トゥルー・ラブストーリー

登録日:2023/08/18 (金曜日) 09:04:00
更新日:2024/11/27 Wed 20:28:11
所要時間:約 30 分で読めます




転校までの一ヶ月が忘れられない思い出になる…


トゥルー・ラブストーリーとは1996年12月13日にプレイステーションで発売された恋愛シミュレーションゲームである。
発売はウィザードリィシリーズやダービースタリオンシリーズでもおなじみのアスキー。
1997年12月11日には追加イベントなどを加えた『トゥルー・ラブストーリー ~Remember My Heart~』も発売されている。
略称はTLS、TLS1、Remember My Heartの方はTLSRなど。
以下、シリーズを紹介するときはTLS、原作を説明する時は無印、Remember My Heartを説明する時はRと表記する。


発売当時、コンシューマゲーム業界では『ときめきメモリアル』のヒットによる恋愛シミュレーションゲームを始めとするいわゆる「ギャルゲー」のブームが起きており、今作もそんなギャルゲーブームの真っ只中に発売された。
少し前には『サクラ大戦』が発売され人気を博し、発売前から期待を集めていた……が、発売前が最大のピークだったセンチメンタルグラフティ』の存在などもあり、
そちらと異なり著名なクリエイターを起用していたりといった目立った特徴もなく、後述する「地味さ」もありあまり話題にならない中の発売となった。
だが、いざ発売されると「下校会話システム」を始めヒロインとのコミュニケーションに特化したゲーム性などが評価され、ときめきメモリアルやサクラ大戦と並んで認知されるほどの人気を博した。

シリーズ化し続編も発売された。4作目『True Love Story Summer Days, and yet...』を最後にトゥルーラブストーリーのタイトルは使われていないが、
以降もプロデューサーである杉山イチロウを始めとする共通する制作スタッフによる『キミキス』、『アマガミ*1、『フォトカノ』などの作品が続いており、今作から続く特徴もいくつか受け継がれ続けている。
TLSシリーズの後継作とも言えるかもしれない。*2


●ゲームの概要


親の転勤により、約一ヶ月後に転校することを知った主人公となって、最後の一ヶ月間に女の子と仲良くなり恋人になることを目指す……というストーリーの恋愛シミュレーションゲーム。
ヒロインは学園のマドンナ的な音楽部員、幼馴染の美術部員、妹の親友……などなど合計9名。
ゲームは春夏秋冬の4つの季節に分かれており、開始時に選択する。一部のヒロインは特定の季節でしか登場しない。他にもデートを始め季節限定のイベントも多い。
カレンダー等で日付は出てくるものの、具体的に何月とは明記されていない。
追記者の只の妄想だが、ヒロインの誕生日から逆算すると、春=4月、夏=7月、秋=9月、冬=11月辺りかと考えられる。
但し、始業式や夏休み等のイベントも描かれない。
あくまでもそれぞれの季節の雰囲気を感じながら学校生活を謳歌する事になる。

ゲーム開始時に、主人公の氏名と各ステータスの値を決定する。名字は妹のみさきの名字にもなるのであまりにも変な名字を入れるとみさきのフルネームが可哀想なことに……
ステータスは勉強、運動、センス、性格、態度の5つ。プレイヤーが1から5の値を自由に設定できる。
設定後は上下することはなく、ヒロインの理想も高ければいいとは限らない。
あと、粘っていると高いボーナスポイントがもらえる……なんてことはない。

各ステータスは勉強のステータスが実力テストの成績に反映されたりと、一部のステータスが有利に働くイベントもある。
とはいえ決定後は変化することがないのもありどんなステータスでも攻略は可能。オール5の完璧超人でもオール1のダメダメ君でも自分好みのステータスで攻略するのもあり。

各ヒロイン毎に理想のステータスがあり(綾音であれば完璧超人、育美であれば運動神経抜群など)それに沿うステータスであれば攻略し易くはなる。
しかし基本的には校内で出会っていれば自然と親しくなれるので、全く狙う気が無かったヒロインから下校会話に誘われるという嬉しい悲鳴な事も割とある。
その為、完璧超人にすれば全ヒロインからモテモテでハーレム状態になるという訳ではなく、
オール1のダメダメ君だからといってヒロイン達から無視されるという訳でもない。

ゲームの期間が一ヶ月と短いのもあってか、ときめきメモリアルを始めとしたゲームと比べるとシミュレーションゲーム要素は薄め。
主人公を育成しヒロインの理想とする男性を目指すシミュレーションゲームというよりは、下校会話を始めヒロインとのコミュニケーションにゲーム性が置かれている。

一周は2~3時間程度。本格的な恋愛SLGに比べると短いがその分周回プレイもしやすい。
但し同じヒロインでも季節違いのイベントや、発生条件の難しいイベント、
更には憧れルートか仲良しルートかによって発生するイベントの違い等もあるので、イベントのコンプは中々大変。


●登場キャラクター

全季節に登場するヒロイン


★桂木 綾音

CV:菊池志穂
~みんなのあこがれ~

2年A組、音楽部所属
6月10日生まれ、AB型
T:163cm B:81cm、W:58cm、H:82cm

成績優秀で運動神経もよく、いかにも完璧超人な学園のマドンナ的な同級生。優しい性格で花壇の水やりを行ったり、校舎裏の子猫に餌をあげたりする姿も。
主人公の悪友を始め彼女に告白して玉砕する男子も多いとか。
彼女自身高スペックなのもあってか理想とする男性像もまたスペックが高め。とはいえステータスが低いからと言って相手にされないわけでは無いし、彼女から勉強を教わるというイベントもあったりする。
実は、主人公のステータスが理想に近いと、彼女も前から想いを寄せていたことがわかる。

初代パッケージヒロイン。以降の作品でメインとなるヒロインも優等生で皆のあこがれというタイプのキャラが多い。
とはいえ、活発なスポーツ少女だったり、内向的な文系少女だったり、猫を被っていたりむしろ主人公を攻略してきたりと性格や特徴は各作品ごとにだいぶ異なる。
菊池志穂はときめきメモリアル隠しヒロインを担当していたのもあり話題になったとか。
あと、桂木綾音はセンチメンタルグラフィティには登場していない。確かみてみろ!


