登録日:2011/12/27 Tue 16:13:25
更新日:2025/04/18 Fri 21:34:35
所要時間:約 23 分で読めます
ヘビーガンとは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)である。
/ /
_ / /!
rタ‐- V/ 「 _]
1--‐クl ] | l::::|
,.に二>、 _,l」T「[__ノllllr─l二二ニ| |::::|
〈 ─- 、_/ ̄7ニフ´ ̄ `| ;24; -─/| |::2l
\__,に三I ___に三IL__L__ __∠::| |:::::l
lL__丁`ーl_lー‐-、__/ ⌒i  ̄ |::! l:::::|
〉 〉 >, ‐l:::::|___/_/ヽ Lrrュ!:|.  ̄|
「.:┌┴rr:::::::ノ─‐{‐{r‐rュ r|iiiii「1 1
|:::::| r=;l/::::/ir= 」 i i(0).ii |」 --| |
「「:::::|  ̄| ̄i.:;| ̄ | |(0)|| | ̄`! 」
|:|::::::|/ | |.:;| \ | |(0)|| L_! /:::!
|:|:::::::iT´ ̄i `7 ̄丁 ̄V"´ 〉‐| /:::::!
|:|:::::::|| ; / ', __∧ し'| |::::::!
`1iii ./ニ7ヘQ) lニニミヘ_ | |:::/
|i /l▽|::/⌒',. l|▽| ヘヘ. | l:/
|〈 .| |/ ! | | ', ', L/
マ1 | | | | 〉〉
L__」 | L__」_/:/l
_/77::. ! |Ⅲ|:::::::/_」
/ ̄`7ハ、_/ `「 __」´
_∠ ___ノ/ L/ ll __」|
`ー--一'゙ L____」
ヘビーガン
HEAVYGUN
【性能諸元】
【概要】
U.C.0100年代の後半、非戦時下の平和な時世において、連邦軍が「モビルスーツ(以下MS)小型化計画」を発動、その結果生み出されたMSである。
文字通り小型MSの開発計画であり、この計画は
- 大型化に伴いひたすら高騰するMSの調達費・維持費を削減する
- 艦船や付帯設備もこれ以上大きくしなくて済むようにする
- それらによってトータルの軍事費を削減する
…といった、主に予算上の都合で立案された。
あくまで低コスト化が主目的であり、小型化による劇的な性能の向上は思わぬ副産物であった。(少なくとも連邦にとっては)
その流れの中で
アナハイム・エレクトロニクス社が地球連邦軍に小型MS開発の依頼を受けた。
そして5年以上の歳月をかけて開発された連邦軍初の量産小型MS、それがヘビーガンであった。
小型化以外の仕様としては「対MS戦を重視しない」「コロニー内での運用に配慮する」といった部分が目立ち、標準装備の状態では後の
Gキャノンと同様、
暴動鎮圧などを主目的に調整されていた可能性が高い。
【手抜きの産物】
上述の様に連邦軍からは小型MSによる経費削減を求められていた。しかしアナハイムとしてはMSは大きい方が儲かる。
その為これまで通りの利益を得ようと、意図的に軍の要求したスペックを満たさず小型MSの性能の限界を演出しようと企んだ。
もちろん純粋に戦闘用の小型MS開発経験の無さも問題ではあったが、製造費も維持費も安い小型MSは「儲けにならない」のを嫌った。
アナハイムにとっては、MSは大型で複雑でなにより「高い」方が都合が良い。
彼らがMSや武装の設計から運用する艦船等までも含めた生産や管理・維持などあらゆるシェアを独占していた為、競合相手がいないのも裏目だった。
こうして「カネを出させたいから小型機を開発したくないアナハイム」と「カネを出したくないから小型機を開発したい連邦」という利害不一致のまま開発は進行。
結果完成したヘビーガンは、確かにサイズこそ15m級の「UC初の主力級小型MS」として完成した。
…が、
この時期のアナハイム社はコロニーや宇宙艦艇の建設に注力していてMS開発に積極的ではなく、
開発に5年もかけた割にジェネレーター出力などの基本性能は
その時代のジェガンとほとんど変わっていない。
新要素も特になく、「単に数十年前の量産機であるジェガンを
小型にしただけ」と言われるMSに仕上がってしまった。
一応は小型・軽量化したぶん出力・推力に余裕があるので機動性と運動性は大幅に向上している。
しかし出力は当時のジェガンからほんの少し上がっただけで、攻撃力はコロニー内での戦闘を重視した為に意図的に抑えられておりジェガンや
ジムⅢから
ほぼ据え置き。
UC122年後半辺りから量産MSにも採用される様になったビームシールドも当然装備できない。
特に初期量産機は不具合の嵐で、現場からは「ジェガン(M型)の方がマシ」と言われた程。
もっとも、不具合は量産が進むにつれて解消されていったようで、特に整備性の良さは整備兵からは好評をもって迎え入れられた。
【真の実力】
それどころか、カタログスペックを冷静に見ていくとなかなかの性能を持っている事が見て取れる。
素の状態では攻撃力こそ凡庸だが、装甲はガンダリウム合金。そして、推力重量比やアポジモーターの数を第1期MSと比べればその凄さが解りやすい。
推力重量比だけ見れば90年代の高級機の
シナンジュ(推力重量比2.26)にも勝る?
