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かゆい うま

登録日:2026/05/24 Sun 00:54:44
更新日:2026/08/23 Sun 12:20:56
所要時間:約 43 分で読めます





『かゆい うま』とは、CAPCOMのゲーム『バイオハザード』シリーズに登場するドキュメントの一節。
実際には「かゆい」と「うま」は改行されて二段になっているため、「かゆい うま」は便宜的な表記。
記載されているドキュメント自体の正式名称は「飼育係の日誌」

なお、同シリーズの後続作品におけるこのドキュメントと類似の演出や、現実における扱いなどについても解説する。


【概要】


日誌の執筆者は『バイオハザード』の舞台である、アンブレラ社がアメリカ某所の山間に所有する“洋館”ことアークレイ研究所の職員の一人。
オリジナル版で表示される日誌の表紙には“Peter”と読める文字が書かれているため、恐らく彼の名は「ピーター」と思われる*1
なお、「飼育の日誌」でも「飼育係の日記」でもないため注意。

件のピーター氏がアンブレラ社の正式な社員かは不明だが、洋館で扱われているウイルスの危険性について微塵も把握していないことが窺えるため、もしそうであっても極めて末端なのは間違いないだろう。
しかし、少なくとも一見ただの洋館にしか見えないこの施設の実態がアンブレラの研究所であることを把握していること。
更には超危険な機密事項であるB.O.W.(生物兵器)の飼育を任される*2ぐらいなので、流石にバイトレベルの本当に何も知らない職員というわけではなさそうである。
また、職員用の相部屋の寄宿舎ではなく本館に専用の個室を与えられている*3あたり、地味に待遇は良い。キーピックで開けられる簡素なもの(剣の鍵対応)とは言え、鍵付きである。
まあテレビがねえラジオもねえ車もまったく走ってねえというとんでもない山奥の古い館なんで住み心地いいかはわからないが。

特筆すべきは、彼はゾンビ化ウイルス(t-ウイルス)の流出事故(バイオハザード)に知らない間に遭遇したのち、約半月ほどかけて少しずつ知性と人間性と自我を失い、身も心もゾンビと成り果てていくのだが、その様子が日誌に克明に綴られているのである。
そして、その最後に書かれている最後の一文こそが「かゆい うま」なのだ
なお、日誌自体はゲーム序盤の小部屋に置かれているが、調べようとするとその背後のクローゼットからゾンビが飛び出して来るというジャンプスケア演出が入る。
恐らくは、このゾンビが彼の慣れの果てなのであろう。
誰がクローゼットを閉めたのかとツッコんではいけない

なお、オリジナル版では白衣を着た研究員ゾンビ*4だったので飼育係というにはやや不自然だったが、リメイク版では胸をはだけたワイシャツを着た格好のゾンビになって違和感は多少減少した。


《日誌全文》

上は日本語、下はリメイク版における英語のテキスト*5である。
(一部改行・段落を原文から修正)

   May 9, 1998   
夜、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブとポーカーをやった。
スティーブの奴、やたらついてやがったがきっといかさまにちがいねェ。
俺たちをばかにしやがって。
  
Played poker tonight with Scott and Alias from Security, and Steve from Research.
Steve was the big winner, but I think he was cheating.
Scumbag.

オリジナル版の文章(展開)
  
余暇で同僚とトランプで遊ぶくらいには平和で良好な暮らしをしていたらしい飼育係。
以降にも言えることだがこの飼育係、口調と態度の荒っぽさの割に細かく日記を書くマメさというギャップ少し面白い。
次第にそんな事は気にしていられなくなるのだが……。
なお、オリジナルの英文は「警備員のスコット、研究員のエリアスとスティーブ」になっている。

   May 10, 1998   
今日、研究員のおえら方から新しい化け物の世話を頼まれた。
皮をひんむいたゴリラのような奴だ。
生きたえさがいいってんで、豚を投げこんだら、
奴ら、足をもぎ取ったり内臓を引き出したり遊んだあげくやっと食いやがる。
  
One of the higher-ups assigned me to take care of a new creature.
It looks like a skinned gorilla.
Feeding instructions were to give it live animals.
When I threw in a pig,the creature seemed to play with it...
tearing off the pig's legs and pulling out the guts before it actually started eating.

