海賊(ONE PIECE)

登録日:2025/03/06 Thur 12:36:47
更新日:2025/04/23 Wed 09:40:39
所要時間:約 13 分で読めます




富、名声、力、この世の全てを手に入れた男


彼の死に際に放った一言は人々を海へ駆り立てた。

「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやる

探せ!

この世のすべてそこ(●●)に置いてきた」


男達は、グランドラインを目指し、夢を追い続ける。


世はまさに大海賊時代!!!


本記事では漫画『ONE PIECE』における海賊について記載する。




【概要】

物語の主軸となる海上や各地の島々で略奪行為などを主に行う無法者集団。
作中では主に海賊旗(髑髏の描かれた旗)を掲げた集団を総じて「海賊」「海賊団」と定義している。

作中世界は一応現実の大航海時代辺りをモデルにしているのだが、現実の地球と比べて圧倒的な海洋面積を誇り、航空機や飛行船の類はを除いて全く存在しないため、島から島への移動や冒険は船で行われている。
そのため犯罪者の活動域も必然的に海上メインとなることが多く、海賊王ことゴールド・ロジャーの死に際に放った一言がキッカケで幕を開けた大海賊時代の影響もあり、海賊の数が激増して世界中で猛威を振るい、一般市民に多大な被害を出している。

【特徴】

作中での海賊は文字通り千差万別であり、

…など様々な海賊団が存在し、その規模などに応じて活動目的や活動内容、海賊団内の掟もそれぞれ異なる。

◆活動目的

主人公のモンキー・D・ルフィ含めた全ての海賊達は、ロジャーの残したひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れて海賊王を目指している……

……と思われがちだが実はそうでもない。

…など、犯罪者にもそれぞれ違う動機があるように、海賊になった理由や目的は人それぞれであり、「ひとつなぎの大秘宝」に関係なく自由を求めたり世界政府が主導する体制への反発心から海賊となる者達もいる。

また中には…
  • 釣りに向かう際に間違えてアルビダ海賊団の船に乗り込んでしまったために2年間航海士兼雑用係をさせられていたコビー(その後特例に近い扱いで海軍に入隊したため、実質不問扱いとなっている)
  • 探検家として活動していたのだが、歴史の本文調査というタブーを犯したことで指名手配されなし崩し的に海賊となったペドロ率いる「ノックス探検隊」
  • 海賊というより単純に海外渡航に憧れていたところ、たまたま遭遇した白ひげ海賊団に強引に付いて行ったことで海賊となった光月おでん
  • 任務失敗で職を追われ、最終的に海賊に身を落とした元CP9フーズ・フー
  • 旅の目的が父親探しだったにも関わらず、その出自故に賞金首となって海賊になったジュエリー・ボニー
等、本人達の意思に反して成り行きで海賊となってしまった・所業、出自故に海賊とならざるを得なかった・半ば無理やり海賊として分類されるようになった者達もいる。

果てに…
といった海賊に偽装している者もいる。

そもそも、ロジャーの最期の言葉が後の海賊の時代を大きく盛り上げる事となったのは事実だが、彼が海賊王と呼ばれる前の時代から海賊達は存在しており市民を脅かしていた。

金獅子のシキはこの「大海賊時代」について「ミーハーの雑魚海賊がのさばるだけのこと」「くだらねェ……なにが新しい時代だ」と嘆いている。

◆主な海賊行為

  • 略奪行為
一般の船や各地の町村を襲撃して金品などを奪う行為。
基本的に数と暴力を用いたやり方がメインだが、クロやシキのように周到な計画を立てて略奪行為を行う海賊や首領クリークのように騙し討ちを仕掛ける海賊もいる。
七武海の様に他の海賊や非加盟国を襲撃してその宝を奪ったりする海賊もいるが。
また中にはかつてのゼフの「他所の食料には手を出すべからず」というように略奪時の掟を課している海賊もある。
ロジャー海賊団は堅気からの略奪をタブーとしており、麦わらの一味もそれを好まないが、相手が同じ荒くれ者とあれば話は別である。
戦利品の扱いも海賊団によって異なり、白ひげ海賊団では悪魔の実が手に入った場合、見つけた者が食べてもよいことになっている。