しかもこれは、その辺の一般兵士が乗る正真正銘の量産機である。技術の進歩は恐ろしい。
小型化のお陰で連邦が求めた「性能上昇しつつもトータルコスト削減、整備性と量産性上昇」も達成しているため、一応要求の中で最も重要な点は押さえている。
「既存の量産機をベースにしたマイナーチェンジ的な小型MS」と言う選択も(ジェガンの作られた年代を考慮しなければ)そうおかしな話ではない。
小型MSへのエントリーモデルとして見れば、ヘビーガンは最適解であると言えるだろう。
…と言っても前述している通り、いくら何でも数十年前のロートル量産機と似たり寄ったりの性能というのは無理があった。
登場する度に「平和ボケ」「堕落しきっている」とぼろくそな扱いの上に、長年深刻な予算不足にも喘いでいる連邦ですらお気に召さなかった。
実際問題、運動性が(ジェガンと比べて)高いのはいいが、攻撃力や防御力がジェガン並みで拡張性も恐らくさほど無いのでは愚痴も出ようというものである。
指揮官にとっては部下の、兵士にとっては自身の命を預けるものなので、正真正銘の死活問題なのだから仕方ない。
しかも近年では技術革新を求めたロナ家のハウゼリー・ロナがデナン・ゾンのデータをAE社にリークしていたことが判明している。
一応連邦もヘビーガンの採用は決めており、「連邦がヘビーガンを全く評価しなかった」とまでは言い切れない。
ジェガンベースの基本設計も古くさいと批判されがちだが、一方では
枯れた技術の完成形とも言える。もちろんジェガン自体が傑作機であったのも大きい。
後述する
Gキャノン・ハーディガン・ジェムズガン・ジャベリンと言った後継機・支援機の設計ベースにも採用されており、発展性もかなりあった。
特にGキャノンは、原型の
キャノンガンダムをわざわざヘビーガンに合流させた機体であった。
また
MSA-0120やシルエットガンダムといった高性能試作機も、ヘビーガンのフレームを素体としているので
古くてもZ計画などで培われた精華でもある基礎設計そのものは悪くなかったということは窺える。
しかしアナハイム首脳陣の「小型機の限界を演出したい」という目論見は見透かされてしまっていた。
その結果、軍主力機として独占していたシェアを失ってしまうという、アナハイムとしては失敗に近い形になってしまった。
そしてヘビーガンにとって最大の問題だったのは、第2期MSの中で最先発とは言え没個性であったこと。
加えて主要なパイロットも平和の中で戦意を失っていった連邦軍の兵士だったことである。
U.C.0120年代当時には既に配備開始から10年を経た型落ち機であったし、あくまでもちゃんとした後継機までの繋ぎだったので仕方ない。
ロールアウトした当初は既存の量産機とは一線を画した機動性と運動性も、小型MSが普及した中ではもはや没個性でしかなかった。
しかもより高性能なGキャノンの配備がやんわりとだが進んでいたためか、物足りない機体であったことは周知の事実だったらしい。
ある元軍人のゲリラなどはヘビーガンが来るやいなや「なんでヘビガンなんだ!」とディスる始末。
しかし『F91』劇中でもビルギット・ピリヨが搭乗したヘビーガンはF91のサポートという形ではあったが奮戦し、なかなかの活躍を見せていた。
更にジェガンと比べればまだクロスボーン・バンガード製MSに対抗できる性能を持っていたのは事実。
要はパイロット次第で補えるということである。
MSの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということだ!
