仮面ライダークウガ(漫画)

登録日:2018/12/04 Tue 13:32:57
更新日:2024/04/09 Tue 12:25:35
所要時間:約 18 分で読めます





伝説新生。

これは、“クウガ”という新しい物語―――――



『仮面ライダークウガ』は、2014年より小学館の「月刊ヒーローズ」で連載されている漫画作品。
既刊21巻。

【概要】

00年より約一年間放映された同名特撮番組のコミカライズ作品であり、形骸化したイメージが付いていた『仮面ライダー』を現代的な視点で描くとともに、20年の歴史を重ね、令和までのバトンタッチを繋げた平成ライダーシリーズの礎となった平成1号ライダーを、更に現代的な視点(2015年設定)により描いた意欲作である。

……尤も、当初は原作を平成ライダーファンの中でも賛否が分かれるエピソードも多く手掛け、当の『クウガ』ではあくまでも補助的な立ち位置にいた井上敏樹が原作担当であることや、更には白倉伸一郎までもが企画に名前を連ねたことから、元の番組ファンからは不安視される声も少なくなかった。

作画は『伴天連XX』等の作品を手掛けた横島一。
特徴的な絵柄に不満を漏らす声もあるものの、特撮では描けなかった漫画ならではの独創的で派手な表現を描けているのは素直に評価するべき。
こうした不安(不満)要素については連載が進むにつれて否定意見も減っていき、漫画版は漫画版で熱心なファンを生むほどにもなった。

また、暗すぎる部分もあるが特撮ドラマとしては煙たがられることもあった人間の汚さや暗さは特撮ドラマとしての『クウガ』にはそぐわなかっただろうが本作にはハマっており、原作再現に拘らない、別物は別物として見れる層からは普通に支持されるようになった。

ファンとしても大きく注目を集めることになったのが、元は続編企画からスタートしたパラレルワールドとも言われる『仮面ライダーアギト』とのクロスオーバーだが、実は両作品は原作の設定のままだと世界観の根底からして違う為に、本気でクロスオーバーさせるにはどちらかに片寄るしか無く、本作ではタイトル通りに『クウガ』寄りの世界の中でアギトが本来のクウガの様な立ち位置を担って登場している。また、仮面ライダーG3も登場予定した。

そのため、本作でのグロンギ族の宿敵はアギトであり、クウガは主役ではあるがイレギュラーな存在として設定されているのも特徴である。

なお、連載開始から5年経った2020年になってもドラゴンフォームが登場しなかった。その後登場はしたが、他のフォームと違い「アマゾンで身につけた」というざっくりした理由だったのもあって、ファンの間では語り草になっている。


【物語】

※以下はネタバレあり。

長野県九郎ヶ岳で見つかった古代遺跡で、日本の歴史上見られなかった系統の、奇妙な埋葬形態が発見された。
調査に向かった研究チームは、石棺の中からミイラを発見。

……その直後、棺が封じていた存在によって調査隊は皆殺しにされるのであった。

同じ頃、東京。
一条や杉田をはじめとした警視庁捜査一課の面々は、誘拐した人質を火薬で焼き殺す猟奇殺人犯ファイヤーワークスこと原田明の対応に当たっていた。

原田が新月の朔の夜に犯行を行っていることを見抜き、身柄を確保することに成功した一条。

……だが、この事件は偶然でありながら大いなる災厄の渦中へと一条を誘うことになった。

自分を搬送していた救急車を襲い、逃走した原田。
その報せを受けて原田を追った一条だったが、駆けつけた先で見たのは直前に先輩の豪田から応援を要請されていた新幹線での大量変死事件と同じく、肉体をドロドロに溶かされ、目の前で爆ぜるようにして死んだ原田と、その犯人と思わしき異形だった。