なお、読切の際には民間人からの略奪を行う海賊をモーガニア、海賊からの略奪をメインにする義賊的な海賊をピースメインと呼んでいた。
この定義を仮に本編の海賊たちに当てはめようとするとモーガニアに該当する海賊が多く、ピースメインに相当する海賊は実力者の中の一部…というか殆どいない。*3

  • 国や町村の支配
目をつけた地域を支配し、定期的に金品などを徴収する。
下記のナワバリも参照。

  • 人身売買
人攫いと組むなどして亜人種や一般市民を拉致して売り飛ばす。
ちなみに海賊も人攫いの対象となる
中には人身売買にかけられた者が何らかの方法で脱出し、そのまま海賊になるケースも。

  • 武器密売などその他犯罪行為
ドンキホーテファミリーは百獣海賊団がワノ国で製造した武器を買い取り、そこから裏社会の勢力に売り飛ばしている。


◆ナワバリ

四皇等の大海賊が支配する地域の総称。
「海賊の支配下」になるのは一見悲惨なことのように見えるが、海賊による支配・影響が国に敵を寄せ付けない抑止力になることもあり、作中世界では世界政府に加盟していない国の国民は人に在らずという非人道的な暴論が罷り通ってしまっているため、「名のある海賊のナワバリ」という肩書のお陰で他の海賊に襲われないというのは政府の庇護を受けられない非加盟国にとっては大きなメリットとなる。

……しかしナワバリとした島に見返りを求めるかどうかはその海賊次第のため、支配する海賊によっては支配される前の方が遥かにマシだった事例も当然ある

  • 白ひげ率いる白ひげ海賊団は多くの非加盟国に一切の見返りを求めずシンボルを貸しており*4、「自分の縄張りで麻薬取引と人身売買に手を出したやつは殺す」と掟を課していた。

  • シャーロット・リンリン率いるビッグ・マム海賊団はリンリンが大のお菓子好きということもあり、大量のお菓子の納入と引き換えに多くの島をナワバリとしているが、納期通りにお菓子を納入できなければ殲滅される。ただしそれさえ守っていれば特に内政には干渉せず*5シンボルを貸す方針。
    リンリンが直接統治する「万国」では、半年に一度寿命を1ヶ月分徴収され*6、こちらは彼女の能力によってホーミーズに変えられて国防の為に使用される。寿命を徴税されるというデメリットはあるが、ビックマムの子供達は敵対さえしなければ話がわかる人物達も多く、基本的には国民を大事にしてるため、海賊団と国民との仲は良好である。あとはマムが食いわずらいで暴走しなければ理想郷であるのだが…

  • ワノ国カイドウ率いる百獣海賊団の支配下に置かれ、反乱分子がいないか徹底的に監視されるディストピア、更には貧困層はまともに食事にありつけない程の格差社会と化していたが、皮肉にもカイドウの存在そのものが他の海賊や国の支配を目論む世界政府を寄せ付けない抑止力となっており、政府直属の諜報機関CP-0』が将軍の黒炭オロチと密かに取引を行うのみにとどまっていた。

◆仲間殺しについて

当然、海賊団の気質によって異なる。
麦わらの一味や白ひげ海賊団のように絶対のタブーとして扱われている所もあれば*7、クリーク海賊団やブルージャム海賊団のように船長が自分の意見に異を唱えたり任務でヘマをした部下を粛清する方針の海賊団も当然存在する。
キャプテン・ジョンは逆に宝をめぐって部下にめった刺しにされるという最期を遂げた。
極めつきにはロックス海賊団で、船員同士の仲があまりにも悪過ぎたことで、「仲間殺し」が日常茶飯事だったという…。

◆傘下

四皇や一部の大規模海賊団は、別の海賊団を自分達の傘下に入れて勢力を拡大している。
傘下入りは相手海賊団を戦闘などで屈服・降伏させて強引に傘下にする場合と船長やその海賊団に惚れ込んだ等の理由で自らの意思で傘下入りを希望する場合がある。