★広瀬 のぞみ

CV:藤野かほる
~気になる幼なじみ

2年C組、美術部所属
5月12日生まれ、O型
T:158cm B:83cm、W:59cm、H:84cm

クラスメートで隣の家に住む幼なじみ。仕事で忙しい母親の代わりに家事を行っているしっかり者。
弟も二人いるようでそちらの面倒も見ているようだが、父親が家に居るのかどうかは不明。
料理が得意だがしいたけは苦手。主人公の名前を呼び捨てで呼ぶ。
主人公に対する二人称も当初は「アンタ」だが、好感度が上がると「アナタ」となる。

初期は一緒に帰ろうと誘うと「うわさになるとちょっと困るし」と某ラスボスのような断り方をされることも。
理想とするステータスは割りと平均的。公式ガイドブックによると「好きになった人がタイプ」なのだとか。

家が隣同士にも関わらず、デートの際は律儀に駅前に集合となる。
提案しているのは主人公なので、一応周りの眼が気になるのだろうか。
なお、デートの解散も駅前となる。一緒に帰ればいいのにと思ったのは追記者だけだろうか。

勉強はそこまで得意ではないようだが、本人曰く英語だけは得意とのこと。

初代幼馴染ヒロイン。以降の作品でも毎回幼馴染が登場しているが、最初は険悪な仲だったりメインヒロインでもあったり年上や年下だったりとこちらも特徴は作品ごとに異なる。

★後藤 育美

CV:豊嶋真千子
~青空高校一の韋駄天娘~

2年B組、陸上部所属
10月10日生まれ、O型
T:167cm、B:82cm、W:60cm、H:84cm

運動神経抜群のボクっ娘陸上部員。登下校時も走っているためジャージでいることがほとんど。
男子顔負けの身体能力だけど男に間違われるからとポニーテールにしていたり、仲良くなると一緒に帰る際に制服を着たりと年頃の女の子らしい一面も。
前述の通りボクっ娘だが、あるイベントの時にふと「わたし」と一度だけ発言しており、その際にはかなりの破壊力を誇る。

運動神経がよく快活な男性が好み。主人公が理想に近い場合、最初の出会いがいきなり告白……かと思いきや陸上部へのお誘いだったという展開も。
よく動く分食欲旺盛で昼食にカレーに天丼、あんぱん、サラダを食べているCGもある。そして海老天を加えながらも普通に喋るという特技も披露してくれる。

スポーツ系のキャラという事でそれほど勉強に自信がある訳ではないようだが、
実力テストの結果は学年中で真ん中程とそれほど低くは無い。


★本田 智子

CV:久川綾
~内気で本好きな文学少女~

2年D組、部活動無所属
2月24日生まれ、A型
T:162cm、B:86cm、W:58cm、H:86cm

大人しく真面目な性格の文学少女。内気で最初は話しかけても緊張した様子を見せる。
好きなことに対しては饒舌になる面もありベストな出会いイベントでは彼女の方から話しかけてきたりする。
自分とは正反対の活発なタイプの男性を理想としている。
シンプルなメガネを掛け私服も地味目だが、大人しくスタイルも良いためかナンパされる姿も。

趣味は当然読書であり、他には花の世話に犬の散歩(愛犬の名前は『ココット』)、更には家にピアノあり学校でもよく引いているなど、
まさに絵に書いたような文学少女である。

自転車通学だが実は一年の頃に河原でパンクしてしまうも内気な性格な為、周りに助けを求める事が出来ず困り果てていた所、
たまたま通りがかった主人公に直して貰っていた。
主人公は忘れてしまっていたようだが、手を真っ黒にしながらも助けてくれた主人公の事はずっと覚えていたようだ。

本好きな眼鏡っ娘、おまけにCV久川綾という事で一見学年トップ成績なキャラのようだが、
実力テストの順番は20~30位前後と、そこまで高いという訳ではない。


★南 弥生

CV:丹下桜
~守ってあげたい女の子~

1年A組、テニス部所属
3月20日生まれ、B型
T:152cm、B:78cm、W:59cm、H:80cm

みさきのクラスメートで親友。主人公に憧れを抱いておりみさきから紹介されて知り合うパターンもある。
主人公に好意的なのもあり若干分かりにくいがセンスがよく、ちょっと不良っぽいタイプの男性が好み。
どこかオドオドした様子だが前向きで何事にも一生懸命取り組む性格。ただし、料理はあまり上手くない様子……。

登場当初から主人公に好意を持っており、他のヒロインより好感度が上がりやすい傾向にあるのか、
その気になれば二週目でデートに誘えるレベルまで上昇する。
(システム上、絶対にOKしてくれないが)

水中の息止めが得意という意外な特技もあり、今まで誰にも負けた事が無いらしい。
同時に、水中で目を常に閉じているという事も主人公を通して発覚。
この為、真っ直ぐ泳ぐ事が出来ず、本人は周囲が何故真っ直ぐ泳げるのかと不思議に思っていた。

基本的に今作のヒロイン達は私生活が余り見えないが、弥生が風邪を引いた際、家までお見舞いに行くイベントがあり、
玄関のみだがヒロインの家の中が見れる貴重なシーンがある。
同時にこれまた貴重なパジャマ姿を拝む事が出来る。

占いが好きで会話の際もよく占いの話が出る。
アンソロなどでは料理下手と占いネタでいじられることも。

なお、丹下桜は2019年発売の『LoveR』にて主人公の担任教師である冴稀 陽茉利を担当している。
後輩妹系ヒロインの担当声優が22年後に教師役になるのは時代の流れも感じるかも?


