グラオザム

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初出:第147話 名前の初出:第614話 声(黒ずくめ役/ドラマCD第1弾):浜田賢二&footnote(この時点ではキャラの名前が明かされておらず、兼役モブ扱いのためキャスト一覧にも表記なし/ふぁんぶっく2 「本好きの下剋上」ドラマCDアフレコレポート) 声(ドラマCD第8弾):堀内賢雄 声(TVアニメ第3期):堀内賢雄 //第3期第三十章では「ゲルラッハ子爵」表記 **概説 エーレンフェストの南東の地・[[ゲルラッハ子爵領>エーレンフェストの領地#ゲルラッハ子爵領]]を治める[[ギーベ]]。 [[アウブ・エーレンフェスト]]からギーベ・ゲルラッハを任じられた人物は作中に二名いる。 二人目が殺害された後、新たに三人目が任命されたのか、[[ヴィルフリート]]成人まで&footnote(番外編12話)保留扱いにされているのかは不明。 **ギーベ・ゲルラッハの一覧 +本稿の人物 +[[ライゼガング系>用語一覧#ライゼガング系]]の貴族(三年間の試用期間を経て正式に任じられる予定だったが&footnote(第529話 周囲の変化と春を寿ぐ宴)、試用期間中にグラオザムに殺害される&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)) **家族構成 妻:[[ロイエーア]] ([[ゲオルギーネ]]に名を捧げている)  息子:&footnote(書籍版第四部Vの初版第一刷でのみ、プロローグにて、シドニウスと記載されている。電子版では名前が削除されたことから、長男にギーベ・ヴィルトルの名を貰ったのではなく、単純な誤記と考えられる) (13年夏に[[ゲオルギーネ]]に名を捧げた)   孫:(洗礼前、洗礼時に上級貴族並の魔力を示せれば上級貴族に昇格出来た)&footnote(書籍版第四部Vプロローグ)&footnote(13年冬の粛清時に死亡、ふぁんぶっく6 Q&A)  息子:[[ヤンリック]] (13年夏に[[ゲオルギーネ]]に名を捧げた)  息子:[[マティアス]] 母:([[ガブリエーレ]]の上級側仕え)&footnote(第534話 加護の再取得 後編)  姉妹:[[ゼルティエ]]  妹:   甥:[[バルトルト]]   姪:[[カサンドラ]]   姪:[[ティベルタ]] **容姿 髪の色:紫&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料) &color(#8B52A1,#8B52A1){000000000} 瞳の色:灰色 &color(#999999,#999999){000000000} 上背はそこそこあるが、腹が少しばかりたるんでいる(09年冬時点)。&footnote(第272話) 12年春には、腹が締まって体つきが変わってきている。&footnote(書籍版第四部V プロローグ) **地位 階級:中級貴族 職種:文官&footnote(第452話 聖典の行方)、子爵、[[ギーベ]]・ゲルラッハ→アーレンスバッハ貴族 **年齢と属性関連 -ローゼマインとの学年差:+29&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料・書籍版第四部VIIIのイラスト登場時=13年夏時点で40歳、かつ、冬生まれ) -誕生季:冬&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料) **グラオザム視点の回 書籍版第五部IX プロローグ **影武者 本人の影武者が三人は存在する。&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3「……グラオザムには影武者が三人はいましたから」) +15年春にエーレンフェストの神殿に押し入ろうとした影武者(戦闘特化のシュミル達に切り伏せられた&footnote(第620話 それぞれの武勇伝 その1)) +15年春に西門にいた[[ギュンター]]班長から蹴り飛ばされ[[ローゼマイン]]のお守りで爆散した影武者&footnote(第621話 それぞれの武勇伝 その2) +15年春に北門にて[[ヴィルフリート]]に捕らえられた影武者&footnote(第622話 それぞれの武勇伝 その3) **作中での活躍 [[ゲオルギーネ]]に[[名捧げ]]した&footnote(第456話 閑話 選択の時「兄上は今回の来訪で二人ともゲオルギーネ様に名を捧げた。一生をゲオルギーネ様に尽くすのだろう。父上のように。」)、[[旧ヴェローニカ派>組織#旧ヴェローニカ派]]の中心にいる貴族。&footnote(第376話) アーレンスバッハから[[ガブリエーレ]]と共にエーレンフェストへやってきた上級側仕えが[[マティアス]]の祖母であり、上級並みの力を持っていてもライゼガングに頭を押さえられていたため、色々と思うところがあった。&footnote(第534話 加護の再取得 後編) [[神殿長>ベーゼヴァンス]]と交流が深く、貴族ではない彼を上位の者として扱っていた。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ) 自分の親族やヴェローニカ派しかいないようなプライベートの場では公然と[[ローゼマイン]]の事を平民と蔑んでいた。 [[身食い>魔力#身食い]]や兵士を従属させ、使い捨てている。&footnote(第456話 閑話 選択の時) ジルヴェスターの洗礼式で彼が次期領主だと[[ヴェローニカ]]が吹聴し、[[先代アウブ>アーデルベルト]]も領内のギーベ達に向かってこれを否定しなかったため、次期領主取り消しとみなされて婚約を解消された失意のゲオルギーネを、慰め、励まし、側近の一人として精神的に支えた。 その一方で彼女が補佐するに値する人物でなければジルヴェスターを次期領主として仰げないとし、ゲオルギーネがジルヴェスターに次期領主教育を施すことを提案した。 