合体機

登録日:2011/06/22 Wed 21:53:07
更新日:2024/11/09 Sat 21:47:44
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街を荒らす巨大な敵。その圧倒的な力に絶望し、己の無力さを痛感する人々。


--その時だった。巨悪に今立ち向かおうとする機影が数機、陣形を組んで向かってきた。

そして、

合体だ!

その掛け声により次々と合体、巨大なロボットになったのだった。


このように、複数の機体が合体し、一つの機体になる彼ら彼女らは、合体機と呼ばれる、勇気と希望、そして可能性の結晶とも言うべき機体群である。



■さあ、合体だ!

まず、合体しないと話が始まらない。
ある者は叫び、ある者はレバーを引き、ある者はみんなと心を一つにする(オカルトだったりテンションの具合や同調率を測定したり)。
すると、それぞれの機体が集結!そして合体し、一つの機体になるのである。

この時の鉄と鉄がぶつかり合う音や、合体する際の変形等に心奪われる者は多数居る。


掛け声のバリエーションも千差万別で、

「よーし、合体だ!」

と、前述のようにストレートな物もあれば、

「チェェェンジゲッタアアアワンッ!!」

と、機体名を叫ぶ物もある。
例としてゲッターロボの掛け声を挙げたが、当然他にもあり、どれも搭乗者の熱い想いが込められている。
ストレートな物や叫ぶ物の他にも、何やら呪文のような物もあるが、何はともあれ合体すれば問題ない。

情報量が多すぎて毎回プログラム・ドライブするロボットも存在するが。 パリンッ



■合体時のスペック

合体した時のスペックは凄まじく、合体前の機体の能力を全部足すよりも明らかに強くなってる事が多い。
どうやら合体時の強さの計算には、足し算ではなく掛け算が適用されるようだ。どこぞのベジットもそんな感じである。
ただ、合体を封じられると一方的に不利になる事も。

合体前のスペックは合体後と比べて案外控え目な事が多く、敵との戦闘では比較的苦戦しがち。最初から合体しとけとか言わない。
それでも、現存している兵器と比べて高性能なのは確かなのである。
また、合体後とは違い運動性の上昇や小回りがきくようになる等の利点があり、複数機での包囲攻撃等のコンビネーションを見せてくれる。
時には敵の攻撃をかわす為に敢えて合体前に分離する事も(所謂オープンゲット)。
分離して戦ったら結構強く、敵から「五対一は卑怯だ」と抗議された『激走戦隊カーレンジャーという例も。
(これについて「一を五に分けただけだ」と主張するも味方からも卑怯という声が出たため合体した。ワンパーはどこへ?

また、何の手違いか、合体前も合体後もキチガイスペックな化物も存在する。
たかが合体前の機体がなんだと侮ると機銃やミサイルで蜂の巣にされるし、合体後にフルボッコが確定するのは明らかである。

某勇者王のように合体に命を懸ける(文字通り)ロボットも存在する。
その分合体時のスペックは桁違いである。




ここからはスーパーロボットとリアルロボットに別けて説明する。


◆スーパーロボット

大半がこのカテゴリーに入っている……と言っても過言ではない。
やはり、複数の機体が合体して巨大な機体が現れるのは見栄えが良いのだろうか。実際カッコイイから何ら問題ないが。
また、合体の仕方によって複数の機体バリエーションを持つ合体機も存在すれば、合体前の機体が複数の形態に変形する物も存在する。
兎に角、バリエーションが豊富なのは確かであり、如何にこの機体群が愛されているのかが良く分かる。
さらに、新たに機体が登場した場合、合体形態が増える事も。こうなってくると戦闘漫画の戦闘力インフレに近く、物語の終盤には最終形態がこれまでに出た機体の全部載せになる事も少なくはない。

特に戦隊ヒーローにも登場する機体は、前述の合体機のインフレが起こりやすい。
さらにこれらが玩具化した時、敵組織以外にもお父さんお母さん方が涙目になる。理由は察してほしいが、敵組織だけが涙目になって欲しい物である。
なお、最終形態の玩具は11月12月頃に出る傾向が強い。


◆リアルロボット

一方リアルロボットだが、スーパーロボットとは違いあまり登場しない。
と言うのも、構造が複雑になる分、生産性や整備性のどちらから見ても莫大なコストを要求することと、接合部の脆弱性を指摘されることから、ほとんど採用されないのである。それらの問題が出てこないスーパーロボットがいかに凄いことか。
これは似たような立場の可変機にも同じ事が言えるが、あちらの方が幾分マシである。

しかし、登場する作品は少なくとも、こちらもスーパーロボットとは負けじと劣らずの高性能な機体が多く、劇中で活躍している。
それでも高コスト故か、一機しか生産されず個人の専用機と化している事が多いが。

また、スーパーロボットのようなロボット同士の派手な合体は無くても支援機との合体なら割と多く見られる。
ただ、スーパーロボットのような合体とは違い、こちらは支援機を武装パーツの一つとして装着する(早い話、支援機を背負う感じで「換装」の意味合いが強い)事が多い。
脱出装置として小型メカが内蔵されていることも結構ある。これは「それ以外の大部分」が単体で運用できないことも多いが。