季節限定ヒロイン


★春日 千春

CV:横山智佐
~ホントは素直な女の子~

2年B組、部活動未所属、風紀委員
1月5日生まれ、A型
T:156cm、B:80cm、W:60cm、H:84cm

春のみ登場する。
風紀委員に所属しており規則に厳しく、主人公も彼女に注意された事がきっかけで知り合う。
堅物なところはあるものの真面目で成績優秀。休み時間も自習をしていることも多い。
メガネを外すと素直になるという一面も。

男子に対抗意識を持っており、出会った頃の主人公や大須賀等への当たりは結構強い。
それ故か好感度は少々上がりづらいようで、デートどころか下校会話も中々OKしてくれない。

しかし内心はそんな気の強い自分が異性から見て可愛げが無いという事も自覚しており、
放課後、一人思い悩むような年相応な部分もあり、好きな映画は意外にもラブロマンス系である模様。

登場当初こそ上記の通り可愛らしさとは縁の無いようなヒロインに見えるが、
実際には優しくされる事で結果傷つく事を恐れている節があり、
好感度が上がっていくと、容姿を褒められるとぎこちなくも喜んだり、自身と居る事で退屈しないか気にしていたりと、
本来の性格であろう素直で可愛らしい面も見せてくれるようになる。

幾ら何でも公共の場で告白し合うのは止めた方がいいと思う


★天野 みどり

CV:池澤春菜
~いつでもノリノリ!~

2年D組、部活動未所属
11月2日生まれ、B型
T:160cm、B:88cm、W:58cm、H:86cm

夏のみ登場する。
遊ぶこと楽しいことが大好きな明るい性格。大きな編み込みポニテールが特徴的。別名エビテール。
流行り物を追いかけるのが好きで放課後や休日はあちこちのお店を巡っている。
反面、勉強は苦手で遅刻も多い様子。ヘビやトカゲなどの爬虫類が好きという一面も。
立ち絵ではあまり目立たないもののスタイルがよく、デートで海水浴に行った際は水着のブラが流され手ブラになるCGもあったり。
自分の容姿が優れている事は自覚しているようで、胸に自信があったり、
学校周辺に変質者が出たという噂を聞けば、自身が魅力的なので危ないかもと発言している。

ゲームも得意なようで、ゲームセンターでは格闘ゲームで20人抜きし、自身より強い者はこの辺りには居ないと豪語する程。
カラオケに行くのも好きだが、マイクを離さない性格のようで、
一人ではつまらないからと誘われた主人公は10曲以上延々聞かされる事になった。
学校でかき氷を食べる為に家からかき氷器とシロップを持って来る等、色々な意味で自由な性格。

性別問わず誰とでも仲良くなれる性格だが、ナンパを繰り返す大須賀に関してはスケベだからと毛嫌いしている模様。
当初は主人公に対しても只の男友達としか見ておらず、
主人公と付き合っていると周囲から言われていても、そんなつもりは微塵も無かった。
今までもすぐに友人が出来る分、恋人まで進展する事は中々無かった様子。

実際には早い段階で主人公の事を好きになっていたが、はぐらかしていた

発売当時放送していたラジオ番組『RADIOトゥルー・ラブストーリーパジャマでいっしょにネ』は、
綾音とみどりの声優がパーソナリティーを務めていた。
RのOPムービーでは育美と智子を差し置いて季節限定ヒロインの中で唯一登場、
オフィシャルコミックでも彼女が実質主役のマンガもあったりと特にゲーム外での出番が多め。


★草薙 忍

CV:緒方恵美
~面倒見のいいりりしい先輩~

3年C組、合気道部所属
7月25日生まれ、A型
T:172cm、B:82cm、W:59cm、H:85cm

秋のみ登場する。
合気道や書道が得意な文武両道な先輩。長身で凛々しいので下級生の女子人気が高くファンクラブもあるとか。
家が神社で巫女の手伝いもしている。卒業後は巫女の修行を始めているようだ。
余談だが、件の神社は縁結びの神様を祀っていたりする。
正義感が強く、最近出没している痴漢に警戒しており、棒読み気味な女子から痴漢に間違われた主人公を投げ飛ばしてしまうという出会い方をすることも。
人の名前を覚えるのが若干苦手なようで、出会ってから数回は主人公の名前を何故か『大須賀』と覚えていた。
大須賀が色々な意味で有名な2年生男子なのか、それとも玉砕したのかは不明。

中の人の演技力もあり、一見自他共に厳しい人物のようだが、
宝くじが当たって喜んだり、下校会話に誘うと主人公を待っていたと素直に言うなど割と年相応な部分もある。
また、学年が違う為実力テストの結果が分からず、学業がどの程度のレベルなのかは不明。

合気道部という割と珍しい部活に所属しているが、青空高校の理事長が有段者の為設立されたようで、
件の理事長も合気道部の名誉顧問であるらしい。


★水谷 由梨香

CV:吉田愛理
~放課後のマーメイド~

白百合女学院2年B組、水泳部所属
12月18日生まれ、B型
T:172cm、B:88cm、W:56cm、H:84cm

冬のみ登場する。
白百合女学院の水泳部の部長。プールが改装中のため青空高校の屋内プールを借りて練習をしている。
が、白百合女学院と青空高校とは電車で数駅も離れているらしく、更に白百合女学院の周囲にも屋内プールがある高校はあるらしい。
この事について主人公が、「女子校なので少し遠くても共学の学校を選んだのか」と推察すると、
何故か顔を赤らめながら、自分は反対したがそういう部員が多かったと述べている。