もっとも戦乱など遠いこの時代、それも田舎コロニーに駐留する連邦軍にそんな腕の良いパイロットはほとんどおらず、いたのは左遷組か無能か厄介者ばかり。
優秀なパイロットは大抵
オールズモビル等の
ジオン残党を狩る部隊に配属され、更にシルエットフォーミュラのトキオの様に時に汚れ仕事を強いられる機密部隊所属が基本だった。
しかも後継機の
ジェムズガンは、技術盗用を挟み8年も後に作られたのに
コンペ落ちのヘビーガンとほぼ同じという無能っぷり。
優れている点は小改造での全領域対応、整備性の高さによる廉価性位で、後はヘビーガンと同等の性能と簡素化しすぎた貧弱武装しか持たない
欠陥・駄作機扱い。ビームシールドも後期型までおあずけ。
一方で
ジャベリンは改良を重ねて充分な性能を獲得し、ヘビーガン系の本命というべき機体に仕上がったが、
配備開始は130年代までズレ込み連邦の衰退期と重なっていたためか中々普及しなかった。
そして一年戦争以来の連邦軍の宿命たるカツカツの予算ということもあって、ジェムズガン・ジャベリンが配備される傍らで、ヘビーガンは一般量産主力MSの座に在り続けた。
…やられ役として。
【武装】
頭部に装備している近接防御火器。
外装式1門だったジェガンシリーズと異なり、従来の内装式2門に戻った。
なお口径は大柄な従来機と同等であり、小口径にはなっていない。
銃身保護と射撃精度向上を図ったフルバレル構造のビーム兵器。
実戦以外に訓練用の低威力ビームも使用可能。
コロニー内での使用を想定しサブセンサーによる出力リミッターが配され、コロニー内では過剰火力を発揮しない様になっている。
だが、その状態でも命中すれば一撃でCV軍のMSを撃破するだけの火力を持つ。(無論宇宙などではこのリミッターは解除される)
また目的や任務に応じたカスタマイズが可能な汎用性も持つのも特徴。銃身を切り詰めたショートバレル型やライフルの前半分をカットしたピストル型、長距離用のスナイパー強化型などがある。
小説版『F91』では「パウダー・ガン」と呼ばれる携行武装を装備していたが、これがカスタマイズされたビームライフルなのかは不明。
後発機であるGキャノン、ハーディガンにも流用されている辺りからも素性の良さは見て取れる。
だが何故か正式後継機のはずのジェムズガンには簡易型が宛がわれ、継承されなかった。
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では逆にジェムズガン用の簡易ビームライフルを装備した機体も登場する。
近接白兵ビーム武装。
搭載位置は不明(画稿も文章設定記載も無し)だが、ジェガン同様1基だけ装備している。
敵MSを撃破する描写は無いながらも、握った手首ごと高速回転させる事でバグの撃破に成功している。
両サイドアーマーのラックに4基ずつ、計8基を装備。
ミサイルの様に自律射出可能だが、コロニー内戦闘を考慮しているために威力は控えめ。
MS相手には「あまり効果を期待できない」とされる。
実体式のシールド。上下左右対称形で武装やEパック搭載機能などは無いシンプルな物。ジェガンのものと異なりウェポンラックとしての機能はない。
本機が配備された当初は「(ビームを完全防御できる)ビームシールド」は未開発なので、耐ビームコーティングが施されたこの盾はロールアウト時期としては妥当な装備。
だが主な実働年代のU.C.120年代の盾としては心許ない…というかほぼ無意味に近い。
しかしこれよりもグレードが低そうなジェガンのシールドでも、ビーム一発くらなら防げていた。
バグのチェーンソーであっさり切り裂かれる程度なので、「無いよりはマシ」くらいの存在感だったと思われる。
一応「実体式故にエネルギーの消耗を気にしなくて良い」「目立ちにくい」「予備Eパック等をつけられる」というメリットもある。
ただし「防御」という面で敵機との相対的な格差が大きすぎて焼け石に水。武装の進化もあり、被弾は高確率での死を覚悟しなければいけない。
頭部にはポップアップ式のサーチライトが内蔵されている。
これもコロニー内での戦闘を考慮したもので、光源の喪失や電力供給停止に備えたもの。
当然暗視カメラも備えているが、肉眼での確認も必要ということで積まれたという。
【劇中での活躍】
クロスボーン・バンガード軍によるフロンティアⅣの制圧戦では迎撃に出るも手も足も出ず、ただ撃破されるのみだった。
一応Gキャノンと違って見所が無かった訳ではなく、下記のビルギット機など、ジェガンよりはまともに戦えていた。
(Gキャノンの方がスペックはかなり上回っているため、劇中でしでかした事と言い、ここらはヘビーガンの性能のおかげというよりパイロットの力量の差が大きいと思われる)
劇中でもっとも活躍したヘビーガンとして、ビルギットの24番機が挙げられる。
スペースアークに同行し、軍務経歴や戦闘経験の無い
シーブックの
ガンダムF91をサポート。
F91との連携により着実にCV軍を撃退していたものの、フロンティアⅠに放たれた無数の
バグとの戦闘では冷静さを欠いて突出したためにバグの群れに対処しきれず、機体の各部を切り裂かれ、子バグの
自爆により撃破されている。
しかし、ビームサーベルを高速回転させる戦法はシーブックと
セシリーも使用して多数のバグを撃破した。
無印では連邦軍の地球基地や木星帝国との決戦時に確認できる。
宇宙では既にジェムズガンやジャベリンが運用されているので混合編成になっているのだろうか。
あるいは木星の勢いが強すぎてヘビーガンすら引っ張り出されたという描写なのかもしれない。
『スカルハート』では0135年の「海賊の宝」にはハリソンの部隊機として姿を見せているが、翌0136年のハリソン部隊ではジェムズガンとジャベリンになっており、同年の『鋼鉄の7人』では(地上のみだが)ジェムズガンしか出てこない。この辺りがちょうど入れ替え時期だったのだろうか?