■主な合体方法

~小型メカが集まって~
戦隊ヒーロー、エルドランシリーズ等の合体機に多く見られる。
単体では人型にならない小型のメカが複数集まって、それぞれが腕、足、頭、等に変形、ドッキングすることで巨大な人型になる。
中には合体パターンを変更することで別物のロボットになる場合もある。(というか合体ロボの元祖がそのタイプ)


~1体のメカがコアになって~
勇者シリーズの主役機等に多く見られる。
主人公が搭乗、ないしは変身した小型ロボットが身体全体にパーツ(戦闘機、新幹線ドリル等)を身に纏い完成する。
この時、中心になる機体は人型のままコアになる場合もあれば、変形して表に見えるパーツになる場合もある。


~複数の変形メカが~
勇者シリーズの仲間ロボや、トランスフォーマー等に多く見られる。
単体で自動車や飛行機や新幹線等に変形できるロボット達が複数集まって、巨大な人型へと合体する。


~強化合体~
戦隊ヒーロー等に多く見られる。
機体に強化パーツとなるメカを装着合体した形態。名称は機体の名前の前にパーツの特徴を示す言葉が入る(ドリル、スカイ等)。
また、主人公や仲間ロボに追加メンバー(の機体)が合体する場合もあり、この時の名称は本来の名前の前に、「グレート」「スーパー」等を冠することが多い。

勇者シリーズでは前半の主役機と後半の主役機が合体する『グレート合体』がほぼお約束。
武装が増え、全体的に逞しい体つきになることが多い殆ど二次元の嘘で成り立っているが
初登場時は敵の集中砲火を浴びて爆炎に包まれ、煙の中から無傷で現れる展開もお馴染み。
また、後から登場した方のロボは1機としてカウントされていても、合体時には複数のパーツに分離し、先に登場していた方のロボがコアになって各パーツを装着する形で合体することも多い。この場合、合体ギミックとの兼ね合いから単独でロボやコアユニットに変形する際もパーツ単位で分離・再合体する場合がある。


スーパー戦隊シリーズでも1号ロボと2号ロボが合体する『スーパー合体』の他にも、手足のパーツを換装して武装を強化する『マルチ合体』、さらに大型の支援機・基地と合体し更なる巨大なロボになるパターン、そしてそれまでに登場した機体・ロボが合体して、全部載せの重戦車や巨大要塞のような姿になる『全合体』というパターンが見られる。
だが特撮では武装が極端に増えるとスーツアクターの人がマトモに動けないため、撮影時にスーツアクターが要らないような構造になる。



■創作物に登場する合体機

漫画・アニメ


特撮


ゲーム




■現実の合体機

一見荒唐無稽に見える合体機だが、現実にもいくつか存在する。

◆機関車
機関車は通常一両で列車を牽引するが、急勾配の区間等牽引力が欲しい時は、複数両(通常は2~3両)が合体して列車を牽引する「重連運転」を行う。
重連中は機関車同士が連携して作動するために、運転士が乗る機関車(本務機)がもう片方(補機)を重連総括制御装置…要するに「合体して2輌で1つの機関車になってる時用の操作系統」によって遠隔操作する形をとる。
この意味では構造上は2輌が背中合わせ・運用上や登録上は「2輌で1台」の国鉄EH10系やJR貨物EH510系・EH200系は「合体している状態の方が基本形態のメカ」と呼べるだろう。

◆自走砲
陸上自衛隊の99式自走155mmりゅう弾砲は給弾車と合体することで、本体の小型化と連続射撃時間の延長の両立に成功している。
遠距離から支援射撃を行う兵器なので、合体機構の脆弱性や小回りの利かなさはあまり問題にならず、むしろ運搬のし易さや弾切れになったら給弾車だけを交代させれば良い等のメリットが大きい。

◆トランスポーター
車両を遠隔地に輸送するために、海を渡る為に車両や船舶、航空機などの力を借りるのも広義の合体と言える。
これらは通常「積載」と呼ばれるが、他のメカと一体となり機能を補うという意味では一種の合体である。
戦車を鉄道に乗せて機動力を拡大する、輸送船に乗せて進めない川や海を進めさせるというのは最も身近な合体の一つであろう。

◆コンピュータ
複数のコンピュータを連動させ、情報の分散処理を行う運用法が存在するため、ネットワークに繋がれたコンピュータも合体機と見做すことができる。
合体の方式として「分散コンピューティング」「グリッドコンピューティング」等が存在する。
前者を利用したものとして、宇宙から飛来する電波から宇宙人の通信を探す「SETI@Home」が有名。



■玩具のみ合体機

模型メーカー青島文化教材社の「合体」シリーズでは第一弾のスーパーロボット マッハバロンから
果てはカウンタックまで本来そんな設定のない機体まで合体することと分離形態の奇怪な姿で有名。
これは元々、単価を低価格に抑えるために「分割」してバラ売りしたことに端を発する。
なので分離形態は 単純にバラしたパーツにオリジナルの機首やジェットエンジンや車輪を付けたもの が多い。
勿論合体するとオリジナルパーツが余るが、オリジナルパーツ同士で合体できるように設計されれていたため、お得感からなかなか好評だったようだ。
無敵超人ザンボット3など元の設定から合体システムがある場合は設定通りの分離形態を持つこともあるし違うこともあるのでご安心ください。



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最終更新:2024年11月09日 21:47