学校が異なるため出会えるのは放課後の練習時か休日のみとなっている。
お嬢様らしく高飛車な面が目立つが、可愛いものが好きだったり、猫が苦手だったりと可愛らしい一面も見られる。
というか、大きいぬいぐるみを抱えて真っ赤になりながら妹に頼まれたと述べたり、
公園で焼き芋を食べている所を見られて恥ずかしがったり、
あくまでもお父さんのついでと言いながら主人公の為に図書館で本を見ながら手編みのマフラーを編んだり、
そのマフラーを誕生日に渡す為にわざわざ主人公の家の前で待っていたりと、
(他校生なので主人公の家を知っている訳が無く、何らかの方法でわざわざ青空高校の人物に聞かなければ主人公の家が分かる筈がない。)
異性への免疫が少ないからか、寧ろ作中ヒロイン達の中でも屈指の乙女。

なお、白百合女学院は校則で男女交際が禁止されている様子。なので多少距離のある青空高校を選んだのかもしれない。


その他のキャラ
※大須賀、柳沢のCVはドラマCD版とRでのもの。無印ではボイスなし


★みさき

CV:西村ちなみ
~兄想いの青空高校事情通~

1年A組、テニス部所属
3月12日生まれ、AB型
T:158cm、B:83cm、W:60cm、H:82cm

主人公の。気が強いところがあり小言も多いがあるが兄思い。
主人公の恋愛を応援するためにヒロインたちが主人公にどのくらい恋愛感情を持っているのかが分かる「みさきのラブチェック」を見せてくれる。
どうやってそんな情報を集めているのかとかツッコミ禁止。
というか僅か一月で学校1のアイドルから幼馴染、自身の親しい同級生から他校のお嬢様まで恋愛感情を抱かせている兄をどう思うのか・・・。
同じテニス部員で主人公の友人でもある柳沢を密かに恋をしている。
誠に残念ながら攻略はできない。

初代妹キャラ。ヒロインに負けず劣らずな美少女である以降の作品の妹キャラに比べると、三つ編みにそばかす、少し尖った口元*3とやや地味めな容姿。だが、そこがいい!!
以降の作品でも妹が恋愛感情のチェックをしてくれることが定番となり、妹萌えなプレイヤーたちにヒロインたちにも負けず劣らずな人気を博すことに。でも3やSのようにお姉ちゃんキャラもまた捨てがたいところ。
デコちゅーうさピースをしたり、魔法少女やゾンビ、Vチューバーになったりとヒロインたちとはまた異なる個性を発揮していることも。いっそ妹でよくない!?


★三上 冴子
CV:井上喜久子

2年C組担任、水泳部顧問
4月16日生まれ、AB型
T:166cm、B:88cm、W:58cm、H:86cm

主人公のクラス担任の英語教師。17…もとい29歳既婚。いつもにこやかな表情で少しおっとりした性格から生徒に人気。線目。アンソロなんかでは開眼した姿が描かれることも。
ただその温和さとは裏腹に厳しい教えっぷりに定評があるとか。
時折授業中にランダムイベントで英語の3択問題が出題されることもあるのだが、内容は結構本格的。焦ったプレイヤーも少なくはないかも。
夏場にプールに出かけると2歳の息子を抱えた水着姿の冴子先生と出会うことも。息子もやっぱり線目。


★大須賀 享
CV:石川英郎

2年C組、サッカー部所属
T:171cm

主人公のクラスメートで悪友。楽天的な性格のお調子者。
女好きでナンパを繰り返しては玉砕しているらしく、ゲーム中も綾音の他、千春やみどりなど季節限定ヒロインにも告白しては振られている。
役立っているのかはともかく女の子と仲良くなる方法に関しては詳しく、主人公にもレクチャーしてくれる。が、強制イベントではないので2週目以降は大体無視or拒否される。
それ以外にもヒロインが主人公に対して不機嫌になっているとその情報も持ってきてくれる事もあるので、
あまりスキップせずに話位は聞いてあげよう。

休日に街中で出会うと一緒にプールでのナンパに誘われる。
一緒に行くと他の季節限定のヒロインの貴重な水着姿が拝めるイベントがあるので、折角だから付いていくのもいいだろう。

柳沢と共に初代友人キャラ。以降の作品でもナンパや女の子好きというキャラは多い。変態な先輩キャラが近いポジションになることも。


★柳沢 修一
CV:石田彰

2年A組、テニス部所属
T:175cm

主人公の友人。成績は学年トップという優等生。
登場人物中、最も高身長であり、整ったルックスで女子人気も高く、オープニングでも棒読み気味な女子からラブレターを貰っていた。
本人はのぞみに好意を抱いており主人公と仲が良いのものぞみに近づきたいためだった様子。
後にのぞみに告白するも断られてしまう。
がその方法がまさかの壁ドン(当時は勿論そんな言葉は無かったが)方式であり、生真面目で落ち着いた人物のようだが、
恋愛に関しては割と積極的な方なのかもしれない。
(もしくは真面目過ぎるが故に暴走してしまったのか・・・。)
打算的だったとはいえ友人関係は本物。後に主人公が転校することを偶然知ってしまうが、本人の意志を尊重して内緒にしてくれたりする面も。

みさきが河原で落ち込んでいるイベントが発生すると、翌日柳沢がみさきの様子を心配そうに聞いてくるイベントが発生する。
2人の間に何らかの会話が行われた可能性が示唆されるが、その後みさきとの下校会話にて吹っ切れた様子を見せる。
前述のオープニングでは若干面倒そうに応対しているが、みさきとの会話では誠実な態度を見せたのかもしれない。


★主人公

2年C組、部活動無所属

プレイヤーの分身的存在の男子生徒。デフォルトネームは早川大輔、明日木一郎。
身長は明記されていないが、高身長の忍や由梨香と比べても見劣りしない事から170cm前半と見られる。
親から一ヶ月後に転校をすることを告げられるが、みさきから転校することを他の人に伝えるのをギリギリまで待ってほしい、と言われ皆に気を使わせたくないのもありその案に乗ることに。
綾音に好意を抱いているような描写もちらほら見られる。

開始時にステータスを決める為、文武両道の完璧超人から運動も勉強も出来ない不良にもなるが、
実力テストの結果以外、特に人物描写等が変化する事は余り無い。
その為、不良気味な設定にしても女生徒に対して乱暴な口を利くような事は無く、基本的に穏やかで優しい人物。

