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シュラートラウムの花 - (2021/04/10 (土) 23:10:34) の1つ前との変更点
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*概要
546話『次期ツェント候補』で、[[オルタンシア]]が[[ディートリンデ]]に向けた言葉に入っていた。
アーレンスバッハでしか咲かず、[[ラオブルート]]が好んでおり、[[ゲオルギーネ]]が知っている花だという。
何かの暗喩と思われるが、作中人物のだれもその真相には届かなかった。
557話『閑話 望みと出口』で、オルタンシアの発言を図書館で聞いた[[ヒルデブラント]]に対して、ラオブルートは
-甘い匂いのする白い花でなかなか手に入らない
-昔配属された離宮の主が好んでおり、何代にも渡って温室で育てられていた
と内心の動揺を隠す笑みを浮かべながら、説明した。
書籍版の巻末書き下ろしで、[[アナスタージウス]]の依頼を受けて、[[オルタンシア]]が[[トルーク>薬と毒#トルーク]関係の文献を調べた経緯と、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]でのやりとりが判明。
二百年前時点では、トルークと似たような効果のある薬の素材の隠語だった模様。
王族や領主を相手にする特定の女性に使われる薬の素材で、容易には立ち入れない場所で育てられていた。
時が下ると、薬の素材ではなく、女性を示す言葉として使われるようになった
百年位前には、王族や領主を招待する施設があり、彼女たちがシュラートラウムの花と呼ばれていた。
どうして呼び名が移ったのかの記載はないが、シュラートラウムの花を素材とする薬を使っている女性を、シュラートラウムの花と呼ぶようになったのではないかと、オルタンシアは推測した。&footnote(書籍版第五部V「シュラートラウムの花」)
13年春頃、旧[[ベルケシュトック>地理#ベルケシュトック]]調査の際に、魔獣討伐に協力した中央騎士に、[[ゲオルギーネ]]が「シュラートラウムの花が美しく咲いている」と告げ、女性が閨の相手をする施設へ連れて行った。
その際に、[[ラオブルート]]は、女性ではなく、花瓶に飾られていた白い花を所望し、思い出深そうに受け取った。
その話は、[[ロヤリテート]]からオルタンシアへ、ラオブルートが誠実な夫であることを示す逸話として、語られた。&footnote(書籍版第五部V「シュラートラウムの花」)
*引用
-オルタンシア&footnote(第546話 次期ツェント候補)
>「&i(){シュラートラウムの花}は今年も美しく咲くのでしょうか?」
>「ディートリンデ様はご存じありませんか? アーレンスバッハでしか手に入らない、わたくしの夫が好きな花だそうです。ゲオルギーネ様に伺ってみてくださいませ」
-ラオブルート&footnote(第557話 閑話 望みと出口)
>「&italic(){シュラートラウムの花}は……甘い匂いのする白い花です。私の好む花ではあるのですが、なかなか手に入りません。ですから、今年は咲いているのかどうか尋ねているのです」
>「……昔、私がまだ成人してすぐの頃に配属された離宮の主が好んでいた花だったのです。離宮の一角に温室があり、そこに咲いていました。いつ持ち込まれた花なのか、それは主にもわからないそうですが、何代にも渡って大事にしてきたそうです。……五年とせずに私の配属も変わりましたし、今はもう主もなく、閉鎖されている離宮の話ですよ」
*推測
**トルークを暗喩しているとする解釈
-シュラートラウムは、命の神の眷属で、夢の神である。
よって、シュラートラウムの花は、夢見心地にさせる花、夢のように美しい花、夢のように咲くのが珍しい花、などと解釈できる。
ヒルデブラントは「綺麗に咲くことも珍しい花」と解釈したようだ。&footnote(第557話 閑話 望みと出口)
-上記に加えて、
--アーレンスバッハでしか手に入らない
--ゲオルギーネが知っている花
--甘い香り
--ラオブルートが若い頃配属された離宮(アダルジーザの離宮と思われる)の温室にあった
などから、「[[トルーク>薬と毒#トルーク]](もしくはその原料のひとつ)」ではないかと推測される。
-オルタンシアの不思議な言葉は、「アーレンスバッハとシュラートラウムの花」、花を通して「ラオブルートとゲオルギーネ」に関係があることを暗喩したものだと推測される。
-穿った見方をすれば、トルークとシュラートラウムの花の関係を知っていたり、中央にトルークが蔓延していることを知っていて、わざわざヒルデブラントと側近(王族)、ハンネローレ(ダンケルフェルガー)とローゼマイン(エーレンフェスト)に、ラオブルートとゲオルギーネの危険性を伝えた可能性がある。
--↑もっと単純に、フェルディナンドの扱いを知ったオルタンシアが、フェルディナンドが「アダルジーザの実」であることをディートリンデが知っているかどうかカマをかけた言葉なのでは?
