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サンドラ帝国

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魔族篇 4章までのネタバレを含みます。
サンドラ帝国

サンドラ帝国とは、スラダ大陸北東部に位置する国家。スラダ大陸の暗黒暦における大国の一つで、支配者層を吸血種が占める。

歴史

都市国家サンドラの成立

サンドラ帝国の起源は、迷宮に暮らした民族サンドラ人にさかのぼる。

暗黒暦元年以降、氷河期の到来によって地上が居住不能となると、人々は地下迷宮へと避難し、それぞれが独自の民族国家を形成した。サンドラ人もその一つであり、迷宮神奥域の腐原領域を拠点として、同地を支配する魔物渦銀竜(ルミナワーム)に生贄を捧げることで庇護を受けていた。

やがて兄弟ルキウムバラギウムは夢回廊の導きを受け、それぞれ迷宮神器(アルミラ・ルシス)を手にした。二人は協力して渦銀竜を討伐し、サンドラ人を長年の従属から解放した。しかし、ルキウムは事前に夢回廊から「兄を裏切れば未来が拓ける」との啓示も受けており、バラギウムを陥れて権力を掌握、神奥域第一回廊に新たな拠点サンドラを築いた。一方、追放されたバラギウムはのちに魔族へと転じ、(アグロ)サンドラを標榜してルキウムと敵対することになる。

暗黒暦1567年、ルキウムに率いられたサンドラ人は迷宮を出て、巨兵山の麓にあったレベリオ人都市を侵攻・制圧し、都市国家サンドラを建国した。*1

帝国の樹立

都市国家サンドラの建国後、ルキウムの孫ヘルダルフ迷宮神器(アルミラ・ルシス・)無限炉(プロメテウス)を継承し、次代の火主となった。当時のサンドラは、追放したレベリオ人勢力および魔族集団(アグロ)サンドラと対立し、長期にわたり膠着状態が続いていた。

暗黒暦1595年、始祖吸血種カーミラとその仲間が(アグロ)サンドラの首長バラギウムを討伐すると、サンドラはその功績を認め、吸血種を正式な国民として迎え入れた。また、同時期に滅亡した都市国家パンテオンから流入した難民を受け入れたことで、彼らの高度な知識と技術が国内に伝わり、国家の発展を後押しした。

のちにヘルダルフをはじめとする支配層が吸血種化を果たすと、人間種から血液を税として徴収する血税制度が導入され、吸血種を主体とする紅の兵団および迷宮探索ギルドの設立によって統治体制が整えられた。

暗黒暦1600年の天鳴戦争では、宿敵レベリオが黄金要塞の崩落に巻き込まれて滅亡した。サンドラはこの戦争の過程で天空人スウィフト派の襲撃を退け、彼らを受け入れることに成功する。スウィフト派は終焉戦争以前の高度な科学技術を伝え、パンテオン人と並んでサンドラの技術的基盤を大きく強化した。

その後もサンドラは版図拡大を続け、暗黒暦1608年には都市国家アリーナおよびその周辺地域を制圧し、スラダ大陸東部に覇を唱える体制を確立。ここにサンドラ帝国が樹立された。

大陸統一の野望と滅亡

+ 魔族篇 4章までのネタバレを含みます。
炎帝ヘルダルフの治世はおよそ200年に及び、サンドラ帝国はこの時期に最盛期を迎えた。一方で、吸血種による人間支配はさらに強化され、血液供給を目的とする人間牧場が国家産業として整備された。血税制度も継続され、時には国民であっても牧場へ送られることがあった。暗黒暦1700年代には、幼児の血を飲めば若返るとの風説が広まり、人間種の社会的地位は著しく低下した。この時期、帝国は魔神教団と接触した。

暗黒暦1808年、ヘルダルフは大陸統一令を発布し、周辺諸国への侵攻を開始した。この政策は、大陸に覇を唱えるだけでなく、帝国内の吸血種が始祖吸血種カーミラの血統支配から独立することを目的としたものとされる。戦端が開かれると、サンドラ帝国軍は各地で勝利を重ね、アスラン王国をはじめとする複数の国家を滅ぼした。

しかし、南方の封魔連合王国および西方のシュリット神聖王国との戦闘では苦戦を強いられ、第一次侵攻は失敗に終わった。続く第二次侵攻では、ヘルダルフ自らが解廊鍵(クロルエイン)を用いて主力部隊を転移させ、封魔連合王国本国への直接攻撃を試みたが、王アポロヌスとの戦闘の末に戦死した。直後、帝都も魔神ミリアムの戦闘に巻き込まれて壊滅し、帝国の中枢は崩壊した。(詳細は「大陸統一戦争」を参照)