『ゴースト』では後述のテキサス仕様ヘビーガンが登場する。
第一話にて、
F90Eタイプと共に模擬戦に参加。
格闘戦で
リゼルを圧倒し、小型MSの性能の一端を披露している。
,/〉
_、=y,__/ ,././^,
、‐゙i |l li二ニィ._/ /
゙|__〉、-ー`__ ,r'〈゙i_/
/ ̄'‐-<゛゛゚ ,.ゝ :; lィ,____ム
ア,───┐.l:;;|li ̄| 、===、ヘ
゙i_ _ノl‐=< ┌|,|::::::::::::::::::゙i ヘ
、-ー`i√、'‐ー, ̄|i ゙i:;;゙i | | ゙i:::::::::::::::::::゙i ヘ
〈─〈-!、-‐'ー`゙ィ-─ー`l,| \,'ィ;;,;;;;;;;;;/ ,,/
┌i_ [}二て(,《ニ\゙i≡゙i‐─゙i≡゙i¬ ロ゙i_゙i FEFS ゙i
.=lニ二二}|丕}[[二Vミタ〉‐-〉:::::〉> ゙ィ┬シタ__.〉 __ ゙i,
 ̄√i=i=仄.イ〈 ゙i、` ̄l─<├‐ー`゙i\Y、〈 /::::::::::::゙i, !
 ̄ ̄゛≡‐`_l'‐‐┴、_゙i,__,l,_゙ィ`゙v 〈::::::::::::::::::::l |
/ー‐-.._ イ<ー`゙i ┌‐ー,\v ゙i::::::::::::::::| |
゙i二二、-ー` \!,ゝ三三> vi ゙i、===! |
\, ̄ ̄ 、゙v.,| ̄ ゙̄i|
゛''‐ー` ゙
…と呼べるほどのものは正直あまりない。
Gジェネでは性能も武装も平凡で空気だし、VSシリーズでも当然の如くお呼びがかからない。
『ガシャポン戦記4』ではジェガンより強い量産機として登場しCV側のデナン・ゾンとほぼ同等の性能を持っていた。
だが、なぜか生産コストが高く(より強いデナン・ゲーがなぜかヘビーガンの
半額
)、物量戦ですら後れを取る。
ガシャポン戦記の流れをくむSDガンダムシリーズでは、『X』にジェガンより微妙に強い程度の上位機種として登場。当然のごとく弱く、続く『GX』ではガンイージにそのポジションを取られてリストラ。
『GNEXT』ではジェムズガンとジャベリンが登場する中で何故か登場を果たせず、フロンティア4のシナリオ再現MAPでは出番をジャベリンに奪われる。
『GCENTURY』でようやく再登場を果たしたが、今度は製造に2ターンかかるにもかかわらず少々入手方法が特殊なジェガンに弱いという体たらく。
スパロボでは
第2次αでやられ役として大量に登場するが、自軍でも使用可能。
小隊システムを採用した本作において移動後に使える全体攻撃武器「ビームライフル(連射)」がなかなか便利。
…が、弾数がたったの2なので普段は小隊員機として運用し、隙を見て連射する様なスタイルになるだろう。
まずまともに改造しないためALL兵器持ちの敵と戦うとあっさり撃墜されがちなので
精神コマンドで防御しておきたい。
なお、このαシリーズではジェガンと入れ替わる形で登場し、次作
第3次αでは『F91』も『クロスボーン』もリストラされた結果、
仕方ないと言えば仕方ないのだが、
ヘビーガンと入れ替わる形でジェガンがほぼ同性能…どころか「ビームライフル(連射)」の弾数が増やされて復活した。
そしてジム・カスタムはずーーーーっと主力機であり続けた
連邦軍が予算に悩まされず、MSの小型化なんてまるで注目されないスパロボ世界では、小型化したジェガン作る位ならジェガンでいいだろという事になった…んだろうか。
尤も、代替機が存在したヘビーガンはある意味マシかもしれない。
代替になる様な機体もないのにリストラ喰らった
新型高性能量産機もいたのだから……
【バリエーション】
ヘビーガン・パワードウェポンタイプ
HEAVYGUN POWERED WEAPON TYPE
型式番号 |
RGM-109Bf |
開発 |
サナリィ |
頭頂高 |
15.8m |
全備重量 |
34.56t |
出力 |
2,870kw |
総推力 |
82,260kg |
武装 |
バルカン砲×2 ビームサーベル ビームライフル 4連グレネードラック×2 連装グレネードランチャー(ダブルビームガン) 2連電磁レールガン(ダブルビームライフル) 9連装マルチランチャー 90mm4連マシンキャノン×2 ショートビームランチャー |
主なパイロット |
ディル・ライダー ミズマ・ムエルテ |
『F91-MSV』に登場した派生型。別名“ヘビーガン重装攻撃型”。
かつては独自の型式番号は無かったが、『月刊モビルマシーン』…というか『F90FF』にて「サナリィが改修したヘビーガンB型のフル装備」という扱いとなり、「RGM-109Bf」に改められた。