……法の番人として、世の中のある姿をあるがままに見るように心掛けてきた一条にとっても、理解の埒外となる怪物の存在。

しかし、その怪物に襲われた一条を救ったのもまた、別の異形であった。

そして、運命に導かれるようにして日本へと帰国した冒険好きの自称“夢追い人”の青年、五代雄介……。

新たな世界の五代と一条の邂逅により、再び伝説は疾走する。


【用語解説】


グロンギ
古代より蘇った、血を求め自ら異形と化して人外となった一族で、現代では未確認生命体のコードネームで呼ばれることになった。
戦いにより己を強くしていくことのみを至上の価値としており、人間を標的にした殺人ゲーム(ゲゲル)を行い、階級を上げていくことを目的としている。
原作版をモチーフにしつつも、二次元であることを活かした強烈なアレンジが加えられているのは漫画版の売りの一つであり注目。
霊石の母体に身を投じることで体内に霊石を預り変質するようだが、資格無き者は肉体が崩れて死ぬ。
グロンギ自体が信仰を受ける対象だったという記述もあり、現代でもドルドに従う者達は権力を得るために忠誠を誓っている。
階級も存在するが、個々の描写に時間を割いている影響か、原作版よりも登場人数が減らされている。
しかし、最下級の“ベ”集団まで登場するようになり、減った分は補われている様子。
個々の解説は後述。


リント
古代日本に存在していた平和を愛する民族で、グロンギに攻撃されていた。
……尤も、戦う力の無かったリントがグロンギに対抗し得る“戦士”として生み出したのがアギトであると云う。
元々はグロンギ(やアギト)を誕生させた霊石はリントが所有していたものだったらしい。
また、如何なる理由なのかクウガにも守られており、アギトは現代までに消え失せていたが、先代のクウガが自らを石棺に収めてまでグロンギを封印していた。


クウガ
九郎ヶ岳遺跡の石棺の中から蘇ったミイラが変身し、現代では雄介に引き継がれた強大な力を持つ異形の戦士。
強力な未確認生命体をも凌駕する力を持ち、戦況に応じて様々に姿を変化させる能力を持つ。
当初は体色が白く角も短かったが、一条に“正眼の構え”の極意を伝授された雄介により、記憶としても引き継がれた古代と同じ赤い戦士へと変身出来るようになった。
原作版と同じく未確認生命体4号と呼ばれる。
意志の力が覚醒を促すようで、体色が濃くなった時には更なる能力の強化を見せている。
また、飛行する敵に対して弓を使う緑の戦士が、強力な爆発力を持つ敵に対しては紫の戦士の姿へと変化した。青の戦士は、一瞬で青と金の戦士に変化した為、出番が少ない。
古代より未確認生命体=グロンギ族と戦ってきたらしいが、古代文字の碑文ではグロンギの内の反逆者であるらしいとの記述があり、メビオの非道に対して五代が怒った際にはグロンギ語を発している。
原作版よりも生物的なアレンジがされており、最大の特徴はベルトが無く霊石のみが腹に入っているということ。


アギト
今作では大勢の人間がさまざまな姿のアギトに変身するのが特徴。
古代の碑文ではリントの守護神として記されているグロンギの天敵。
グロンギを誕生させたのと同じ霊石により誕生するとされ、現代でもドルドに従う手の者達により収監されていた津上雪菜が霊石の母体の力を受けて、最初に異形へと変貌した。
グロンギと同じ起源を持つことや、リントの守護神と呼ばれる等、原作でのクウガの設定を引き継いでいる。
ドルドによれば、個体差はあるのだろうがグロンギの上位種といった位置付けらしい。
雪菜の死とともに弟の翔一に力が引き継がれている他、ドルドの手により他にも誕生した他のアギトも確認されている。
また、不完全体のアギトの一人は暴走の末に多数の被害をもたらしている。
その強大な能力はクウガである雄介をも驚かせる程のものだが、作中では不安を感じさせる暗い立ち位置に居る。
クウガ同様に原作版よりも生物的でベルトが無く、変身者の体型や性別、趣向に合わせてアレンジが効いた姿。
口(クラッシャー)の部分が大きく開くのも特徴。


