原石竜インペリアル・ドラゴン(遊戯王OCG)

登録日:2024/08/03 Sat 09:01:58
更新日:2024/09/02 Mon 11:59:10
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原石竜(げんせきりゅう)インペリアル・ドラゴン》とは、『遊戯王OCG』に存在するカードの1枚である。
「RAGE OF THE ABYSS」にて登場した。
決してトライピオを粉砕する激強ベイブレードでもインペリアルドラモンでもない
この項目では【原石】カード等の関連カードも扱う。


【性能】

効果モンスター
星6/地属性/ドラゴン族/攻2600/守 0
このカードは通常モンスター1体をリリースした場合のみ召喚できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手メインフェイズに、手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
「原石」モンスター1体の召喚を行う。
(2):このカードがアドバンス召喚した場合に発動できる。
以下の効果をそれぞれ適用する。
●相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
●種族か属性が、自分の墓地の通常モンスターのいずれかと同じとなる相手フィールドのモンスターを全て除外する。


【概要】

非常に高い攻撃力を持ちながらも、リリース素材さえあれば召喚権を使わず通常召喚出来る大型モンスター。
更に召喚に成功した場合に強力な効果を2つも使えるという破格の性能を持っている。
とはいえ一見「通常モンスターをリリースしてでしか召喚できない」永続効果のせいで現環境で活躍しているデッキには採用しにくい…と思われがちだが、実は遊戯王に通常モンスターというのは意外と多く、トークンや罠モンスターも該当する。
なので意外と出しやすい。

(1)の効果は2024年7月の時点では該当するモンスターはこのモンスターのみである為、相手ターンに半ば自分を出すための効果と見ていい。
通常召喚権を使わない通常召喚は《増殖するG》などの特殊召喚メタをスルーできる上に、出てくるだけで(2)の効果に繋げられる。
その(2)の効果だが、とにかくダイナミックと言わざるを得ない。
まずは「全ての表側表示モンスターの効果を無効化」。これで相手の計算は大いに狂うだろう。
そしてもう一つが「種族か属性が、自分の墓地の通常モンスターのいずれかと同じとなる相手フィールドのモンスターを全て除外する」というもの。
若干メタを読む必要があるが「種族か属性」のどちらかが一致すればいいので意外と当たりやすい。闇属性辺りを入れておけば特殊なデッキでない限り当たるだろう。

と単体でもかなり使いやすいモンスターであるが、下の原石サポートカードも使うと更に使いやすくなる。


【サポートカード】

  • 《原石の皇脈(こうみゃく)
永続魔法
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「原石の皇脈」以外の「原石」カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドの通常モンスター及び「原石」モンスターの攻撃力は、自分の墓地の通常モンスターの種類×300アップする。
(3):通常モンスターのカード名を1つ宣言して発動できる。
宣言した通常モンスター1体を自分の手札・デッキ・墓地から守備表示で特殊召喚する。
このターン、自分は特殊召喚されたフィールドのモンスターの効果を発動できない。

サーチ、展開、パンプアップの3つをこなす永続魔法カード。強いことしか書いてない。
デッキだけでなく、基本的に手札に来ちゃうと困る通常モンスターも特殊召喚できるのが強み。
最後の効果を使った場合は特殊召喚したモンスターの効果は発動できなくなるが、あくまでこの効果を使った後にその成約が課される。
また「発動」だけが無効化されるので、永続効果などはそのまま効果を有する上に、デメリットの発動を踏み倒すことも可能である。
そこまで考えなくとも展開し終えた後に何かしらの通常モンスターを出して、サーチした《原石竜インペリアル・ドラゴン》と共に相手ターンに備えるという動きも悪くない。
ちなみに「通常モンスター」であればどれだけレベルや攻撃力が高くても召喚できるので、強いカードを特殊召喚しリーサルに持ち込むことも可能である。

  • 《原石の号咆(ごうほう)
通常罠
(1):通常モンスターのカード名を1つ宣言して発動できる。
このターン、自分の宣言した通常モンスター及び自分の「原石」モンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、さらに宣言した通常モンスター1体を自分のデッキ・墓地から特殊召喚できる。
(2):相手ターンに墓地のこのカードを除外し、自分のフィールド・墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターより高い攻撃力を持つ相手フィールドのモンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る。

こちらも好きな通常モンスターを発表して発動するカード。
戦闘ダメージを0にするだけでなく、そのモンスターを特殊召喚することも可能。
…だが、特殊召喚効果を使う状況はかなりマズいと言わざるを得ない。
また破壊耐性はつかないので注意。できれば《原石の穿光》と一緒に使いたいところ。
ちなみにこちらは手札から召喚することは出来ないので注意しよう。

