ネメシス(FE)

登録日:2021/06/22 Tue 08:50:40
更新日:2024/11/06 Wed 11:49:40
所要時間:約 7 分で読めます






我ガ名ハ、ネメシス。世ニ"解放王"ト称エラレシ英雄ノ中ノ英雄ゾ。




出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

概要

『ネメシス』とは『ファイアーエムブレム 風花雪月』の登場人物であり同盟ルートにおけるラスボス

CV:楠見尚己

フォドラ大陸の国教たる『セイロス聖教会』に伝わる伝説の英雄。
『解放王』の異名を持ち、女神ソティスから『天帝の剣』と『炎の紋章』を授かり、配下のフォドラ十傑と共に邪神と戦ったと言われる。
しかし邪神討伐後、私欲に溺れ大陸全土を支配しようと手を伸ばす。
……が、その最中フォドラ十傑と決裂。国を巻き込んで同士討ちを始め、弱き者にすら神器で討ち取る様になってしまう。

それを嘆いた女神は聖者セイロスを派遣。
セイロスはセイロス教を作りアドラステア帝国を建国させ、仲間の聖人と共にネメシスと争い始める。
この戦争は約100年続き、タルティーン平原にてセイロスとの一騎打ちで敗れて死亡した。これがOPムービーで描かれている出来事である。

ネメシスは100年以上生きていたのにもかかわらず子を成さなかったらしく、炎の紋章を持つ者は後世で確認できない。……主人公が現れるまでは。










……というのがフォドラの民が信じている伝承だが真相は大きく異なる。

元々ネメシスは盗賊の首領に過ぎなかった。
しかし『闇に蠢く者』から竜への変身能力を持つ女神の眷属の遺体を強力な武器に加工できる技術を教えられ、神祖が眠る聖墓を暴き、血と骨と心臓を強奪した。
そして骨から『天帝の剣』心臓から『紋章石』血から『炎の紋章』を作り出した。
その力を持って女神の眷属が住むザナドを襲撃し女神の眷属たちを皆殺しにしていった――

『天帝の剣』を手に入れるだけならまだしも何故虐殺までするのかは本編中では不明。
「偽りの支配から解放する」と『解放王』を名乗っていたようなので女神の眷属による統治に何かしら不満があったのかもしれない。
ISの草木原氏はインタビューにて「力を手に入れた事でより力を求めて、竜を殺し素材を剥ぎ、さらなる強い武器を作っていった」と答えている。モンハン気分だったらしい。

こうして得た遺体を用い、骨から作ったのちに『英雄の遺産』と呼ばれることになる神器を、同じく血を飲み紋章を得た人間に与えた。それがフォドラ十傑である。
ただしフォドラ十傑は神器の成り立ちやネメシスとセイロスの関係を知らない事、
ネメシスはフォドラ十傑の事を「英雄ノ血ヲ宿ス手下」と言っている事から、ネメシスは「英雄の血」と称して竜の血と神器を託したと思われる。
そして力を手にしたネメシスとフォドラ十傑はその力を使いフォドラを統一しようとする。

セイロスと四聖人はこの虐殺から生き残った女神の眷属であり、ネメシスに復讐するために自ら血を人間に飲ませ『神聖武器』を作り戦争を仕掛けたのだ。
最終的にはタルティーン平原にてセイロスのステゴロ戦法に敗れ死亡。『天帝の剣』は回収されセイロス聖教会に保管された。

セイロスたちはその後『セイロス聖教会』に都合のいいように歴史を改竄する事になるが、
事情を知らない一般人からするとネメシスとフォドラ十傑は普通の英雄に過ぎなかったので、民衆の声を無視して極悪人に改竄する事までは出来なかった。
さらに周辺に敵国の多いフォドラを防衛するため、紋章とを有効活用する方向へと舵を切る(十傑は処刑しその子孫を王族・貴族として優遇)
結果、セイロスたちは同胞の仇であるネメシスとフォドラ十傑を英雄として持ち上げるという苦渋の改竄を行う事になったのである。
この改竄のためネメシスが元は盗賊の虐殺犯だという事は女神の眷属と闇に蠢く者達しか知らず、エーデルガルトすらネメシスの詳細は知らない。「力ある王」くらいの認識である。


またセイロスたちは一介の盗賊が大それた事が出来るはずがないと考え、ネメシスを唆した協力者を徹底的に探したがついぞ見つける事が出来なかった。
裏にいたのが闇に蠢く者だとセイロスたちが知るのはそれから1000年先の本編になってからである。


本編では偽りの伝承でしか語られず、本人の出番自体も少ないため外道と言う事くらいしか判明しなかったが、後述のヒーローズでは本人の性格の掘り下げが行われている。
力こそ全て」を信条とする魔女セリカ様邪神ドーマ様タイプ。
退屈を毛嫌いし争いを好む。その一方で力ある者は素直に賞賛し従ってくれる覇王である。
また後述の通り1000年もの間眠っていたので夜になってもなかなか眠れず困っているというお茶目さもある。


