ジョイボーイ(ONE PIECE)

登録日:2024/05/16 Thu 00:03:38
更新日:2025/03/23 Sun 11:31:49
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───ジョイボーイというのは
“空白の100年”に実在した地上の人物なのじゃもん

最低でも800年前の人ね…

ジョイボーイとは漫画『ONE PIECE』の物語の過去に存在していた人物である。


概要

空白の100年の時代の人物であり、作中の時系列にて少なくとも約800年前〜900年前に実在していた人物。
魚人島には彼の名前が王族に代々伝わっており、彼による謝罪文と読み取れる歴史の本文が海の森に置いてある。
また、偉大なる航路(グランドライン)の終着点にある『ラフテル』にて、『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』を遺した人物であると言われる。

ジョイボーイについてわかっていること

作中で謎に包まれているジョイボーイであるが、現状判明している作中での情報を踏まえるとわかっている事については以下の通りである。

  • 空白の100年の時代に地上にいた人物
  • 魚人島と何らかの約束をした事
  • 何らかの罪を犯した事
  • ラフテルにひとつなぎの大秘宝を遺した事
  • この世界で初めて海賊と呼ばれた事=原初の海賊になった男だという事

物語が最終章に入った現在、この世界の謎を解き明かすキーパーソンとなりうる人物となっている。

人物

後述で説明するが、ある人物との記憶の中で登場した時はシルエットであったが、マントを羽織り麦わら帽子と思わしき帽子をかぶっていた。
その人物がいずれ自分の死が来てしまう事について軽くショックを受けていた際には、気さくに話しかけて励ましていた。
一人称は「おれ」。

戦闘能力

覇王色の覇気を扱える事が判明している。
威力に関しても凄まじいものであり、五老星の変身を解除させ、パンゲア城の権力の間に強制送還させるほどである。

作中での言及や登場

魚人島編

ジョイボーイの名前が作中で初めて触れられたのは魚人島にて。
ジョイボーイが残したとされる歴史の本文はロビンが今まで見てきた物とは内容が少し違うものであり、謝罪文の様な内容であった。それは、空白の100年時に魚人島にかつていた人魚姫へ宛てられた文章であるとの事。
ロビンとリュウグウ王国国王ネプチューンとの会話では、王家には偉大なる人物として伝わっており、「いずれ必ずジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者が現れる」と伝説として残されている。*1

ワノ国

しばらく作中にて言及が無かったが、ワノ国編にて再び言及される。
この章で最初にジョイボーイの名前が言及されたのは、光月おでんの過去編にて。彼がロジャー海賊団に所属していた時、彼らが偉大なる航路の最後の島・ラフテルにて見つけたひとつなぎの大秘宝を発見した時に言及された。その時、目の前にあった宝を見つけた彼らは全員涙が出る程笑っていた。
ロジャー

ジョイボーイおれは……!!
お前と同じ時代に生まれたかった
とんでもねェ宝を残しやがって……!!!
とんだ笑い話(●●●)だ!!

と笑いながら口にした。
この事から、ジョイボーイはひとつなぎの大秘宝をラフテルに残した人物である事が示唆された。

次に言及された時は、四皇の1人・百獣のカイドウルフィとの2度目の戦いにて。決闘の末カイドウが勝利し、ルフィは海へと落下する。その時落下するルフィを見て、お前も(●●●)…“ジョイボーイ”には……なれなかったか………!!」と呟いた。
また回想にて、カイドウは部下のキングからジョイボーイの事を聞き、キングはカイドウの事をジョイボーイだと思っていたとの事。*2
ちなみに、カイドウもまたジョイボーイの名前は知っており、息子のヤマトおでんの航海日誌を読んで、ジョイボーイの名前を口にしてそれを聞いた模様。どうやら日誌の内容に書いてあった事は、おでんが望むワノ国の開国とはジョイボーイを迎えるためとの事。

また、鬼ヶ島での決戦が終盤に差し迫っている中、ワノ国近海に突如現れた幻の島“ゾウ”こと象主(ズニーシャ)モモの助にテレパシーである事を伝える。
それは、ズニーシャはかつて800年前に罪を犯したジョイボーイの仲間であるという事だった。
そして、復活したルフィはカイドウに3度目の戦いに挑むが、五老星の勅命を受けたCP-0の諜報部員のゲルニカによる妨害にて、再びカイドウに敗北してしまう。
鬼ヶ島は絶望的な状況に飲まれるが、ズニーシャは再びモモの助に話しかける。

モモの助…!!聞こえる……!!
懐かしいな
“解放のドラム”が聞こえる
800年振りに聞く……!!
間違いないそこにいる(●●●●●)

ジョイボーイが…!!
帰って来た!!!