以降の作品の主人公のように何か新しいことに打ち込むことになったりするわけでもないので主人公自身の人物描写は薄め。
個性は薄いが、大きなぬいぐるみや竹箒、ヘビの抜け殻などを学校に持ってきていたり、最大6人と同日にデートの約束を取り付ける事もできたりとプレイの仕方次第ではネタな姿を見せることも。

但し、最終的には図書館だろうと駅前広場だろうと、いざという時には正直に想いを伝える事が出来る漢の中の漢となる。


●ゲームの流れとシステム


どの季節であってもカレンダーの1日の金曜日から始まり、翌月1日の月曜日にエンディングを迎える。

朝、まずはその日どこを訪れるかを選択する。
平日は「午前」、「昼休み」、「放課後」、「寄り道」の各時間帯にどこを訪れるかを選択する。
訪れる場所は学校内なら各学年の教室や、音楽室図書室などの特別教室など。
終業後の放課後からは駅前通りや神社などの校外も訪れることができる。
土曜日は半ドン午前授業のため放課後枠が2つになる。

日曜日は「午前」、「正午」、「午後」の3つの各時間帯に訪れる場所を選択する。本屋やゲームセンター、買い物など休日のみ訪れられる場所も多い。

訪れた場所に誰かいた場合、そのキャラと会話をすることになる。イベント発生条件を満たしている場合はそちらが優先される。

後継作品と違い訪れた先に誰がいるのかや、イベントが発生するのかどうかを判断する目安になるようなものは一切無い。
また、ヒロインの居場所にはランダム性があり特定の場所に必ずいるとは限らない。
目当てのヒロインがよく行く場所を訪れたのに、誰もいなかったり大須賀や柳沢と出会いテンションが下がったりするのもお約束。
みさきは魔法少女ではないので目当てのヒロインのエンカウント率を上げる魔法は使えない。

目安になるものがないのは不親切なところはあるものの、そのヒロインがどこにいそうなのか、好みや生活リズムなどからよく考える楽しさがあるところも。
決してストーカーしているわけじゃないよ。


★会話パート

訪れた場所にヒロインがいた場合に発生。知り合った当初は断られることもあるが好感度はちゃんと上がるので心配無用。
後継作品と違い会話自体はオート。会話内容はテキストで表示されないのでどんなことを話しているのかは好きに想像しよう。
弥生「昨日の夕食『ヒグマ汁』だったんですぅー」キャッ


★下校会話

「放課後」終了後、下駄箱や校門で出会ったヒロインを誘って一緒に下校することができる。
一緒に歩きながら会話をしたり、プレゼントを渡せる。

出会ったばかりの頃は当然OKしてくれないが、好感度が上がってくれば一緒に帰ってくれるようになる。
大まかな目安として、校内で出会った時にヒロイン側から話しかけてきたりするようになれば高確率でOKしてくれる。
但し一回目のデートを漕ぎ着けれるまでは稀に断られてしまう事があるので、残り日数には余裕を持った方がいいだろう。

「学校のこと」「好きな食べ物」などの話題や、「ほめる」「プレゼントを渡す」などの行動を話題リストの中からその都度選択してヒロインと会話して仲を深める。
選択肢の総数は24+α個。特定のイベントを見ると選択肢が増えることもある。
ヒロインをデートに誘えるのはこの下校会話時のみとなっている。

選んだ話題に応じて「ときめきハート」と「どきどきゲージ」という2つのゲージが上下する。
ときめきハートはヒロインが喜ぶ話題を選べば上昇し、好まない話題だと減少する。ときめきハートが高まるとヒロインの将来の夢や恋愛観など内面に触れるような親密な話もしやすくなる。
逆に世間話のようなときめきハートの低い状態で役立つ話題は、高い状態だとしらけられてしまう。

ヒロインの反応に応じてどきどきゲージも増減する。下がりすぎるとしらけられて、最大になると恥ずかしくなって先に帰られてしまい強制終了してしまう。
親密になれる話題や行動だとそれだけどきどきゲージも上がるので、双方のゲージを見て時にはクールダウンも挟む戦略性が求められる。


★買い物

休日に選択可能。ヒロインへのプレゼントが購入可能。購入できる品物は熱帯魚図鑑や大きなぬいぐるみなど全12種類。
所持金の概念はないので自由に購入ができるが、12種類のうち3つだけがランダムに並び一度に買えるのは1つのみ。マ○マンの呪文のように欲しい品物がリストに出ないこともしばしば……

そのヒロインの好みにぴったしなベストなものから、喜ばれないバッドなものまで反応は4パターン。ベストな品物はどのヒロインも1つだけとなっている。
また、ある場所では低確率でヘビの抜け殻を入手できる。こちらもプレゼントが可能。大体は嫌がられるが一部ヒロインには喜んでもらえる。


★みさきチェックとヒロインの好感度

夜にみさきの部屋を訪れると、お手製のグラフを見ながらヒロインの好感度がどのくらいなのかを教えてもらえる。
グラフは正方形で上方向はあこがれ、左方向は仲良しを示している。
平たく言うと恋心的な憧れと、友達のような親しさの度合いで、イベントの発生条件に大きく関わる。
右下から始まり、最終的にはあこがれと仲良し双方が高い左上の恋人状態を目指すことになる。
イベントはグラフの位置が発生条件となっていることが多い。
あこがれor仲良しに大きく寄っていると見られるイベントもちらほらあり、同じヒロインでもイベントのコンプには複数回プレイが必要。

好感度の上昇傾向はヒロインごとに異なる。例えばのぞみは昔から親しかったためか仲良し方向に大きくカーブしながら恋人状態に向かって上昇していく。
また、同じヒロインでもイベントで上昇傾向が変化することもある。
先程ののぞみの場合、あこがれに大きく寄った状態で発生するイベントを見る場合は、特定のイベントを発生させて好感度の上昇傾向を変化させておく必要がある。