人間以上の力を持つ女神の眷属を虐殺しただけあって戦闘力も桁違い。
数多くの武勇伝を持つ勇将ホルストを歯牙にもかけず重傷を負わせ、フォドラ十傑の護りを打ち破ってなお主人公とクロードが二人がかりでようやく倒せるほどの猛者。
『天帝の剣』を持っていた時に山一つ斬ったという伝説まであるネメシスを一騎打ちで倒したセイロスの異常さをも間接的に引き立てている。



本編

上記の経緯で死んだネメシスであったが、いつの間にか闇に蠢く者がその遺体を確保していた(ついでに十傑も)。
さらに神祖の血を取り込んだネメシスの生命力は驚異的であり、1000年間の間に蘇生する事に成功(十傑は体は蘇生しても意識は蘇生できていないため、神祖の凄さが分かる)。
同盟ルートの場合、闇に蠢く者の本拠地であるシャンバラに向けてタレスが『光の杭』を使用。それによって長きに渡る眠りから目覚める。

眠りから目覚めたネメシスの目的はただ一つ。宿敵セイロスを討ち取る事――


性能

同盟ルートではラスボスとして登場する。クラスは『解放王』。

LV:60
HP:107 (全難度共通)
力:37+30 (難易度ノーマル・十傑全員生存時)
魔力:11+30 (〃)
技:35+30 (〃)
速さ:21+30 (〃)
幸運:25+30 (〃)
守備:46+30 (〃)
魔防:42+30 (〃)
魅力:22+30 (〃)

武器に『天帝の闇剣』を持っている。
個人スキルは戦場に十傑がいる時、十傑1体につき全能力+3、かつ1ターンに1回だけ攻撃を無効化する『伝説の剛王』
紋章は稀に与えたダメージの30%回復、極稀に威力上昇・敵の反撃不可にする『炎の紋章』*1
ボスとして当然ながら大将星や応撃を備えているほか、天帝の闇剣の専用戦技「崩天」も積極的に使用してくる。

一緒に出撃する十傑とは魔道の力で結ばれており、ネメシスを強化するうえ攻撃を一回無効化までしてくる。
十傑全員生存時ではノーマルでさえ攻撃94・攻速51・防御79・耐魔72というバケモノとなる。これと戦って瀕死で済むホルストもバケモノである
なのでまずは十傑を始末しないとお話にならない。

またはじめは砦に陣取っているが、一度戦闘すると移動するようになる。
回復や回避・防御上昇効果がなくなり倒しやすくなるのはよいが、こいつを野放しにすると狂王を彷彿とさせる大惨事になりかねない。
あちらと違い移動力が低いのが救いか。
というわけで近くにある弓砲台や投石機でちょっかいを出し、砦から出たところを1ターンで始末するのが定石。
全ルートのラスボスで唯一魔獣ではないため、スキル「蛇毒」*2がかなり有効というのも弱点。
投石や計略は応撃の対象外なので、当たりさえすればステータスに関係なく一定のダメージを与えられる。

ちなみに攻撃面のステータスは難度によって順当に上昇するが、実は耐久面だけはどの難度もあまり変わらない。(HPは共通、守備と魔防はハードとルナで+5)
ルナティックで終章までたどり着き、十傑も始末した歴戦のエムブレマー先生にとってはまな板の鯉でしかないが、
難度ノーマルやハードでヒイコラ言ってたどりつくと攻撃を通せて反撃に耐えられるユニットがほとんどいなくて大苦戦という場合も。
まあルートの関係上ルナで半分くらいは軽く持って行けるリシテアがいるおかげで、ほか全員で半分くらい削れば勝てる。


台詞

  • セイロス……! 殺ス……! 邪魔ヲスルナ!
  • ソノ剣…… オヌシ、我ト同ジ炎ノ紋章ヲ宿スカ……。
  • 群ガル事デシカ……戦エヌ弱キ者ドモヨ!
  • コノ世界モワレガ解放シテヤロウゾ。
  • 退屈ハ好カヌ……サッサト、ワレヲ戦ニ出スガヨイ。コノ剣デ他国ヲ切リ取ッテミセヨウゾ。
  • 長ク眠ッテイタセイカ、夜ガ更ケテモ、ナカナカ寝ツケヌ。ザット千年以上ハ寝テイタユエナ……。
  • ワレニハ英雄ノ血ヲ宿ス手下タチガイタ……ウヌノ道具デ呼ビ出セヌノカ?
  • エクラ、カ。ナニ、遠慮ハ無用ゾ。ウヌノオ陰デワレモ退屈セズニ済ンデオル。
    ウヌラノ器ガ矮小デアレバ、スグニデモ斬ッテ捨テ、コノ国ヲ貰オウト思ウテオッタガ……。ドウヤラ、ソレニハ及バヌヨウダ。
    ウヌワ紛ウコトナキ強者。我ガチカラ、好キニ使ウガヨイ。継ぎ人ノ世ハ、チカラコソスベテ……弱キ者ハ淘汰サレ、強キ者ガ世ヲ統ベル。コレガ理トイウモノ……。
    ワレラノチカラアラバ、コノ世界ヲ統ベルコトモ容易カロウ。楽シミナコトダ……フハハハ。