と、フィールドで発動する効果は使いづらいが、このカードの真価は(2)にある。
フィールド、墓地の通常モンスターを発表してより高い攻撃を持つ相手モンスターをコントロール奪取出来る効果である。
好きな性癖発表ドラゴン「NTR
更に「同じターンでどちらかしか使えない」と言った成約もない為、後一発で決まるというときにこのカードを発動されてリーサルを逃すだけでなくコントロールまで奪われてしまえば相手からしたら溜まったものではないだろう。
…とはいえ、コントロールはエンドフェイズまでなので何かしらのコストに使って除去というのは難しい。
うまく《禁じられた一滴》辺りでリリースできれば御の字だろうか。

  • 《原石の鳴獰(めいどう)
速攻魔法
(1):2000LPを払い、通常モンスターのカード名を1つ宣言して発動できる。
相手ターン終了時まで、自分の宣言した通常モンスター及び自分の「原石」モンスターは戦闘では破壊されない。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、さらに宣言した通常モンスター1体を自分のデッキから守備表示で特殊召喚できる。
(2):相手がモンスターを召喚した場合、墓地のこのカードを除外し、自分のフィールド・墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターより低い攻撃力を持つフィールドのモンスター1体を除外する。

こちらは速攻魔法。
《原石の号咆》と似たような効果であるが、(1)の効果は1ターン目でも使えることから、発動コストとして2000ライフ払う必要がある。また範囲は更に狭まりデッキから守備表示でしか特殊召喚できなくなっている。
(2)の効果は相手がモンスターを召喚した際に発動し、コントロール奪取ではなく除外となっている。
2000払って《千年原人》を出すことも可能。
罠故に遅いが効果は強い「号咆」と、いっその事素材を取るための「鳴獰」。
どちらを採用するかは好みでいいだろう。

  • 《原石の穿光(せんこう)
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「原石の穿光」以外の手札の「原石」カード1枚か通常モンスター1体を相手に見せ、フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる
(トークンを除く、通常モンスターまたはレベル5以上の「原石」モンスターが自分フィールドに存在する場合、見せずに発動する事もできる)。
対象のカードの効果を無効にし、除外する。
(2):自分フィールドに「原石」モンスターが存在する場合、自分メインフェイズに発動できる。
墓地のこのカードを自分フィールドにセットする。

速攻魔法その2。
手札にある「原石」カードか通常モンスターを見せて相手フィールドの表側カードの効果を無効化・除外できる妨害札。
既に自分フィールドにトークン以外の通常モンスターやインペリアル・ドラゴンが出ていれば手札を公開せずとも発動できるのでノーリスクで妨害を構えられる。
そして(2)の効果でインペリアル・ドラゴンが場にいる間、墓地にあるカードを再度セットできるため妨害能力を底上げできる。


4枚とも出張カードとしても優良である。
そして効果に「通常モンスター名の宣言」があるため、《原石竜インペリアル・ドラゴン》は「好きな通常モンスター発表ドラゴン」等と呼ばれている。本人にそんな効果無いのに…。

この4枚のうちどれかが出張して肝心の《原石竜インペリアル・ドラゴン》は採用されないなんてこともあるとか…。


【相性のいいカード、デッキ】

  • 《死神ブーメラン》
通常モンスター
星3/炎属性/悪魔族/攻1000/守400
ねらいを付けた標的をめがけてどこまでも飛んでゆく意志を持ったブーメラン。

急にわけのわからない、人によっては懐かしいバニラモンスターが出てきたかと思われるが、このカードの特徴は「通常モンスター唯一の炎属性・悪魔族」という点。
そう、【原石】が登場した2024年7月時点のトップ環境を走る【スネークアイ】【天盃龍】【炎王】【デモンスミス】等に対し、このカード(とインペリアル・ドラゴン)だけで「見る」*1ことが出来るのである。
更に攻撃力も1000と微妙な感じで、各原石カードのモンスター除去のトリガーに使いやすい。
単体では見るところが無いカードとも言えるが、【原石】においては通常モンスターというだけで使い勝手がある。最悪の場合通常召喚もできるのでもしかしたらその1000の攻撃力が役立つ日も来る…かもしれない。