ゲオルギーネが施した次期領主教育(ゲオルギーネやその側近視点では、ヴェローニカから受けた、次期領主に相応しい努力が必要な厳しい教育)&footnote(一方リヒャルダ視点では、彼女から見てあまりにも酷いと感じた時は領主の許可を得て救出する位には厳しい内容、ふぁんぶっく3 Q&A)から逃げ出し、泣きわめき、嫌がり、「次期領主は姉上がなればいい」と言い放つジルヴェスターの姿を見て、ゲオルギーネに支えられるほどの価値がないと見切りを付けた。 ジルヴェスターを排除しゲオルギーネが次期領主になれるよう、忠実な側近を得る手段として名捧げがあることを教え、ヴェローニカをお手本に決して裏切れない味方を増やし立場を固めるため、ジルヴェスターがシュタープを手に入れるより先に名捧げ側近を確保するよう助言。 自分の名をゲオルギーネに捧げつつ、ヴェローニカ派の同世代貴族の中から、年齢(寿命)の関係でヴェローニカに名捧げすることをためらっている人物の情報を集め、ゲオルギーネが彼らを説得して名捧げ側近に取り込めるよう尽力していた。&footnote(書籍版第五部VIII エピローグ) [[マイン]]の[[青色巫女見習い>青色神官]]時代、[[祈念式>暦#祈念式]]の際の[[ライゼガング伯爵>ギーベ・ライゼガング]]家の襲撃への関与が疑われる。&footnote(第147話 襲撃) (実際、ビンデバルト伯爵らとマイン誘拐についての密談を行っており、計画に関与していた。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ)) 「エーレンフェストの礎へ至る道を見つけてしまったようだ」という意のゲオルギーネからの手紙を受け、名を捧げた十名程と共に、迎え入れやすい地盤作りを画策する。 領主一族や側近の能力を試した上で今の地盤の脆さを示して中立派を取り込み、また[[ヴィルフリート]]に汚点を付けてから救う事で、[[領主>ジルヴェスター]]を苦しめつつもヴィルフリートおよび旧ヴェローニカ派を取り込む為、白の塔事件の計画を練った。 [[領主の側近>側近#ジルヴェスターの側近]]から聞いた[[フェルディナンド]]の優秀さを警戒し、不在である収穫祭の時期に決行する事となり、ギーべである自分は直接ゲオルギーネの為に動けない事を悔しがった。&footnote(書籍版第三部IV エピローグ) 結局、白の塔の事件ではローゼマインが中心となってヴィルフリートを救済し中立派も流行発信などによって切り崩されたため、ヴィルフリートは旧ヴェローニカ派を敵視するようになり派閥は弱体化するなど苦境に立たされる結果となった。 ちなみに、ヴィルフリートは周囲から教えられていなかったもしくは理解していないのか、首謀者にして祖母に似ているゲオルギーネひいてはディートリンデに対して悪感情はもっていないようである。 [[ジョイソターク子爵]]に[[ビンデバルト伯爵]]の私兵を譲渡しており、私兵は9年冬の[[ローゼマイン]]襲撃に使われたため関与を疑われ、尋問を受ける。&footnote(第272話 閑話 洗礼式の日のおじい様 後編) (後日、ゲルラッハ領での直接対決の際、ローゼマインの騎獣を直接襲った男本人の声だとローゼマインが認識し、グラオザム自身もローゼマインの騎獣に見覚えがある発言をしている。ただし、前述の祈念式中にギーべ・ゲルラッハとして挨拶をした男とは声が違っており、そちらは影武者の1人だったと示唆されている&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)。その場合、本人が祈念式襲撃の際にどの様に動いていたかは不明。&footnote(馬車を覆った闇の結界については、作中の推測通り「攻撃前に他領に逃げた他領の貴族」、ビンデバルト伯爵から魔術具を与えられた下級貴族並の魔力を持つ身食い兵、攻撃前にアウブの守護を受けたグラオザムの可能性がある。この内、他領の貴族であるビンデバルト伯爵は襲撃を行った身食い兵が帰って来なかったと発言(書籍版第ニ部IV プロローグ)しており、エーレンフェスト内のギーべの館には滞在していたが(ふぁんぶっく2 Q&A)、現場にいた可能性は低い)) グラオザム夫婦が共にゲオルギーネに名捧げしていることもあって、マティアスの兄二人は13年夏にゲオルギーネに心酔して名捧げを行った。 その際、ゲオルギーネがエーレンフェストの礎を手に入れ、アウブとして必ず戻ってくると宣言した為、感極まって言葉を詰まらせ、珍しく喜びに満ちた姿を見せた。 一方で、マティアスには期待せず目をかけていなかったためか、マティアスは心酔はしておらず自身の判断のもと名捧げを逃れた。&footnote(第456話 閑話 選択の時) ちなみに、マティアス自身は家族の事を名捧げにより翻弄された者の一例と考えている。 疑わしくても証拠がないため処分できずにいたが&footnote(第272話 閑話 洗礼式の日のおじい様 後編)、13年秋の聖典盗難事件の[[エグモント]]の記憶&footnote(第450話 それぞれが見たもの)や同冬にマティアスよりもたらされた密会の証言&footnote(第456話 閑話 選択の時)により証拠が揃い、粛清が決まった。 しかし、捕縛するために踏み込んだ[[ボニファティウス]]に気が付いたところで自爆し、証拠になりそうなものは腕しか残さなかった。&footnote(第472話 儀式の研究と粛清の報告) 死亡を疑う[[ボニファティウス]]の発言により、[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を使った処刑が行われたため、[[シュタープ>魔力#シュタープ]]を失う。&footnote(第523話 領主一族の会議 前編) アーレンスバッハへと逃れ、アーレンスバッハ貴族として登録され&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)、再びゲオルギーネに直接仕える事となった。&footnote(第521話 閑話 ディートリンデ様の側仕え) 15年春の[[エーレンフェストの礎争奪戦>エーレンフェストとアーレンスバッハの礎争奪戦]]では、影武者を各地の陽動のため配置する。 ギーベの館に設置されている、緊急時に騎士団を移動させるための転移陣の存在を知らなかったため&footnote(ギーベはおろか、アウブやアウブ教育を受けた領主候補生ですら知らなかった/第600話 転移陣、書籍版第五部VIII「エピローグ」、書籍版第五部VIII「ギーベ・キルンベルガ 動いた国境門」、書籍版第五部VIII「ブリギッテ イルクナーの戦い」)、陽動の第一弾としてイルクナーへの進行、1日か2日ほど空けてゲルラッハに第二弾の騒動を引き起こせばボニファティウスを城から誘き出せ、騎士団が騎獣で移動する時間を考慮すればゲオルギーネのために十分な時間が稼げると判断していた。