弾幕系シューティングゲーム

登録日:2012/01/26 Thu 00:20:38
更新日:2021/03/30 Tue 03:46:01
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概要

弾幕系シューティングゲーム(弾幕シューティング)とはシューティングゲームのカテゴリの一つ。
広義には単に敵弾の多いシューティングゲームを指すが、狭義には下記の特徴を持つシューティングを指す。

  • 敵弾は原則遅め(発射されたら避けられない速度の弾は少ない)
  • 敵弾が画面を埋め尽くすほど発射され、幾何学的模様が形成される事もある
  • 自機や敵弾の当たり判定は見た目よりもかなり小さい
  • 自機の速度を変えることできる(低速と高速の切り替えが出来る)

これら全てを兼ね備えた初の作品が「怒首領蜂(1997年)」であり、弾幕系シューティングの始祖とされる所以である。
CAVE製他社製問わず、後発の弾幕系シューティングの多くがこれを踏襲している。

なお、弾幕系シューティングはほとんどが縦スクロールシューティングで、横スクロール作品はかなり少ない。
その主な理由として「人間の目の構造上縦方向の弾道に比べ、横方向の弾道は識別に時間差が生まれ回避しにくい」という事があげられている。


成り立ち

シューティングゲームの中でも弾幕系という分類が確立したのは「怒首領蜂」からと見てよいが、そこに至るまでの様々な作品に始祖的要因を持ち、後年の弾幕系シューティング作品の開発者が参考にしたものが様々に存在する。その一例を挙げる。

  • 沙羅曼蛇
高次周回の敵弾の多さと、それを弾の塊ととらえ「ひとつの大きな弾」として避けていく攻略。5面ベルベルム地帯の連続弾が自機を紙一重ですり抜けていく様子など。

非常にゆっくりとした弾速の敵弾が飛んでくる様子。その弾の密度と攻撃の厚さなど。

敵の攻撃が、何重かの帯状になった幾何学的模様を形成する。自機の当たり判定が小さくなったこと。敵弾のばらまき方の激しさ、敵弾の多さ(表示可能数)がさらに増えたことによるインパクトなど。
また、ハードコアテクノやデトロイトテクノを取り入れたBGMも後のCAVEシューティングに強い影響を与えており、バトルガレッガのBGMを手掛けた並木学氏はCAVEシューにも起用される事となった。

  • ヴイ・ファイヴ、BATSUGUN、首領蜂
二周目以降の撃ち返し弾によって、後年の怒首領蜂1面道中くらいの弾数が画面内に広く飛び交う。BATSUGUN、首領蜂はベース作品であることもあり、既存の作品よりも敵弾と自機の当たり判定のバランスがさらに小さくなったことや、ショットとレーザー時の移動速度変化(使い分け)ができる点など、システム面では怒首領蜂とほぼ同様の物となっている。
(なお、この3作のプログラマーも弾幕の始祖怒首領蜂と同じ池田恒基である。)


弾幕系シューティングは難しい?

敵弾の数が非常に多く、ゲーム画面の大半が敵弾で埋め尽くされることも珍しくない。
それゆえに一見すると無理ゲーに見え、敬遠されがちなのだが、
実は以下の特徴のおかげで見た目ほど難しくない作品も多い

  • 基本的には敵弾の速度は遅い為、発射後に目視確認を行ってからでも避けやすい。
発射されてから自機付近に到達するまでの所要時間が長めなため、思考時間が確保されやすく、また後述の移動速度との兼ね合いもあって「避け」は快適になっている。
  • 自機の移動速度を変えられるので素早く動くだけではなく緻密な操作も可能。
敵弾の速度が遅めなものが多いため、さほど技量がなくとも「カスるようなちょい避け」が非常にしやすい。
  • 自機の当たり判定が通常の(非弾幕)シューティングに比べて極端に小さいものが多く、敵弾の判定も見た目より小さくなっている。
  • 回数制限があるが高い攻撃力と敵弾の消去効果に加え、撃った瞬間から数秒間完全無敵になるボム。