【主な登場人物】

※原作となるTV版とは、一部を除いては別の印象を持たせたキャラクターデザインがされているのが特徴。

五代雄介
本作の主人公で、冒険好きの青年。
TV版と同じく24歳。
年代設定に伴い、肩書きが2015の技を持つ男へと更新されている。
ガタイの良い金髪カリアゲと見た目が大きく変えられており、当初は批判の声も大きかった。
夢追い人を自称する自由人だが、印象の軽さとは裏腹に全てに対して本気であり、桜子が拐われた事件を契機に未確認生命体との戦いに関わってゆく。
ヒマラヤで雪男に遭遇したことがあるらしい。
正義感が強く、人の笑顔を守るために謎の影(先代クウガ)の語る“苦しみ”を受け入れ、現代のクウガとなった。
当初は要領が解らず力の足りない白のクウガであったが、何かが足りないと悩む中で一条から“正眼の構え”の極意を授けられたことで、先代と同じ赤のクウガへと変身した。
東京では、原作版と同じくおやっさんの経営するポレポレで働いている。
メビオの人間体を見つけて保護して対話を図ろうとしたり、ガリマの人間体であるサチさんとの心の交流が描かれたりとエピソードが膨らまされている。
ノリの良さと強い善性は共通しているが、ある種超然的だった原作版よりも普通っぽい性格にされており、これは原作の五代雄介に魅力を感じられなかったと語っていた白倉Pの方針だと思われる。


一条薫
本作のもう一人の主人公で、漫画版では最初から警視庁捜査一課の一員として登場。
剣道の達人であることが強調されており、なんの偏見もなく水平に物事を見極めることを“正眼の構え”と称し、自らの行動理念としている。
未確認生命体の出現に際しては自身の常識が崩れそうになる程の衝撃を受けるが、杉田や笹山といった兼ねてからの理解者の他、何よりも五代という協力者を得て立ち向かっていく。
最初に先代クウガと遭遇したのは一条であり、高速道路の事件では先代クウガにより石を託されようとしたが、一条を守る何らかの存在の邪魔が入り未遂に終わっている。
新設された未確認生命体対策本部に志願するが、漫画版では上層部の思惑を含むキナ臭い組織となっており、榎田にも忠告されている。
原作版では肉親は母親だけになっていたが、漫画版では精神を病んで入院している妹の香里奈の存在が設定され、大きく物語に関わっている。


■沢渡桜子
城南大学考古学研究所の研究員で、雄介の気が置けない友人。
原作版と同じく古代文字の解読により未確認生命体との戦いを支えるが、原作よりも気が強く、怒らせると怖く、やる時はやるクールビューティーに。
ゴオマに拐われた際に噛まれているが、その毒に対する抗体を持っていたりと謎の伏線も。


■五代みのり
雄介の妹で、漫画版では北海道の叔父さんの家に世話になったままで東京におらずゲスト的な立ち位置。
雄介の変身を認められず、一時的に変身不能とさせる程のショックを与えてしまうが……。


■椿秀一
関東医大病院の医師で、警視庁の嘱託監察医。
一条とは大学時代からの親友。
見た目が大幅に普通になったが性格設定が変わらないのが面白い。


■杉田守道
警視庁捜査一課の刑事で、一条の先輩。
同じく、未確認生命体対策本部に志願する。
原作よりもワイルドな外見と性格に。


■笹山望見
一条に恋する警視庁総務課の婦警。
人付き合いの悪い一条にとっては気を許せる数少ない人間の一人で、やはり未確認生命体対策本部に参加する。


■榎田ひかり
自らを科学捜査研究所の“神”と称する傲岸不遜な女科学者。
漫画版ではマッドが入ったエロい姉さんに。
優等生の一条よりも問題児の駿河に近しい物を感じている。
4号(クウガ)の活躍に、4号と同じ機能を持つスーツを作ることを夢想する。