ヘビーガンは運動性・機動性こそ優秀であったがやはり火力に乏しい感じは否めず、現場からはかつてのスタークジェガンやビームランチャー装備のリゼルに相当する高火力仕様の機体が求められた。
そこで長距離用オプション装備のGキャノンとの連携による中距離支援を目的として、ヘビーガンにハードポイントシステムを導入、持てる限りの火器類を追加した機体がヘビーガン・パワードウェポンタイプである。
パワードウェポンの名に恥じない、これでもかと言わんばかりの重武装が特徴であり、
瞬間的な火力投射はF90Dタイプにも比肩するという。
おおよそ接近戦に向かない兵装ばかりだが、かつての
スタークジェガンと同じく緊急時にはデッドウェイトとなったオプションをパージして近接戦闘に移行することも可能。
これらの装備は発展型の
ハーディガンにも装備可能とされる。
開発当時の連邦軍幹部には「機動性はMSの性能の決定的差にはならない」という思想があったらしく、ハードポイントを活用した重武装化路線を模索していた。
その路線で開発が進められたのが、F90やGキャノンといったミッションパックの付け替えであらゆる状況に対応可能なサナリィ製小型MS…
同時に既存のMSの強化案の素体として選定されたのがへビーガンであった。
攻撃力に乏しいヘビーガンの強化という意味では実に理に適った選択である。
しかし本体の出力や機動を補助するジェネレーターやスラスターの追加は無いので、運動性・機動性は低下している。
オプションは実体弾武装の比率が高いのでなおのこと重かった。
解説によると「ジェネレーター出力の不足からビーム兵器の同時使用にも制限があった」とのことなので、恐らく追加装備を実体弾武装に絞らざるをえなかったのだろう。
そのために基本的には設定画稿の様なフル装備状態で出撃するのではなく、任務に合わせて必要な装備だけを持たせて運用していたという。
また、装備のパージが可能といってもF90程柔軟な運用は出来ず、悪化した機動性と合わさって操縦性もピーキーとなってしまった。
扱いの難しさや、より強力なハーディガンの登場により正規軍に配備されたのは数十機に留まった。
しかし後の時代になるとヘビーガンの老朽化に伴う払い下げにより自治コロニーの防衛隊での需要が高まり、戦闘攻撃機的な機体として普及していったという。
なお、改修計画の主導には開発元のアナハイム社ではなくF90で高く評価されたサナリィ地球本社が選ばれた。
サナリィではこれを第二次フォーミュラ計画の一環として位置付け、開発の過程で得られた知見は後のF8シリーズやGキャノン・パワードウェポンタイプの開発に繋がった。
一方、自社製品の改修プランをサナリィに奪われた事実はアナハイム社のプライドを傷付けたという。
しかし計画そのものにはアナハイムからも多くのスタッフが参加しており、そこで得たノウハウがシルエットフォーミュラ計画に活かされたのではと記事内で指摘されている。
漫画『
機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』では主人公のディル・ライダーが一時的に搭乗してMSA-0120に挑むが、機体が彼の操縦に追従し切れなかった為に苦戦を強いられてしまった。
その後U.C.0116年に再編されたファステスト・フォーミュラへ改めて配備され、パイロットはミズマ・ムエルテが務める。
【追加装備】
両肩・両腕の装備は左右どちらにも入れ替えが可能。
左右同じ装備で統一することも出来るが、相性によっては実用性に欠けた組み合わせもあるとされる。
リアアーマーのウェポンラックにマウント可能なビームランチャー。
F90Aタイプのメガビームバズーカを短砲身化した簡易量産・派生型で、発射可能回数こそ少ないものの一撃で戦艦を撃破出来るという。
右肩部に1基装備。
弾種は多弾頭ロケット弾もしくは地対地ミサイルから選択可能。
Gキャノンのマシンキャノンを小型・軽量化したもので、左肩部に2基装備する。
APFSDS弾が装填されており、貫通力に優れる。
両肩に装備してマシンキャノン4基にすることも可能だが、トップヘビーになり過ぎて実用性はないようだ。
右腕部に装備された連装・無銃身の銃器。
資料によって解説が異なり、『ガンダムマガジン』ではダブルビームガン、『B-CLUB』では連装グレネードランチャー(腰部のグレネードを装填して発射するらしい)とされている。
『F90FF』では連装グレネードランチャー説が採用され、腰のグレネード以外にもハーディガン用のグレネードや専用の対艦用大型貫通弾を装填・発射する。
左腕部に装備される大型の連装式火器で、表面をシールドユニットで覆った複合兵装。
これも上記と同じく資料で説明が異なり、レールガンだったり、こちらをビームガンとしていたりする。