オリジナル版の文章(展開)
  
ここで言う「新しい化物」が具体的に何を指したものなのかは不明。

タイラントゴリラのようといえばゴリラのような大男だが「皮を剥いた」ようではなく「人間の巨漢」の範疇に十分収まる整った容姿である。
そもそも「奴ら」と書いているのでPS版では1体しかいないタイラントではないだろう。
リッカーは皮を剥いたようではあるがゴリラというには細いうえに、そもそもB.O.W.ではなくゾンビが変化したイレギュラーミュータントなので、事故発生前からいたとも考え難い。
とりあえずアークレイ研究所(洋館)で確認されたB.O.W.で一番ソレっぽいのはハンターではある。
ただ、ハンターもどっちかと言えば爬虫類…レプティリアンに近い風貌。
一応、それ以前に開発打ち切りになった物の中で、小柄な猿を元にしたエリミネーターが存在し『0』に登場している。
だが、初版の『1』の時点ではエリミネーターの設定は存在しなかったこと、パーフェクトガイドではハンターを「緑色のゴリラのような」と表現する記述があることを踏まえると、やはりハンターを指したものと見るのが有力だろう。
初代のハンターのコンセプトアートは現在のイメージよりも類人猿に近い顔立ちと鱗がなく血管等が浮き出た筋肉質の肉体なので、そのイメージもあると思われる。

それはそれとして、その「新しい化け物」に彼が抱いた感想は食事マナーの悪さへの悪態だけ。
明らかに既知の生物ではないそれらの正体*6を気に留める様子もなければ、そいつらを飼育しろという無茶振りもいいとこの命令に何を思ったのかすらも記載がない。
日誌の文面からすれば、命令への不満や疑問を書き綴っても不思議ではなさそうだが……。
むしろ「生きた餌がいい」というアドバイスを受けて即座に豚を放り込んだ*7という臨機応変な対応をしており、日誌に書かれるより以前からこういった事例はあって慣れっこだったのかもしれない。
深読みしていくと彼もアンブレラの社員らしく、どこかネジが外れていたと思わせるような一幕である。

そしてこれが、彼が平和かなあ?に過ごした最後の夜となる……。

   May 11, 1998   
今朝5時頃、宇宙服みてえな防護衣を着たスコットに突然たたき起こされて俺も宇宙服を着せられた。
なんでも、研究所で事故があったらしい。
研究員の連中ときたら、夜も寝ないで実験ばかりやってるからこんな事になるんだ。
  
At around 5 A.M., Scott woke me up. Scared the shit out me, too.
He was wearing a protective suit. He handed me another one and told me to put it on.
Said there'd been an accident in the basement lab.
I just knew something like this would happen.
Those bastards in Research never sleep, even on holiday.

オリジナル版の文章(展開)
  
バイオハザード発生
警備員のスコットに叩き起こされ、彼も感染防止のための防護服を着せられることとなる。
また、日夜寝る間も惜しんで実験に励む研究員に文句を言っているが、見方によっては向こうも上層部に尻を叩かれて酷使されていたか、その結果居眠りでもして器具をうっかり倒したか。そう考えると事故の発端にも何か悲哀じみたものがある。
翌日の日記でも彼は防護服をかなり鬱陶しがっていたが、それが彼自身の命や研究所の存続にも関わる事態であることは知らなかったようである。

   May 12, 1998   
昨日からこのいまいましい宇宙服をつけたままなんで、背中がむれちまって妙にかゆい。
いらいらするんで、腹いせにあの犬どもの飯を抜きにしてやった。
いい気味だ。
  
I've been wearing the damn space suit since yesterday.
My skin's getting grimy and feels itchy all over.
The goddamn dogs have been looking at me funny, so I decided not to feed them today.
Screw 'em.

オリジナル版の文章(展開)
  
以降ずっと苛まれ続けることになる背中の痒みを初めて自覚する飼育係。
当人は汗蒸れだと思っているようだが、痒みといえばt-ウィルスの初期症状、新陳代謝の異常によって皮膚が潰瘍と壊死を引き起こす前兆である。
飼育係という職務にありながら腹いせで担当動物の餌を抜きにするというとんでもないことをしでかしている。
それとも、既にゾンビ化の兆候で思考が短絡的になりつつあったか。
いずれにせよ、彼がこれから辿る運命を思えば少なくとも彼に限っては些末事である。

   May 13, 1998   
あまりに背中がかゆいんで医務室にいったら、背中にでっけえバンソウコウを貼られた。
それから、もう俺は宇宙服を着なくていいと医者がいった。
おかげで今夜はよく眠れそうだぜ。
  
Went to the Infirmary because my back is all swollen and feels itchy.
They put a big bandage on it
and told me I didn't need to wear the suit anymore.
All I wanna do is sleep.