**ランツェナーヴェの姫を暗喩しているとする解釈
-断続的に訪れるランツェナーヴェの姫に対してオルタンシア「今年も美しく咲く」=「離宮に来るのでしょうか?」=ラオブルート「今年、離宮に来るのどうか聞いている」
-オルタンシア「アーレンスバッハでしか手に入らない」=「アーレンスバッハ(の国境門)からしか来ない、夫が好きな姫」=ラオブルート「私の好む、なかなか手に入らない姫」
-この解釈でも、「アーレンスバッハとシュラートラウムの花」、花(姫)を通して「ラオブルートとゲオルギーネ」の関係が暗喩されている。
-↑ただ、その後のラオブルートの説明である「離宮の主がその花を好んで何代にも渡って温室で育てていた」が比較的具体的なため、姫の暗喩よりも実際の花を指して過去の真実を述べているような文脈に見える。「離宮の主=ランツェナーヴェの姫」と捉えれば、「辛い境遇を忘れる為に何代にも渡って自分達で花=トルークを育てていた」と取れる。
--↑根深く暗躍している彼が、真実を述べたり、整合性のある発言をする訳がないのでは。&br()仮に内容がほとんど真実であっても、「離宮の主=傍系王族の夫婦」と捉えれば、「アダルジーザの離宮の歪んだ慣習がいつ始まったのか彼らも知らないが、何代にも渡って閉鎖環境で大事に姫の世話をしていた」とも取れる。
---↑離宮の主がどちらの場合でも、「姫を好んでいた」「姫を代々大事にしてきた」「(離宮ではなく)離宮の一角の温室の姫」という言い回しに疑問が残る。メタ視点になるが、思わせぶりな態度の悪役キャラの発言が、出鱈目で整合性が取れないというのは、そういう設定のキャラでない限り、少し考えにくいのでは?
-↑上級貴族の女性であるオルタンシアが、ランツェナーヴェの姫についての機密(輸入ルートなど)をなぜか知っていることになる。
--↑それも含めて「夫が外国との内通者なのでは」という疑念を暗喩した告発となる。だからこそラオブルートにとってオルタンシアを殺す動機足り得るのでは。
---↑夫から聞くくらいしか知り得るルートを具体的に推測できないが、その場合、口の軽いラオブルートが自分で言って自分で殺すマッチポンプになってしまう。
-↑あと、妻の発言としてはちょっと悲しい。
--↑それも夫を告発する心情的な距離感となった可能性
**コメント
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*概要
546話『次期ツェント候補』で、[[オルタンシア]]が[[ディートリンデ]]に向けた言葉に入っていた。
アーレンスバッハでしか咲かず、[[ラオブルート]]が好んでおり、[[ゲオルギーネ]]が知っている花だという。
何かの暗喩と思われるが、作中人物のだれもその真相には届かなかった。
557話『閑話 望みと出口』で、オルタンシアの発言を図書館で聞いた[[ヒルデブラント]]に対して、ラオブルートは
-甘い匂いのする白い花でなかなか手に入らない
-昔配属された離宮の主が好んでおり、何代にも渡って温室で育てられていた
と内心の動揺を隠す笑みを浮かべながら、説明した。
書籍版の巻末書き下ろしで、[[アナスタージウス]]の依頼を受けて、[[オルタンシア]]が[[トルーク>薬と毒#トルーク]]関係の文献を調べた経緯と、[[アーレンスバッハ>アーレンスバッハの領地]]でのやりとりが判明。
二百年前時点では、トルークと似たような効果のある薬の素材の隠語だった模様。
王族や領主を相手にする特定の女性に使われる薬の素材で、容易には立ち入れない場所で育てられていた。
時が下ると、薬の素材ではなく、女性を示す言葉として使われるようになった
百年位前には、王族や領主を招待する施設があり、彼女たちがシュラートラウムの花と呼ばれていた。
どうして呼び名が移ったのかの記載はないが、シュラートラウムの花を素材とする薬を使っている女性を、シュラートラウムの花と呼ぶようになったのではないかと、オルタンシアは推測した。&footnote(書籍版第五部V「シュラートラウムの花」)
13年春頃、旧[[ベルケシュトック>地理#ベルケシュトック]]調査の際に、魔獣討伐に協力した中央騎士に、[[ゲオルギーネ]]が「シュラートラウムの花が美しく咲いている」と告げ、女性が閨の相手をする施設へ連れて行った。
その際に、[[ラオブルート]]は、女性ではなく、花瓶に飾られていた白い花を所望し、思い出深そうに受け取った。
その話は、[[ロヤリテート]]からオルタンシアへ、ラオブルートが誠実な夫であることを示す逸話として、語られた。&footnote(書籍版第五部V「シュラートラウムの花」)
*引用
-オルタンシア&footnote(第546話 次期ツェント候補)
>「&i(){シュラートラウムの花}は今年も美しく咲くのでしょうか?」