なお、傘下の海賊が更に別の海賊団を傘下にし、その傘下になった海賊団がまた別の海賊団を傘下にする…を繰り返すことがあるのかは不明。


【世間からの評判】

麦わらの一味は行くのほとんどの現地民から好かれているが、これはルフィ達がそれぞれ訪れた国の危機を救った英雄*8であるためであって、海賊に対する一般人の評価は基本的に…

 最 悪 

そもそもがならず者集団なのだから当然なのだが、作中で描写されるだけでも

  • バギーによる町の占領と破壊
  • アーロンによる町の長年に渡る支配
  • その他小規模な海賊による掠奪や人身売買
という事件が多発しているのだから無理もない。
他方でアラバスタを襲ってきた海賊を返り討ちにしているクロコダイルは英雄と呼ばれていたり、(自作自演とはいえ)国王になったドフラミンゴなど、支持されている海賊はいるので、評判が最悪なのは一般人に被害を出している海賊たちが中心である。

ウォーターセブンの船大工トムロジャー海賊団の海賊船「オーロ・ジャクソン号」製造の罪で死刑を被るという、一見理不尽にも見える判決*9を受けているが、これは「海賊被害激増の原因にもなっている海賊王ロジャーへの協力行為とみなされたためである。
その後、トムは海列車の製造に成功して街の経済を立て直したことで民衆や司法からの信頼を取り戻したかに見えたが、その直後に(スパンダムに陥れられた流れでとはいえ)「オーロ・ジャクソン号」製造を肯定し誇る発言をした。その途端、民衆たちはみな掌を返して、トムを悪魔の手先かのように恐れ怒る様子を見せているのである。
この一連のトムへの処遇、海賊目線で描かれる本編では民衆が軽率で薄情なようにも見えるが、それだけ海賊というのは民衆にとって忌み嫌われるものなのである。
ルフィ本人からしてギャグシーンではあるが「海賊のおれ達よりも海軍に任せればいい」という旨の発言をしたことがあり、海賊という立場への評価には一線を引いている。

またこうした無数の海賊による被害は、映画『FILM Z』や『FILM RED』にてクローズアップされている。
特にFILM REDでは海賊の被害者達の無数の嘆きの声に直面し、救世主として崇められた世界の歌姫が、世界規模の幻覚世界への強制逃避という形ではあるが、「新時代」の創造による大海賊時代からの人々の解放を夢見た。

◆海賊との商売、専属契約

海賊の隠匿などは例え王族であっても当然重罪扱いとなるが、魚人島ウォーターセブンのように海賊が落とす金で成り立っている観光立国や産業都市の場合、その収益が天上金に繋がったり産業の発展が政府にとってもメリットになると判断されれば黙認される模様。

また、
  • リュウグウ王国(加盟国)は内にタイヨウの海賊団・外に白ひげ海賊団やビッグ・マム海賊団と協定を結んで犯罪抑止を行っている。
  • 花ノ国(加盟国)は八宝水軍・二宝水軍*10と契約を結んで国の戦力としている。
という風に、時には海賊と契約して、その武力を国防に充てるということは意外と行われている模様。
特に花ノ国の場合は、世界会議に八宝水軍の構成員を引き連れており、世界政府からも容認されているようだ。
そもそもこの契約は世界政府と王下七武海のそれとほぼ同じであり、世界政府がそれを批判できるはずもないともいえる。
やや変則的だが、ゴア王国(加盟国)はブルージャム海賊団を賄賂を受け取ることで存続を認め、時には裏仕事もさせていた。ただしこの癒着関係は、リュウグウ王国や花ノ国のように国の中でも公のことにはなっていない。
ただ流石に四皇など名だたる海賊と同盟を結んだり、直接の傘下になるのはアウトで、ジェルマ王国は世界政府加盟国から除外された。

【著名な海賊】

四皇


偉大なる航路(グランドライン)”後半の海に

まるで“皇帝”の様に君臨するそやつらを

世に「四皇」と呼ぶ!!!