オリジナル版の文章(展開)
  
あっ……。\(^o^)/
遂に行くところまで行ってしまったことが判明した飼育係。
防護服を着なくて良いということは、最早着る意味が無くなったということなのだが、彼には知る由もない。
本人は快適に眠れて幸せそうなのが余計に不憫さを際立たせる。

   May 14, 1998   
朝起きたら、背中だけでなく足にも腫物ができてやがった。
犬どものオリがやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら、数が全然たりねえ。
めしを三日抜いたくらいで逃げやがって。
おえら方に見つかったら大変だ。
  
Found another big blister on my foot this morning.
I ended up dragging my foot all the way to the dog's pen.
They were quiet all day, which is weird.
Then I realized some of them had escaped.
Maybe this is their way of getting back at me for not feeding them the last three days.
If anybody finds out, I'll have my head handed to me.

オリジナル版の文章(展開)
  
皮膚の症状は着実に悪化しているが、この日までは(辛うじて)普段通りの生活を送っていた模様。
実験動物が逃げ出したことを確認して真っ先に上司の叱責を気にする辺りはやけに落ち着いているようにも感じられるが、単に事態の深刻さを理解していなかったのか、あるいは深刻さを察した上で現実逃避していたのか、はたまた既にゾンビ化の影響で複雑な思考ができなくなりつつあったのかは不明。
国内版ではこの日誌が正常に書かれている最後の日誌となる。

状況証拠から考えるに彼が世話していた「」とはこの研究所でB.O.W.として製造されていたケルベロスと推察される。
なお、ここで逃げ出したそいつらは近隣の森で野生化し人を襲うようになった。
つまり、本作OPでジョセフを殺し、クリスたちを洋館へと追いやった犬のバケモノたちのことであり、彼らが巻き込まれる惨劇の発端がこれである
ただ、ケルべロスの個体全てを彼が管理していたとも限らないので、彼だけに責を負わせるのは酷だろう。
どのみち彼の末路を考えれば、いずれケルベロスの管理は放棄されて同じ事態になった可能性が高い。

ところで、日誌の上では2日前の12日から犬の餌を抜きにしているのだが、日誌の記述上は「三日」と微妙にズレている。
思考が鈍って計算間違いしたのか、事故発生当日もその対応等に追われて餌を抜いてしまっていたのだろうか?
あるいは(日誌では何時ごろに餌をやるのか記述がないので曖昧だが)本来よりずっと遅くに様子を見に行ったので、日誌を書いた当日も計算に入れていた可能性もある。
少なくとも「よく眠れそう」と気分がよさそうだった前日にも餌をやらなかったのは確かなようである。

   May 15, 1998   
結局体調は良くならねえままだが、思い切ってナンシーに会いに行こうとしたときだ。
この為に久々の休みをとったってのに、警備員がやけにうるさいおかげで一歩も出かけられやしねえ。
奴らが言うにはおえら方からのお達しで、誰一人として敷地の外に出すなだと。
それどころか電話一本にまで厳しくなりやがって。
一体なんの冗談だコイツは?
  
Even though I didn't feel well, I decided to go see Nancy.
It's my first day off in a long time but I was stopped by the guard on the way out.
They say the company has ordered that no one leave the grounds.
I can't even make a phone call.
What kind of joke is this?!

オリジナル版の文章(展開)
  
海外版にのみ存在する5月15日分の日誌(日本語は意訳)。
研究所の外の友人か恋人か何かに会おうと試みる飼育係だったが、バイオハザード発生中&ゾンビ化が進行しつつある彼に外出が許可される訳もなく、研究所に閉じ込められていることに不満たらたらな飼育係。
だが研究所に缶詰めにされているくらい、以降に比べれば些事だということに彼は気付かない。
既に感染して足が腫れていたのでどの道ゾンビ化は免れなかったであろうが、警備員達がその場で「処分」しなかったのは経過観察の為だろうか。


   May 16, 1998   
昨日、この屋しきから逃げ出そうとした研究いんが一人、射さつされた、て はなしだ。
夜、からだ中 あついかゆい。
胸のはれ物 かきむしたら 肉がくさり落ちやがた。
いったいおれ どうな て

推測される本来の文章(展開)
  
Rumors going around that a researcher who tried to escape the estate last night was shot.
My entire body feels hot and itchy and I'm sweating all the time now.
I scratched the swelling on my arm and a piece of rotten flesh just dropped off.
What the hell's happening to me?