&footnote(書籍版第五部VIII エピローグ) グラオザム本人はボニファティウスに対抗するため己の体の半分以上を魔術具にして、自身の後釜のギーベ・ゲルラッハを殺害し、ゲルラッハの館の礎を奪って籠城した。 ゲルラッハ周辺で戦っていた騎士達へ即死毒を放ち、ゲオルギーネに与していた旧ベルケシュトックの騎士ごと[[ゲルラッハ騎士団長]]らを殺害する。 ゲルラッハの館でボニファティウスを迎え撃つ事を想定していたが、現れたのは暗殺したはずの[[フェルディナンド]]に加え、[[ローゼマイン]]や[[ハンネローレ]]とそれに連なる者たちだった。 自分の命を犠牲にした魔術具により敵の魔力を利用して圧倒するが、ローゼマインから祝福を与えられた[[マティアス]]に徐々に押されていく。この時漸くローゼマインの力を脅威と感じるようになり、自身に残るすべての魔力を使ってマティアスを退け、ローゼマインの騎獣から魔力を奪い始めるが、領主一族として扱われる程度の魔力でしかないと見誤り規格外の魔力によって魔力飽和を起こして、体の魔術具が金粉化してしまう。 最終的にローゼマインの護衛騎士達から黒の武器の攻撃を受けて戦死した。 自身に都合の良い様にしか考えない様子が散見され、白の塔の事件はローゼマインの救済がなければヴィルフリートは処刑や神殿入りの可能性が高く、当時の状況では斜陽気味かつ自派閥唯一にして旗頭の領主候補生ヴィルフリートを欠いた旧ヴェローニカ派の援護が本当に処罰を覆せるほどの力となれるのか、援護が成功してもヴィルフリートが嵌めた元凶に対して恩を感じるのかなど疑問が残る見通しであり、実際はフェルディナンドはジルヴェスターへの嫌がらせが目的だと断定する程利益が乏しい企みであった模様。 身食いを影武者や私兵として利用しローゼマインやその騎獣を蔑んでいたが、それらに魔術具や罠などが無効化された挙句、おそらくはグラオザムが用意したゲオルギーネの影武者が逆効果となって主であるゲオルギーネも討たれた。 ローゼマインのことをある程度の魔力しかなくヴィルフリートの第一夫人として迎えるなどしてライゼガング派の不満を抑えるためのジルヴェスターやフェルディナンドの傀儡と見ていた模様。魔石の指輪で神々の祝福を与える・ローゼマイン式魔力圧縮方法の開発等ローゼマインの規格外といえる能力に関する情報を得ていたにも関わらず、土壇場となるまでローゼマインの実力を認めようとはせずただ下に見るだけであった。平民が貴族を超える能力を持つなどの自身に不都合な現実からは目を背ける傾向がみられ、ローゼマインの能力に対しての認識不足が敗因となった。 なお、ギーベの館で対峙したマティアスが、ローゼマインが自分にもたらしてくれるものを列挙した上で、ゲオルギーネは何も与えてくれないではないかと言い募ったのに対し、 「思い違いをするな、中途半端な愚か者が!」 「忠誠に見返りが必要か? 主の望みを叶え、主の目指す方向に付き従うことを望んでも、見返りなど望んだこともない。私の忠誠を見くびるな!」 と、目の色が変わるほどの激情と共に怒りをほとばしらせた。&footnote(書籍版第五部IX グラオザムとの対峙 加筆箇所) マティアスは、グラオザムが引き返せないところまで進んでしまっただけで、後悔しているのではないかと考えていたが、その時とその後の様子から、あの時でさえ後悔などしておらず、心からゲオルギーネに尽くしていただけだと思いしった。&footnote(CD8特典SS「祝勝会の裏で」)逆に言えば、ゲオルギーネが部下にきちんと酬いない主だという自覚はあった模様。 //心酔したゲオルギーネに魔力を捧げることはあってもこれといって報われたことは無かったらしく、マティアスにそれを指摘されると激昂し、「何故ここまで(命を懸けて尽くすのか)……」と問われるとマティアスの視線を避けるなどゲオルギーネへの忠誠に煩悶する様子も見られた。 //一応、アーレンスバッハの貴族として登録されてはいたが、貴族の資格であるシュタープを失ったことから実質的には貴族として扱われるのはまず不可能であり、命を犠牲にした魔術具の使用もそうした背景もあっての事だと考えられる。 **経歴 前11年頃 [[ゲオルギーネ]]に[[名捧げ]]し、ヴェローニカ派同世代の中からヴェローニカに名捧げしていない者の情報を提供する。&footnote(正確な時期は不明だが、ジルヴェスターが次期エーレンフェストとして確定する前(※要出典)/洗礼式でジルヴェスターの次期領主が決定し(前12年)ゲオルギーネが婚約を解消された頃(前11年)に名を捧げている、書籍版第五部VIII エピローグ) 08年春 [[祈念式>暦#祈念式]]で自領に訪れた青色巫女見習いの[[マイン]]と[[フェルディナンド]]から挨拶を受け、小聖杯の受け渡しを行う&footnote(第147話 フェルディナンドは見ているが、マインはグラオザムの顔を見ておらず、声だけ聞いている。後日、本人と声が違ったとローゼマインは認識している(第617話))     マインを誘拐する為、[[ビンデバルト伯爵]]から借り受けた[[身食い兵>用語一覧#身食い兵]]を使い&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ)、[[ライゼガング>エーレンフェストの領地#ライゼガング伯爵領]]の夏の館で襲うも失敗する。&footnote(第147話)     関連し、[[ベーゼヴァンス]]を招き、ビンデバルト伯爵、[[ザイツェン子爵]]、[[ダールドルフ子爵夫人>グローリエ]]らと、[[グラーツ男爵]]の[[夏の館>用語一覧#夏の館]]で密談する。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ) 09年夏 ゲオルギーネから手紙を受け取り、自身の夏の館にダールドルフ子爵夫人ら十名程を集め、収穫祭の時期に合わせた白の塔事件の計画を練る。&footnote(書籍版第三部IV エピローグ) 09年冬 [[ジョイソターク子爵]]にビンデバルト伯爵の身食い兵を譲渡する。