その時、敗北したルフィはにかっと笑い、ゴムゴムの実の真の力を覚醒させ、ある力に目覚める。
これにより、ジョイボーイは先代のヒトヒトの実モデルニカの能力者であったのではないかと示唆された。

そして、決着時にルフィによってマグマに殴り落とされた時、カイドウはキングとの回想にて、ジョイボーイは自分を倒した者であるとキングに話していた事が判明。
これにより、カイドウはジョイボーイを知っているのではなく、自分を倒した人物の事を指すといったカイドウの持論があり、上記のカイドウがルフィに向けて言った発言の真意が判明した。

決着後、人物像とは関係ないがオロチ政権打倒の表向きの功労者としてジョイボーイの名が使われた。*3
一概に間違っているわけではなさそうだが、政治的な事情等も含め、みんなが納得するにはうってつけの存在といえるだろう。

未来島エッグヘッド編

エッグヘッドの工場層(ファビリオフェーズ)にて安置されてる謎の巨大ロボットが、ギア5に変身したルフィが鳴らすドラムの音に共鳴し目覚める。
五老星といった多くの勢力が集まり混沌と化す戦場の中、そのロボットは起動し突如動き出す。その時に、(スマナイ…ジョイボーイ…)と呻いているが…?

そして、ベガパンクの死と同時に起動した特殊な映像電伝虫での全世界への同時配信によりこの世界の衝撃の未来を語った後、オハラの残した文献といくつかの歴史の本文を読み解き、そこである程度明らかになった自分の知る空白の100年の真実について語り始める。*4
語り始める前、この歴史の物語の主人公であるジョイボーイという男について話した。


この物語の主人公は………
900年前にあるまじき高度な文明を持つ王国に生まれ

──まるでエルバフに伝わる
“太陽の神”ニカの様に伸縮する体で戦った
彼の名は“ジョイボーイ”

この海で初めて “海賊”と呼ばれた男じゃ!!!

+ 以下、現在判明した事をここに記す
かつて存在した巨大な王国の出身であったジョイボーイは、空白の100年の時代に、現在の世界政府樹立前の20の王国の臨時共同体である「連合軍」と戦争をしていた。
20の王国が一致団結したのは、ジョイボーイの一団が堅固なものであった為であるとの事。
戦争が開戦した理由は不明だが、2つの思想の衝突によるものであるといった側面を持っている。(「争いの火種が分からない以上、"善悪"ではなく"2つの思想"のぶつかり合い」とベガパンクは語っている)
だが、その戦争はジョイボーイが連合軍に敗戦した事によって幕を下ろされ、世界に大きな爪痕を残した
しかし、ベガパンクはこの戦争がまだ終わっていないと話し、古代兵器が現存する事によって未だに続いていると言及する。

+ ある人物との記憶の中では…
後述に記載されている古代ロボットこと“エメト”の記憶の中では、いつか訪れる自分の死や、エメトは自分の死後もずっと生きていく事に関して対話する時に、「いざって時」の為に最大級の覇気を結んで体内に閉じ込めた事をエメトに話した。
「自分の命が危ない時」或いは「守りたい誰かの命が危ない時」こそ「いざって時」だと教え、その時に結び目をほどけと伝えた。
いざって時に自分を助けてくれると呟いたエメトに、


そうだ!!“過去”からおれがお前を助ける!!
いつだってそうだろ!?

と気さくに話しかけた。

関係者

偶然か必然かは不明だが、判明しているジョイボーイの関係者はルーツ、種族、特徴などが麦わらの一味と酷似している者が多い。

  • 800年前の人魚姫
前任の「ポセイドン」だった人魚姫。
魚人島の歴史の本文にはジョイボーイがこの人魚姫に宛てた謝罪文が残されている。

大昔に罪を犯したために歩くことしか許されず海を彷徨っている巨大生物
特定の人物の頭の中にのみ聞こえる声で人間と会話する事が可能。
800年前にジョイボーイの仲間だった事がワノ国編で明かされている。

  • 光月家の祖先
元々光月家は石工の一族であり、歴史の本文を作り出したのは当時の光月家の人物である。

  • 古代ロボット(仮)
200年前に聖地マリージョアに突如として現れた存在。
世界政府からは処分命令が下されていたが、当時の科学者達はその性分故に未知の技術の塊であるこの機体を処分できず、本編時点ではエッグヘッドにて密かに保管されていた。
動く事はなかったが、ギア5ルフィの心臓のドラムのリズムに反応し突如動き出した。
しかし、ベガパンクの配信元である電伝虫がロボットの中にあると(ヨーク)が突止めて、それを知った五老星のウォーキュリー聖が動き出していたロボットを海へ突き落とした。