オリジナル版の文章(展開)
  
推定感染5~6日目にして遂に文体が崩れ始めた。
不自然にひらがなが混ざったり誤字脱字や文法が不自然な箇所が出たりと、知能が徐々に低下している様子が見て取れる。
一応、海外版ではこの段階ではまだしっかりした文章が書けているようだ。
脱走を図った研究員が問答無用で射殺される程に緊迫した洋館事情だが、彼の方はそれどころではないのかやけにあっさりしている。
とはいえ、身体の方も異常が出始めたことでようやく自分の身に起きた事態を理解したようだが、様々な意味であまりに遅過ぎた……。
なお、何故か日本語版のリメイク版のみ「腕」が「胸」に変更されている。

   May 19, 1998   
やと ねつ ひいた も とてもかゆい
今日 はらへったの、いぬ のエサ くう

推測される本来の文章(展開)
                                                                                                                                                      
Fever gone but itchy.
Today hungry and eat doggie food.

オリジナル版の文章(展開)
  
3日ぶり*8に更新された日誌。
漢字はほとんど使われなくなり、文章もかなり短くなってしまった。
職務の話をしなくなり犬のエサという明らかに人間向けではない食べ物にがっつくなど知能の低下、それを後押しする極度の空腹なども完全にt-ウィルスの症状進行と一致する。

海外版も子供が書くようなごく簡潔な文章になってしまっている。
また、主語が抜けたり時制も不正確になり、言語能力が低下していることが分かる。

   May 21, 1998   
かゆい かゆい スコットーきた
ひどいかおなんで ころし
うまかっ です。

推測される本来の文章(展開)
                                                                                                                                                      
Itchy itchy Scott came
ugly face so killed him.
Tasty.
*9
  
漢字は一切使われなくなって文体も大きく崩れており、完全に人間性そのものが失われてしまった。
かつては一緒にトランプした仲の警備員スコットを殺して食い、それに対して美味かったという感想を残す程度には「食欲だけの化物」と化してしまったようである。
しかもその理由が「酷い顔」なだけというのも短絡的である。
ゾンビ状態だと他の存在への殺意が強化され、更に罪悪感も無くなるのだろうか。
なお、この「酷い顔」についてだが、知能低下の影響で飼育係にはそう見えていたのか、ゾンビ化した飼育係を見て怯えていたのを「酷い顔」と評したのか、それともスコットもまたゾンビと化していたのかは定かではない。

オリジナル版ではスコットを思わせる要素は部屋に残されていなかったが、リメイク版では入り口付近に死体が転がっており、おそらくこれがスコットだと思われる。
しかも、クローゼットゾンビと一緒に起き上がって襲ってくる。もしスコットであるなら結局彼もゾンビ化してしまったようだ。

そして...

   4   
かゆい
うま
                                                                                                                                                      
Itchy.
Tasty.
  
遂に単語が二つ並ぶだけになってしまった。
日誌はここで途絶えている。おそらく日誌を書けるだけの最低限の知性も失われたのだろう。
逆にこんな状態になってもマメに日記をつけるという習慣だけは放棄していないとは…。
同僚だった人間を殺して食う程に人間性が失われた21日ですら書けていた日付も、ここに至り「4」とだけしか書かれていない。
なお、これが前の日誌から3日が経過した「24日」を書き損ねたのか、翌月4日なのか、はたまた今が5月なことすら忘れて4月と勘違いしているのか……最早確かめる術もない。


15日までは普通に人間的だが、16日から症状がにまで達し、思考にまで影響が出始めている(それでもまだ人としての理性は残っている)。
19日から本格的に理性が無くなりはじめ、ドッグフードすら食べてしまうようになる。おそらく8~9日目辺りが基準なのだろう。
他の職員も概ね同じ待遇だったり、『3』でも新卒早々処理施設に配属され悪化する状況に絶望させられていた研究員の日記がある。
なまじアンブレラに関わったばかりに彼のような末路を辿った人間は決して少なくないと思われる。

またリメイク版ではリサ・トレヴァーの手記でも思考に変調を来たした人間の様子を垣間見ることができる。
ちなみにこちらも最後の日付は「4」である。


【後続作品にて】


「飼育係の日誌」と同様の、自身が変容していき最後には文体が崩壊する様をレポートした日記のようなものは以降の続編でも毎回のように登場しており、バイオシリーズでは一つのお約束となっている。
これらは第一号である飼育係の日誌の通称に由来して、「かゆいうま日誌(かゆうま日誌)」などと呼ばれることもある。

バイオハザード2』:『ジョージの日記』

文体こそ崩れてはいないものの、最後の一文からどのような末路を辿ったかがうかがえる内容となっている。

バイオハザード3』:『医院長の手記』

ラクーンシティ総合病院の院長の手記。
この病院のスタッフ、戦闘のプロでもないのにハンターを生け捕りにしたりワクチンの生成技術をほぼ完成させていたりと、『3』の作中でも屈指の有能集団であることが窺える。
だが、ラクーンシティを襲ったバイオハザードの拡大は余りに速かった。
他のTウイルス感染者の日記と比べると漢字が残った状態で終わっているが、医者ゆえに自身もゾンビになってしまうのを理解して軽症の段階で記録を止めてしまったのだろうか。