退屈ハ好カヌ…サッサト、ワレヲ戦ニ出スガヨイ。

コノ剣デ他国ヲ切リ取ッテミセヨウゾ。



出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ヒーローズには2020年10月に大英雄戦に登場。イラストは藤坂公彦氏。
赤属性の剣・歩行ユニット。
ネタバレは伏せられており、シャロンの英雄紹介でも表向きの歴史の紹介がされてる。
大英雄での配布だったが、現在では聖杯と交換で入手できる。
やはりここでもセイロスを目の敵にしているが、後に実装されたセイロスは青マムクートなので赤剣士であるネメシスでは勝てないようになっている。

武器スキルは『天帝の闇剣』
守備+3
戦闘中、攻撃、守備がHPが90%以上の味方の数×2だけ上昇
受けた範囲奥義のダメージと、戦闘中に攻撃を受けた時のダメージをHPが90%以上の味方の数×15%軽減する。
(最大45%)(巨影の範囲奥義を除く)
(各自軍ターン、各敵軍ターンそれぞれについて、このスキルの所持者の最初の戦闘のみ)

Bスキルはターン開始時、敵軍内で最も攻撃が高い敵の攻撃-7『攻撃の封印3』
Cスキルには自分から攻撃した時、戦闘後、敵の周囲2マスの敵に7ダメージの『死の吐息3』

天帝の闇剣の効果が最大限に発揮されていれば非常に強力だが味方のHP90%以上という条件はなかなかに厳しい。
少しダメージを喰らうだけで下回るので結構な管理能力と編成が重要になる。
特に、ターン開始時に無条件で敵全体へ7ダメージを与える『メガクエイク』を持つドーマ天敵中の天敵
メガクエイクは原作においてタレスが持つ魔法でもあるが、やはり力を与えられた組織の頭領には敵わないということか。
ネメシスを運用する場合は何かしらの回復手段を講じておきたいところ。

なお、大英雄戦ではおなじみの強い雑魚まみれ&増援方式なので、天帝の闇剣の効果を落とすのには苦労させられる。

2024年6月のアップデートで『天帝の闇剣』の錬成が可能になった。
錬成すると受けた範囲奥義のダメージと戦闘中に攻撃を受けた時のダメージを○%軽減
(○は各ターンについてこのスキル所持者が自分から攻撃した最初の戦闘と敵から攻撃された最初の戦闘の時はHPが75%以上の味方の数×25%(最大75)
そうでない時はHPが75%以上の味方の数×15%(最大45)(巨影の範囲奥義を除く)
守備+3
戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防がHPが75%以上の味方の数×3+4だけ上昇(最大値13)

まずHPの条件が緩和。余程の大ダメージを貰わない限り、発動しやすくなった。
そして「最初の戦闘のみ」の指定が撤廃。各ターンの一回目の戦闘は大幅なダメージ軽減を得るが二回目以降は普段の軽減数に落ちるが軽減を維持出来るよう強化。
そしてステータス上振れも行えるようになった。

特殊錬成はHP+3
戦闘開始時、自身のHPが25%以上なら、戦闘中、攻撃、速さ、守備、魔防+4
自身の奥義発動カウント変動量+1
敵の奥義発動カウント変動量-1
戦闘後、自分は、7回復
特殊錬成は控えめだが欠点をカバーした利点は大きく、カウント操作無効と回復とラスボスらしい性能へ昇華した。

余談

「古の英雄の真実が盗賊」「竜の聖域を荒らす」「竜への恩を仇で返した」「炎の紋章を持つ」等からモデルは『紋章の謎』の初代アカネイア王と思われる。

解放王の二つ名封印の剣ゼフィールも名乗っている。
ただしあちらは人の世を竜に明け渡すというネメシスと真逆の目的である。

演じる楠見氏は覚醒でヴァルハルトを演じていた。こちらもネメシスと同じく覇王である。

固有戦闘BGMは「神を屠る星」。オペラ調の勇ましい曲で、曲名も女神の眷属を皆殺し(屠る)したネメシスにピッタリである。
一方翠風の章のロードであるクロードの専用戦技は「落星」。屠る星を打ち落とし勝利する前提でこの名前になったのかもしれない。




追記・修正はステゴロで負けてからお願いします。

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最終更新:2024年11月06日 11:49

*1 20%の確率で与ダメージの30%HP回復、6%の確率で与ダメージ+5&反撃を封じる

*2 攻撃が命中すると戦闘終了時に最大HPの20%のダメージ。魔獣は複数のHPストックを持ち毒ダメージの割合も低下するので効きにくいがネメシスには通常どおり効く。

*3 味方のアイギスの盾が防御+6/耐魔+3に対し闇盾は+10/+10