キン肉マン消しゴム

登録日:2022/10/04 (火曜日) 00:57:54
更新日:2025/03/11 Tue 21:50:50
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濱口「(キン消しは)カプセルに入ってたのよ。
ほんなら、ここの手がいつも反り曲がってたのよ。
それをお湯に入れて戻すねん」

有野「お湯入れたら戻んの?」

濱口「でも、あんまり鍋を熱し過ぎると、
鍋の底にケツとかが付いて融けてまいよんねん。
あれショックやったな~。あれショックやったな?」

有野「知らん…」


キン消しとは、漫画キン肉マン』に登場したキャラクターを象った塩ビ製のフィギュア、及びその通称(後述)。


概要

のっけから何だが、「消しゴム」とは呼ばれているものの、素材が前述の通りゴムではないため当然ながら文房具の消しゴムとして使うことはできない。
「これは文房具でーす」と言い張って学校に持ち込む大義名分は立つが
要するにいわゆる「スーパーカー消しゴム」と同じようなもの。後述するが、原型師さんはそちらと同じ人である。

『キン肉マン』のアニメ放送に伴って販売され、総数は正規レギュラーシリーズはパート1からパート30までで実に418種類にのぼる。
ラインナップはキン肉マンをはじめとするレギュラーキャラクターだけでなく、漫画には登場しなかったが扉絵で紹介された応募超人アニメオリジナルエピソードや劇場版に登場したキャラクター、果ては1コマ程度しか出てこなかったマニアックなキャラまで多岐に亘る。

1983年から1987年まで、バンダイ(当時。以下同)からガシャポンで販売されていた。
大きさは約4㎝ほど、値段は100円でカプセル1つにつき3個入り。
色はペールオレンジ、赤、青、黄、オレンジのいずれか一色。
ただし、中にはクリア素材製のものやラメ入りのものがあり、金色や黒などのバージョンも存在している模様。

実は「キン肉マン消しゴム/キン消し」とは通称に過ぎず、正式名称ではない。
実際、正規レギュラーシリーズ販売時、バンダイは「塩ビ人形」と表記して販売していた。
「キン消し」という名前が商品名に用いられたのは2004年のゲーム予約特典用に制作された「キン消しⅡ世Ver.」から。
現在では「キンケシ」という名称で商標登録されている。

その人気

83年から87年の正規レギュラーシリーズだけで1億8000個も売り上げた*1ほどの大ヒット商品になった。

なお、時代というか、現在ではこのようなグッズは作者や版元のチェックが入って当然だが、作者のゆでたまごは、当時版権絡みのあれこれを全て集英社任せにしており、グッズが販売される事など話すらされていなかったという。
そのため、ある日買い物に出掛けた時に子供が行列していて、何だろうと思って見てみたら何と自分の漫画のグッズだったので驚いたそうな。
さらにはあまりの人気ゆえ、キャラクターグッズながら『キン消し子守唄』なるテーマソングまで作られた。ネタ曲と侮るなかれ、郷愁を誘うような歌詞とメロディーで構成されたなかなかの良曲である。

コレクターズアイテムとしても非常に人気が高く、高いものでは一個数万円相当のプレミアものもあり、元が3つで100円だったとは思えないほど。
人気商品故に当然偽物も多く出回っているが、本物との見分け方は背中に刻印が入っているかどうか
本物には背中に「Y/S.N.T.B*2」の刻印が入っており、わりと簡単に見分ける事はできる。
ただし、復刻版などには刻印が無いものも含まれているようなので、当てはまるからといってコピー商品だと決めつけるのは待った方がいいかもしれない。
あとジャンボ人形とか

余談

キン消しの多くが両手を広げたポーズを取っている理由は、メインユーザーである子供たちは力加減がうまくできず遊び方が激しいため、壊れないようにある程度の強度を持たせる必要があり、また成型後に一発で型抜きできるこの形が理想的だから、との事。

現在、主に「キン消し」として扱われるのは上記の正規レギュラーシリーズとそれに連なるシリーズだが、バンダイから別シリーズが販売されているほか、他メーカーからも似たような商品が販売されており、それらも「キン消し」と呼ばれる事がある。
原型師は「スーパーカー消しゴム」を手掛けた方で、全て一人で制作しており、原作漫画を見ながら正面と背面のシーンを探して試行錯誤しつつ作っていたという。
一度会った事のあるゆでたまご嶋田氏によると、原型は1日に1種作るのが精一杯だったとか。
ちなみに、2017年以降に原型を制作しているのは初代の方の息子さんである。キン肉マンⅡ世ならぬ原型師Ⅱ世。

また同年には『キン肉マン 完璧超人始祖編』のヒットを受けて30年ぶりに新規造形で復活
発売の間隔がかなりまちまちなものの、現在も継続して発売されている。

■ラインナップ

◆正規レギュラーシリーズ(全418種)
































◆王位争奪編(全36種)
『王位争奪編』のテレビアニメ開始に伴って発売されたシリーズ。全弾共通で12種ずつ。
残念ながら前シリーズのような人気は出ず、パート3で終了となった。
パート3はかなり生産数が少なく、コンプリートの壁になっていてプレミアも多くついている。





◆キンケシシリーズ
2017年に新規造形で復活した新シリーズ。
かつての「必殺技シリーズ」も「ワザケシ」として登場しており、ワザケシは通常のものに比べてカプセルが大きい。
メモリアルシーンを再現した「メモケシ」というバージョンもある。
色はペールオレンジ、青、赤の三種類のほか、キン消し初のフルカラー仕様が導入された。

色がクリアバージョンと緑の「SP」という復刻版シリーズもある。


























◆キンケシプレミアム
新シリーズのプレミアムバンダイ限定販売セット。
基本的なものはペールオレンジのみだが、特定の派閥の超人を再録した「The BEST」は特別なカラーリングが採用されている。
Vol.5ではある意味伝説となった“あの超人”がついに…。






















◆ワザケシプレミアム
ワザケシのプレミアムバンダイ限定販売セット。
こちらは10人セットで5つの技が収録されている。




◆キンケシフルカラープレミアム
キンケシフルカラーのプレミアムバンダイ限定セット。









◆ダイキャストキンケシ
読んで字のごとくダイキャスト製のキンケシ。「消し」成分は完全に消滅した。
表面はメッキ処理が施されており、金メッキと銀メッキの2種類が用意されている。
公式が「キンケシが到達した究極の形!」と称するだけあってその質感・重量感はさながら小さなトロフィー












◆キンケシフルアクションスペシャル
キンケシの誕生から40年目にして初の可動するキンケシシリーズ。
関節部など14箇所が可動し、様々なポーズを取らせることが可能。
カラーリングはペールオレンジとグレーの2種で、全種に平手・握り手のハンドパーツ2種に加えてそれぞれに劇中再現用のエクストラパーツが付属する。








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最終更新:2025年03月11日 21:50

*1 つまり日本人ほぼ全員が1個は持っていた計算になる。

*2 「ゆでたまご」「集英社」「NTV(日本テレビ)」「東映動画」「バンダイ」をそれぞれ意味する。