バイオハザード0』:『幹部候補社員の日記』


バイオハザード アウトブレイク』:『看護士の日記』


バイオハザード アウトブレイク FILE2』:『リッキーの手帳』


『バイオハザード アウトブレイク FILE2』:『院長の日記2』


バイオハザード4

本作ではこの系統のドキュメントは無い。
代わりにエンディングの背景で本編では語られなかった村の変化が描かれている。
そこには当初はのどかで平和な村だったこと、そして教団がやってきて村民はガナード化し平和な村が崩壊していくさまが描かれている。
BGMも最初は明るい曲調だが、教団がやってきたあたりで怖い曲調に変化するが、
当然行き着く先はゲーム開始時点に至るため、人によってはエンディングながら後味が悪く感じるかもしれない。

なお本編エンディングには表示されないが、バイオハザード4 フィルムDVDブックIncubateには
エンディングの絵の裏に書かれた解説兼日記の形式で、平和だった村の崩壊と共にプラーガを投与された書き手も狂っていく様が書きつづられている。
現在は入手困難だが、動画投稿サイトにてその内容を見ることが可能。

バイオハザード5』:『村の青年の日記』


バイオハザードリベレーションズ』:『通信兵長の日記』

この日記が置かれている場所からはスキャグデッドというクリーチャーが現れる。
スキャグデッドは左肩に当たる位置に人間の頭と、右肩に当たる位置に巨大な怪物の大顎が生えたようなクリーチャーである。
「抱き締めて」だの何だのとうわごとのように人間の言葉を呻いているが、時々「メーデーメーデー」と叫び出す。
この通信兵長の成れの果てだったようである。
4日目辺りで大顎が生成されはじめ、それ以降は頭として肥大化していったこの部位を友人と誤認し始めたようである。

他の日記は発症したあたりから文章が簡易化していくが、この日記は「メヘエデエ」などの不自然な発音そのままを文章するなど逆に複雑化している面があり、少し特殊である。



バイオハザード6』:『研究員の手記』

自らC-ウイルスへの感染を望んだ研究員の手記。
文体の崩れから明らかに知能低下を起こしているが、正常な状態から頭がハッピーなため、精神面の変化はイマイチ良く分からない。
シリーズでも貴重なC-ウイルス感染者の手記なのだが資料としての価値がそれほど高くない点が実に残念である。まぁ本人が楽しそうならいいか……


バイオハザード リベレーションズ2』:『イリーナの遺言』


『バイオハザード リベレーションズ2』:『市街の住民の手記』


バイオハザードRE:2』:『  の日記』

最初から文体が崩壊しているというレアパターン。
そもそもドキュメントの名前からして「  の日記」である。
というのも、この日記はウイルスや寄生虫で異常を発した記録ではなく、名もなき孤児(そもそも文章が拙い)が怪物に襲われる恐怖を綴ったものであるため、他とは趣旨が違う。

『バイオハザードRE:2』:『ウェイン・リーの手記』



バイオハザードRE:3』:『チャドのメモ』


バイオハザードRE:4』:『現場監督の記録』

元は無かった『4』のかゆいうま日誌がREにて追加。
封印されていた間ミイラ状態で休眠していたプラーガが発掘作業員の体内で復活、という設定で語られていた部分が補完されている。
『4』ではプラーガ寄生の初期症状である吐血を伴う咳症状までしか描かれなかったが、ここではさらに寄生が進むことでどのようにガナードへ変わっていくかを垣間見ることができる。
どうやらこれまでのゾンビのように人間性が完全に崩壊して行くのではなく、ガナードとして人格が書き変わっていくようだ。


【「かゆうま」? 「かゆい うま」?】


「かゆい うま」とそこに至るまでの日誌はプレイヤー間では「かゆうま」の通称でも広まっている。
「かゆうま」は、あくまで「『かゆいうま』の短縮形」「『かゆいうま』がいつの間にか変形した形」であり、通称・愛称のようなもの。
なのだが、人によっては「元々は『かゆ うま』であり、後のバージョンになって『かゆい うま』に変更された」と認識されていることがある。

結論から言えばこれはデマ
『かゆい うま』は最初からその形であり、『かゆうま』だったことは一度もない

一応、「元々は『かゆうま』だった」説を検証したプレイヤーは少なからずいる。
しかし、PS版、ディレクターズカット版、ディレクターズカットデュアルショックバージョンアレンジ版、SS版、GC版、Wii版の何れに於いても『かゆいうま』であり、「かゆうま」だった時期は無い。
今日では「元々は『かゆうま』だった』と主張されることもあるが、プレイヤー間の都市伝説単なる思い込み・記憶違いである」と結論付けられている。