■駿河徹也
漫画版のオリジナルキャラクターで、一条の元相棒ながら、理念は対極にある危険人物。
原作版よりは普通とはいえ、一条以上の腕を持つハイスペック刑事で、戦いを求めて一時は警察を離れて傭兵稼業に就いていたが未確認生命体の出現を聞いて日本に帰って来た。
自らを「に愛された人間」と称し、実際に銃弾の雨に身を晒しても当たらないというどこかで聞いたような能力の持ち主。
一条からは、妹の誘拐事件に関連していると考えているバスジャック事件の際の行動から恨まれている(ただし、これは冤罪)。
雄介がクウガであることを早々に見抜いて接触するが、殴った際におかしな気配を感じとり雄介への干渉は止める等、勘も鋭い。
…が、アギトに変身したのを目撃した翔一については立て続けの不幸をも利用して、自分の手の内に置くために暗躍する。しかし翔一の度を過ぎた問題児ぶりに相当手を焼くことになる。
物語が進むと名刀を手にしてクウガ・G3と並んで生身で未確認と事を構えるという、漫画版の井上敏樹感ぶっ飛んでる部分を象徴する男。

名前の由来は恐らくアギトに登場した「沢木哲也」だと思われる。


■新谷ケイ
駿河同様に一時は警察を離れていた女刑事で、言動の一々がエロい。
駿河と行動を共にしているあたり、案の定の危険人物。


■津上雪菜
連続誘拐殺人により収監されていた音大生。
一条の妹の香里奈は、この事件の唯一の生き残りであった。
本人には殺人の記憶が無く混乱したまま裁かれたが、誘拐殺人その物は事実であった。
しかし、それは復活して回復が必要だったバルバに肉体の一部を植え付けられて操り人形とされた為だった。
ドルド達の実験によりアギトとなって刑務所を脱出して翔一と再会するが、記憶を取り戻して復讐の為にバルバに挑んだ所で再び操られ、事の真相を確かめる為にドルドの下へと使いに向かわされるが、そこで別のアギトに瀕死の重傷を負わされ、駆けつけた翔一にアギトの力を渡して死ぬ。
本人も不幸だが、翔一の不幸の原因ともなっている辺り、本当に救われない姉弟である。


津上翔一
唯一の家族である姉の雪菜が収監された後は、パン屋でバイトしながらひっそりと暮らしていた青年。
同姓の姉がいることも示すように、津上翔一の名はれっきとした本名な様子。
雄介と似た雰囲気を持ち、みのりは酔っ払っていたときに勘違いから翔一と出会い、雄介の優しさを思い出すことになった。
その後、連絡先も判らないのにみのりが借りっ放しになったバイクを返そうとしていた雄介と出会い意気投合するも、姉の雪菜との再会と死を初めとした不幸が重なる中で自暴自棄になり、一度は自殺までしてしまったが、彼を利用しようとしている駿河に救われる。
雄介やパン屋のおやっさん、そして、恋人となった本田絵美との出会いに光明を見出だそうとしているが……?
完全体でありながら腹の霊石に否定されていた雪菜より霊石を引き継ぎ、ドルドも認める完全なアギトとなるが、メンタル的な問題なのか漫画版ではそうなのか暴走したような状態にある。

根は優しいはずなのだが基本的に精神状態がよろしくないのも災いし、思い詰めて独断で動くたびに問題を起こし、
戦力としても基本戦いに不向きなのだがたまに強くなるという天性の問題児でトリックスター。
クウガと違ってアギトは井上白倉がメインスタッフだからってやりたい放題である。

音楽一家だったのか、姉と同じくピアノを嗜むらしい。
ちなみに、パン屋でバイトしているという設定は原典の第18話が元ネタである。


■本田絵美
漫画版のオリジナルキャラクターで、翔一が含む不在の間の臨時としてパン屋に雇われた。
翔一を励ましたい雄介やおやっさんにも快く協力してくれる気のいい娘で、明るい様子ながら過去には自殺未遂の経験もあるらしく、傷ついた翔一の救いとなり肉体関係も結ぶ。
……実は、過去の罪の揉み消しを条件に駿河に送り込まれており、怪物に変身した翔一に脅えて逃げ出そうとするも駿河に阻まれ、絵美は絵美で救いのない状況に陥っていく……。

