オロナミンCドリンク

登録日:2024/04/13 Sat 19:48:03
更新日:2024/09/27 Fri 23:08:11
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元気ハツラツ!


オロナミンCドリンクとは、大塚製薬によって発売されているエナジードリンクの一種である。





【概要】

茶色い瓶に日の丸のような白背景、赤丸、白文字のラベルが目を引くデザインをしている。
このデザインは1965年に販売開始されてからほとんど変わっておらず、人々に長く親しまれてきたものである事が窺える。
なお、瓶が茶色いのは液体のビタミンCを日光から守るためとのこと。
キャップの形状は発売当初はビール瓶のような王冠状のものだったが*1、のちに捻って開けるスクリュー式のものとなった。
しかし、1985年に発生した連続異物混入事件の影響を受け、一度開けると締め直せない独特のプルタブのようなマキシタイプというものに変わった。
内容量は120mlと小ぶりだが手軽に飲めるサイズ。
中身の液体は透き通った濃い黄色で、味としては甘く炭酸が少々強めか。
名前の由来は、発売当時すでに人気商品であった大塚製薬の「オロナイン軟膏」と、成分の「ビタミンC」を組み合わせたもの。
値段は自動販売機含めだいたい100円少々であり、瓶1つ1つの他に10本まとめられたものも売られている。

なお、前述の通りあくまで炭酸を含んだ栄養ドリンクであり、現在においても医薬品には分類されていない。
似たような製品である大正製薬のリポビタンDなどは指定医薬部外品として、一応は医薬品の一種となっている。
有名な「元気ハツラツ!」というキャッチコピーは、医薬品に分類されていないがゆえに直接的に効能を謳ったキャッチコピーを載せることが出来ず、それを逆手に取って考案されたものだと言われている。


【歴史】

その歴史は非常に長く、1965年から発売されている。
かつてドリンク剤は疲れた体に鞭打って働くための飲み物というイメージがあり、一般には浸透しづらかった。
しかし、炭酸飲料としての爽やかさを取り入れてオロナミンCは完成したのである。
当時の区分としては清涼飲料水であるためなかなか薬局には浸透しなかったが、食品店やスポーツ施設など地道に販売ルートを開拓して人々に馴染みあるドリンクとなっていった。
そして万博などを経て世界的にも知名度が上がり、80年代には海外でも販売されるようになっていった。
2000年にはローヤルゼリーやプロポリスなどを配合した「オロナミンC ロイヤルポリス」という姉妹品も発売されるようになった。
こちらはラベルの赤丸部分が金色に変化している。

広告活動にも早くから力を入れており、当時のCMキャラクターであった大村崑のホーロー看板が日本各地に設置された。
「ボンカレーの松山容子」「ハイアースの水原弘」と並ぶタレントホーロー看板の代表格で、民俗資料館や昭和レトロ系施設で見たことある人も多いだろう。
これ以外では1976年から2001年まで読売ジャイアンツの選手が起用され、中でも1991年のCMで使用された「元気の星」は、子供の頃からエースで4番~♪というどストレートな歌詞も相まって大ヒットを遂げた。
また、SMAPの名曲「オリジナルスマイル」も、このCMとのタイアップで使用されたのが初出。


【フィクション作品におけるオロナミンC】

……とまぁ、オロナミンCは人々に長く愛されたドリンクである。
他にも様々な製品がある中、そういった概要だけではアニヲタ的には少々物足りない。
しかしこの商品、知名度があるだけにさまざまな作品でパロディ商品が登場する事が多い。
そして一部界隈では、パロディではなく商品そのものが非常に馴染み深いものとなっている。
そう、ニチアサ界隈である。

◇ニチアサシリーズにおいて


2004年より大塚製薬が仮面ライダーシリーズのスポンサーとなった為、番組内でCMが流されるようになる。
その中で、実際に放送中の仮面ライダーがCMに登場するようになったのだ。内容は概ね視聴者の子供達にエールを送るというもの。物によっては本編との温度差が激しいとか言ってはいけない
当然この番組の放送時間中にしか見ることの出来ないレアCMである為、後から見る手段が限られるのが残念である。
何度か作中に登場したこともあり、webページである仮面ライダー図鑑にもオロナミンCのページが存在する。

