佐々木小次郎(剣豪)

登録日:2009/12/05 Sat 15:45:28
更新日:2025/05/05 Mon 04:16:59
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生年1565年~1612年没(正法寺の年表より。ただし正確ではないとする説もある)

安土桃山~江戸初期の剣豪で、北九州の生まれという説と福井生まれという説がある。
また山口県岩国市も生まれの候補地で資料が見つかっているとの事。

越前の国で鐘巻自斎に剣を学び、一乗滝で独自の剣術を編み出し、自ら『厳流』という流派を創始した。
自斎ではなく富田勢源に剣を学んだとする説もあるが、厳流島の決闘の際には鐘巻自斎説によるなら50歳、
富田勢源説によるなら70歳半ばとなるので、決闘をするには多少厳しいと思われる。
やがて細川家に仕えて、剣術師範となる。

その評判は天下無双と声高い物であったが、1612年4月13日に宮本武蔵の弟子達と小次郎の弟子達が『どちらが強いのか』という事で揉め、
これに決着を付けるべく厳流島で宮本武蔵と決闘して敗北し、命を落としたという。
この死については、決闘によって武蔵に殺されたとする説が一般的となっているが、
武蔵はトドメを刺さなかった、あるいは武蔵が「死んだ」と見なして立ち去ってから息を吹き返したものの、
武蔵の弟子によってトドメを刺されて死んだとする説など、死因や下手人について諸説ある。
なお、このときに小次郎は18才だったと後述の『二天記』は記している。

また、佐々木小次郎には妻がいてユキという名で当時懐妊中であった。
ユキはキリシタンの信者であった為、小次郎の遺髪を抱き、折柄厳しいキリスト教の禁令により多くの信者とともに、山陰の地に安全な居所を求めた。
ユキは山口県の正法寺に身を寄せ剃髪して尼となり、夫・小次郎の冥福を祈り菩提を弔うために墓を建て、その墓のすぐ下のお堂というか庵で一生を終えたという。
なお、我が子に対する因果応報の絆を断ち切るために、小次郎の名を「古志らう」と変えて墓に記したと言い伝えられている。

正法寺には、妻のユキが信じていたバテレン墓(いわゆる六角形の墓石)が小次郎の墓の上の段にある。
また、小次郎の墓と並んで佐々木姓の墓が多くあると共に、佐々木姓を名乗る家も地区内に数軒あり、小次郎の末裔とも言われている。



【厳流】
何といっても有名なのは「燕返し」だが、正式名称は「虎切/虎切剣(こせつ/こせつけん)」と言う剣法の型で、「燕返し」という名称は吉川英治の小説の設定である。

飛んでいた燕を斬り落としたという事から名前が付いた技で、三尺三寸(約1m)の長刀である通称・物干竿を用いる。
技の詳細には大きく三つの説がある。

①:振り降ろしたの背を地面に当て、反動で素早く斬り返す技。

②:腕を畳んで剣を振り降ろした後、踏み込みつつ腕を伸ばして下から斬り付ける技。

③:相手の剣を受け流しつつ背中に廻り、斬り付ける技。


厳流が失伝している為、どれが正しいのは不明。①か②が有力らしい。
ただし①は下手すれば刀が撓み長刀の命ともいえるバランスが崩れかねないが。

なお、この佐々木小次郎は非常に謎が多いことでも有名。
実のところ「佐々木小次郎」という名前であったかも不明であり、実在自体を怪しむ声もある。
例えば、宮本伊織が建立した小倉碑文には「長門舟島(厳流島)にて『岩流』と名のる剣客と決闘し、これに勝利する」としか書かれておらず、佐々木小次郎の名前は出ていない。
宮本武蔵と巌流島で戦った剣客が佐々木小次郎という名として出てくるのは、これから更に後年の1776年に細川家にて編纂された「二天記」からで、
宮本武蔵が生きていた頃からあまりにも年月が経ちすぎていることから、史実なのか創作なのか言い切れないのである。
他にも富田流伝記や沼田家記など、後世になってから佐々木小次郎が登場する書物は数多いが、「二天記」同様に信憑性に欠けている。