>「ディートリンデ様はご存じありませんか? アーレンスバッハでしか手に入らない、わたくしの夫が好きな花だそうです。ゲオルギーネ様に伺ってみてくださいませ」
-ラオブルート&footnote(第557話 閑話 望みと出口)
>「&italic(){シュラートラウムの花}は……甘い匂いのする白い花です。私の好む花ではあるのですが、なかなか手に入りません。ですから、今年は咲いているのかどうか尋ねているのです」
>「……昔、私がまだ成人してすぐの頃に配属された離宮の主が好んでいた花だったのです。離宮の一角に温室があり、そこに咲いていました。いつ持ち込まれた花なのか、それは主にもわからないそうですが、何代にも渡って大事にしてきたそうです。……五年とせずに私の配属も変わりましたし、今はもう主もなく、閉鎖されている離宮の話ですよ」
*推測
**トルークを暗喩しているとする解釈
-シュラートラウムは、命の神の眷属で、夢の神である。
よって、シュラートラウムの花は、夢見心地にさせる花、夢のように美しい花、夢のように咲くのが珍しい花、などと解釈できる。
ヒルデブラントは「綺麗に咲くことも珍しい花」と解釈したようだ。&footnote(第557話 閑話 望みと出口)
-上記に加えて、
--アーレンスバッハでしか手に入らない
--ゲオルギーネが知っている花
--甘い香り
--ラオブルートが若い頃配属された離宮(アダルジーザの離宮と思われる)の温室にあった
などから、「[[トルーク>薬と毒#トルーク]](もしくはその原料のひとつ)」ではないかと推測される。
-オルタンシアの不思議な言葉は、「アーレンスバッハとシュラートラウムの花」、花を通して「ラオブルートとゲオルギーネ」に関係があることを暗喩したものだと推測される。
-穿った見方をすれば、トルークとシュラートラウムの花の関係を知っていたり、中央にトルークが蔓延していることを知っていて、わざわざヒルデブラントと側近(王族)、ハンネローレ(ダンケルフェルガー)とローゼマイン(エーレンフェスト)に、ラオブルートとゲオルギーネの危険性を伝えた可能性がある。
--↑もっと単純に、フェルディナンドの扱いを知ったオルタンシアが、フェルディナンドが「アダルジーザの実」であることをディートリンデが知っているかどうかカマをかけた言葉なのでは?
**ランツェナーヴェの姫を暗喩しているとする解釈
-断続的に訪れるランツェナーヴェの姫に対してオルタンシア「今年も美しく咲く」=「離宮に来るのでしょうか?」=ラオブルート「今年、離宮に来るのどうか聞いている」
-オルタンシア「アーレンスバッハでしか手に入らない」=「アーレンスバッハ(の国境門)からしか来ない、夫が好きな姫」=ラオブルート「私の好む、なかなか手に入らない姫」
-この解釈でも、「アーレンスバッハとシュラートラウムの花」、花(姫)を通して「ラオブルートとゲオルギーネ」の関係が暗喩されている。
-↑ただ、その後のラオブルートの説明である「離宮の主がその花を好んで何代にも渡って温室で育てていた」が比較的具体的なため、姫の暗喩よりも実際の花を指して過去の真実を述べているような文脈に見える。「離宮の主=ランツェナーヴェの姫」と捉えれば、「辛い境遇を忘れる為に何代にも渡って自分達で花=トルークを育てていた」と取れる。
--↑根深く暗躍している彼が、真実を述べたり、整合性のある発言をする訳がないのでは。&br()仮に内容がほとんど真実であっても、「離宮の主=傍系王族の夫婦」と捉えれば、「アダルジーザの離宮の歪んだ慣習がいつ始まったのか彼らも知らないが、何代にも渡って閉鎖環境で大事に姫の世話をしていた」とも取れる。
---↑離宮の主がどちらの場合でも、「姫を好んでいた」「姫を代々大事にしてきた」「(離宮ではなく)離宮の一角の温室の姫」という言い回しに疑問が残る。メタ視点になるが、思わせぶりな態度の悪役キャラの発言が、出鱈目で整合性が取れないというのは、そういう設定のキャラでない限り、少し考えにくいのでは?
-↑上級貴族の女性であるオルタンシアが、ランツェナーヴェの姫についての機密(輸入ルートなど)をなぜか知っていることになる。
--↑それも含めて「夫が外国との内通者なのでは」という疑念を暗喩した告発となる。だからこそラオブルートにとってオルタンシアを殺す動機足り得るのでは。
---↑夫から聞くくらいしか知り得るルートを具体的に推測できないが、その場合、口の軽いラオブルートが自分で言って自分で殺すマッチポンプになってしまう。
-↑あと、妻の発言としてはちょっと悲しい。
--↑それも夫を告発する心情的な距離感となった可能性
**コメント
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