仮面ライダー剣

マァーンビキョー!万引きよー!オッペケテンムッキー!追っかけて睦月ーっ!」

作中でオロナミンCが万引きされる品物として登場した事がある。
しかも、万引き犯が主人公の剣崎一真に押し付けて彼が濡れ衣を着せられるという、後年の蜜月関係を考えると信じられないような役回りである。
なお、たまに勘違いされるが、この時点だと仮面ライダーシリーズに関連したオロナミンCのCMはない。
コロモノコロカラ、ピエロニアコガレチタ子供の頃からヒーローに憧れてた」というセリフで有名なのは丸大食品のソーセージなどの商品である。

仮面ライダー響鬼

「自分のやりたいこと、やれること、やればいいんだよ。少しずつさ」

主人公であるヒビキさんが語りかけてくるタイプのCM。
自分を鍛える音撃戦士らしい、頼もしい声援と言える。そんな感じ。

仮面ライダーカブト

「強さは、俺の中から生まれる」

暗い部屋でシャドウボクシングをする天道総司
彼のストイックさが窺えるCMである。
多分上記のセリフもおばあちゃんが言ってそう。

仮面ライダー電王

「負けるな。僕だって負けない」

落ち込んでいる子供を励ます野上良太郎
決して力が強いとは言えない彼だからこそ、心の強さを感じさせるものとなっている。
だぜ口調の野上良太郎(タロス憑依なし)が拝めるのは多分このCMだけ。

仮面ライダーキバ

「君の宣言聞かせて?」

紅渡が子供にそれぞれの頑張ることを聞くという内容。
親子でチャレンジ宣言というキャンペーンがあった為、それに沿った内容のものとなっている。
なお、キャンペーンに当選すると仮面ライダーキバとオロナミンCのレリーフがそれぞれ彫られた金メダルが贈られた。

仮面ライダーディケイド

「一緒なら頑張れる」

前年に引き続き親子でチャレンジ宣言キャンペーンがあった為、キバと同じく子供に頑張ることを尋ねている。
この年はディケイドに合わせたのか、メダルではなくフォトフレームが貰えるようになっていた。
なお、この作品のみ変身後の姿だけで、門矢士こと井上正大氏は吹き替えのみの参加である。
その他、『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』の公開を記念して東京メトロで開催されたスタンプラリーで、景品としてガンバライドカードと一緒にオロナミンCが貰えた。

仮面ライダーゴースト


「最初から、上手くできなくたっていい」
「諦めなければ」
「自分を信じれば」

「きっと出来る!」

大塚製薬が再びスポンサーとなった事で、CMも復活。
ライダーも増えたためか、主役以外も登場するようになった。
自転車や逆上がりで挫けそうな子供をタケルマコトアランが応援する、明るい内容である。

仮面ライダーエグゼイド

「頑張ってるあの子を、応援したい」
「でも、自分の力で成し遂げないと」
「意味ねーんじゃねーか?」
「それなら、届け!」

縄跳びで挫けそうな子供に宝生永夢がオロナミンCを渡すという内容。
子供を応援する、レベルアップするなど、小児科医のエグゼイドとマッチした明るいCM。
本編とは違ってやたら優しげな声の光、もとい闇医者が印象的である。

仮面ライダービルド

「君に、勝利の法則を教えよう」
「何も恐れない気持ちだ!」
「立ち向かう勇気も、だろ?」
「後は、元気をフルチャージだ!」

水泳に苦戦する子供に、桐生戦兎がオロナミンCを渡すという内容。
ちなみに、変身後のライダーの姿も出るのだがクローズのみ何故か初期フォームではなくクローズチャージの姿になっている。