友達のように親しい関係から恋人を目指すもよし、お互い相手に片思いしているようなドキドキの関係を楽しむもよし。後継作品のルート分岐の走りともいえるかもしれない。


●ゲーム中の特徴的なイベントなど


★出会いイベント

のぞみ以外のヒロインの初登場時に発生するイベント。自動で発生はしないので自分でイベント発生場所を訪れる必要がある。
主人公のステータスがヒロインの好みに近いと内容が変化する。一部出会いイベントはCGもあり。
一定期間以内に発生しなかった場合は別なイベントが強制発生しそこで知り合うことになる。


★実力テスト

16日に発生。いわゆる中間テストに近いが1日で国語、数学、英語、科学、社会の5教科全てのテストを行っている。
プレイヤーは上の5教科のうちランダムで選ばれた1教科のテストを実際に行うことになる。テストは3択のクイズで全5問。
問題の内容は結構本格的*4。思わず高校時代の教科書を引っ張り出したプレイヤーもいたかもしれない。


プレイヤーの正解した数と勉強のステータスの値、他にも授業中に出題された問題の正解数によって最終的な得点が決まる。
得点は2日後に5教科を合計した総合得点と学年内の順位が校舎前に掲示される。
いい順位を取ればヒロインの印象も良くなり好感度が上がる。


★球技大会

23日に発生。バスケットボール、サッカー、野球のいずれかの競技に出ることになる。運動のステータスがいいとホームランを決めたりと活躍することもできる。
ただ、実力テストと違い活躍できたかどうかは好感度にはあまり影響しない様子。

競技中にそれなりに仲の良いヒロインたちが体操服にブルマ姿で応援してくれる。CGも用意されており、むしろこの応援を見ることのほうが目的かもしれない。
ヒロインたち6人(Rではさらにみさきが加わることも)から順に応援される光景はなかなか圧巻。そしてゴールを外したりするのもある意味お約束。


★誕生日プレゼント

各季節毎の第四月曜日が主人公の誕生日となっており、その日は最も好感度が高いヒロインとは校内で出会う事が出来ず、
帰宅するとヒロインが家の前で待っており、態々持ってきてくれた誕生日プレゼントを渡してくれる。
青春の甘酸っぱさ溢れるイベントだが、裏を返せばその日は下校会話に誘えないという事であり、
攻略最終盤の第四週でデートに誘える可能性が一日潰れる事になるのは注意。

ちなみにヒロイン達にも一応誕生日が設定されているものの、各季節共に何月とは明らかにされていない為、
ヒロイン達に誕生日プレゼントを渡すようなイベントは存在しない。


★デート

下校会話で無事に約束を取り付けられると次の日曜日にデートに出かけられる。訪れる場所はヒロインごとに固定。全季節登場ヒロインは季節ごとに場所が異なる。夏ならプールや海と季節にあった場所も多い。
デート中は数回選択肢が出る。ヒロインに喜んでもらえる選択を取れればデートの後にもいいことがあるかも?


★だ~れだ

ヒロインの好感度が仲良しよりで高いと発生。ヒロインが主人公の背後から目隠しをして「だ~れだ?」と尋ねるという非常にイチャイチャ度の高いイベント。でも普通に学校内で行われる。
大須賀、柳沢「リア充爆発しろ」
声を頼りに相手の名前を当てる必要があるが、好感度がかなり高くないと発生しないため、
相手は目的のヒロインという事が殆どなので難しくはないかと。

何気に全ヒロイン分用意されている。
大人しい智子や生真面目なイメージの強い千春や草薙先輩の「だ~れだ?」はギャップ萌えかもしれない。
後述のいたずらな風と並んで以降の続編や後継作品にも受け継がれる伝統のイベントの1つ。


★いたずらな風

昼休みに噴水広場で発生。強い風が吹き抜けそばにいたヒロインのスカートが捲れ上がってしまうという内容。今作でこのイベントが見られるのは綾音、のぞみ、みどりの3名。
発生確率はかなり低い。ひたすら噴水広場に通い詰めて発生することを祈ろう。
後継作品と違いパ○チラはないがその絶対領域に思わず目が釘付けになったプレイヤーは少なくはないかと。

以降の続編や後継作品にもしっかりと受け継がれていくシリーズ伝統のイベント。キミキスからはカミカゼと呼ばれるようになり、フォトカノ以降は対象が全ヒロインとなった。


●ゲームの魅力や気になる点など


★一見地味、でもそこが魅力的なキャラクターデザイン

登場キャラクターの髪は皆、黒あるいは茶色となっている。
キャラごとに色分けされているので中には明るい髪色のキャラも居るが、アニメなどに多い原色を用いた髪色のキャラはいない。
装飾品も少なくシンプルなリボンやヘアバンドくらい。制服も明るめのデザインだがシンプルなブレザーとなっている。
キャラデザインの松田浩二の描くキャラは、アニメチックな絵だけど目立って可愛い萌えキャラというよりも現実離れしすぎない素朴な温かみがあり、適度な臨場感を出している。
S以降の作品ではキャラクターデザインが変わっているが、この点に関してはしっかり受け継がれ続けている。

ヒロインたちの服装も比較的おとなしめ。制服を着崩すキャラもいない。また、ポケベルやPHS、ルーズソックスなど当時の女子高生の流行なども全く取り入れられていない。
発売当時でも地味でやや古い印象は少なからずあったが、時代背景を(発売当時の)現代に固定する要素が少ないので、プレイヤーが自由に想像を膨らませられる部分でもある。
今見るとどこかノスタルジックでむしろエモいと感じる……かも?


