になっている。
書籍『ウルトラマン大辞典』では「白毛の剣・冷気光線・念力を使う」と記述されているが、いずれも劇中では使われなかった。

娘を守るためにアイスロンに立ち向かったが、(当時の)怪獣よりも強い力を持つ超獣の前には勝てず、崖下に落とされた挙句、雪崩に巻き込まれて身動きが取れなくなってしまった。
だが無事一命はとりとめ、TACウルトラマンエースの連携でアイスロンが撃破された後、無事であった小雪の姿に安心したかのように雪山へと消えていった。

なお、内山まもる氏が手掛けた漫画ではファイヤーモンスとスノーゴンの寒暖タッグとの対決となっている。


◇『ウルトラファイト

登場:多数
身長:40m
体重:幻かどうか分からないが、存在せず
上記の作品とは全く異なり、「喧嘩屋」の異名を持つほどの乱暴者。
激しい動きはしにくい外見だが、接近戦では凄まじい強さを発揮する。
ただ、どんなに攻撃をしてもリンゴをむさぼり続けるキーラーを見て何かを感じ、涙を流しながら共にリンゴをかじると言う締めになった話もある。
イカルスとの絡みが多く、話によってライバルだったり恋人同士だったりと様々な関係で登場、そして戦いに発展する。
また、上記の通りキーラーとも妙な縁があり、一緒にダンスを踊る時もあれば座頭市同士で対決する時もある。

最初の頃は初代『ウルトラマン』で見せた白い綺麗な毛並みだったが、野外での戦いが続く中でどんどん汚くなり、
最終的には砂埃のような何かをまき散らしながら戦うモップの塊のような姿に変貌してしまった。
なお、着ぐるみは初代『マン』で使用されたものとは別のものが使われた。

ちなみに通算成績は18勝26敗9分と、怪獣勢の中では頑張っている方。流石ウーさんである。


◇『レッドマン

登場:第19話~第22話、第24話、第64話、第72話、第76話
あの赤いあいつの番組。
様々な怪獣とタッグを組んだり単独で挑んだりしたが、やはり赤いあいつことレッドマンには勝てなかった。

動くモップと化してしまった『ウルトラファイト』の着ぐるみが引き続き使われているが、損傷がかなり激しく、モップどころか毛が明らかに剥げてきてしまっている。


エイプリルフール企画

ウー本人は登場していないが、『カネゴンの78ちゃんねるまとめブログ』に掲載されたスレの1つに……

【ガケから転落】生きる伝説宇宙最強怪獣ウーさんについて語るスレ【岩が頭部直撃】

……というものがある。スレ立てはブースカが担当。

上記の『ウルトラファイト』での大暴れぶりを基にしたスレで、ウルトラマンや怪獣宇宙人問わず多数のスレ民(マグマ星人以外)から「ウーさん」として崇められている。
女性だという情報にエンペラ星人が食いついたり、相手を追い回した挙句、崖から落とされる様子が火サスでよく見る光景だとウルトラマンネクサスに突っ込まれたり、ウーオタが熱く語りまくるカオスなスレになっていた。
さらにブログのコメント欄もやりたい放題になっており、P&Gの洗剤「ボールド」とのコラボが希望されたり、
イチロー選手と対談すると宇宙の法則が乱れてしまうと称されたり、ケチをつけたイカルス星人が貶されたり、挙句の果てに「全盛期のウーさん伝説」なるコピペが貼られるほど。
  • 白いと思ったらもう汚れていた。
  • 駅のトイレの床だと思ったらウーさんだった。
  • ウーさんとウルトラマンが戦う話は視聴率が140%だった。
    「国民全員が見て、更に次の日のお昼の再放送を見る」の意で140%。
  • ウーさんがガッツポーズをしただけで視聴率が10%上がった。
  • ウーさんの名前を聞いただけで、ゼットンが爆発した。
  • ゾフィーが地球に降り立たなかった理由は簡単「ウーさんがいるから」
  • ウルトラ大戦争の決着が付かなかった理由は、ウーさんが中立を守り続けたから。
  • ウルトラシリーズの生みの親は本当はウーさん。