仮面ライダージオウ

「出来ないって、悔しいよね」
「でも、その頑張ってる時間が大事なんだ」
「そう、君の明るい未来の為にね」
「さあ、オロナミンCで!元気ハツラツタイム!」

野球を頑張る子供に常磐ソウゴがオロナミンCを渡すという内容。
時間をモチーフにしたジオウらしく時間を絡めた言葉での応援が秀逸である。

仮面ライダーゼロワン

「オロナミンCには、頑張る君を応援する力がある」
「夢を叶えるには」
「諦めちゃ駄目だ」
「何度でも立ち上がる君に、元気をチャージだ!」

夢に向かう子供を応援する飛電或人たち。
ただ、この縄跳びや野球をする子供の映像は地味に過去の流用だったりする。
コロナ禍で新しい映像が撮れなかったのではないかという苦肉の策がうかがえる。
過去の映像を閲覧しているような演出なので、そこまで不自然さが無いというのは近未来的なゼロワンによく合っているCMである。
着色料・保存料1000%!

仮面ライダーセイバー

「本当に強い人っていうのはね」
「どんなに手強い相手でも」
「逃げずに立ち向かう」
「そう言う人のことだと思うんだ」
「だから、自分を信じて!」

剣道を頑張る幼い剣士を応援する神山飛羽真達。
この子もやがて剣士となる日が来るのだろうか。
ちなみに、今まで子供の応援だけだったが、本作でやっと一緒に頑張ってるパパもオロナミンCを飲ませてもらえた。良かったねパパ。

仮面ライダーリバイス

「一緒だから、頑張れる」
「一緒だから、乗り越えられる」
「仲間がいるって、力になるよね」
「俺っち達みたいにな!」
「さあ、オロナミンCで!元気のスタンプだ!」

太鼓を叩く少年少女を応援する五十嵐ファミリーバイス
家族らしく、一緒にいることを強調する言葉が印象的である。
なお、残念ながらバイスはオロナミンCを飲ませてもらえなかった。

仮面ライダーギーツ

「叶えたい、夢に向かって」
「頑張るみんなに」
「届いてほしい!」
「オロナミンCの、元気ハツラツパワー!」

願いを叶えるというデザイアグランプリにちなんで、浮世英寿らが頑張る姿を応援するコメントを送っている。
ちなみに、「着色料保存料ゼロ」と言わなくなったが、現在もゼロのままである。
CMでは何故か英寿の仲間の一人であるミッチーだけがハブられてしまっているが、この時期に彼が怪人サイドのキャラクターとして動いていた事と関係があるのかは不明。

・仮面ライダー50周年

「変身、変身、変身!」
「共に変身した、元気ハツラツなすべての戦友たちへ」

50年と言う節目を記念して、それまでのライダーが集合したCMも放送された。
仮面ライダー50周年のロゴにオロナミンCのラベルのような赤いカラーのブルゾンが当たるキャンペーンが行われた。


フレッシュプリキュア!

パパやママに宣言しよう!」

実はプリキュアの中でもフレッシュプリキュア!に限りオロナミンCのCMがあったりする。
桃園ラブが明るく子供達にがんばることを尋ねる内容。
ディケイドと同年であった為、同じく親子でチャレンジ宣言キャンペーンがあり、当選するとフォトフレームが貰えた。

◇その他

テイルズ オブ デスティニー

1997年発売のゲーム
その作中に登場する企業、オベロン社が製造・販売しているアイテムとして『オベロナミンC』が登場している。
元ネタは言うまでもないであろう。
主に各地のレンズショップで購入可能で、価格は50ガルド。回復量はHPの35%。
ただ、30%回復のアップルグミが30ガルドで購入可能なので、積極的に買うかと言われると…。

また、同様のアイテムに『オベロンEX』*2と『オベロンGOLD』*3が存在している。

その後、2006年にPS2のリメイク版が発売。
さすがに危なっかしい名前のこのアイテムは当然削除……されなかった!!
ただし、EXとGOLDも合わせて、『オベロナミンEX』と『オベロナミンGOLD』に改名され、オベロナミンシリーズとなった。
…それでいいのか?


追記・修正は元気ハツラツになってからお願いします。


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最終更新:2024年09月27日 23:08

*1 そのため、当時は購入したお店で栓抜きを貸してもらって開けて飲むということも珍しくなかったらしく、当時を経験した昭和キッズのあるあるネタとして話題にのぼることがある。

*2 HP65%回復

*3 HP100%回復・非売品