上記の特徴のおかげで少しくらい弾がかすめた程度ではミスにならず、見た目よりも敵弾を回避しやすい。
たとえ追い詰められてもボムを撃てば確実に逃げられるので抱え落ち*2に注意していれば自機の生存確率はかなり上昇する。

その上、一部のゲームには上記の特徴に加え、

  • 敵と敵弾の速度を低下させるシステム(エスプガルーダシリーズなど)。
  • 初心者の悩みの一つ、ボムの抱え落ちを防止してくれるオートボム機能(怒首領蜂大復活など)。
  • 自機の当たり判定が可視化されている(近年に出された多くの弾幕系シューティング)。
  • 敢えて敵の弾に近付き、自機にかすらせる事で恩恵を受けられる(サイヴァリアシリーズや蜂Ⅱなど)。
  • ボム以外にも特定の条件や特殊な武器で通常は消すことが出来ない敵弾を消去できる(CAVEシュー全般など)。
  • 家庭用機に移植の際に搭載された入門者向けのノービスモード(敵弾が極端に減っていたりする低難易度モード)。
  • ゲーム開始前に難易度を選べる(東方Project、一部CAVEシューなど)。
  • あえて処理落ちさせることで、ゲームスピードを遅くして精密な弾避けの場面に有利に働くようになる(多くの弾幕シューティング)。

…など様々な配慮がされており、近年の弾幕系シューティングは初心者にも優しく制作されているのである。
実際、高難易度化とマニアック化→過疎化が進んでいたシューティング界において「初心者にも易しいシューティング」として、STGというジャンルの一定の復権を果たしたと言う経緯があったりする。
あくまでジャンル全体の話であって、個々を見れば高難度の作品も多い。

以上のように、実は弾幕系シューティングゲームは初心者が触れやすく制作されている。


ジレンマ


先に記述したように、敷居を低くし触れやすい設計を追及した各メーカーの日夜の製作努力があった。
…にも関わらず新規プレイヤーの増加傾向はあまり見られず、現在の商業非商業問わずシューティングゲームがニッチなジャンルである事は否めない。


この原因はいかに丁寧な制作を行っても、シューティングゲーム自体が持つ

①『先に進むだけでも基本的には何度も同じ場面をミスしては繰り返しの試行錯誤、上達を実感しづらい
 例)○面の難所Aが難しい→パターン構築とミス、ゲームオーバー、コンティニューの繰り返し→やっと越せたと思ったら難所B…(この流れがクリアまで続く)

②『トライ&エラーのプロセスが極めて地味で、しかも時間と手間がかかる
 例)→せっかく構築したパターンがヒューマンエラーでブレて被弾、何度も見ることになるタイトル画面、1面からのやり直し

③『アーケードスタイルが大元であるがゆえの1プレイに力を注ぐ方式が未だに変わりない事実
 例)ゲームオーバー→「コンティニューして最後まで遊んだら終わりにしちゃおう」

といった点などがその大きな足かせとなっている。

魅力あるジャンルではあるのだが、基盤となっているもの全ての根底が80~90年代に完成したモノの発展・延長線上でしかなく、特に「ゲームに対する手軽さ」や「短期的爽快感」が追求されがちな現代では相対的にやりこみ型プレイヤーも減少傾向にあり、それとは真逆にあるシューティングゲームが持つ“とっつきづらさ・プレイ継続のしづらさ”は特に大きなハードルとなっている。

弾幕系シューティングゲームが難しいのではない。
シューティングゲームというジャンルとシステム自体が完成しきっており、これ以上変えることができない基盤がプレイするにあたって大前提となることが初心者にとっての一番の壁なのだ。