■土倉さやか
地下アイドル「テルテルガールズ」のメンバーであるツインテールが特徴の少女。
語尾をしりとりにした奇妙な口調で話す。本名「高野玲子」。
幼少期に虐待を受けて以降、自衛の為に凶暴な人格「はるか」が発現し、危害を加えた人間を殺害していた。しかしながら、気の合う人間とは酒を飲み交わす事もあるようで、榎田とは意気投合していた。
はるかが表に出ていなくとも、残虐な性質は残っているのか、ジイノが連れている赤ん坊を殺そうとした事も。(一応、彼の泣き声が原因で危害を加えられた挙句にゲリラライブを邪魔されたので彼女なりの理屈は通っている。)
また、アギトの能力に覚醒しており、翔一アギトとの違いはクロスホーンがハート状で、爪が鋭い点である。


【グロンギ】


ラ・バルバ・デ
ゲゲルの管理を行う高位のグロンギ。
漫画版では最初からバルバの名が登場している。
九郎ヶ岳遺跡が発見される以前の二年前に復活を果たし、雪菜を傀儡として力を取り戻していたらしい。
潜伏の後、ズ集団を復活させて現代でのゲゲルを開始した。
漫画版では人間の文化を積極的に学んでいたり、違反者(ビラン)の捜索について堂々と一条の前に姿を表したりと行動がアグレッシブである。
ギノガの毒に苦しむ一条を救ったのも彼女。
記憶を読んだり、ゴオマを強化して暴走状態にさせる能力も見せる。


ズ・グムン・バ
劇中で最初に行動を開始したグロンギ。
新幹線の中で糸を吐き出し、そこから345人もの犠牲者の体組織を吸出して殺すという大量殺人を行う。それでどうしてズなんだ。
ミイラ状態のまま動き出した先代クウガにより倒された。


ズ・ゴオマ・グ
マゾ蝙蝠。
ヴァンパイアの様な特性が付加されており、桜子を含む女性達の血を吸って拐った。
被害者はゴオマの意志で動く傀儡となり、朝日を浴びると死んでしまうらしいが、抗体のある桜子には効かなかった。
雄介が白のクウガであったことと、朝が来た時間切れで逃げ延びたがバルバと性癖的な意味で主従の関係となる。
お仕置きは豪華な食事より気持ちいいらしい。
裏切り者となったガリマの刺客となることを願い出るも、力不足と判断され、バルバの手により強化体とさせられるも自我を失ってしまった。
そして、雄介との生活を守るために決心したガリマにバラバラに切り裂かれることに。


ズ・バヅー・バ
原作版と同じく、標的を高所に運んでから突き落とすゲゲルを行う。
脚が逆関節で昆虫型になる強烈なアレンジがされている。
圧倒的な機動力で白のクウガを余裕で降すが、赤のクウガから、更に能力を飛躍させた雄介にはさらに高く飛ばれ、全力の蹴りを打ち込まれて死亡する。


ズ・メビオ・ダ
原作版のワイルドな美女から暗い表情をした少女に。
自らの疾さに絶対の自信を持つ。
楽しいものが好きで、人間世界の遊びに興味を示す場面もあったが、ゲゲル以上の価値は見出だせなかった。
警察に傷を負わされた所を雄介に保護され、雄介やお節介焼きの気のいいホームレス達と交流するも、バルバにゲゲルの期限をせっつかれたこと等もあって再び殺人を再開。
手始めにホームレス達を虐殺したことは雄介にショックを与えた。
一条が持ち出してきたトライチェイサーを得たクウガからは自慢の足でも逃げられず、渾身の蹴りを受けることに。
……それでも、非情になりきれなかった雄介は急所を外していたためにそれでも生き延びたが、目を覚ました所でタイムリミットが来て自爆。
原作版を通じても、初めてゲゲルのタイムリミットが過ぎた場合を描かれたグロンギとなった。