「新世界」にあたかも皇帝の如く君臨する4人の大海賊。
海軍本部、王下七武海、四皇を指して、海賊達の行く手を阻む「偉大なる航路(グランドライン)の三大勢力」と呼ばれる。
グランドラインが「海賊の墓場」と呼ばれるのは、三大勢力が行く手を阻むことが理由の1つ。
勢力のバランス的には、
四皇vs四皇vs四皇vs四皇vs海軍+王下七武海の体裁をとっており、これが揺らぐことは世界の行く末そのものの趨勢が動くということ。
四皇一つ取っても、海軍本部の戦力に比肩するほどの強さを誇る。

「四皇」という呼称は大海賊時代以降に付いたものであり、小説「ONE PIECE novel A」によれば大海賊時代前は、“海賊王”ゴール・D・ロジャーロジャー海賊団“白ひげ"エドワード・ニューゲート白ひげ海賊団“金獅子”シキ(金獅子海賊団)“ビッグ・マム”シャーロット・リンリンビッグ・マム海賊団の4人が新世界の覇権を握る大海賊として並び称されていたとされる。
その後ロジャーの処刑やシキのインペルダウン投獄(後に脱獄)に伴い、その穴を埋める形で百獣のカイドウが個人の強さのみで凶暴な海賊達の尊敬を集め、台頭。
6年前には赤髪のシャンクスが新たに四皇と呼ばれるようになり、現在の四皇と呼ばれるメンツが揃った*11
その後作中での出来事を経て、白ひげが死亡しビッグ・マムとカイドウも撃破されたことで、現在は
この4人が四皇と呼ばれている。
内一名は本人の実力では無く部下の暴走と政府や世間からの異常な過大評価による勘違いからの成り上がりなのは内緒…

最悪の世代

麦わらの一味と同時期にシャボンディー諸島に集結した新人海賊達の中でも懸賞金1億ベリーを越える凄腕のルーキー「11人の超新星」に、同時期に台頭した黒ひげを加えた12人の海賊。
ルフィとゾロもこの中に数えられている。
天竜人襲撃事件などの騒動を起こし、2年後には「最悪の世代」と呼ばれている。

王下七武海

世界政府公認の海賊。
成果の何割かを政府に上納することを条件に世界政府非加盟国や他の海賊への略奪を許可されており、七武海として認められた瞬間に政府からの指名手配も取り下げられ、それまでの懸賞金も解除される。
強さと知名度を兼ね備えた者達が選ばれ海賊への抑止力として機能しているが、世界政府に与する立場であるため、他の海賊達からは「政府の犬」と蔑んで呼ばれることもある。

しかし良くも悪くも「毒をもって毒を制す」政策で、ただでさえ我が強く一癖も二癖もある海賊達が素直に政府に従うことは少なく、中には制度を悪用する者もおり、世界政府内外でも制度に反発する者もいる。

◆過去の海賊達

本編の時代には既に壊滅等で存在していないが、かつて伝説と呼ばれた海賊達。

海賊王ゴールド・ロジャー率いる海賊団。
世界で唯一偉大なる航路制覇を成し遂げた海賊団であり、その後はロジャーの意思により解散し、船員達は独自の海賊団を旗揚げした者達隠遁生活を送る者志半ばで非業の死を遂げた者などそれぞれの道を歩んでいる。

約38年ほど前まで活動していた海賊団で、ロジャー以前はロックスの時代とされていた。
その構成員は船長であるロックスを筆頭に、白ひげビッグ・マムカイドウなど、後に四皇と呼ばれる大海賊の内の3人に加え、金獅子キャプテン・ジョンなど、その後歴史に名を残した大海賊達もこの海賊団に所属していた。
船長であったロックスは世界の王という壮大な野望を掲げて世界政府に都合の悪い事件を多く引き起こし、いくつもの世界のタブーに触れていたと言われ、その事件の殆どは政府によって抹み消されてしまったらしい。
そのため現在ロックスの名とその存在は、センゴクイッショウといった50代以上の人間や情報統制に巻き込まれなかった海軍将校、百獣海賊団の一部メンバーやビッグ・マム海賊団の上の子供などが記憶するのみであり、若い海兵でロックスを知っているのはヒナぐらいである。

