高橋良輔(アニメ監督)

登録日:2014/11/23 (日曜日) 23:05:50
更新日:2023/12/03 Sun 01:41:45
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高橋良輔とは日本のアニメ監督である。
東京都足立区出身、1943年1月11日生。80歳。

【経歴】
アニメ黎明期から活躍しており、機動戦士ガンダム等で有名な富野由悠季監督とは虫プロの同期にあたる(高橋のほうが若干入社が早いが)。
元々自動車販売会社の営業をしていたが、本人曰く急に飽きてしまい虫プロに入社。
その後、一旦はCM会社に入るが虫プロスタッフが創映社(現・サンライズ)を設立すると、第二作『ゼロテスター』で初監督を務めることになる。

アニメ業界では珍しい体育会系で元ヤンキー。
彼が監督したアニメにはヤンキー時代の経験が反映されている事もあるとか。
そのため当時のアニメ業界では富野とは違う意味で(おそらくストレートな意味で)恐れられていた(実際、『業界で怒らせてはならない三人』の一人に数えられている)。

作風は全体的に幅広く、
ロボットアニメから時代劇アニメ、果ては少女漫画アニメの小説版まで関わっていたりする。
といっても、同期の富野のように本人が直接ストーリーを考え現場を指揮するのではなく、
一緒に仕事をしているスタッフの意見を聞き、彼らを信頼し全てを任せているらしく、本人はあくまでスタッフが作ったアニメにちょっと手を加えている程度である。
そのため、監督というよりはご意見番と言った印象が強い。
その代わり、スタッフがスムーズに作品を作れるようプロデューサーと交渉したり飲みに誘ったりして交流を深めたりしているらしい。
彼と一緒に仕事をしたアニメスタッフは、『高橋塾出身』とあたかも門下生のように呼ばれ、彼を今でも慕っていたり、交流を深めていたりすることが多い。

高橋氏が数多く手がけた作品のなかでも、
特にロボットアニメの『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』は『ガンダム』シリーズほどではないにしろ玩具も作品人気も高く、
『ボトムズ』は現在でもOVAシリーズが作られており、根強い人気を獲得している。

とはいえ、彼は元々ロボットアニメはそれほど得意としていない。
寧ろロボットアニメは敬遠しており、アニメ業界自体も引退しようと思っていたものの、
虫プロ時代の先輩に当時大ヒットしていた富野監督のガンダムに対抗するようなロボットアニメを作って欲しいと言われアニメ業界に復帰。
『ダグラム』は、まさに富野アニメと反するような、地味すぎる作風からアニメファンからは受けが悪く、
当時『アニメック』というアニメ雑誌ではバッシングを受けたりした(ガンプラのスポンサーであるバンダイからのヤラセによるものという噂がある)が、
視聴率も高く、玩具とプラモデルの中間的商品『デュアルモデル』シリーズは当の子供たちやミリタリーファンからはガンプラブームも相まって人気を得て、
売れに売れて1年放送予定が75話まで延長され、大河ドラマ的作品となった。
その後、ダグラムの作風をより一層リアル風にした『ボトムズ』、『聖戦士ダンバイン』と別のアプローチを図ったSFファンタジーロボットアニメ『機甲界ガリアン』、
北斗の拳冷戦を舞台にした『蒼き流星SPTレイズナー』等を送り出し、
富野監督や『バイファム』『ドラグナー』などの神田武幸監督と共に、80年代のサンライズロボットアニメの功労者となる。

90年代に入ると、ロボットアニメ制作から退き、スタジオぎゃろっぷの社長とそこに参加していた虫プロ時代の友人に演出協力という形で作品に参加する。
(本人曰く、演出協力とは総監督みたいなものらしい)
90年代後半になると、『勇者王ガオガイガー』『ガサラキ』『FLAG』等のロボットアニメを制作、
他にも手塚治虫作品の『火の鳥』や『幕末機関説 いろはにほへと』などの幅広い作品を手掛けるようになる。


【ギミック】
ちなみに高橋はロボットアニメで新しいメカのギミックを作った人としても有名。
以下、その中の一部を紹介する。

『ボトムズ』に登場する、ル・シャッコの駆るAT・ベルゼルガの接近戦用武装。
これ見よがしに杭である。ダメージも強烈、つか当たるとパイロットが即死。
高橋監督が構成した『機甲猟兵メロウリンク』にも、これに似た装備『対ATライフル』というATに乗ることが許されない最低野郎の装備が登場する。

  • ローラーダッシュ
ロボットの足裏にホイールがついておりロボットが滑走させることができる。
初出は『ボトムズ』で、まさに最低野郎の棺桶・ATの象徴のような存在。
元は前作ダグラムが全体的にロボットの動きが鈍かったので、
『どうやれば格好よく動くことができるのか?』という考えから生み出されたもの。
ボトムズ以外ではガリアン、レイズナー、監督こそ異なるが高橋門下生の谷口悟朗監督の『コードギアス 反逆のルルーシュ』にもナイトメアフレームの装備として登場している。
(ちなみに谷口監督は『ガオガイガー』『ガサラキ』で一緒に仕事をして以来、師弟に近い関係にあたる)

剣がワイヤーに繋がれており、状況に応じて鞭のように変形する。
学生時代喧嘩で仲間が自転車のチェーンに刃物をつけた武器を持ってきたことが由来らしい…ヤンキー恐ろしや。
この蛇腹剣は『ガリアン』が初出で、ガリアン自体はヒットしなかったものの、
後に3D対戦格闘ゲーム『ソウルキャリバー』シリーズなど、様々な作品で使われている。一部の作品ではそのまんまガリアンソードとも。

  • 片眼鏡型スコープ
名前の通りパイロットが見るスコープを片眼鏡式にしたもの。
特に関係はないが、後にドラゴンボールのスカウターで有名になる。
初出は『ダグラム』。

  • V-MAX
『レイズナー』に登場したレイズナーの緊急脱出装置。
高橋氏にとって末期的なアイデアだったらしい。
これが発動した時に流れるBGMも相まって強烈な印象を残した。


【主な参加作品】※特に記述がない物は監督


この他にもクレジットはされてないものの、ぎゃろっぷ制作のこちら葛飾区亀有公園前派出所遊戯王デュエルモンスターズはサンライズ出身の高松信司と杉島邦久が監督を務めている。
これは高橋監督が両名をぎゃろっぷに紹介したため。
また、『GEAR戦士電童』で時折現れる筆文字演出や『コードギアス 反逆のルルーシュ』の劇中に登場する掛け軸の題字を提供したり、ととにかく人脈を大事にする人である。

また富野監督同様、高橋監督も小説や作詞を作ることが多いが、
その中でも『ボトムズ』の主題歌「炎のさだめ」は、今でもファンに語りつがれるほどむせる詩である。
また、高橋監督直筆による『ボトムズ』各回のむせる次回予告も有名。



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最終更新:2023年12月03日 01:41