ハーディガン

登録日:2023/01/29 Sun 23:07:07
更新日:2023/02/02 Thu 08:39:26
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ブレイウッドのエース
ケビン様が助けに来てやったぜ!


ハーディガン
HARDYGUN




ハーディガンとは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)である。




【目次】


【仕様・性能】

型式番号 RGM-111
所属 アナハイム・エレクトロニクス社
地球連邦軍
開発 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
頭頂高 15.9m
本体重量 9.8t
全備重量 24.1t
出力 3,540kW
アポジモーター数 59基
スラスター総推力 99,680kg
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
武装 バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
ビームサーベル
3連グレネードラック×2
ダブルビームガン×2
ビームランチャー
ビームライフル
シールド
主なパイロット ケビン・フォレスト



【概要】

小型MSの開発に乗り遅れたアナハイム社が、起死回生を賭けて発動した「シルエットフォーミュラプロジェクト」によって開発されたMSの一つ。
ヘビーガン系をベースにしているが、事実上サナリィの“F70 キャノンガンダム”を再現・量産化したMSである。

アナハイムはかつてF90との次期主力機コンペティションに敗北し、更に政治工作によりもぎ取った簡易型F90S=キャノンガンダムの受注生産も技術力不足からGキャノンとしてしか製造できなかったという二重の屈辱を味わった経緯がある。
その雪辱として小型熱核反応炉やハードポイントなどの技術をオリジナルに近い形で自社製品開発に反映させた新型機を開発する目的で誕生した。(尤もその手段もデータ盗用という犯罪行為なのだが)
そのため、立ち位置としてはヘビーガンとGキャノンの中間機という立場でありながら、それらを大幅に上回る拡張性や出力など、性能はよりキャノンガンダムに近づいている。
ただし支援型で性能上限も控えめの要求がなされていたキャノンガンダムやGキャノンに対して、ハーディガンは対MS戦用の主力汎用型で、性能上限も高めに要求された物という違いはある。

また、簡易ヴェスバーと呼べる性能の大口径ビームランチャーやビームライフル、メガマシンキャノン、ビームサーベルの採用で近~遠距離まで対応できる豊富な武装や、
各部のアポジモーターと3基のメインバーニアが生み出す軽快な機動性・運動性など対MS戦を想定して開発されているため、
総合戦闘力は同じシルエットフォーミュラプロジェクトの産物であるGキャノンマグナを上回る。
GキャノンマグナはF90Vタイプ相当の戦力評価のため、それを上回るということはF90Vタイプより上ということである。
……まあ、そのGキャノンマグナの時点で盛られているという可能性もかなり高いのだが。不完全な試験型とはいえビームシールドや正式なヴェスバーを持つF90Vタイプより上はさすがに盛り過ぎなのでは…?

ビームライフルやビームサーベルはヘビーガンと同じものを使用するが、シールドは面積が増えた専用品を用いる。
またヘビーガンと互換性を高く取っているため、ヘビーガン・パワードウェポンタイプの武器類も物理的に干渉しない限り装備可能だったり、
ヘビーガンのパーツを流用しての応急修理も容易であるらしく、コストや実用面にも配慮されている模様。


当初の設定では「RGM-109II ヘビーガン・カスタムという名称であったが、単なるカスタム機の枠を越えたために開発中に改称された」というものであり、その名残として肩部のマーキングに「HGII」と記されている。
『F90FF』ではこの設定が整理されて「ヘビーガンのマイナーチェンジであるヘビーガンⅡにキャノンガンダムのデータをフィードバックした改良型に更なる改良を加えた機体がハーディガンの名で売り出された」ということになった。


今のところシルエットフォーミュラ以外の作品での描写はないが、ヘビーガンの上位機、または指揮官機としてそれなりに量産された文字設定はある。
ただし性能や文字設定、現状出ている作品の内容から察するに、機密性の高い部隊のみに優先配備されている可能性が高い。
『機動戦士ガンダムF90FF』では設定や開発経緯が掘り下げられており、近く売り出される予定があることと、ハウゼリー・ロナがカロッゾ・ロナとの会話において特捜第十三課のマハとして発展していたマンハンターがこの機体に関心を示していると語っていた。