&footnote(第272話)     冬の洗礼式にて、ローゼマインを襲い[[薬>薬と毒#魔力の流れを悪化させる薬]]を飲ませ、連れ去ろうとするが失敗する。&footnote(第268話 ローゼマインはグラオザムの顔を見ていないが、後日、主に声でグラオザム本人だったと認識する(第617話)。また、ゲオルギーネから教わった大広間からの抜け道を使用したと作中で推測されている(第272話))     襲撃に関して[[ジルヴェスター]]夫妻、[[カルステッド]]、[[ボニファティウス]]、[[フェルディナンド]]らから尋問を受ける&footnote(第272話 祈念式の挨拶時の声との違和感をフェルディナンドが感じていないが、こちらも影武者なのか、単に声まで覚えていなかったのかは不明) 13年夏 自身の夏の館で、ゲオルギーネとゲオルギーネに名を捧げた者達とで密談する。&footnote(第456話、書籍第四部VIII「エピローグ」) 13年秋 [[ダールドルフ子爵夫人]]より、エーレンフェストの聖典の鍵を受け取り、[[ベティーナ]]へと送る。&footnote(第456話、第589話 後書き) 13年冬 捕縛され証拠となることを避けるため、自爆を偽装して逃亡。&footnote(第472話 儀式の研究と粛清の報告)     エーレンフェストのメダルは廃棄されシュタープを失うが&footnote(第523話 領主一族の会議 前編)、アーレンスバッハ貴族として登録される。&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3) 14年春 左手に義手の魔術具をした側近としてゲオルギーネに仕える。&footnote(第521話 閑話 ディートリンデ様の側仕え) 15年春 ゲオルギーネのエーレンフェスト礎争奪に参加する。     陽動作戦か土地勘のあるゲルラッハ領に旧ベルケシュトック騎士団・ギーベ軍とともに侵攻し土地の魔力を奪う。&footnote(第615話 ゲルラッハの戦い その1)     ギーベ・ゲルラッハの夏の館の制圧に成功し、混戦する戦場に向けて毒を散布した。&footnote(第616話 ゲルラッハの戦い その2)     ローゼマインの護衛騎士達によって討たれた。&footnote(第618話 ゲルラッハの戦い その4)     影武者の一人がエーレンフェスト神殿に押し入ろうとしたが、戦闘特化型シュミルに切り伏せられた。&footnote(第620話 それぞれの武勇伝 その1)     影武者の一人が西門から入ろうとしたが、兵士達から汚物攻撃を受け[[ギュンター]]から蹴り飛ばされ[[ローゼマイン]]のお守りで爆散した。&footnote(第621話 それぞれの武勇伝 その2)     影武者の一人が北門から入ろうとしたが、[[ヴィルフリート]]に捕らえられた。&footnote(第622話 それぞれの武勇伝 その3) **作者コメント 【[[2017年 06月08日 活動報告 2017/06/21 感想返し>http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/1742993/]]】 グラオザムは優秀ですよ。 この時(09年夏、白の塔事件計画の会合時)はトルークを使っていません。この後、計画を聞いたゲオルギーネから送られてきます。 最初の餌食は第三部Ⅴで馬鹿なことをする貴族です。(※[[ジョイソターク子爵]]だと思われる) &b(){>かつてのゲオルギーネのジルへの嫌がらせに加担していたのか} そうですね。ゲオルギーネと一緒に計画する方でした。 &b(){>策略はグラオザムでゲオルギーネ本人の能力は並レベル?} 優秀さを出したところでアーレンスバッハの第一夫人がアウブ・エーレンフェストにはなれませんし、策略を立てるのは別にゲオルギーネの仕事ではありませんからね。 この時のゲオルギーネにとって大事なのは、言質を取らせずに自分の望む結果を得ることなのです。 **描写上の不整合 ([[コメント>グラオザム/コメント]]の議論よりまとめ) ゲルラッハの礎を奪った際に「館の防衛機能を最高まで上げ」「血族、上位管理者である領主一族しか入れなく」したが(616話「ゲルラッハの戦い その2」)、マティアスが入れた以上(617話「ゲルラッハの戦い その3」)、血族であるグラオザム本人でなければならない。しかしこのグラオザムは「右手で[[シュタープ>魔力#シュタープ]]を振るった」(617話「ゲルラッハの戦い その3」)と書いてあった。後から設定が追加され、「メダルを破壊されたため本物のグラオザムはシュタープを使えませんでした」(640話「アルステーデの話」あとがき)とされたので、これは影武者となり、どうあっても矛盾となった。これを整合させるため、617話でグラオザムの右手はシュタープを持ってない描写に改稿された&footnote(「活動報告」2016年11月24日 http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/1572756/)。それでも617話でグラオザムは光の網を使って[[コルネリウス]]から「見覚えがある」と反応されたままなので、やはりシュタープ無しなのは無理がある。またグラオザムが617話で示した「オルドナンツ避け」も、シュタープが使用できないなら「銀色の衣装をまとい[[オルドナンツ>魔術具と神具#オルドナンツ]]が届かないように」する必要も無かったことになり(「シュタープを持っていない相手にオルドナンツは使えない」と325話「わたしが帰る場所」に明記)、筋が通らない。そもそもグラオザムがゲルラッハの礎を奪取した時にシュタープ抜きだったら、魔力の染め替えに時間・経済的コストが掛かりすぎて、侵略戦術上の妨げとなるはず(礎からの魔力の抜き取りは魔術具で可能にしろ、抜きすぎる前に魔力注がねば[[夏の館>用語一覧#夏の館]]である[[白い建物>文化#白の建物]]は崩壊する)。 **コメント #blockquote{&b(){このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。} 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 &color(red,){表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。}} #pcomment(noname,reply,size=100,new,グラオザム/コメント)