比較的簡単と言われる作品でも、初心者が数回のプレイでクリア出来るものでは無い。

しかし、恐れてはいけない。

攻略サイトを閲覧し、決めボム(予め難しい地帯を覚えておきボムを使うこと)や、
パターンとアドリブが必要な箇所を頭に叩き込めば意外にもすんなりクリアできたり…もする。
難しく聞こえるが、いずれにしても練習すれば必ず上達するので、上手く避けた時の悩汁を是非体感して欲しい。
また動画サイトで凄腕プレイヤー達のパターンを参考にするのも上達に繋がる。

そして何より、弾幕系シューティングに限らずゲームをクリアするに当たってもっとも大事なことは。

決して諦めないことである。

動画サイトなどで見かける凄腕プレイヤー達も最初は例外なく初心者。最初から上手い人なんていないのである。
惜しまぬ努力の積み重ねでここまで上達した人達である。

弾幕系シューティングに興味をお持ちのお方は尻込みせずにぜひ挑戦してもらいたい。


弾幕系シューティングをプレイするには?

アーケードの弾幕系シューティングはゲームセンターにあるアーケードゲーム筐体でプレイするのが理想であるが、STG自体がマニアックなジャンルになっている為、そもそもお目にかかれないことも多い。
やや限定的ではあるが、NESiCAxLiveに収録されているタイトルもいくつか存在する。NESiCAxLiveは設置店舗が非常に多いため、自分のプレイしたいタイトルがあればとても心強い。
ゲーセンに近い感覚でプレイしたいのであればジョイスティックと縦画面に出来る専用モニター(液晶の場合はできる限り対応速度の速いもの)を用意しよう。
また、筐体と基板を買って自宅に置くという選択肢もあり、多くのシューターの夢でもある。

また、スマートフォンやPCでのDL販売が活発になった結果、商業、同人共にこちらが主流になってきている。
特にSteamでは、「怒首領蜂大復活」や「虫姫さま」に代表されるCAVEシューに加え、知名度の高い「東方Projectシリーズ(風神録以降)」、
商業化も果たした同人ゲーム「Crimson Clover」、「Graze Counter」、
海外制作ながら日本作品へのリスペクト溢れる「Danmaku Unlimitedシリーズ」など、名作が数多く揃っている。


主な弾幕系シューティング、関連作品

・縦スクロール弾幕系シューティング

怒首領蜂
怒首領蜂Ⅱ
怒首領蜂大往生
怒首領蜂大復活
怒首領蜂大復活ブラックレーベル
怒首領蜂最大往生
ケツイ 〜絆地獄たち〜
エスプレイド
エスプガルーダ
エスプガルーダⅡ
ぐわんげ
虫姫さま
虫姫さまふたり
鋳薔薇
ピンクスゥイーツ
むちむちポーク!
サイヴァリアシリーズ
式神の城
ギガウィング(※横画面縦スクロール)
MARSMATRIX(同上)
アカとブルー タイプレボリューション Ver.MAGIC SPICE
東方Project
西方Project
五月雨 ~samidare~
RefRain 〜prism memories〜
CrimzonClover
Graze Counter
らじおぞんで

・横スクロール弾幕系シューティング

プロギアの嵐
デススマイルズ
デススマイルズⅡ
赤い刀

・スマホ、タブレット向け作品

弾幕月曜日
弾幕月曜日黒
弾幕月曜日終章
弾幕デス
アカとブルー
Phoenix
Phoenix2
rRootage Online
.Decluster
Danmaku Unlimited
Danmaku Unlimited 2※Steam版も有り
Danmaku Unlimited 3※Steam版も有り
ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~※F2Pゲーム

・広義の弾幕シューティング

サマーカーニバル'92 烈火
バトルガレッガ
斑鳩

・関連作品

首領蜂
沙羅曼蛇
ガンフロンティア



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最終更新:2021年03月30日 03:46

*1 サマーカーニバル'92 烈火やバトルガレッガのメインプログラマーは同一。さらに怒首領蜂のメインプログラマーはバトルガレッガに影響を受けていることを公言している。

*2 ボムを持ったままミスをする事。