帝国滅亡後、各地に散在した軍残党は掃討され、暗黒暦1814年、シュリット神聖王国の主導によって旧領域は聖レベリオ=アスラン王国として再編された。これにより、サンドラ帝国の歴史は終焉を迎えた。

地理

サンドラ帝国は、スラダ大陸北東部に位置する国家である。
南方では西から順にアスラン王国、シエスタ、ヴェリト王国と接し、西方には迷宮蟲魔域を隔ててシュリット神聖王国が存在する。

帝都は国土の西端、巨兵山の麓に位置する。
以下は主要な都市。
  • リベラストラ - 迷宮神奥域の旧サンドラ領域に再建された地下都市で、その名称は「復活」と「前進」を意味する造語である。探索ギルドの拠点として機能するほか、国内最大規模の古代遺物研究所が所在する。
  • パンテオン - 帝都の南西に位置する、かつての都市国家。学術・技術の中心地として栄えた。
  • アリーナ - パンテオンのさらに南西に位置する、かつての都市国家。かつて奴隷産業を主軸としていたが、各所で人間牧場が整備されると経済的に衰退した。パンテオンとの中間には迷宮黄金域が広がり、術符や番人などの古代遺物が多く発見されている。

軍事

サンドラ帝国は、吸血種を中心とした多層的な戦力体系を有していた。
主な兵種と兵器は以下のとおりである。
  • 一般兵 - 術符などの古代遺物を主兵装とする歩兵団であり、前線構築を担った。
  • 紅の兵団 - 吸血種のみで構成された精鋭部隊。種族固有の能力と黒魔術を駆使し、高い不死性と優れた突破力を発揮した。
  • 近衛兵団 - 炎帝の護衛を専門とする吸血種の集団。忠誠心が極めて高く、非常時には迷宮神器(アルミラ・ルシス・)無限炉(プロメテウス)の力によって火滅兵へと転じた。
  • 宮廷魔術師 - 炎帝に仕える高位術師の集団で、人間ながら強力な魔術を行使する。
  • 魔族兵 - 捕虜を魔族化して生産された、使い捨てを前提とした兵力。魔神教団から強力な魔族が供出される場合もあった。
  • 兵器
    • 術符 - 黄金域で発掘される使い捨て型の遺物。使用することで強力な魔術を発動でき、一般兵の主力兵装として広く用いられた。
    • 番人 - 黄金域で発見された自律型の機械兵器。迷宮神器(アルミラ・ルシス・)刻命(ベリアル)によって従属化し、運用された。
    • 巨兵 - 帝都近郊の山中に埋没していたオリハルコン製の巨大ゴーレム。身長は約1キロメートル*2にも及び、ただ歩くだけで甚大な被害をもたらす。炎帝の命令に従って動いた。

政治

サンドラ帝国は絶対君主制をとった。元首は迷宮神器(アルミラ・ルシス・)無限炉(プロメテウス)に適合した人物が選ばれ、かつては火主、帝国成立以降は炎帝の称号を名乗った。

炎帝自身が吸血種であることから、吸血種は人類の進化種として位置づけられ、その血族は貴族階級を構成した。

一方、吸血種以外の人間は従属民として扱われ、納税に加えて血液の供出を義務づける血税制度が施行されていた。

文化

公用語はサンドラ語。

毎月決まった日には、初代火主が安住の地を築き上げた火の力になぞらえて「火の祭り」を行う。

対外戦争

  • サンドラ独立戦争*3(暗黒暦1567年)
    サンドラ人が迷宮神奥域を離れ、地上への進出を試みた際、すでにその地に都市を築いていたレベリオ人との間で発生した戦争。
    戦闘の結果、レベリオ人勢力は駆逐され、サンドラ人は同地に都市を建設した。これが後の都市国家サンドラの起源となる。
  • レベリオ征伐(暗黒暦1595年)
    失地回復を試みたレベリオ人を討つために行われた戦争。
    サンドラ征伐軍は当初優勢であったが、黄金要塞の攻撃を受けて壊滅した。
  • アリーナ攻略戦*2(暗黒暦1608年)
    南西の都市国家アリーナを制圧し、首長ンディババを捕縛した戦役。
    この勝利によって、サンドラは第二の迷宮域と第三の迷宮神器を掌握し、帝国樹立への足がかりを得た。
  • 大陸統一戦争*2(暗黒暦1808年)
    炎暦200年を記念して発布された大陸統一令に基づく戦争。
    サンドラ帝国がスラダ大陸全土の統一を目指して開始したもの。詳細は「大陸統一戦争(仮称)」を参照。
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注釈

*1 473話「二十八年前に迷宮神奥域から地上に出てきたサンドラ人は、そこに定住していたレベリオ人を追い出して国を築いたのである。」

*2 363話「身長でいえば一キロ以上にもなるのではないかと思われた。」

*3 仮称