本編から100年前まで世界中を震撼させた巨人族の海賊団。
約100年前にリトルガーデンにて二人の船長が決闘を始めたため、船員達はエルバフへと帰還し、事実上解散していた。

ベガパンクが世界への通信で明かした「この海で初めて “海賊”と呼ばれた人物」。
本編から800年前に世界政府設立前の20の王国(最初の20人)の臨時共同体にして、後の世界貴族の先祖*12にあたる「連合軍」との戦争に敗れた。

【引退・廃業後の生活】

作中では海賊稼業から足を洗って一般人として生活しようとする者達も登場するが、海賊行為に時効は存在せず、一度世界政府海軍に海賊認定されると例え海賊を引退したとしても指名手配や懸賞金は死ぬまで解除されない
その為、クロは身代わりを海軍に引き渡して処刑させることで、世間的に自身を死亡扱いと認識させると同時に自身に掛かった懸賞金を解除させ海軍の目を欺いていた。

しかし、ゼフやはっちゃんの様に、レストランやたこ焼き屋を営んで一般人相手に商売を行っているなど、海軍の手から逃れて堅気に戻っている海賊は結構いる模様。
レイリーは引退後も世界政府や海軍に明確な目撃情報が届いているが、彼と争えば政府側も無事ではすまないということや、現在は世を騒がせていないということから基本放置されている。
海軍も慢性的な人手不足なので、引退した海賊にまで手が回らない・回す必要がない人物には手を出さないのかもしれない。

また、非常に変則的な例外として、上述したクロの部下のジャンゴ賞金首でありながら海軍に入隊し、なんと少佐にまで昇進しているが、これは本来死刑になるはずだったところをフルボディのダンスによる必死の弁護によりノリで無罪放免となって死刑を免れたためである(とはいえ海賊を弁護したことで当時本部大尉だったフルボディはその責任を負う形で三等兵に9階級降格している*13)。


【関連用語】

◆海賊団内の役職

基本的にそれぞれ一つの海賊団に一人ずつだが、複数の専門職を兼任してる者もいたり、逆に規模が大きい海賊団は一つの専門職に複数の人数を割り当てていることもある。
ここでは代表的な役職を一部紹介する。

  • 船長
海賊団のトップ。
より大規模な海賊団となると「船長」は複数ある船の一つを率いる部隊長の肩書となり、海賊団のトップは「提督」「総督」と呼ばれることもある。
作中では部下達と良好な関係を築いている者もいれば、力や恐怖で部下達を抑えつけて支配している者もいるが、いずれも癖のある船員達を纏め上げ統率する立場故にそれなりの器量やカリスマ性、統率力が求められる。
ちなみに船長兼コックだったゼフや船医でもあるトラファルガー・ローなど、船長が海賊団内で他の役職を兼任していることもあるが、これはかなり珍しいパターンである。

  • 副船長
海賊団の実質的No.2。
船長の補佐役で時にはストッパーも兼ねることもある。
なお全ての海賊団に副船長が存在するわけではなく、幹部クラスの中で最も実力が高い者や在籍年数が船長の次に長い者等が実質的にNo.2扱いされることもある。

  • 幹部、最高幹部
大規模な海賊団の中枢メンバー。
新世界編での実力のある海賊団なら多くが覇気六式を修得しており、戦闘でも中心になることが多い。
また「幹部」「最高幹部」という役職、あるいはそれに似た役職*14を採用している海賊団と、海賊団内で既に他の役職に就いているが戦闘などで中心となるメンバーが「幹部クラス」扱いされるパターンがある。

  • 航海士
航海の方針などを決めるポジション。
作中世界では東西南北の海以外では記録指針(ログポース)を使用し、異常気象や特殊な海域などが当たり前のように存在するため、航海術や気象知識など現実の航海士以上の知識や経験が必要となる。

  • 狙撃手、砲撃手
主にや大砲を扱うポジション。
戦闘のみならず、氷山や海王類に遭遇した際にも出番がある。

  • 料理人(コック)
海賊団内の料理番。
食料調達から調理までの全てを賄う者もいれば、食料調達は他のメンバーに任せて調理メインの料理人もいる。
海上では食料も限られるため、船員の栄養管理も含めてかなり重要なポジションとなる。