ジム系列のMSとしてはスタイリッシュな外見とカラーリングをしているせいか、「ガンダムでなければ主役になれた機体」と言うファンもいる。



【武装】

  • 60mmバルカン砲
頭部に装備している近接防御火器。
角ばった銃口が特徴的。


  • ビームライフル
ヘビーガンと同じ物を使用する。


  • ビームランチャー
バックパックに直接接続された大口径ビーム兵器。
可動肢があり、フレキシブルに可動する。
これによって接近戦などの不要な際には腰背部にマウントすることが可能。

サナリィから得た小型熱核反応炉のデータを用いて開発されたことや、
無段階連続可変式ではないもののビームの可変速制御と収束距離の高速変換が可能な事から、火力面では廉価版ヴェスバーと呼べるだけの性能がある。

また命中精度は「F90Lタイプのロングレンジライフルには劣る」とされるが、これは遠距離狙撃兵器が比較対象に挙がるほどの精度を持っているということでもある。


  • ダブルビームガン
両腕部のユニットに内蔵された小型ビーム射撃兵器。
Gキャノン…というかキャノンガンダムのデータを用いた物と推測される。


  • メガマシンキャノン
胴体側の両肩口(襟元)に装備している実弾射撃火器。
バルカンと似た用途の装備だが、より強力。


  • ビームサーベル
近接白兵用ビーム兵器。グリップ部やサーベルの性能自体はヘビーガンと同じ。
バックパックの専用ホルダーに1基だけ装備。


  • グレネード
両サイドアーマーのラックに3基ずつの計6基を装備。やはり射出可能。
ヘビーガンのそれよりも大型で、対MS戦用の物と考えられる。


  • シールド
実体式のシールド。ハーディガン専用の物で上下非対称かつ面積はこちらの方が広い。武装やEパック搭載などの機能が無いのはヘビーガンと共通。


  • ハードポイント
サナリィ製のミッションパックを装備可能。



【劇中での活躍】

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』と『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場。
『シルエットフォーミュラ』では主人公トキオ・ランドールの友人でアナハイム社のテストパイロットであるケビン・フォレストの愛機として全般で活躍。

クロスボーン・バンガード所属“焔の虎”ことシェルフ・シェフィールド大尉率いるダーク・タイガー隊のデナン・ゲーやネオ・ジオン残党のギラ・ドーガ相手に勝利を収めた。
特にギラ・ドーガに関しては当初はサイズ差もあって圧倒されていた…ように見えて割と余裕であり、ケビンは武装すら使わずに無力化していた。
以降もトキオを都度サポートし、また様々な事情も合わさってゼブラゾーンからの脱出に成功、無事帰還した。

ちなみにこのハーディガンはダーク・タイガー隊との戦いで損傷した左肩スラスターブロックをヘビーガンのパーツで修復したため、途中から左肩の形状が異なる。


ガンダムビルドファイターズトライ』では第5話に登場。こちらが初の映像化となる。
カラーリングとシールドがガンダムF90の物になっているが、中水中学のチームエンゼルフィッシュとの試合で瞬殺された。



【ゲームでの活躍】

F90の外部出演自体がごく稀ということで、Gジェネシリーズでも当時のほぼ全作品を網羅したFや宇宙世紀特化の魂といったごく一部の作品でしか使用できない。
使用できる作品では並大抵の量産機よりも高い性能と必要な武装は一通り揃っていることから、ガンダムタイプほどではないにせよ主力として活用することも可能。



【ハーディガンのバリエーション】

シルエットフォーミュラプロジェクトのデータを基にしたハードポイントの汎用性により、20種類ものバリエーションが考案され、うち10種程度が実際に試作された。


◎Gカスタム

機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』に登場したハーディガンの先行試作型。
シルエットフォーミュラ計画に際して結成された連邦軍の調査部隊「ウジャトアイズ」に2機が与えられた。
パイロットはMSA-0120のテストパイロットだったヴェロニカ・ヴァーノン中尉とアーサー・ナイトレイ少尉。

機体形状はヘビーガンとハーディガンの中間といった風で、頭部はツインアイタイプと見た目はガンダムタイプに近い。
背部と脚部にMSA-0120のスラスターユニットを装備、サイドアーマーにビームマグナムのEパックらしき物を装備しているのが確認出来る。