『F90FF』では2連電磁レールガンとダブルビームライフルとの選択式とされ、外装が共通だがセンサーの色で見分けられるとのこと。
両腕に装備するのも不可能ではないが、出力の問題から使用が制限されてしまうらしい。
ビーム兵器の同時使用に制限がある為、オプション式に変更された。
相変わらずどこに装備しているかは不明。
ヘビーガン(マケドニア仕様)
HEAVYGUN (MACEDONIA USE)
型式番号 |
RGM-109-M5 |
所属 |
マケドニアコロニー |
頭頂高 |
15.8m |
本体重量 |
8.9t |
全備重量 |
22.3t |
出力 |
3,075kw |
アポジモーター数 |
20基 |
スラスター推力 |
21,110kg×2 10,050kg×4 |
総推力 |
82,420kg |
装甲材質 |
ガンダリウム合金 |
武装 |
ビームサーベル ビームライフル シールド |
『
機動戦士Vガンダム』に登場。
宇宙戦国時代、
ザンスカール戦争期にサイド2に存在していた独立国家のマケドニアコロニーが自衛用に独自改良した物。
微妙に性能が上がっているがビームシールドが無い点は相変わらずで、旧式である事に変わりはない。
それどころか、作中で散々な扱いを受けているジェムズガンよりも更に旧世代の機体であり、耐用年度も限界間近な本機には活躍できる要素がない。
劇中でもベスパのMSであるゲドラフに一方的に蹂躙されるばかり。
ジェムズガンでさえ爆雷攻撃を行うなどの見せ場を貰っており、それすら無かった本機はある意味本作で最も不遇な機体であろう。
ヘビーガン(テキサス仕様)
HEAVYGUN (TEXAS USE)
へビーガンⅡ
HEAVYGUN Ⅱ
型式番号 |
RGM-111X |
開発 |
アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 |
試作機 |
頭頂高 |
15.8m |
全備重量 |
23.3t |
装甲材質 |
ガンダリウム合金セラミック複合材 |
出力 |
3,070kW |
武装 |
バルカン砲 ×2 ビームサーベル 4連グレネードラック ×2 ビームライフル ハイパーバズーカ |
『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』に登場したマイナーチェンジモデル。
元々へビーガンは「ジェガンを小型化しただけ」と揶揄されるものであったがアナハイムとしてもそれは承知だったらしく、更なる改良型として参謀本部に提出されたプランである。
一度はGOサインが出たものの、ATMS計画の発動で発注がキャンセルされた挙句に開発スタッフの多くが後述のMSA-0120に引き抜かれてしまい、MSA-0120が不採用になった時のサブプランに成り下がってしまった。
結局ATMS計画はF90の採用が決定となり、本機も制式採用が見送られた。
ちなみに性能の方だが、従来のヘビガンから劇的な変化は無いとのことで、U.C.0116年のガレムソン曰く「新型のF80どころかF90やF71の仮想敵としても荷が勝ちすぎているはず」程度の機体だったらしい。
プロト・ハーディガン
PROTO HARDYGUN
『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』より。
U.C.0116年にファステスト・フォーミュラ隊との模擬戦に投入された改良型。
対外的にはへビーガンⅡとなっていて見た目も殆ど変わっていないが、Gキャノン開発時に譲渡されたキャノンガンダムで得た技術のフィードバックによって出力が13%アップ、かつ全身にハードポイントを設けたことで
ミッションパックを装備可能となった。
型式番号:MSA-0120(MSA-120)
開発:アナハイム・エレクトロニクス社
頭頂高:15.0m
本体重量:17.5t
全備重量:54.1t
U.C.111年10月に行われた『次期主力モビルスーツ開発コンペ』においてサナリィの
F90と争ったアナハイム社グラナダ工場ZIONIC事業部製のMS。
正式名称は不明。外見は全く似ていないが、ヘビーガンの設計を元に発展した機体とされている。
詳細は個別項目へ。
映画上映当時に1/100で発売。
当時のキットとしては及第点だが、今となってはさすがに古く色々問題点がある。
成型色も劇中のクリーム色ではなくジェガンの様なミントグリーンになっていて違和感が強い。
【余談】
- 『∀ガンダム』でヘビーガンが登場予定だったが制作上の都合で変更、代替機としてキャノン・イルフートが登場している。脚本ではヘビガンと記述されていたらしいので放送直前で変更された模様。