初出:第147話 名前の初出:第614話 声(黒ずくめ役/ドラマCD第1弾):浜田賢二&footnote(この時点ではキャラの名前が明かされておらず、兼役モブ扱いのためキャスト一覧にも表記なし/ふぁんぶっく2 「本好きの下剋上」ドラマCDアフレコレポート) 声(ドラマCD第8弾):堀内賢雄 声(TVアニメ第3期):堀内賢雄 //第3期第三十章では「ゲルラッハ子爵」表記 **概説 エーレンフェストの南東の地・[[ゲルラッハ子爵領>エーレンフェストの領地#ゲルラッハ子爵領]]を治める[[ギーベ]]。 [[アウブ・エーレンフェスト]]からギーベ・ゲルラッハを任じられた人物は作中に二名いる。 二人目が殺害された後、新たに三人目が任命されたのか、[[ヴィルフリート]]成人まで&footnote(番外編12話)保留扱いにされているのかは不明。 **ギーベ・ゲルラッハの一覧 +本稿の人物 +[[ライゼガング系>用語一覧#ライゼガング系]]の貴族(三年間の試用期間を経て正式に任じられる予定だったが&footnote(第529話 周囲の変化と春を寿ぐ宴)、試用期間中にグラオザムに殺害される&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)) **家族構成 妻:[[ロイエーア]] ([[ゲオルギーネ]]に名を捧げている)  息子:&footnote(書籍版第四部Vの初版第一刷でのみ、プロローグにて、シドニウスと記載されている。電子版では名前が削除されたことから、長男にギーベ・ヴィルトルの名を貰ったのではなく、単純な誤記と考えられる) (13年夏に[[ゲオルギーネ]]に名を捧げた)   孫:(洗礼前、洗礼時に上級貴族並の魔力を示せれば上級貴族に昇格出来た)&footnote(書籍版第四部Vプロローグ)&footnote(13年冬の粛清時に死亡、ふぁんぶっく6 Q&A)  息子:[[ヤンリック]] (13年夏に[[ゲオルギーネ]]に名を捧げた)  息子:[[マティアス]] 母:([[ガブリエーレ]]の上級側仕え)&footnote(第534話 加護の再取得 後編)  姉妹:[[ゼルティエ]]  妹:   甥:[[バルトルト]]   姪:[[カサンドラ]]   姪:[[ティベルタ]] **容姿 髪の色:紫&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料) &color(#8B52A1,#8B52A1){000000000} 瞳の色:灰色 &color(#999999,#999999){000000000} 上背はそこそこあるが、腹が少しばかりたるんでいる(09年冬時点)。&footnote(第272話) 12年春には、腹が締まって体つきが変わってきている。&footnote(書籍版第四部V プロローグ) **地位 階級:中級貴族 職種:文官&footnote(第452話 聖典の行方)、子爵、[[ギーベ]]・ゲルラッハ→アーレンスバッハ貴族 **年齢と属性関連 -ローゼマインとの学年差:+29&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料・書籍版第四部VIIIのイラスト登場時=13年夏時点で40歳、かつ、冬生まれ) -誕生季:冬&footnote(ふぁんぶっく4 キャラクター設計資料) **グラオザム視点の回 書籍版第五部IX プロローグ **影武者 本人の影武者が三人は存在する。&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3「……グラオザムには影武者が三人はいましたから」) +15年春にエーレンフェストの神殿に押し入ろうとした影武者(戦闘特化のシュミル達に切り伏せられた&footnote(第620話 それぞれの武勇伝 その1)) +15年春に西門にいた[[ギュンター]]班長から蹴り飛ばされ[[ローゼマイン]]のお守りで爆散した影武者&footnote(第621話 それぞれの武勇伝 その2) +15年春に北門にて[[ヴィルフリート]]に捕らえられた影武者&footnote(第622話 それぞれの武勇伝 その3) **作中での活躍 [[ゲオルギーネ]]に[[名捧げ]]した&footnote(第456話 閑話 選択の時「兄上は今回の来訪で二人ともゲオルギーネ様に名を捧げた。一生をゲオルギーネ様に尽くすのだろう。父上のように。」)、[[旧ヴェローニカ派>組織#旧ヴェローニカ派]]の中心にいる貴族。&footnote(第376話) アーレンスバッハから[[ガブリエーレ]]と共にエーレンフェストへやってきた上級側仕えが[[マティアス]]の祖母であり、上級並みの力を持っていてもライゼガングに頭を押さえられていたため、色々と思うところがあった。&footnote(第534話 加護の再取得 後編) [[神殿長>ベーゼヴァンス]]と交流が深く、貴族ではない彼を上位の者として扱っていた。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ) 自分の親族やヴェローニカ派しかいないようなプライベートの場では公然と[[ローゼマイン]]の事を平民と蔑んでいた。 [[身食い>魔力#身食い]]や兵士を従属させ、使い捨てている。&footnote(第456話 閑話 選択の時) ジルヴェスターの洗礼式で彼が次期領主だと[[ヴェローニカ]]が吹聴し、[[先代アウブ>アーデルベルト]]も領内のギーベ達に向かってこれを否定しなかったため、次期領主取り消しとみなされて婚約を解消された失意のゲオルギーネを、慰め、励まし、側近の一人として精神的に支えた。 その一方で彼女が補佐するに値する人物でなければジルヴェスターを次期領主として仰げないとし、ゲオルギーネがジルヴェスターに次期領主教育を施すことを提案した。 