メ・バヂス・バ
に交じって登場したの怪人。
当初は物静かな印象だったが、自らのゲゲルの段階で外道の本性を丸出しに。
原作の様に飛行能力を活かさなくなった代わりに、毒針が幾らでも射出可能に。
また、針の変形を利用して殺すことや高校生を標的にする等、ド外道として名高いヤマアラシのゲゲルの要素も持った演出となっている。
旺盛な食欲を見せる他、悪知恵も働き、いじめられっ子で世間を憎んで鬱屈して生きている春日久雄が殺したいと願っていた相手と、偶然に標的が重なったことに気付き、自分もへりくだった態度を見せることで、久雄に自分が望んだ相手を殺せると思い込ませて彼が増長していくのを楽しんで眺めていた。
「いい感じ」が口癖。
最後のターゲットに針を射ち込んだ後で飛行能力で戦闘から逃げ去り、ゲゲルの成功を目前としたが緑のクウガに撃ち抜かれて死亡。


メ・ガルメ・レ
原作版とは違い、最初からメとして登場。
人間の言葉に興味を持っているのは同じだが、漫画版では標的を選び、口喧嘩で言い負かしたら周囲の人間を殺すという方法で、言葉を利用してゲゲルを行った。
口喧嘩といっても一方的に罵倒して勝ちを宣言するという、強引なものなのだが……。
原作版よりもかなりパワーアップしており、舌の攻撃は勝手にゲゲルを行っていたズ・ザイン・ダを絞め殺すことが出来る程に強力で、姿を消す能力と合わせた格闘戦も脅威だった。
しかし、原作版同様に体組織から色を変化させる能力を特殊閃光弾で破られ、盾として変身能力を失った雄介を拐うも、そこに助けに入ったみのりに日本語には無いサノバビッチの罵倒を受け、悩んでいる内に口喧嘩にも敗北。
最後は、みのりに認められたことで変身することが出来た雄介に緑のクウガで仕留められる。


メ・ガドラ・ダ
原作版から更に武人としての設定を推し進めた結果、渋いオッサンに。
更には弱い人間相手のゲゲルには興味を持てず、かつての様に仲間で殺しあった時代を懐かしみ、実力者ながら仲間から離れて静かに暮らしていた。
しかし、その胸の内を理解するバルバによりゲゲルではなく好き勝手に虐殺を繰り広げるメ・ビラン・ギの始末を依頼される。
一度は逃げられるが、バルバより協力を依頼されていた一条の働きもあり、二度目の戦いでビランを始末することに成功。
……が、実際にはビランにやられて翔一が負傷したのを、ガドラの仕業だと勘違いした雪菜の変身したアギトの怒りの攻撃を受けて倒されてしまう。
ビランに主人を殺された子犬への思いやりといい、悪くないのに殺されたことを無念に思う読者も多数。


メ・ギノガ・デ
原作版はオカマチックだったが、漫画版ではノアを名乗る美形のストリートミュージシャンに扮して、虜となった女性達を愛を贈ると称して死のキスをしていた。結局、性別関係なくキスしてたが。
クウガをバルバに暴走させられた雪菜の変身したアギトの横槍もあって倒すことに成功する。
戦いで傷ついた後は原作版同様に死のキスを噴霧型の胞子とするまでに強化し一条をも被害に逢わせるが、霊石の力で復活したクウガに倒される。


メ・ギイガ・ギ
漫画版では地味キャラに悩む大男という、姿はだいぶマシだが印象が強烈なキャラクターに。
武器は原作版同様に爆発性の体液(墨)で、滑った身体もあって打撃が通じにくい。
目立ちたがり屋になるためにピエロから服を奪い、服から零れ落ちた50円玉のような金銭を綺麗と思ったこともあり芸を練習するように。
その中で、自分の芸を見ても金を払わない者を標的にすることを決めるが、ゲゲルよりも芸の練習に真剣になった結果、観客から歓声を貰えるまでのピエロに。
しかし、兼ねてからギイガを馬鹿にしており、自分よりも先にゲゲルを始めたことを快く思っていないメ・ギャリド・ギに常に邪魔されており、遂にはギイガを始末するべく現れたギャリドとの激闘に。
ギャリドは狙い通り、ホメオスタシスを利用してギイガの体温を上げて自滅させようとするが、漫画版ではメルトダウン寸前の怪獣王の如く暴走寸前のエネルギーで動くという能力が付加されており暴れまわる。
しかし、一条との剣道の特訓により紫のクウガを発現させた雄介は圧倒的な防御力と斬撃でギイガを切り裂き勝利するのだった。