  • 船医
医療担当。
航海中はいつどんな怪我や病気になるか分からない上、名を上げた屈強な海賊でも怪我や病気などで命を落とす事はザラにあるため、コック同様かなり重要なポジションとなる。

  • 船大工
船の補修や補強担当。
言うまでもなく船がなければ航海はできない上、作中世界は気象の変化も戦闘も一際激しいため現実以上に船が損傷しやすく、これまた海賊には欠かせない。
フォクシー海賊団では船員500人のうち船大工は50人もいる。
麦わらの一味では、フランキー加入前はウソップが兼任していた。

  • 操舵手
船の操舵担当。
基本的に舵輪を用いた操舵が一般的だが、巨大な丸太船で航海していた黒ひげ海賊団では「操舵手=オールの漕ぎ手」であり、しかもジーザス・バージェスしかいなかったため、航海時は船医のドクQもオールを漕いでいた。
麦わらの一味では、中央舵方式のメリー号時代は船医のチョッパーが人獣形態で操舵を担当しており、サニー号になってからはジンベエ加入前はフランキーが兼任していた。

  • 音楽家
ブルックウタが戦闘もこなせるため勘違いされがちだが、通常の音楽家は航海や戦闘にはあまり関与しないため、非戦闘員の音楽家をメンバーに入れている海賊団は少ない。
ただし逆に言えば戦闘員などを兼ねる場合はその限りではなく、趣味や実益を兼ねて歌や楽器、ダンスなどのパフォーマンスを嗜むメンバーがいる事は少なくない。
更に極端な例で言えば、音楽好きなメンバーばかりを集めたルンバー海賊団などは全員が音楽家とも言える。

  • 考古学者
一見すると海賊業とはまったく関係がないように思われるが、海賊王を本気で狙っているのであれば一転、最も重要なポジションの一つとなる。
というのも、旅の最終地点である「ラフテル」に向かうには、歴史の本文(ポーネグリフ)と向き合うことが必要不可欠な為、歴史の本文そのものは元よりそれに記された古代文字を解読できる人物も必要不可欠である。
ロジャー海賊団では光月おでんが古代文字の解読法を知っていた*15為、この役職を事実上兼任していたとも言える。
今となってはそれを解読できる人物は表向きはただ一人と言われており、海賊はもちろんのこと世界政府からも狙われる身となっている。

  • ペット
バギー海賊団のライオン「リッチー」やアーロン一味の海牛「モーム」、フォクシー海賊団のホシザメ「モンダ」など。
特に凶暴な猛獣や、珍しい珍獣を連れている海賊も少なくなく、麦わらの一味のチョッパーも対外的にはこの枠として認識されている。

  • 船員/戦闘員
モブ構成員は大体このポジションとなる。
『ONE PIECE』世界では役職持ちであろうと荒事をこなせる場合は多いため、少数精鋭な海賊団の中には純粋な「戦闘要員」が殆どいないケースも。
ゾロは一応この戦闘員の肩書きだが、他の勢力からは副船長ポジションと見なされている。

  • 見習い、雑用
海賊団に入りたての船員。
海賊団によっては10代前半の子供を乗せているところもあるため、その場合は見習いや雑用扱いとなる事が多い。
この辺りは海軍と同じく荷物運びやデッキ掃除といった裏方作業が主。
シャンクスやバギー、カイドウなどの四皇にもここから始まった者は多い。

  • その他
アーロン一味には「コンパ隊長」「宴会部長」がおり、フォクシー海賊団にも同様に「宴会隊長」が存在する。
乗組員を治療する船医とは別に、研究を得意とする「科学者」「技術者」「発明家」を抱えている海賊団も多い。
スリラーバーク海賊団のDr.ホグバックや金獅子海賊団のDr.インディゴなどが良い例。百獣海賊団の大看板疫災のクイーンもそれにあたる。
麦わらの一味ではウソップ・チョッパー・フランキーが得意分野を分散して技術面を担っているので、この役職専門に該当するメンバーはいない。
彼らは技術という力で海賊団に大きく貢献している、戦闘員とはまた違った切り札といえる。