◎ハーディガン強襲用

型式番号:RGM-111A

大気圏内での運用を目的とした強襲タイプ。
少数生産されたらしい。


◎ハーディガン ブリッツクリーク

型式番号:RGM-111 type B.T.
武装:頭部バルカン砲 ×2
   ビームスピア
   ビームライフル(ピストル型)
   ビームサーベル
   腰付け中型グレネード ×3(右腰部)
   腰付け小型グレネード ×4(左腰部)
   腕部連装ミサイルポッド
   シールド

コロニー内戦闘を意識した電撃戦仕様タイプ。
ヘビーガンとハーディガンの中間形態となる機体で、フォーミュラ計画のデータによってヘビーガンの数倍上回る性能の機体となった。
コロニー内戦闘の特別訓練を受けたスペシャルフォース・第106守護中隊の専用機としてU.C.119年のサイド1・24バンチの反地球連邦政府組織の鎮圧で活躍した。

ハーディガンに至る過程の機体だからかヘビーガンに近い外観をしていて、カラーリングはジム・コマンド コロニー戦仕様に倣ったクリームイエロー系だが、より黄色味が強い。


◎ハーディガン中距離支援型

型式番号:RGM-111C

ハーディガンにオプションを装備してローコストで中距離火力支援機にした物。
少数の生産だったが、意外にポテンシャルは高かったらしい。


◎ハーディガン白兵戦仕様

型式番号:RGM-111G

かつてのガンダムタイプの運用思想に近づけたタイプ。
V字アンテナが採用され、ゴーグルをしている以外はほとんどガンダムタイプの姿をしている。


◎ハーディガン陸戦用

型式番号:RGM-111L

A型と同じく少数生産された。


◎ハーディガン ナイトレイド

型式番号:RGM-111N
武装:頭部バルカン砲
   胸部メガマシンキャノン
   肩部マシンキャノン
   ロングビームマシンガン
   ビームライフル(ショートバレル型)
   ビームランチャー
   ビームサーベル
   左腕部4砲身機関砲
   シールド
   ミノフスキークラフトユニット(ビームキャノン2門内蔵)

夜襲降下作戦用のカスタムタイプ。
ミノフスキー・クラフトユニットや武装が長物だらけの所為でゴテゴテした見た目だが、本体自体は暗視ゴーグルやセンサー類の追加に留まる。
装備にはミノフスキー・クラフトユニットやロングビームマシンガンなど、ガンダムF90各種換装パックの色が強い。

U.C.0119年、インド地方で起こった旧ネオ・ジオン派の反連邦運動の鎮圧のため、降下部隊によって運用された。
その降下部隊の指揮を執った人物こそ、後に傭兵部隊を率いてオールズモビル掃討で名を挙げたバズ・ガレムソン中佐(当時)であった。
もっとも、この設定は『シルエットフォーミュラ91』のハンドブック版に基づいて書かれている*1ので、この設定が生きているかは怪しい。


◎ハーディガン偵察型

型式番号:RGM-111R

ハーディガンの試作機から5機が生産され、実戦で戦果を残した。


◎ハーディガン重装攻撃型

模型作例。
パワードウェポンタイプのハーディガンVer.である。
ハーディガンはジェネレーター出力が高いため、ある程度ビーム兵器の同時使用数は緩和されている可能性がある。




ガンプラ

1/100で発売された。
成型の色分けやシールによる補完があまりよくないなどには問題点があるが概ね良い出来。
ビームランチャーも設定通りに可動域が広く、遊びに余裕が持てる。
しかしシールドはシールによる補完もない(マーキングシールはある)白一色なので素組みでは味気無く、見栄えを気にするなら塗装が必要。

ハーディガンは旧キットの中ではとても人気が高く、再販されるたびにすぐさま完売している。



追記・修正は、競合他社の技術を参考にしつつお願いします。


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最終更新:2023年02月02日 08:39

*1 最も有名な漫画版などと設定やキャラクターデザインが異なる。こちらの設定ではガレムソンは正規の軍人ではなく傭兵部隊の指揮官で、階級も中佐のままだった。