ゲオルギーネが施した次期領主教育(ゲオルギーネやその側近視点では、ヴェローニカから受けた、次期領主に相応しい努力が必要な厳しい教育)&footnote(一方リヒャルダ視点では、彼女から見てあまりにも酷いと感じた時は領主の許可を得て救出する位には厳しい内容、ふぁんぶっく3 Q&A)から逃げ出し、泣きわめき、嫌がり、「次期領主は姉上がなればいい」と言い放つジルヴェスターの姿を見て、ゲオルギーネに支えられるほどの価値がないと見切りを付けた。 ジルヴェスターを排除しゲオルギーネが次期領主になれるよう、忠実な側近を得る手段として名捧げがあることを教え、ヴェローニカをお手本に決して裏切れない味方を増やし立場を固めるため、ジルヴェスターがシュタープを手に入れるより先に名捧げ側近を確保するよう助言。 自分の名をゲオルギーネに捧げつつ、ヴェローニカ派の同世代貴族の中から、年齢(寿命)の関係でヴェローニカに名捧げすることをためらっている人物の情報を集め、ゲオルギーネが彼らを説得して名捧げ側近に取り込めるよう尽力していた。&footnote(書籍版第五部VIII エピローグ) [[マイン]]の[[青色巫女見習い>青色神官]]時代、[[祈念式>暦#祈念式]]の際の[[ライゼガング伯爵>ギーベ・ライゼガング]]家の襲撃への関与が疑われる。&footnote(第147話 襲撃) (実際、ビンデバルト伯爵らとマイン誘拐についての密談を行っており、計画に関与していた。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ)) 「エーレンフェストの礎へ至る道を見つけてしまったようだ」という意のゲオルギーネからの手紙を受け、名を捧げた十名程と共に、迎え入れやすい地盤作りを画策する。 領主一族や側近の能力を試した上で今の地盤の脆さを示して中立派を取り込み、また[[ヴィルフリート]]に汚点を付けてから救う事で、[[領主>ジルヴェスター]]を苦しめつつもヴィルフリートおよび旧ヴェローニカ派を取り込む為、白の塔事件の計画を練った。 [[領主の側近>側近#ジルヴェスターの側近]]から聞いた[[フェルディナンド]]の優秀さを警戒し、不在である収穫祭の時期に決行する事となり、ギーべである自分は直接ゲオルギーネの為に動けない事を悔しがった。&footnote(書籍版第三部IV エピローグ) 結局、白の塔の事件ではローゼマインが中心となってヴィルフリートを救済し中立派も流行発信などによって切り崩されたため、ヴィルフリートは旧ヴェローニカ派を敵視するようになり派閥は弱体化するなど苦境に立たされる結果となった。 ちなみに、ヴィルフリートは周囲から教えられていなかったもしくは理解していないのか、首謀者にして祖母に似ているゲオルギーネひいてはディートリンデに対して悪感情はもっていないようである。 [[ジョイソターク子爵]]に[[ビンデバルト伯爵]]の私兵を譲渡しており、私兵は9年冬の[[ローゼマイン]]襲撃に使われたため関与を疑われ、尋問を受ける。&footnote(第272話 閑話 洗礼式の日のおじい様 後編) (後日、ゲルラッハ領での直接対決の際、ローゼマインの騎獣を直接襲った男本人の声だとローゼマインが認識し、グラオザム自身もローゼマインの騎獣に見覚えがある発言をしている。ただし、前述の祈念式中にギーべ・ゲルラッハとして挨拶をした男とは声が違っており、そちらは影武者の1人だったと示唆されている&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)。その場合、本人が祈念式襲撃の際にどの様に動いていたかは不明。&footnote(馬車を覆った闇の結界については、作中の推測通り「攻撃前に他領に逃げた他領の貴族」、ビンデバルト伯爵から魔術具を与えられた下級貴族並の魔力を持つ身食い兵、攻撃前にアウブの守護を受けたグラオザムの可能性がある。この内、他領の貴族であるビンデバルト伯爵は襲撃を行った身食い兵が帰って来なかったと発言(書籍版第ニ部IV プロローグ)しており、エーレンフェスト内のギーべの館には滞在していたが(ふぁんぶっく2 Q&A)、現場にいた可能性は低い)) グラオザム夫婦が共にゲオルギーネに名捧げしていることもあって、マティアスの兄二人は13年夏にゲオルギーネに心酔して名捧げを行った。 その際、ゲオルギーネがエーレンフェストの礎を手に入れ、アウブとして必ず戻ってくると宣言した為、感極まって言葉を詰まらせ、珍しく喜びに満ちた姿を見せた。 一方で、マティアスには期待せず目をかけていなかったためか、マティアスは心酔はしておらず自身の判断のもと名捧げを逃れた。&footnote(第456話 閑話 選択の時) ちなみに、マティアス自身は家族の事を名捧げにより翻弄された者の一例と考えている。 疑わしくても証拠がないため処分できずにいたが&footnote(第272話 閑話 洗礼式の日のおじい様 後編)、13年秋の聖典盗難事件の[[エグモント]]の記憶&footnote(第450話 それぞれが見たもの)や同冬にマティアスよりもたらされた密会の証言&footnote(第456話 閑話 選択の時)により証拠が揃い、粛清が決まった。 しかし、捕縛するために踏み込んだ[[ボニファティウス]]に気が付いたところで自爆し、証拠になりそうなものは腕しか残さなかった。&footnote(第472話 儀式の研究と粛清の報告) 死亡を疑う[[ボニファティウス]]の発言により、[[メダル>魔術具と神具#登録証]]を使った処刑が行われたため、[[シュタープ>魔力#シュタープ]]を失う。&footnote(第523話 領主一族の会議 前編) アーレンスバッハへと逃れ、アーレンスバッハ貴族として登録され&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3)、再びゲオルギーネに直接仕える事となった。&footnote(第521話 閑話 ディートリンデ様の側仕え) 15年春の[[エーレンフェストの礎争奪戦>エーレンフェストとアーレンスバッハの礎争奪戦]]では、影武者を各地の陽動のため配置する。 