海賊同盟

共通の目的のために「他の海賊たちと同盟を結ぶこと」
お互いに利のある目的を達成するため、「傘下と親分」とは違う上下のない関係を結ぶ。
ただしあくまで「呉越同舟」であるため、作戦が終われば当然ながら解散し敵対関係に戻る。
当然、トカゲの尻尾切りのような「危険で損な役回りを同盟相手にさせる」「途中で切り捨てる」といった裏切りが起こりうる可能性も高いため、船長も船員も気はあまり抜けない。
もっとも、海賊の間に強い絆が芽生えた時にはその限りではないだろう。

海賊艦隊

海賊によって組織された艦隊及び船団。
お互いに利のある目的を達成するために結成された海賊同盟との違い、「傘下と親分」といった明確な上下関係が存在する点である。
作中では主に「海賊団本体と傘下の海賊による艦隊」と「数百人規模の海賊団が本船の他に複数の船を所有し、幹部達を責任者とすることで組織した艦隊」に大別される。
規模が大きいためか、トップは「船長」ではなく「提督」「総督」と呼ばれることが多い。

懸賞金

人物紹介でたびたび併記されている懸賞金額。
世界政府・海軍から庇護がなくなりお尋ね者になることを意味し、賞金稼ぎらに追われることとなる。
基本的にこの額が高い海賊ほど強い。
なお、世界政府(海軍)は見せしめとしての公開処刑を望むため、引き渡し時に賞金首が死んでいたら額は3割下がってしまうという*16

世界政府への危険度が高いほどこの懸賞金額は高くなるため、世界政府・海軍でも手が付けられないほど強い海賊は懸賞金額が高い傾向にあり、過去には『懸賞金の高さ≒強さ』という概念を利用して偽装手配書で他の海賊から襲われないようにした者もいたらしい*17
もっとも海軍や政府も海賊を常にストーキングしているわけではない為、金額よりも強い海賊やその反対に金額に反して弱い海賊もいる。

言うまでも無く、引き渡す側も海賊だったり懸賞金がかけられている場合は海軍に賞金首を引き渡しても1ベリーも貰えない*18
小説版ではそういった訳アリの相手に代わって倒した賞金首の引き渡しを行い、仲介料をせしめて生計を立てる仲介業者的な賞金稼ぎもいるとされている*19


海賊旗(ジョリーロジャー)

海賊達が各々掲げている髑髏を基調としたシンボルマーク。
このシンボルマークを船に掲げた瞬間、その船に乗っている者は略奪・奴隷・殺人などの被害に遭っても一切の文句は言えない人権を失った「海のクズ共」となる。
作中ではデフォルメ化された髑髏ベースの海賊旗が殆どだが、タイヨウの海賊団やドンキホーテファミリーアーロン一味のように髑髏以外の海賊旗も存在する。

一般市民から見れば恐怖の象徴である一方で、掲げる当事者たち曰く海賊旗は「誇り」「不可能をものともしない信念の象徴」「命を誓う旗」でもある。
社会に縛られることを拒否し、己の意思に従う海賊にとって海賊旗はその生き様の全てが転写されたシンボルだと捉えられる。
ルフィは見知らぬ誰かの海賊旗にもかかわらず侮辱されたことに対して強く怒り、その旗を守ろうとした。
まれに一時的な保身の道具として海賊旗を掲げていたワポルのような人物もいるものの、フォクシーのような卑怯者であっても海賊旗=自分たちの誇りであることは当然のように共通認識となっている。

海賊が海賊旗を誰かに託すということは「相手が自分の子分である」ないし「そこは自分のナワバリである」ということを示すのと同義となる。
先述の魚人島における白ひげ海賊団旗やビッグ・マム海賊団旗が典型例。
わざわざ掲げさせた海賊旗を損壊する行為その海賊の誇りを踏みにじって喧嘩を売るのと同義であり、両者に力の差があった場合は喧嘩を売った者は容赦なくケジメを付けさせられることになる。