なお、ウルトラマンやカネゴンの発言によると「ウーさんモップ」なる掃除用品が発売されており、それなりに人気らしい。


◇『甦れ!ウルトラマン』

科学特捜隊に銃撃されたゼットン星人が操る怪獣軍団の一体として登場。飯田山を襲撃し分身したウルトラマンと戦う。
ヒドラと共に悪の怪獣扱いである。映像は初代『マン』の流用だが、ウルトラマンにのしかかった所で終わり、決着は描かれない。


◇『ウルトラゾーン』

登場:第12話
アイキャッチのイラストでのみ登場。夜なべをしながらマフラーを編んでいた。


※『ウルトラマン80

直接の登場はないが、第46話「恐れていたレッドキングの復活宣言」で壺の精マアジンにウーの玩具を出してほしいと願った悪ガキがいた。
結果はレッドキング、しかも間違えて本物が登場して大暴れする事態になったが、
もしかした[レッドキングではなくウーが復活宣言をし、ウルトラマン80と戦っていたかもしれない。
なお、上記の理由のためウー本人は登場していないが、紹介も兼ねた回想シーンで初代『マン』の映像が使用されている。


ウルトラ怪獣擬人化計画

KADOKAWA版にて2018年2月度のラインナップとして発表された。
デザインはモタ氏が担当。
前述のゆきを彷彿とさせる小さな雪だるまを抱えているのが特徴。


【余談】

  • 上記の通りの独特な姿と悲しいエピソードなどから知名度は高く、ゴモラやレッドキング、ゼットン程ではないが初代『マン』を代表する怪獣として扱われており、商品もそれなりに多い方だが、
    正体的に扱いがデリケートな題材かつ、全身毛だらけなのでスーツのメンテナンスに手間が掛かる事、更にニュージェネレーションヒーローズ以降は夏が放送開始で冬にクライマックスという点や、そもそも冷凍系能力怪獣自体が少ない事*1が災いして『A』を最後にTV本編では再登場を果たしていない。

幻の特撮番組『WOO』

「ウー」という名前だが、これは円谷プロが当初企画していた特撮テレビ番組『WOO』から付けられたのではないかと言われている。
この作品に登場する「WOO」は、故郷を失った不定形の生命体となっており、地球に降り立った後にヌードカメラマンの秋田譲二に助けられ、その助手の団太郎らと共に様々な不思議な事件を解決していく……という物語が考えられていた。
毎回ゲストキャラとしてセクシーな美女が登場する予定となっており、結構お色気な感じの内容だったのかもしれない。
また、企画では各クールで新たな宇宙生物が登場し、その度にタイトルも「ラッパー」「スペースホース」といった具合で色々代わる予定だった。

……だが、様々な事情が重なった事でこの番組は没となってしまい、そしてそのせいで円谷プロは大変な事態になった。
この作品に向けて、フィルムを合成する事が出来る機材「オプチカルプリンター」をアメリカから輸入する事になっていたのだが、その代金(現在の金額で2億円相当)が支払えなくなってしまったのだ。
しかもキャンセルしようにも既に製品は港を出て日本に向かっているという、どうにもこうにもどうにもならない緊急事態である。

そんな時に動いたのは、円谷英二社長の息子である円谷一氏であった。
TBSの社員でもあった彼の計らいで、オプチカルプリンターはTBSの費用で購入。それを用い新たな番組を制作する事で、無事一件落着したのであった。
企画時の『アンバランス』から名を変えたその番組の名はウルトラQ
日本中に怪獣ブームを巻き起こし、そして半世紀にわたって続く「ウルトラシリーズ」の始まりとなった作品である。
上記の「全盛期のウーさん伝説」のラストには『ウルトラシリーズの本当の生みの親はウーさん』という文面があるが、あながち間違いではないかもしれない。

なお、「WOO」の内容は2006年にNHKで放送された『生物彗星WoO』へと活かされている。



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最終更新:2023年01月19日 20:56

*1 ニュージェネ以降この系統で現在再登場したのは『ウルトラマンギンガ』でスノーゴン、『ウルトラマンZ』でギガスとペギラの3体のみで、新規系は未だに登場していない。