ちなみに登場したのは第2期と古い。それ以降「バニラ、炎属性、悪魔族」の組み合わせが登場していない事は意外に思われる方もいるだろうか。
通常モンスターはこんな風に変な属性、種族の組み合わせのカードも多いため、【原石】の想定できるメタ範囲は非常に大きいと言える。そのカードを手に入れればの話だが…。
またその関係上、サイキック族幻竜族サイバース族、幻想魔族と言った後に追加された種族のカードは選択肢が狭まってしまう。
それらをメタるには少し工夫が必要である。
それと神属性、幻神獣族のバニラモンスターは存在しないのでこいつらが出てきたら《原石竜インペリアル・ドラゴン》では対処しづらいので流行らないことを願う注意しよう。創造神族もだけどあれは出たらもう負けなのでメタとかの問題じゃないし…。


  • 《エンジェル・トランペッター》
チューナー・通常モンスター
星4/地属性/植物族/攻1900/守1600
天使の様な美しい花。
絶えず侵入者を惑わす霧を生み出し、
聖なる獣たちが住まう森の最深部へ立ち入ることを許さない。

高いステータスを持つ上にチューナーという通常モンスター。
このカードと適当な星4モンスターで《魔螂ディアボランティス》をシンクロ召喚し、そこから《ゴキポール》を落として、その効果で更に通常モンスターをサーチ、相手を破壊して通常昆虫族を特殊召喚する動きをすれば、
そこからレベル12シンクロにつなげるもよし、原石カードの布石にするもよしと多方面での活躍が出来るだろう。
高い攻撃力が気になるという場合には《ライブラの魔法秤》もおすすめ。
そうでなくても通常モンスターであればチューナーも引っ張ることが出来るので、シンクロ主体のギミックも組み込みやすい。

2つとも通常モンスターが主体のデッキ。…というか通常モンスターに若干依存していると言ってもいい。
その為に通常モンスターを引き込める【原石】カードは渡りに船と言える。軍貫は艦だけに
逆に通常モンスターが余った場合にも《原石竜インペリアル・ドラゴン》のコストにできるという至れり尽くせり。

2つとも罠を主体とするデッキ。
だが、エルドリッチは「黄金郷の」が、蟲惑魔は《ホールティアの蟲惑魔》が発動後通常モンスターになるので《原石竜インペリアル・ドラゴン》を組み込みやすい。
出てくるモンスターの攻撃力も控えめの為、《原石の号咆》も使いやすい。
…だがそれらの罠カードはデッキ、手札、墓地では通常モンスターとして扱われないので若干取り扱い注意と言えるだろうか。特にモンスターカードの数が少なめのエルドリッチは採用枚数に気をつけたいところ。
蟲惑魔であれば地属性サポートや上記の《エンジェル・トランペッター》《魔螂ディアボランティス》と組み合わせられる可能性がある他、《墓穴ホール》で《灰流うらら》や後述の《刻印の調停者》を牽制することが出来る。

同じく「RAGE OF THE ABYSS」で登場したカテゴリ。
強力なメタルモンスターを出すためにはレベル5以上の悪魔族とかドラゴン族が必要だが、【原石】を使えばそのコストを楽に用意できるわけである。
それだけでなく《原石竜インペリアル・ドラゴン》の除去効果も使えるため、相手の妨害と除去を両方構えられる非常にシナジーのある組み合わせとなっている。
この関係上、メタル化の素材となる上に流行りの炎属性が見れる、炎属性ドラゴン族の《ヤマドラン》《レッド・ドラゴン》《ドラゴン・エッガー》が注目されたり、悪魔族レベル5で低ステータスという都合上《モリンフェン様》の採用も考えられたりしている。


【まとめ】

というわけで《原石竜インペリアル・ドラゴン》や【原石】カードのお陰で通常モンスターの価値が大幅に上がる事となった。
だけでなく、通常モンスターを主流としないデッキへ出張カードとしても入れられる良い塩梅のカードと言えよう。

また性能とは関係ないが、そのイラストも圧巻の一言。
非常に巨大なドラゴンが悠々と空を飛んでいるという威圧感抜群のイラストである。
そしてその「原石」という名前だが、かつて多く登場した名前を持つ通常ドラゴンを意識したものと思われる。原石のまま磨かないほうが強くなっちゃった
ちなみに「インペリアルトパーズ」という宝石も存在しており、彼本人も宝石竜と言えるだろうか。

なおコイツのお陰で今までのバニラだけでなく《刻印の調停者》とかいう超ドマイナーなカードが注目されている。
カード名を宣言するカードが発動した場合に手札から捨てる事で、そのカード名を上書きするというピンポイントな手札誘発カードである。
ステータスもレベル4、攻撃力1800と妥協点な上に取ってつけたようなものだが破壊効果もあるため、サイドに採用されるケースが増えるかもしれない。





追記修正は、好きな通常モンスターを発表してからお願いします。

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最終更新:2024年09月02日 11:59

*1 対処できる、有効打になりうる、という意味の非公式用語