同様に「かゆ・・・うま・・・」のように三点リーダー入りで表現されていることもある。
しかし、上記のように原文は台詞ではなくて日記の文章なので三点リーダーは無い。
まあ、『5』の村人の日記ではこのような表現になっていたりもするが。
バイオハザードファン的にはウェスカー生存説で有名な平野耕太の漫画『進め!!聖学電脳研究部』でこの表記がされた*12ことがあり、ここから広まった可能性がある。

制作側も「かゆうま」説は単なる誤解と見做しており、バイオハザードシリーズ旧Twitter公式アカウントにて、「これを機にぜひ正しく覚えてください」とのコメントと日誌の背景画像とセットで
かゆ
うま
かゆい
うま
との画像が掲載されたことがある。

……にも拘わらず未だに「本来は『かゆうま』が正しい」「元々は『かゆうま』だった事実を無かった事にしようとしている」と主張する者はまま散見される
件の「これを機に~」の公式アカウントのツイートに対して「元々は『かゆうま』だった筈」という旨のリプライを送る者が幾人か居るくらいである。
『かゆうま』派は今や主流とは言い難いが、本気か冗談か純粋に知らないのか、『かゆい うま』が正しいと広まり切るには今しばし時間がかかりそうである。
実況配信者がゲーム内で元ネタの「かゆい うま」を目撃して「『かゆうま』ではなかったのか」と驚く様子も散見される。
念の為に言っておくが、某ツクール製ゲームのネタでもない。



【本編外にて】


「かゆい うま」がバイオハザードを代表する名文であり名シーンと多くのプレイヤーから認知されていることはバイオハザード公式も認識しているようで、「かゆい うま」に関する小ネタが公式から提供されることは数多い。
上記の「かゆうま」の訂正もそうだが、他にも「4」の日誌の背景画像をコラ素材として配布したこともある。
更には7月21日から始まり、夏休みをエンジョイしていた小学生が宿題に追われる内に徐々に焦りが隠せなくなり、8月31日に『あした がっこう』とだけ書かれているという公式パロディネタも投稿されている。

他にも、カレーの日には本文にはカレーライスの画像と共に「January 22.2024 CAPCOMの社食のカレー うま・・・」、本文にも「かれー うま」*13の日*14には「かゆい かゆい かゆい かゆい かゆい」と何かの記念日に引っ掛けたネタを度々投稿したり、
「『バイオパーク』と聞いて連想したもの」としてバイオのクリーチャーが群成す様子を金網越しに眺める図を投稿すると、長崎バイオパークが引用リポストで「実際のバイオパーク」と称して園内の動物たちの写真を投稿、ついでに「ヤバい研究やB.O.W.の開発もしてないのでご安心を!」「ちなみにエミューの名前は「イーサン」です!」と付け加え、更にそれを引用リポストしたバイオ公式は「おもってたの ちが」の本文と「かわいい うま」の画像を投稿していた。

また「とあるOLの日誌」として「おなカ・・・すいタ・・・」などと投稿したこともある。
この投稿は『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』のホラー回が掲載された直後であった。え、もちづきさんは毎回ホラーだって?
余談だが、バイオ公式のもちづきさん絡みのネタ投稿はこの時だけではない。
2025年7月には血走った眼で帰宅する望月さんのコマをパロディしたS.T.A.R.S.を全力で追跡するネメシスというネタイラストを投稿、それにもちづきさんサイドもレールガンならぬマヨビーム砲で迎え撃つもちづきさんのイラストで対抗、更にバイオ公式は96万kcal以上相当のマヨネーズ*15を口に叩き込まれて「至る」ネメシスというネタの応酬の果てに、
これらのイラストが描かれたTシャツが 「バイオハザード30周年記念コラボグッズ」 として製品化されてしまった。


2026年に日清食品のカップヌードルとコラボした動画では、「アンブレラ社が発売したアンブレラヌードルと酷似した「カップヌードル」を誤って購入した方向けの再現レシピ」と称して、モツペラペラソース*16バジルなどのソースをかけることで99.9%再現できるといい、そして食べた職員は「かゆい うま」と絶賛しておりますとのこと。
その際にはゲーム内の当該シーンの画面が用いられた。

ネタ用法のみならず、2022年のリブート実写映画版『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』では、ゾンビ化した人間が窓に「ITCHY TASTY」と血文字を書くシーンが登場する。原作プレイヤー向けのファンサービスと見て良いだろう。
日本語訳はやはり「かゆい うま」となっている。