ギーベの館に設置されている、緊急時に騎士団を移動させるための転移陣の存在を知らなかったため&footnote(ギーベはおろか、アウブやアウブ教育を受けた領主候補生ですら知らなかった/第600話 転移陣、書籍版第五部VIII「エピローグ」、書籍版第五部VIII「ギーベ・キルンベルガ 動いた国境門」、書籍版第五部VIII「ブリギッテ イルクナーの戦い」)、陽動の第一弾としてイルクナーへの進行、1日か2日ほど空けてゲルラッハに第二弾の騒動を引き起こせばボニファティウスを城から誘き出せ、騎士団が騎獣で移動する時間を考慮すればゲオルギーネのために十分な時間が稼げると判断していた。&footnote(書籍版第五部VIII エピローグ) グラオザム本人はボニファティウスに対抗するため己の体の半分以上を魔術具にして、自身の後釜のギーベ・ゲルラッハを殺害し、ゲルラッハの館の礎を奪って籠城した。 ゲルラッハ周辺で戦っていた騎士達へ即死毒を放ち、ゲオルギーネに与していた旧ベルケシュトックの騎士ごと[[ゲルラッハ騎士団長]]らを殺害する。 ゲルラッハの館でボニファティウスを迎え撃つ事を想定していたが、現れたのは暗殺したはずの[[フェルディナンド]]に加え、[[ローゼマイン]]や[[ハンネローレ]]とそれに連なる者たちだった。 自分の命を犠牲にした魔術具により敵の魔力を利用して圧倒するが、ローゼマインから祝福を与えられた[[マティアス]]に徐々に押されていく。この時漸くローゼマインの力を脅威と感じるようになり、自身に残るすべての魔力を使ってマティアスを退け、ローゼマインの騎獣から魔力を奪い始めるが、領主一族として扱われる程度の魔力でしかないと見誤り規格外の魔力によって魔力飽和を起こして、体の魔術具が金粉化してしまう。 最終的にローゼマインの護衛騎士達から黒の武器の攻撃を受けて戦死した。 自身に都合の良い様にしか考えない様子が散見され、白の塔の事件はローゼマインの救済がなければヴィルフリートは処刑や神殿入りの可能性が高く、当時の状況では斜陽気味かつ自派閥唯一にして旗頭の領主候補生ヴィルフリートを欠いた旧ヴェローニカ派の援護が本当に処罰を覆せるほどの力となれるのか、援護が成功してもヴィルフリートが嵌めた元凶に対して恩を感じるのかなど疑問が残る見通しであり、実際はフェルディナンドはジルヴェスターへの嫌がらせが目的だと断定する程利益が乏しい企みであった模様。 身食いを影武者や私兵として利用しローゼマインやその騎獣を蔑んでいたが、それらに魔術具や罠などが無効化された挙句、おそらくはグラオザムが用意したゲオルギーネの影武者が逆効果となって主であるゲオルギーネも討たれた。 ローゼマインのことをある程度の魔力しかなくヴィルフリートの第一夫人として迎えるなどしてライゼガング派の不満を抑えるためのジルヴェスターやフェルディナンドの傀儡と見ていた模様。魔石の指輪で神々の祝福を与える・ローゼマイン式魔力圧縮方法の開発等ローゼマインの規格外といえる能力に関する情報を得ていたにも関わらず、土壇場となるまでローゼマインの実力を認めようとはせずただ下に見るだけであった。平民が貴族を超える能力を持つなどの自身に不都合な現実からは目を背ける傾向がみられ、ローゼマインの能力に対しての認識不足が敗因となった。 なお、ギーベの館で対峙したマティアスが、ローゼマインが自分にもたらしてくれるものを列挙した上で、ゲオルギーネは何も与えてくれないではないかと言い募ったのに対し、 「思い違いをするな、中途半端な愚か者が!」 「忠誠に見返りが必要か? 主の望みを叶え、主の目指す方向に付き従うことを望んでも、見返りなど望んだこともない。私の忠誠を見くびるな!」 と、目の色が変わるほどの激情と共に怒りをほとばしらせた。&footnote(書籍版第五部IX グラオザムとの対峙 加筆箇所) マティアスは、グラオザムが引き返せないところまで進んでしまっただけで、後悔しているのではないかと考えていたが、その時とその後の様子から、あの時でさえ後悔などしておらず、心からゲオルギーネに尽くしていただけだと思いしった。&footnote(CD8特典SS「祝勝会の裏で」)また、見返りなどは求めないというグラオザム自身の忠誠のあり方を示しただけで、ゲオルギーネが主としての姿勢や能力はローゼマインとは比べるべくもないというマティアスの批判には反論できなかったともいえる。 **経歴 前11年頃 [[ゲオルギーネ]]に[[名捧げ]]し、ヴェローニカ派同世代の中からヴェローニカに名捧げしていない者の情報を提供する。&footnote(正確な時期は不明だが、ジルヴェスターが次期エーレンフェストとして確定する前(※要出典)/洗礼式でジルヴェスターの次期領主が決定し(前12年)ゲオルギーネが婚約を解消された頃(前11年)に名を捧げている、書籍版第五部VIII エピローグ) 08年春 [[祈念式>暦#祈念式]]で自領に訪れた青色巫女見習いの[[マイン]]と[[フェルディナンド]]から挨拶を受け、小聖杯の受け渡しを行う&footnote(第147話 フェルディナンドは見ているが、マインはグラオザムの顔を見ておらず、声だけ聞いている。後日、本人と声が違ったとローゼマインは認識している(第617話))     マインを誘拐する為、[[ビンデバルト伯爵]]から借り受けた[[身食い兵>用語一覧#身食い兵]]を使い&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ)、[[ライゼガング>エーレンフェストの領地#ライゼガング伯爵領]]の夏の館で襲うも失敗する。&footnote(第147話)     関連し、[[ベーゼヴァンス]]を招き、ビンデバルト伯爵、[[ザイツェン子爵]]、[[ダールドルフ子爵夫人>グローリエ]]らと、[[グラーツ男爵]]の[[夏の館>用語一覧#夏の館]]で密談する。&footnote(書籍版第ニ部IV プロローグ) 09年夏 ゲオルギーネから手紙を受け取り、自身の夏の館にダールドルフ子爵夫人ら十名程を集め、収穫祭の時期に合わせた白の塔事件の計画を練る。&footnote(書籍版第三部IV エピローグ) 09年冬 [[ジョイソターク子爵]]にビンデバルト伯爵の身食い兵を譲渡する。&footnote(第272話)     冬の洗礼式にて、ローゼマインを襲い[[薬>薬と毒#魔力の流れを悪化させる薬]]を飲ませ、連れ去ろうとするが失敗する。&footnote(第268話 ローゼマインはグラオザムの顔を見ていないが、後日、主に声でグラオザム本人だったと認識する(第617話)。