ガナドゥール

登録日:2014/07/15 (火) 14:40:33
更新日:2022/06/16 Thu 23:37:38
所要時間:約 10 分で読めます





ガナドゥールはゲームスーパーロボット大戦シリーズ』に登場するオリジナルメカ。
初出は『スーパーロボット大戦D』で、同作のスーパー系主人公機。
後に『第2次スーパーロボット大戦OG』にも参戦。……と言っていいのだろうか、あれは;

メカニックデザインは大輪充氏。同氏は他のD主人公機のデザインも担当。


◆概要◆

分類:人型機動兵器
形式番号:AVX-03
全高:25.0 m
重量:28.0 t
動力:レース・アルカーナ
補助MMI:シュンパティア
所属:リ・テクノロジスト→ブルー・スウェア(D),鋼龍戦隊(第2次OG)
開発者:クリフォード・ガイギャクス(ドクトル・クリフ)
主なパイロット:ジョシュア・ラドクリフ(ジョッシュ)、クリアーナ・リムスカヤ(リム)

南極の古代遺跡『ファブラ・フォレース』を調査・分析し、超古代のロストテクノロジーの謎を解き明かそうとする研究・技術者集団
『リ・テクノロジスト』(身内のジョッシュから見てもおかしな連中が多いらしい)らの手によって開発された特機。
他のD主人公機と同様に遺跡から発掘された原理不明の永久機関『レース・アルカーナ』をジェネレーター代わりに機体を稼動させており、
機体コントロールに用いる補助的なマン・マシン・インターフェースとして『シュンパティア』を搭載している。

エール・シュヴァリアーと同系の淡いブルーを基調に補色関係のオレンジのパーツが要所に配されたカラーリング。
末端肥大なボディに肩や膝・翼・頭部のトサカなどの突起を多く生やしたアグレッシヴな佇まいが特徴。

…トサカ付きの青いメカということでバーザムのスーパーロボットアレンジ』と言う意見もある。


当初から戦闘用(D世界はインベーダーが至る所に蠢いている。自衛手段を持たずに僻地で研究など自殺行為。基本、シビアなのだ)
として設計されたため、探査用のマシンを急ごしらえで改修したエール・シュヴァリアーブランシュネージュよりも
実戦に即した強力なスーパーロボットとして完成している。

それでも基本はあくまで機体の稼動を通したオーパーツの解析のために使われていたが、
親父に騙されてどういう理屈で動いているかもわからない機体にモルモットとして乗せられていた上に
その実験のせいで妹が2人に増えてしまったことを知って逆上したジョッシュはリムを連れ家出、
以降は2人が身を寄せたリガ・ミリティアの戦力として運用されていくことになる。

つまりある意味ラドクリフ一家の家庭崩壊の元凶はこの機体(の中のシュンパティア)であり、
それ以降も謎めいた反応を戦闘中に示し、乗り手を過酷な運命へと導いていくヒロイックファンタジーの魔剣のような側面を度々見せている。
最終的にはその名の通りブルー・スウェアに勝利を齎したが、それは主人公にとっては苦いものであった。


武装面での特徴は、両肩部に内蔵された二基の特殊自立型兵器『フィガ』。イタリア語でマ●コって意味なんだけどまさかそれじゃねーよな!?
他にも多数の高威力火器を内蔵しており、戦闘力は高い。
しかし、その豊富な武装を運用するために機体は大型化を余儀なくされている。
同様の経緯で開発されたストレーガがあらゆる射程に対応したバランスの取れた武装を持つのに対し、
ガナドゥールの武装は近・中距離用のものに偏っている。


機体名はスペイン語で『勝利者』という意味を持つ。
本機が共闘するリガ・ミリティアが開発したのがヴィクトリーガンダムというのは面白い偶然。


ゲーム内ではスタート時に選択する4機の主人公機のひとつで系統はスーパー系。
Dではジョッシュとリムのどちらでも選択・搭乗可能だが、
ブルー主体のカラーリングからジョッシュの専用機と扱われる傾向が強い。

遠距離武器はやや貧弱だが近~中距離で使える強力なP属性兵器を多く持ち、
接近しての格闘戦で真価を発揮する。一方でスーパー系の宿命か、燃費は悪い。

HP・装甲・運動性共に中途半端な印象が強く、Dの難易度自体、敵の攻撃が熾烈なため単機突出は禁物。
特に防御の数値がかなり低いリムを主人公にした場合は相性が良くない。

一応切り払い/シールド防御を完備しているほか、特殊能力として『分身』を持っており、
気力が上がれば攻撃力のみならずサバイバビリティも大きく向上するので敵機のトドメは積極的に狙っていきたいところ。

何気に地形適応が優秀で、陸と宇宙が共にS。よって地上戦では地面に下ろした方が強い(空もAなので適正が低いわけでは無い)。
さらにアルティメットランサーとヒートダイヴは、武器地形適応がオールA。
ストレーガと違い、水中の敵にも単機で完全対応できる。

後継機フォルテギガス。この機体はガナドゥールとストレーガ合体機ゆえに
ストレーガ選択時も後継機は同じである。副主人公をリタイアさせずにゲームを進めると
合体後も分離してガナドゥールとして操作することができるようになる。

第2次スーパーロボット大戦OGでは、隠し機体として登場したフォルテギガスに追加された
2機に分離して攻撃する新技「コンビネーション・デュエル」で姿を拝める。操縦担当はジョッシュ。
ジョッシュとリムにはリアル系主人公機が宛てがわれ、フォルテギガスにも分離コマンドはないので、ユニットとしては使用できない。


◆武装◆
本作からの新システムで武器名は自由に変えられる。
ビームの刃を持つ武器が主体の武装体系は、本機の『フィガ』をそのまま携行武器として用いる後継機・フォルテギガスにも受け継がれる。


ジェノサイドクロー
シールドの発振器からビームの爪を発生させ、連続して敵機を掻き毟る。
威力はガナドゥールの武器では最低だが、消費ENが低い有射程P武器なので使用頻度は低くない。

…名前が酷い?なあに、竜馬inブラックゲッター「皆殺しにしてやるぜ!」ゲッタースパイクブレードの衝撃に比べたらリムの淹れたココアみたいなもんだぜ!!