また『バイオハザード』や「ゾンビ化していく様子」や単に正気や生気、やる気が無い様のパロディネタとして「かゆい うま」をもじったような文章が登場することもまま見られる。*17
例として『妖怪ウォッチ2』に登場するやぶれかぶれ院長の過去が綴られた「やぶれかぶれ院長の日記⑥」の最後には、「今日は特に北風が寒い。こんな日は おかゆでも食べよう。おかゆ うま」との文言がある。
これに関しては完全に「かゆ」と「粥」を掛けたダジャレである。なお、これは『妖怪ウォッチ2』に限らないどころかバイオ公式も多用するネタでもある(詳しくは後述)。


コナミのゲーム『クイズマジックアカデミー』には、「ゲーム『バイオハザード』でウイルスに侵され、ゾンビ化していく研究員が書いた日記の有名な最後の言葉は?」という問題が出てくるが、これの正答は「かゆいうま」である。


なお、坂木原レムの『かゆうま』というタイトルの漫画があるが、タイトルの意味は「「」わいいJCと、「」かいななかまが、「うま」いこと街を守る!」である。
ジャンルもJC学園生活コメディモノとSF巨大ロボアクションの複合なのでバイオとはほぼ無関係。
ただ作中ではインターネットスラングがかなり多用されているので意識した部分が完全に無いとは言い切れないところ。



【名物コラボフード「かゆい うま」】


「かゆい うま」がお約束なのはゲーム内に限った話ではない。
バイオハザードをイメージしたコラボカフェの類でも「かゆいうま」は頻繁に登場している。


2011年にバイオハザード15周年を記念して東京、吉祥寺のシューティングバー「Shooting Bar EA」とコラボが行われたことがあるが、その際のコラボメニューに「”粥(かゆ)”い・・・うま」(原文ママ)というまさかのメニューが登場した。
その名の通り、チーズがたっぷり乗ったエビ入りトマトリゾットである(お値段1000円)。こりゃあ「かゆいうま」じゃなくて「美味い粥」
レポートしに行った4Gamerの記者曰く「もちろん食べたあとに痒くなったりはしない(検証済み)」そうでなきゃ困る


2012年に渋谷パルコにてバイオハザードの世界観を再現したレストラン「バイオハザードカフェアンドグリル S.T.A.R.S」が期間限定でオープンしたが、そのメニューの中にも「かゆい うま」が紛れ込んでいる。
その正体は「贅沢に生鮭を使った、特製卵とじがゆ」(お値段700円)。正真正銘の「美味い粥」である。


レストラン「S.T.A.R.S」は1年後にリニューアルオープンしメニューも刷新されたが「かゆい うま」という名前のフードメニューは残留。
今回はネギトロとスペアリブとショウガ丼もの(お値段750円)となっており、一連の「かゆいうま」シリーズから初めてお粥から離れた料理となった。
解説文を見るに5月21日に食い殺したスコットの肉やワタをイメージした模様。


【その他の作品関連の余談】


日誌の通り餌を抜かれたケルベロスが数を減らしているが、脱走の方法は不明。
単に数が減っただけなら極度の飢餓による餓死や共食いの可能性もあるが、その場合死体等の痕跡が残るはずで、日誌にそういう記述はなく「逃げた」と判断している以上、ここは本当に逃げたのだろう。
強化された筋力で檻を破ったか、飼育係以外にもトレーナー等の職員がいてそれが開けた隙を狙ったのか。
現在の設定では洋館事件(アークレイ研究所生物災害)はある存在によって引き起こされた人為的なものとなっているため、そいつの手引きではないかと考察する意見もある。
なお肝心の檻はゲーム中に出てこないが、パーフェクトガイドでは「中庭で集団運用の訓練をされていたのが脱走」と書かれているため、おそらく中庭にプレイヤーが立ち入れないエリアがあってそこで飼育されていたと思われる。

初代においては飼育係以外にもウイルス感染した者の記録が存在する。
それは洋館内で入手できる「研究員の遺書」と研究所で入手できる「研究員の手紙」。
前者は研究員のマーチン・クラックホーンが恋人アルマに宛てた手紙で、あらゆる手を尽くしたが症状を遅らせることしかできず、恋人の記憶すら忘れていくという自覚から自殺を選んだという内容。
後者は謎解きにも使われる、エイダに宛てたジョンの手紙という、後続作にも影響する重要なファイルである。
どちらも日付が飼育係の日誌より後の6月になっており、その時点でも文章は何も問題なく書いているため、研究員はなんとか進行を遅らせていたようだが根治の方法は発見出来なかったようである。
まったく情報がないのに数日でワクチンを作り上げたラクーン市民病院スタッフのヤバさが窺い知れる。
しかもアンブレラの総帥はその時点でちゃっかりt-ウイルスのさらなる変異体すらも根絶する特効薬を隠していたことが判明している