◆その他の用語

  • 海賊船
海賊達が航海に使う船の総称。
作中世界では「海賊船」という種類の船は無く、「船に海賊旗(ドクロ)を掲げれば「海賊船」、海軍旗(カモメ)を掲げれば「海軍船」」という認識がある。
それ故どんな船でも海賊旗を掲げていれば海賊船扱いされ、サボは漁船で出航時に海賊旗を掲げていたことで天竜人に狙撃されているが、逆に首領クリークは海軍旗を掲げて海軍に成り済まし安心している街を襲ったりしていた。
また作中に登場する海賊船はその海賊ごとに特徴が出ているのも特徴である。

  • デービーバックファイト
古代の強欲な海賊、デービー・ジョーンズにちなんで行われる海賊同士のゲーム。様々な形式の試合で仲間を奪い合う「人取り合戦」。
昔、「海賊島」と呼ばれる島で生まれたとされる。
海賊の間ではそれなりに知られているらしく、当時の麦わらの一味の内サンジニコ・ロビンは大まかな内容を知っていた。


【余談】

よくイメージされる「眼帯の海賊」は作者の尾田栄一郎氏のポリシーもあって2025年2月時点で一度も登場していないが、連載10周年を記念して作られた情報誌「ONE PIECE PARADISE!」によると、物語の終盤に一度だけ登場するという










追記・修正は海賊として名を挙げてからお願いします

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最終更新:2025年04月23日 09:40

*1 クリケットはロジャーが財宝を遺して死んだことについては「ロマンがあるじゃねェか!!」と部下達に述べていたが、皮肉にも絵本『うそつきノーランド』発祥の地ジャヤ島に辿り着いてしまったため、ジャヤ島で黄金郷探索を開始している。

*2 黄金卿探索が一段落ついた後は、幻の島である「夢幻卿(ナクロワ)」や、約800~900年前に存在したが現在は海底200mに沈んでいるとされる「高度な文明を持っていた王国」の発見を目指している。

*3 義賊的な印象の強い麦わらの一味も空島では黄金の略奪を行っている。(空島の住民は最初から恩人に対しての例として提供するつもりだった様だが)

*4 世界政府加盟国でありながら当時海賊達の略奪・人攫い対象となっていた魚人島も含まれる。

*5 裏を返せばテロリストによって内乱が起きた際にも干渉しない

*6 拒否した場合は国外退去で済む模様

*7 特に白ひげ海賊団では絶対の鉄の掟として「仲間殺し」を禁じている。

*8 本人は否定しているが

*9 本来であれば例え海賊であろうとも船を作り売ることは罪には問われない。

*10 水軍という名前だが海賊団。

*11 シャンクスが四皇に数えられるようになるまで、他の誰かがそれに当たる座に着いていたのかは不明。

*12 マリージョアへの移住を拒否したネフェルタリ家も含む。

*13 ちなみにフルボディはこれ以前にクリーク海賊団の幹部である鬼人ギンを護送中にもかかわらず、海上レストラン『バラティエ』に女連れで食事に来た挙げ句、料理を粗末にしてサンジやゼフに叩きのめされた挙げ句ギンにも逃げられるという失態を犯しており、アニメ版ではこのことが問題視されて降格処分+東の海辺境のオンボロ部隊の指揮官に左遷されている。

*14 白ひげ海賊団の場合は「隊長」

*15 元々「歴史の本文」を作ったのは光月家の先祖であり、「光月家に伝わる一子相伝の暗号」こそが歴史の本文の古代文字だった。

*16 例として、100万ベリーの賞金首を殺害して引き渡すと、100万×0.7=70万ベリーの懸賞金が支払われる。

*17 ルフィの懸賞金が3000万から1億に上昇した理由は公表されていないので、何のニュースにもなってないのに懸賞金が3倍以上に上がるはずがないという理由からベラミーは偽だとメタ的に見れば的外れな判断をしていた。

*18 他方、中には生け捕りにした賞金首を海軍との取引(王下七武海入り等)の材料にする犯罪者もいる

*19 漫画本編の世界にも存在するのか、小説版の独自設定かは不明。ぶっちゃけいてもいなくても矛盾は無いが。