江戸時代の講談などで宮本武蔵の武勇伝がもてはやされ、それと共にライバルとして佐々木小次郎の名も売れた為、
錦帯橋などの佐々木小次郎絡みの史跡は、吉川英治などの後世になってからこじつけられたものがほとんどである。
また、佐々木小次郎のイメージである長身の美男子でド派手な羽織に前髪を垂らしたひっつめ髪に白い鉢巻などといった出で立ちは、吉川英治の小説の影響である。
ちなみに、江戸時代の絵本では宮本武蔵の方が美青年で、佐々木小次郎は髭だらけの豪傑風となっている。


【創作における佐々木小次郎】

  • 吉川英治の小説「宮本武蔵」
本作のラスボスで、上記の通りの美貌と長身を持つ前髪の剣士。宮本武蔵に輪をかけて我が強く、己が天下一と標榜してはばからない。
宮本武蔵を敵視しており、吉岡道場に一時期身を寄せており、一条寺下り松で吉岡一門が敗北した際には宮本武蔵の悪評を民衆にプロパガンダしていた。
短気で負けん気が強く、幼い頃には兄弟子に暴行を受けたのを怨み、木刀で殴り殺している。一時期は宮本武蔵の悪友である又八に名前を騙られていた。

  • ガンリュウ
本作の主人公。しかし10歳かそこらの少年であり、言われなければ絶対にそうは見えない外見。
師匠である鐘巻自斎の「ガンリュウ」の業を受け継いでいるため、基本的にガンリュウとしか呼ばれない。
大の大飯喰らいで超ド級のオープンスケベ(年上オンリー)で猪武者極まりない、既存の小次郎像とはかけ離れた人物。
必殺技は剣を振るい鎌鼬を飛ばす対火器用剣術「空牙」。
宮本武蔵との再戦を夢見ているが、他流剣術抹殺を志す柳生忍軍に命を狙われる。

戦国無双2』から登場。元々はNPCであるが、一部ゲームでは使用可能。
武蔵とは対照的に人の哀しみを断ち切るための「殺す剣」を求めている。

  • 龍が如く 見参!
武蔵の最大のライバルであり、外見は一般的なイメージに基づいたものだが、その正体はある意外な人物である。

武蔵に敗北し即死したはずであるが、鬼丸猛により復活し生前の美貌と剣才を取り戻し復活。
以降は佐々木小次郎(YAIBA)を参照。

  • 小次郎破妖録 エクスカリバー武芸帖
電撃文庫のライトノベルで、佐々木小次郎がエクスカリバーで西洋の魔物と戦う和風伝奇もの。

声はであるが実は女性。GUN道の達人でタクアンにも白星を収めている。
城取りの常習犯であり、同業者であるムサシからは蛇蝎の如く嫌われている。

吉川英治の小説を原作としているが、原作とは全く違って生まれながらの聾唖(聴覚障害・言語障害)を有した天真爛漫な性格で、知能は普通。
山育ちでムッツリしている宮本武蔵とは対照的に、海育ちでヘラヘラしている。伊藤一刀斎に師事し、小倉藩に召し抱えられる。

  • 刃牙道
武蔵と闘い敗れた男。武蔵曰く「全然覚えてない」。

アサシンのサーヴァントとして召喚された。
身の丈を超える長刀を携えた青年で、卓越した剣技と回避不能の魔剣「燕返し」を操る。

本当に珍しい事に老人の姿(髪型と服装はイメージ通り)で登場。人類代表の3番手として、ポセイドンと激突する。
今までのあらゆる敗戦を記憶し、次に負けぬよう徹底したイメージトレーニングによる「千手無双」の境地に達する。

武蔵の嫁。


【佐々木小次郎をモデルとしたキャラ】
十中八九、宮本武蔵をモデルとしたキャラがライバルまたは相方である。


なお、「佐々木」を表す手話は右手を右肩に運び斜め上に動かす動作であり、これは佐々木小次郎の物干し竿から取られている。



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