★ヒロインとのコミュニケーションを楽しむことに重点が置かれたゲーム性

他の恋愛シミュレーションゲームに比べるとシミュレーション要素は薄いが、その分ヒロインとの会話を楽しむことに重点が置かれている。
特に下校会話では、豊富な話題リストの中からヒロインの喜びそうな話題を考える必要がある。
学校の話など身近な話で少しずつときめきハートを上げていき、上がってきたらプレゼントを渡したり、ヒロインを見つめたりしてさらにときめきハートを高め、最大近くになったらいよいよデートに誘う……
と、駆け引きのようなやり取りが楽しめる。どきどきハートの存在もあり、ただ押せばいいだけではない戦略性もある。
また、下校会話時はヒロインの顔が大きく映っており、背景がスクロールしたりとシンプルながらも一緒に並んで帰っているという雰囲気がよくでている。

好感度のあこがれ、仲良しもどちらによっているかでヒロインと会話した時の反応も変わるのも地味ながらも会話をする楽しみにもなっている。

主人公の成長要素がない分、ヒロインと恋人になるための手段は普段の会話やイベントをこなしたり一緒に下校するのが中心となっている。
とりあえずヒロインに会い続けることが基本なので攻略の指針もわかりやすい。

ヒロインには機嫌の概念があり一定期間会わないでいると機嫌が悪くなり他の全ヒロインを含めて好感度が一定量減少するが、ゲームの期間が短いのもあり頻度は少なくリカバリーも容易。
爆弾処理と揶揄されることもある他の恋愛シミュレーションゲームのそれのように気にしすぎる必要はあまりなく、目当てのヒロインとのコミュニケーションに集中できるのも嬉しいところ。


★転校がテーマのストーリーに合ったせつない雰囲気がよく出ている

他の恋愛シミュレーションゲームと違い「転校」をテーマにしており、転校すること、それを伝えられないことのせつなさがストーリーだけでなく、グラフィックやBGMなどにもよく現れている。

転校まで一ヶ月あるのもあり普段通りの学校生活を送る中でいろいろな女の子と知り合い、好きになった女の子とだんだんと仲良くなっていくのは嬉しさが大きいが、
同時に転校して別れるというせつなさ、転校することを内緒にしていることの申し訳無さ、もどかしさが混じり合い独特の雰囲気がでている。
ヒロインと特に親しくなると見られるイベントには夕日が映る場面が多い。
夕方二人の思い出の場所で語り合ったりと親しくなったことを感じられるが、映る夕焼けがせつさない雰囲気を盛り上げている部分も。

BGMは『鋼鉄帝国』や『LUNAR ザ・シルバースター』などのゲームの音楽も手掛けた岩垂徳行。ゲームの持つせつない雰囲気とマッチした良曲も多い。


★よくも悪くも地味、没個性

前述のように素朴なキャラクターデザインが特徴だが、やはりパッと見で魅力を感じるような可愛さや華やかさに欠けると感じる人も少なからずいるかも。

ヒロインたちの性格やストーリーも奇抜すぎず適度な臨場感があるが、逆に没個性で発売当時でもどうしてもありふれた設定のキャラクターが目立つ。
イベントの内容も「ヒロインとぶつかったことで知り合う」「雷に驚いたヒロインに身体を寄せられる」と良くも悪くもベタなものが多い。
同じようなイベントが他の多くのヒロインでも見られることが多いのもそれに拍車をかけている。

また、ヒロインたちとのストーリーも仲良くなって恋人になることがメインで、一緒になにかに取り組んだりヒロインの悩みや問題を解決したりといったことが無いため盛り上がりに欠ける。
そのためヒロインに対する印象も説明書に書いてある内容や、出会った時の印象からあまり変化を感じないヒロインも。


★キャラクター同士の関わり合いが少ない

ヒロインを始め登場キャラはそれなりにおり、中には同じクラス同士のキャラもいるがキャラクター同士の関わり合いはかなり少ない。
みさきや柳沢などと他のヒロインが関わるイベントが有るくらいでヒロイン同士での関わり合いは皆無。


★UI周りに不備が目立つ

一作目ということもあるがUI周りは不備が目立つ。
行き先選択の際にどこに誰がいるのかなどの目安になるものがないため、ヒロインの好む場所ばかり訪れていると他の場所で起こるイベントを見逃すことも。
イベントのコンプは攻略情報がないと難易度が高め。

×ボタンでメッセージを即表示しボイスのキャンセルできるが、同時に○ボタンでページ送りもしないといけないため、スキップするには×と○両方のボタンを押す必要があったりと使いにくい。
また、一度ゲームが始まるとロードが出来ないため、やり直したい場合はプレステ本体のリセットボタンを押す必要がある。
Rでは×ボタンを押せばメッセージスキップしつつページ送りも行われる。また、×ボタンを押しっぱなしにするとスキップはされないがオートモードになる。
夜にロードコマンドが選べるようになったりと改善されている。


●主題歌 『トゥルー・ラブストーリー〜恋のように僕たちは〜』


休みが終わったら 新しい街さ 君は ポツリと 笑う

オープニングとエンディングにはごくせんのヤンクミ役などでおなじみの女優仲間由紀恵の歌う主題歌が用いられている。CMにも本人が制服を着て出演していた。
デビュー当時はアニメやゲームの主題歌や声優なども行うオタクアイドル的な売り出し方をしていたのだとか。今となってはちょっと意外かもしれない。

サンライズの制作したオープニングのアニメーションムービーの出来もよく、この曲とアニメのある無印版のほうが好きなユーザーも少なくはないとか。
ちなみに、仲間由紀恵の所属するプロダクションのホームページにある彼女のプロフィール欄では"PS用ゲームソフト『アスキー』テーマソング"と紹介されている。それメーカーの名前……


●リメイク版や関連商品


★トゥルー・ラブストーリー ~Remember My Heart~


きみが話してくれたこと まだ今も 耳元で歌ってる
どこまでも続く キミとボクのうた

価格の下がった廉価版だがイベントなどが追加されている。実質完全版。今プレイするのならこちらがおすすめ。
デートイベントが各ヒロインに2つずつ追加されており、追加デートイベントのうち1つはCGも用意されている。
綾音の追加デートイベントのCGはある意味必見かと。パ○ツじゃないから問題なし!