ただし最初はイフリートだったとか片方の肩にキャノンがあることから本当はハーディガンを出すつもりだったんじゃないかなど色々謎が多い。
- ヘビーガンとは別に30m級の新型を開発させていたり、結局相当後までジェガンが現役だった事から「実は発注した連邦軍首脳すらも小型MS開発に懐疑的だったのでは?」という意見もある。
実際連邦の中に小型化に疑問を持つ層がいてもなんらおかしくはない。
とはいえ、その30m級大型機は新システム「ミノフスキークラフト」の実験機であり、元々軍艦クラスの搭載設備をやっと30m級MS用にまで「小型化」した産物という事情がある。つまりこの大型機の存在は「連邦が小型機を作るつもりがなかった」という反証にはなり得ない。
ジェガン更新が進まなかったのも、単純に連邦の予算不足が原因である。
大型MSの開発や小型MSの配備の遅れは、連邦の本意ではなかったと言って良い。
だから木星のおじいちゃんはひねくれる必要はなかったんですよ
- SDガンダム外伝シリーズでは、円卓の騎士の一人・灼騎士ガンダムF91の仲間である闘士ヘビーガン、ダバード王国の兵士ヘビーガンとして登場している。
追記・修正はバグの相手をしてからお願いします。
- ヘビーガンだけでもHGUCで出してくれ。 -- 名無しさん (2014-01-07 16:33:31)
- ニルファだと弾数2の移動後全体攻撃という武器があったため、極めて頼りない性能ながらもなけなしの個性はあった(無論次作ではリストラ) -- 名無しさん (2014-01-07 19:40:53)
- 名前はヘビーなのに軽量小型化 -- 名無しさん (2014-04-04 12:05:36)
- ハーディガンは普通に格好良かった。 -- 名無しさん (2014-05-12 23:46:10)
- ビルギットさんももっといい機体乗ってれば生き残れたのに…… -- 名無しさん (2014-05-13 01:18:52)
- ハーディガンはデザインのインフレ -- 名無しさん (2014-07-15 19:43:54)
- ブレイウッドのMSはどれも好きだわ -- 名無しさん (2015-01-31 21:53:02)
- クロボンにビームシールド装備のハーディガンが出てきたってのはガセだろ -- 名無しさん (2015-12-20 15:09:39)
- ジェムズガンでしょ。 -- 名無しさん (2016-02-20 22:49:09)
- デザインもポジションも後のVヘキサに受け継がれたな・・・(シュラク隊的な意味で) -- 名無しさん (2017-05-09 18:57:04)
- ↑3 一応木星軍が地球軌道で連邦と交戦しているシーンで、ハーディガンじゃなくヘビーガンっぽいのはいる。ビームシールドついているけど、胸部デザイン以外はヘビーガンみたいな感じ。まぁ、適当に書いたせいで混同したって方がしっくりくる -- 名無しさん (2017-05-09 19:06:51)
- ヘビーガンの運動性能やべえよ…やべえよ… -- 名無しさん (2018-08-22 18:34:43)
- 最新のこの項目見てヘビーガン見る目が変わったわ、そりゃビルギット機がバグにやられるまで無傷でいられたわけだ -- 名無しさん (2018-09-18 22:52:07)
- MSA-120の愛称がAdvanced Tactical Mobile Suit略してATMOSって聞いたことあるけど出典がわからない…というかヘビーガンの発展型って設定書いた人とデザインした人絶対別人だろ -- 名無しさん (2019-01-23 22:33:57)
- 「パイロットの腕次第ではデナン系MSとはなんとか渡り合える。」とあるが、本編のCV兵は基本的には練度は高いし、結局は数で押さないと勝ち目は無いと言う… -- 名無しさん (2020-01-06 19:16:13)
- 1/100ガンプラの取説によるとヘビーガンのジェネレータは「ジェガンと同系統」であって「ジェガンと同型」ではないらしいのだが、「同型」とする資料ってあったっけ? -- 名無しさん (2020-01-06 19:33:13)
- ↑Wikipediaの出典によると「MS大全集2006」に載ってるらしい。実物持ってないから真偽のほどは分からんけど。 -- 名無しさん (2020-02-08 18:10:56)
- ハーディガンのバリエーション機が令和になって出てくるとは夢にも思わなんだ -- 名無しさん (2021-07-30 11:39:05)
- 連邦が作った着るものは? 『カーディガン』。ふふふ、ここはSCPの世界ではないから、トマトが飛んでくる心配はないぞ! -- 名無しさん (2021-07-30 12:06:32)