メ・ガリマ・バ
原作版ではグロンギであることに誇りを持つ武人だったが、漫画版では人間の優しさを知ることでグロンギであることを悩む乙女に。
ゲゲルの実行を拒絶して逃げ出したところで雄介と全裸で出会い、雄介の名付けにより「幸子(サチさん)」を名前として交流を深めていく。
翔一と絵美も交え、四人で危うい幸せを享受していたが、自分を追う強化体ゴオマとの戦いの中で、望見に身辺を探らせていた一条と、変身を目撃した翔一に正体を知られてしまう。
それはそれとして雄介への恋心を自覚する等、すっかりとヒロインしていたが、グロンギに狙われるようになったのもあり袂を分かつことを決める。
……が、別れを終えた直後、アギト化の影響もあってヤンデレサイコパスと化していた翔一に襲われ、首を落とされ死亡(ただし実際には翔一に後を託して自死を選ぶという結末だったことが明らかになる)。
しかし、霊石が砕かれなかったためか消滅せず残った身体が警察に回収された後に再始動し、失った首を求めるかのように首狩り殺人を繰り返すことになる。
最終的に雄介に阻まれたことで成仏したかのように身体が消滅し、彼に新たな力(ライジングフォーム)を与えた。


ゴ・バダー・バ
漫画版では、いきなりのファーストプレイヤーとして出現。
クウガ同様に、裏切り者となったガリマを特別点として狙う。


ラ・ドルド・グ
バルバとは別に、何かしらの事を起こそうとしている。
刑務所に匿われる中で、所長の九窟を初めとしたグループを文字通りに傀儡としており、彼等を利用してゲゲルが開始されると同時に霊石の母体を発掘させる。
受刑者を利用した実験の中で雪菜がアギトになると、新たなゲゲルを計画する。
その目的は不明なれど、現在は他にも生み出したアギト等も連れて刑務所を後にしており、雪菜の力を引き継いだ翔一にも接触したりしている。


ゴ・ジイノ・ダ
超ひみつビデオからまさかの登場。
原作では媒体が媒体なのでネタキャラ扱いを受けてきたが、漫画版では4日で400人のゲゲルを試みる強キャラに。
普段はコンビニで働く寡黙な中年男性だが、店のトイレに捨てられていた赤ん坊を拾い、アカと名付けたその子の面倒を見ながら殺戮を行う。
アカを泣かせたリントをゲゲルの対象にする、アカの機嫌が直り眠りに就くとゲゲルを一旦止めるなど、父性とゴに恥じない強さを披露。
最終的にはゲゲル達成寸前まで至り、一条が見つけてきたアカの母親を最後の標的に定めるが、母に気づいたアカが泣き止んだことから自らの敗北を悟り、潔くアカを母親に返し自らは爆死。
最期までアカが健やかに育つよう願っていた。


ゴ・ガメゴ・レ
原作通り、ギャンブラーに擬態している。
賭博師故にトランプに纏わる歴史や神話上の偉人を尊敬しており、特に小柄な体で巨人を打ち倒したイスラエル王「ダビデ」を尊敬している。この為か力量を認めた戦士が現れると殺さずに見逃すといった行動が見られる。
小指で石を弾くだけで恐ろしい破壊力を生み出す怪力とタイタンソードを寄せ付けぬ装甲を誇るが、やはり金のクウガのライジングマイティキックに敗れた。

軍服の男
軍服を着た初老の男性。リーゼントのようにせり出した前髪が特徴的。
おそらくゴ集団。

頭巾の女
コブラのフードのような頭巾を被ったロングヘアの女性。
おそらくゴ集団。

パンクな男
ツンツン頭と刺々しい衣装が特徴的な男。
おそらくゴ集団。

強面の男
マッシブなボディとライオンのような顔付きが特徴的な男。頭巾の女、パンクな男と行動を共にしている。

帽子の男
帽子を被った鉤鼻の男で、サイコジェニーとか魔神柱に似た不気味な目が特徴的。



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最終更新:2024年04月09日 12:25