みさきにも好感度が用意され上げていくことで見られるイベントも用意されている。下校会話も実装されており、1回だけだがデートに誘う事もできる。
ゲーム的には誰とも恋人になれなかったバッドエンド扱いだが、エンディングの内容も少し変化する。
ただし、みさきの攻略はシリーズでも屈指の難易度。特に下校会話は喜ぶ話題やプレゼントが少なかったりと一人だけハードモード状態。

オープニングムービーと主題歌が変更されたが、オープニングに『きみとぼくのうた』、エンディングに『ひとりぼっちということ』と別の曲が用いられている。歌はどちらも綾音役の菊池志穂。
変更されたことに賛否は分かれるものの曲自体はどちらもゲームとよく合っている。


★トゥルー・ラブストーリー ~Remember My Heart~ (Windows版)

1998年7月24日発売。基本的な内容はプレステ版Rと同様*5。マシンスペック次第ではプレステ版よりも高画質なムービーも楽しめた様子。
スクリーンセーバーなどの各種アプリケーションを収録した『トゥルー・ラブストーリー アクセサリーBOX Vol.2』が同梱されている。
対応OSがWin95、98とだいぶ古く今のPCでは動かない可能性があるため、今プレイするのならプレステ版のほうが無難。
ちなみに、2020年にSwitchで『LoveR Kiss』が発売されるまで、ソニー系のハード以外で発売された唯一のシリーズ作品でもあったりする。


★トゥルー・ラブストーリー ~Remember My Heart~ オフィシャルコミック

漫画家の森田屋すひろが手掛けた漫画がTLSオフィシャルのコミックとしてまとめられた本。
森田屋すひろはTLSシリーズの公式イラストレーターとして活動するようになり、ノベル版の挿絵なども手掛けている。
漫画の中で綾音がルーズソックスを履いているシーンもあるがあまり評判はよくなかったとか。ゲームのノスタルジックな雰囲気が好きなファンが多かったのだろうか?


★True Love Story Special Song Box

2004年発売。1からSまでの4作品をまとめたサウンドトラック。
4作品の主題歌やBGM、さらにはヒロインのイメージソングをあますとこなく収録したまさにTLSシリーズの音楽の集大成と言える超豪華版。
聴き応えがありファン満足の内容だが、限定生産だったため今となっては中古価格が高め。


★トゥルー・ラブストーリー ハイパーGコミック アンソロジー

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場でおなじみのエニックスから発売されたアンソロジーコミック。藤田佳子や武藤冴などドラクエ4コママンガ劇場などでおなじみの作者も参加している。
ドラクエ4コママンガ劇場17巻の新山たかしの楽屋裏コーナーに宣伝として描かれたみさきと弥生のイラストを覚えている読者もいるかも?
あの魔神ぐり子も参加している。魔神ぐり子の描く綾音はかなり可愛らしいが、その内容は……お察しくださいw
-下校会話時-
主人公「桂木はトリニダードドバゴの首都のポートオブスペインについてどう思う?」
綾音「わ…わからないわ…」
←ときめきハートが音を立てて大幅ダウン


●余談など

  • 人気を博したシリーズだがゲームアーカイブスなどへの移植はされてこなかった。幸い中古価格はそこまで高くもないが。

  • Sやキミキスのキャラクターデザインや、セイレンのシリーズ構成などでもおなじみの高山箕犀はRから制作に関わっている。3までのグラフィック担当だった。
    当時は本名で仕事をしていたため高山箕犀の名前が使われたのはSから。

  • 偶然か狙ったのかは不明だがシリーズを通してキャラの名前や名字に法則のあるヒロインもちらほらいる。
◆メインヒロインの名前が一文字違い
1:桂木綾音(あやね) → 2:森下茜(あかね) → 3:蒼月たかね

◆幼馴染の名字は「○瀬」
1:広瀬のぞみ 2:七瀬かすみ 3:柳瀬里佳
Sは該当しない……かと思いきや?

◆マイペース系キャラの名字は「○野」
1:天野みどり 2:丘野陽子 3:紺野遊季
元気なマイペース系という事以外は性格は割りと異なる。スタイルがいいという共通点も。丘野さんの場合は……別な意味で。

また1の妹キャラがみさき、2が君子(きみこ)だったため、3では「こ」で始まるのでは?とファンディスクでネタにもなったが、3では妹でなく双子の姉で名前もかなめだった*6

  • キャラクターデザインの松田浩二は薬剤師の資格を所持しているという異色の経歴の持ち主。
    家業の薬局を継ぐために3を最後にシリーズの制作には関わっていないが、本人のTwitterでは何度かTLSシリーズのキャラクターたちのイラストなどを投稿していた。
    中には無印のパッケージイラストをLive2Dを用いてアニメーションとして再現したものも。ファンなら思わず懐かしいと感じること請け合いかも。絶対領域!絶対領域!


追記修正は転校一ヶ月前に彼女を作ろうと決意したことのある人がお願いします

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最終更新:2024年11月27日 20:28

*1 杉山イチロウはアマガミには関わっていない。そのため全作通して制作に関わっているのは音楽の岩垂徳行のみ

*2 2016年発売の『レコラブ』は今作の20周年記念タイトルだったので、レコラブを含む後継作品も今作と同一のシリーズとも言えるのかもしれない

*3 オフィシャルコミックでは大須賀の妹に間違われる、とネタになっていたり。おいおい……

*4 問題を考えたのはゲームデザイナーである吉田行宏の当時大学生だった弟。一応高校受験レベル……らしいがスタッフの間でも難しかった様子。 ※公式ガイドブックの開発者インタビューより

*5 もともとWindowsで無印のバージョンアップ版を発売する予定だったが、開発が遅れたためプレステ版Rが先に発売されたとのこと

*6 ちなみに主人公の妹は2以降、キミキスまで登場しなかった