+ エッグヘッド編終盤にて…
海へと沈む中でも「ジョイボーイ…居タヨネ」「会イタイナァ」と蠢いていた。だが、再びギア5に変身したルフィとニカの姿にボニーが変身した瞬間、それに呼応する様に「居タ…」と反応。
そして浮上し、巨兵海賊団の船に迫り来るウォーキュリー聖の前に現れ彼を殴り飛ばし牙をへし折る。その時、ジョイボーイと思わしき人物との記憶を思い返しており、その人物から“エメト”と呼ばれていた。

その後、ピーター聖に向かって何か発射しようとするが不発に終わり左腕を齧り取られる。更に、ウォーキュリー聖の再度の攻撃で内部の電伝虫も破壊された事により、ベガパンクの世界に向けたメッセージは今度こそ終了となった。

自分の体がボロボロになりながらも、ジョイボーイが本当はもう生きていない事や、彼を「王」にする事ができなかった事に対して「スマナイ」と謝罪をしていた。
そして、ルフィに名前を聞き“D”の名が入ってることに反応し、ジョイボーイの言っていた「いざって時」である「守りたい誰かの命」の為に、結び目をほどいて覇王色の覇気を放った。

フフフ──… ネエ ルフィ……!!
アリガトウ!!懐カシイリズムヲ 聴カセテクレテ……!!

オマエハ死ナナイデ!!
オマエヲ死ナセナイ!!!

放たれた覇気により付近にいた中将を含めた海兵達は気絶し、五老星の変身を解いた後にサターン聖を除く五老星をマリージョアの権力の間へと強制送還した。*5
そして力尽きたのか、ジョイボーイとの和やかな会話を回想しながら目の光が消えたエメトは活動停止してしまった…。



  • 性格
ゴツイ見た目であるが口調はどこか幼さを感じるのが特徴。
彼の声はルフィにしか聞こえていない。
ルフィの事をジョイボーイと呼ぶが、ジョイボーイの事など知らないルフィは別人を呼んでいるのかと思って後ろを振り向くので、そんなルフィに対して「オマエダヨウ!!」とツッコミを入れたりユーモアがある。
ロボットだけど自分の意思でツッコミができるしこれはこれで高性能なロボット。

  • 武装・能力
普通のパンチで頑丈な体を持ったウォーキュリー聖の牙をへし折るほどの威力を持っている。
武装も搭載されていたのか左手で何かを発射しようと構えていたものの、既に体が錆びて老朽化していたため不発に終わった。
切り札として、ジョイボーイの最大級の覇王色の覇気が込められた「結び目」があり、この結び目をほどくと、覇王色の覇気が一度だけ放出される。


余談

  • 元ネタ?
「想像と幻想の不思議な世界:エンサイクロぺディアファンタジア」という書籍にて、ジョイボーイ(Joy Boy)と呼ばれる人物が書いてある。
その内容を要約すると、
  • 踊り、歌い、歓喜の声をあげたいという人間の欲求を具現化した西インド諸島の人物であり、初期の奴隷船に乗って西アフリカからカリブ海に渡って来たと言われる踊り子の神の親類であるとの事。
  • ジョイボーイは人間のあらゆる欠点や問題を絶えず笑い飛ばしてら思わず引き込まれてしまうリズムで太鼓を叩きながら、人間の苦悩を癒している。
  • ジョイボーイの音楽を聞いたものは、誰でもそれに合わせて踊ったり歌ったりはせずにいられなくなり、ついにはその肩から絶望という黒いマントを振り落とす。
といった内容が書かれている。
これらを踏まえると太古の時代に奴隷達が自分達を救ってくれると信じた、伝説の戦士太陽の神ニカとの共通点が多い。


追記・修正はジョイボーイになってからお願いします。

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  • 覇王色の覇気
  • エメト
  • 初登場が新世界編開幕~パンクハザード編
最終更新:2025年03月23日 11:31

*1 そのため、王家の彼らはその日を信じて約束の舟「ノア」を見守り続けている。

*2 これにより、彼の種族であるルナーリア族にジョイボーイの伝説が伝わっている事がわかる。

*3 民衆からはカイドウを倒した戦士としてワノ国の刀神様と並ぶ英雄として伝えられている。

*4 但し、全てが明らかになったわけではないので「不完全な空白の100年」と語っている

*5 マーズ聖はルフィ達に吹っ飛ばされていた為、そのまま権力の間へ先に戻っていた。