- ↑チラ裏 -- 名無しさん (2021-07-30 15:18:03)
- ヘビーガン(マケドニア仕様)の「本作で最も不遇な機体」は誤解である。一番の不遇は映って出撃した直後に戦うことなく沈んだ”ビルケナウ”である・・・。 -- 名無しさん (2021-07-31 15:13:33)
- ガンダムエース見ながら目をこすってる -- 名無しさん (2021-08-27 23:39:24)
- アナハイム「やはり使えるではないか。何故勝てなかったのだろう?」 -- 名無しさん (2021-09-11 22:58:31)
- ビルギットはもっと良い機体に乗れてたらなあ… -- 名無しさん (2021-09-11 23:30:46)
- SE-Rの頭とか0120とかやべえもんが続々出てくる先月のダムエーである -- 名無しさん (2021-09-14 15:30:37)
- フリーダイヤルが今度は版権の闇に消えそう。 -- 名無しさん (2021-12-29 10:28:13)
- 機体ごとに版権が違うんだな… -- 名無しさん (2022-01-17 20:10:55)
- 丁度、バズ・ガレムソンが海賊(ジオン残党)狩りをし始めた頃にハーディガンの名前も出てきたな…しかもマハまで -- 名無しさん (2022-05-07 10:07:21)
- 攻撃力が無いとは言うがビルギット機のヘビーガンがベルガダラスだかギロスの胴体にライフル1発当てたら爆散したんだよなぁ、ビームシールドがインチキ性能なだけで -- 名無しさん (2022-07-07 05:49:15)
- フリーダイヤルは項目独立させてもいいかも -- 名無しさん (2022-08-30 00:36:54)
- 全体約18000字、MSA−0120関連の記述が約2500字、ハーディガン関連の記述が約5000字…ハーディガンも独立させて良いくらいだと思う。反対がなければ分割と項目名変更をしましょうか。 -- 名無しさん (2023-01-09 02:04:47)
- ↑自分も賛成です。MSA-0120の部分を書き足そうと思ったけど今はいじらない方がいいかな? -- 名無しさん (2023-01-10 18:17:26)
- 申し訳ないです、1/2に項目作成相談スレの方に上げてしまいました。1週間立って代理作成要望スレに上げてあるのですが、取り下げたほうが良さそうですか?ルール上での不備はないはずですがコメント欄でも相談すべきでしたかね…… -- 名無しさん (2023-01-10 18:25:54)
- 最初の提案(↑4)から大分経ってますし問題ないと思います。むしろこちらで項目の体裁を整える手間が省けました。MSA-0120は相談所の案で代理作成をしようと思います。 -- 名無しさん (2023-01-11 00:56:40)
- ↑それではお願い致します。 -- 名無しさん (2023-01-11 17:47:48)
- MSA-0120(MS)の代理作成を行い、本項目内の関連記述を削減しました。 -- 名無しさん (2023-01-11 19:55:58)
- 「ハーディガンの記述の独立項目化」と「本項目の名称変更」については、提案されてから日が経っていないのでもうすこし様子を見ます。 -- 名無しさん (2023-01-11 20:26:29)
- Gジェネで図鑑を開発時期順に整列出来たら開発時期の問題もデカそうと思わせてくれるけど、式典用とはいえザク50とかいうキワモノだすアナハイムの変態っぷりが際立ちそう -- 名無しさん (2023-01-18 00:41:06)
- ハーディガンの独立項目化について、反対意見は無いようなので作業を開始します -- 名無しさん (2023-01-29 22:23:07)
- ハーディガンの記述を分離し項目「ハーディガン」を作成、本項目の項目名を「ヘビーガン/ハーディガン」から「ヘビーガン」へ変更、他項目から本項目へのリンクの修正を行いました。 -- 名無しさん (2023-01-30 00:06:27)
- SDg -- 名無しさん (2023-12-06 15:37:55)
- ミス SDガンダムXだとTEC3でようやく生産可能だからHP88の他軍の機体よりブラインドパラメータが多少買ってる程度なのがキツい… -- 名無しさん (2023-12-06 15:39:32)
- >ビルギット機のヘビーガンがベルガダラスだかギロスの胴体にライフル1発当てたら爆散したんだよなぁ あれってエビルSじゃなかった? -- 名無しさん (2024-07-04 20:03:12)
最終更新:2025年04月18日 21:34