また、ゲオルギーネから教わった大広間からの抜け道を使用したと作中で推測されている(第272話))     襲撃に関して[[ジルヴェスター]]夫妻、[[カルステッド]]、[[ボニファティウス]]、[[フェルディナンド]]らから尋問を受ける&footnote(第272話 祈念式の挨拶時の声との違和感をフェルディナンドが感じていないが、こちらも影武者なのか、単に声まで覚えていなかったのかは不明) 13年夏 自身の夏の館で、ゲオルギーネとゲオルギーネに名を捧げた者達とで密談する。&footnote(第456話、書籍第四部VIII「エピローグ」) 13年秋 [[ダールドルフ子爵夫人]]より、エーレンフェストの聖典の鍵を受け取り、[[ベティーナ]]へと送る。&footnote(第456話、第589話 後書き) 13年冬 捕縛され証拠となることを避けるため、自爆を偽装して逃亡。&footnote(第472話 儀式の研究と粛清の報告)     エーレンフェストのメダルは廃棄されシュタープを失うが&footnote(第523話 領主一族の会議 前編)、アーレンスバッハ貴族として登録される。&footnote(第617話 ゲルラッハの戦い その3) 14年春 左手に義手の魔術具をした側近としてゲオルギーネに仕える。&footnote(第521話 閑話 ディートリンデ様の側仕え) 15年春 ゲオルギーネのエーレンフェスト礎争奪に参加する。     陽動作戦か土地勘のあるゲルラッハ領に旧ベルケシュトック騎士団・ギーベ軍とともに侵攻し土地の魔力を奪う。&footnote(第615話 ゲルラッハの戦い その1)     ギーベ・ゲルラッハの夏の館の制圧に成功し、混戦する戦場に向けて毒を散布した。&footnote(第616話 ゲルラッハの戦い その2)     ローゼマインの護衛騎士達によって討たれた。&footnote(第618話 ゲルラッハの戦い その4)     影武者の一人がエーレンフェスト神殿に押し入ろうとしたが、戦闘特化型シュミルに切り伏せられた。&footnote(第620話 それぞれの武勇伝 その1)     影武者の一人が西門から入ろうとしたが、兵士達から汚物攻撃を受け[[ギュンター]]から蹴り飛ばされ[[ローゼマイン]]のお守りで爆散した。&footnote(第621話 それぞれの武勇伝 その2)     影武者の一人が北門から入ろうとしたが、[[ヴィルフリート]]に捕らえられた。&footnote(第622話 それぞれの武勇伝 その3) **作者コメント 【[[2017年 06月08日 活動報告 2017/06/21 感想返し>http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/1742993/]]】 グラオザムは優秀ですよ。 この時(09年夏、白の塔事件計画の会合時)はトルークを使っていません。この後、計画を聞いたゲオルギーネから送られてきます。 最初の餌食は第三部Ⅴで馬鹿なことをする貴族です。(※[[ジョイソターク子爵]]だと思われる) &b(){>かつてのゲオルギーネのジルへの嫌がらせに加担していたのか} そうですね。ゲオルギーネと一緒に計画する方でした。 &b(){>策略はグラオザムでゲオルギーネ本人の能力は並レベル?} 優秀さを出したところでアーレンスバッハの第一夫人がアウブ・エーレンフェストにはなれませんし、策略を立てるのは別にゲオルギーネの仕事ではありませんからね。 この時のゲオルギーネにとって大事なのは、言質を取らせずに自分の望む結果を得ることなのです。 **描写上の不整合 ([[コメント>グラオザム/コメント]]の議論よりまとめ) ゲルラッハの礎を奪った際に「館の防衛機能を最高まで上げ」「血族、上位管理者である領主一族しか入れなく」したが(616話「ゲルラッハの戦い その2」)、マティアスが入れた以上(617話「ゲルラッハの戦い その3」)、血族であるグラオザム本人でなければならない。しかしこのグラオザムは「右手で[[シュタープ>魔力#シュタープ]]を振るった」(617話「ゲルラッハの戦い その3」)と書いてあった。後から設定が追加され、「メダルを破壊されたため本物のグラオザムはシュタープを使えませんでした」(640話「アルステーデの話」あとがき)とされたので、これは影武者となり、どうあっても矛盾となった。これを整合させるため、617話でグラオザムの右手はシュタープを持ってない描写に改稿された&footnote(「活動報告」2016年11月24日 http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/372556/blogkey/1572756/)。それでも617話でグラオザムは光の網を使って[[コルネリウス]]から「見覚えがある」と反応されたままなので、やはりシュタープ無しなのは無理がある。またグラオザムが617話で示した「オルドナンツ避け」も、シュタープが使用できないなら「銀色の衣装をまとい[[オルドナンツ>魔術具と神具#オルドナンツ]]が届かないように」する必要も無かったことになり(「シュタープを持っていない相手にオルドナンツは使えない」と325話「わたしが帰る場所」に明記)、筋が通らない。そもそもグラオザムがゲルラッハの礎を奪取した時にシュタープ抜きだったら、魔力の染め替えに時間・経済的コストが掛かりすぎて、侵略戦術上の妨げとなるはず(礎からの魔力の抜き取りは魔術具で可能にしろ、抜きすぎる前に魔力注がねば[[夏の館>用語一覧#夏の館]]である[[白い建物>文化#白の建物]]は崩壊する)。 **コメント #blockquote{&b(){このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。} 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 &color(red,){表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。}} #pcomment(noname,reply,size=100,new,グラオザム/コメント)

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