エッジブラスター
両肩に仕込まれた発射口からエネルギービームを発射する。
唯一の長射程武器だが、最大射程や威力は物足りない。物凄く地味…だが、このビームエフェクトは
エッジブラスター以外の武器で見ることはできない貴重なものだったりする。
また、棒立ちではなくビームを出すときに大の字にボディを反らすようなタメの動作がきちんと入っている。


ファルシオンセイバー
ガナドゥールの主力武器。ビームで形成したナタ曲剣で、連続して敵を斬りつける。
斬りつける寸前までビームが待機状態になるという逆シャア時代のMSみたいな仕様になっている。
水平に斬りつける際、一瞬だけユニットの向きが後ろを向いて勢いをつけているように見せる演出が芸細。
射程は1固定で、コンボ対応武器。


アルティメットランサー
ジェノサイドクローのアッパーカットで敵機を上空にカチ上げた後、肩パーツを展開し、内部に収納されていたフィガ
(バーニアの付いたビーム短剣のような見た目をしている)を射出し、落下してくる相手を貫く。
戦闘アニメは格闘武器に見えるが、武器ステータス画面の通り射撃属性。
名前がえらく仰々しいから一体どんなスゲェ槍が出てくるかと思ったら
2個しかない上に下から飛んでって刺さるだけのしょっぼいファンネルみたいなのが出てきてプレイヤーをガックリさせる武器。
こんなんでも上から2番目の威力だし、合体後はフォルテギガスのほとんどの武装を司ってるんだけどね。


ヒートダイヴ
ガナドゥール単独の最強武器。全身を炎で包み、
頭部のトサカを前面に突き出して敵機めがけて何度もスーパー頭突き突撃を敢行する。
シメは相手が爆発するのでなく、黒煙を噴き出して黒焦げになるというレアなんだがスッキリしない演出が入る。
その姿を火の鳥に例える向きもあるが、大先輩のアカシックバスターファントムフェニックスと比べると華がないのは否めない。
射程は1固定。使用時はBGMが乗っているパイロットの処刑BGM(ジョッシュ=『Drumfire』リム=すぎたくんだいすきのテーマ『Duet』)に変更される。



オルタネイトデュエル
ストレーガとの合体攻撃。ストレーガがライトニングヴァイスで捕獲した敵機を空中に投げ飛ばし、
上空で待ち構えるガナドゥールがヒートダイヴを叩き込む天地を往来する雷火の競演。
使用時はBGMが乗っているパイロットの処刑BGMに変更。二機の必殺技の演出を同時に魅せると言うこともあり
戦闘アニメは当時にしてはかなり動くが、
消費ENが100と異常に高いのに威力が見合っておらず、更に射程も1固定と見料の高い魅せ技の域を出ていない。
終盤まで南極兄妹が揃っているなら、ラスボスのトドメにこれを使うのも一興か。
エール・シュヴァリアーブランシュネージュの合体攻撃も欲しかった…!

似たような扱いの技に姫騎士の『チェイサー・コンビネーション』がある。




★余談 WINNERS FOREVER〜勝利者よ〜★

その名と裏腹にガナドゥールは『エール・シュヴァリアーに敗れ去った機体』である。
Dでのパッケージイラストしかり、第2次OGのジョッシュ搭乗機しかり。
ゲーム内における本機の性能は『強い』と断言するにはやや微妙なのだが、
それをいうならエールも同様であるし(ちなみにガナドゥールとエールの運動性は5しか違わない)、
むしろ対空性能が充実している分ガナドゥールの方が使い易いくらいなのだ。

最大の原因となったのはやはり戦闘アニメの印象の差であろう。
要するに専用処刑BGM・『Drumfire』を流しつつエールが動きまくるバーストレイヴがブッちぎりでかっこよかったのである。
何せ他の主人公機のみならず、自身の後継機である青マンボウにすら印象で勝ってしまう程なのだ。
当時のエール選択プレイヤーは皆「この青マンボウに分離機能をつけてくれ!」
分離して兄妹仲良くオルタネイトデュエルなんぞかましてるフォルテギガスを横目で睨みながら叫んでいたのだから。
ついでに青マンボウは青マンボウで、フォルテギガスも真っ青の100m越えの全長を誇る化け物機体である
どっちがよりインパクトがあるかは最早語るまでもない。

しかし、OG参戦の際キャラクターイメージを確立するために原作であった自由度をある程度切り詰めねばならないのは
ひとつの宿命でもある。龍虎王に乗れなくなったα主人公sや、乗機がソウルゲイン固定になってしまったアクセルなど
例を挙げればキリが無い。原作ではどうだって、OGはOG。これからも個々の小さな思い入れを置き去りにして新たな道へと進化していくのだろう。

また、逆説的に今となってはイメージが固定化されてしまったからこそ、
あえてOGではオミットされてしまった組み合わせを選択し、現行作品との差異を味わうというプレイもまた楽しからずや。
…たまにはジョッシュをガナドゥールに乗せてDを最初からやってみてはいかがだろうか?無論リムでも可。





「ガナドゥール、やれるはずだ、オレとお前なら」

「いっけぇぇぇーっ!オルタネイトデュエル!!」






追記・修正はガナドゥールで真の勝利を掴んでからお願いします。

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最終更新:2022年06月16日 23:37