なおマーチンは自殺したと思われるが、ジョンは手紙でエイダに介錯を頼んでおり付近にゾンビがいるため、ゾンビ化を選んだ模様。


【関連項目】


「文章の整い具合」で書き手の知能を表現する演出が用いられた作品のもう一つの代表例。








【管理人の日誌】


May 9. 20XX
夜、荒らし愚痴篭りWiki篭りと項目をたてた。

荒らしの奴、やたら編集してやがったが、きっと数文字いじっただけに違いねェ。
俺達をばかにしやがって。


May 10. 20XX
今日、運営板のおえら方から新しい荒らしのスルーを頼まれた。

無理やり服を着せた豚のような奴だ。

ほっときゃ消えるってんで、スルーしてると、奴ら、汚ねぇレスや違反画像を撒き散らして暴れた挙げ句、立て逃げして消えやがる。


May 11. 20XX
今朝の12時頃、iPodみたいな見慣れないケータイを持ったWiki篭りに、突然たたき起こされて、俺も文字化けを確認させられた。
何でもモバイル向けの仕様が変わったらしい。
wiki篭りの連中ときたら、夜も寝ないで凝ったレイアウトばかり作るから、こうなるんだ。


May 12. 20XX
昨日からこの使いにくいケータイを使っているせいで、目を酷使しちまって妙に疲れる。
ショボショボするんで、腹いせに愚痴篭り共を数人アク禁にしてやった。いい気味だ。



May 13. 20XX
あまりに指が痛いんで、運営に文句を言ったらりどみを読まされた。
それから、医者に俺はパソコンを使った方がいいと言われた。おかげでイライラが消えそうだぜ。


May 14. 20XX
朝起きると左手まで腱鞘炎になってやがった。
愚痴用スレがやけに静かなんで行ってみると、どう見てもコメントの数が足りねぇ。
3人規制したくらいで過疎になりやがって。運営に見つかったら大変だ。


May 16. 20XX
昨日、ここの規約 に 違反した奴 一人けされた、て はなしだ。

夜、スマホ お気に入り使いづらい。
エロぺーじ せいりしてたら 全ぶ共有されちまた。
いったいこれ どうや て


May 19. 20XX
やっとぶくま なおた も なんか たりない

今日 ムラムラするの、 エロ がぞ みる


Mai 11. 20XX
からだ あつい めいでんー きた
いいおとこなんで ぬがし
きもちよかた です


4

けつ

いた





5

つづき
よろ


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最終更新:2026年08月23日 12:20

*1 “Peter”に続いて、姓も書かれているようだがかなり崩れた字をしていて判読不能。またリメイク版では開いた日誌の画像に変更されたため、確認できない。

*2 正体をどれほど知っていたかまでは不明だが

*3 リメイク版では酒のボトルを収めた棚があり、度数の強い酒ばかりが並んでいる。彼の私物だとしたら結構な酒豪だったようだ。

*4 ゲーム中のゾンビのデザインが3種類しかないためあまり適切なものがなかったのであろう

*5 オリジナル版では、若干テキストが異なる

*6 仮にハンターなら、そのベースはゴリラではなく人間であり、人体実験の産物である。飼育係が正体を知ったら何を思っただろうか。

*7 生きた豚をどうやって調達したのかも不明だが、実験動物として飼育していたものでも放り込んだのだろうか。

*8 日付が正確であるなら…という仮定にはなるが

*9 オリジナル版、リメイク版共に同じ文章。次の日誌も同様

*10 原文ママ。漢数字と数字が混在している。

*11 ゲーム内での寄生解除方法も、回復アイテム使用やエリア離脱を経由しての嘔吐である

*12 終盤で主役キャラ・寺門が悪の秘密結社に就職し、その報告書として書かれた文面。つまりパロディネタとして書かれたものなので、原作からの引用というわけではない。

*13 余談だが、バイオハザード3の看板に『CAPCOM定食まずいカレーライス社食なんとかしてくれお願いします』とローマ字で書かれたものがある。どうやら美味しくなったようだ。

*14 8月20日。イギリスの細菌学者ロナルド・ロスが、ハマダラカの体内からマラリアの原虫を発見したことを記念して制定。

*15 ちなみにこのカロリーは初代バイオハザードの発売日に由来

*16 動画では本当にこの声が入る

*17 「かゆうま」が原文だったと誤解された原因の一つに、「かゆうま」表記の有名なパロディ版があったから、とする説もある。