フジ隊員以外のフルネームは、全て後年の映画『甦れ!ウルトラマン』で後付けされた設定である。
演:小林昭二
漢字表記は「村松敏夫」。通称「 キャップ」「 キャプテン」。科学特捜隊日本支部を率いる隊長。
慎重派であり、堅実な作戦を構築し、 バルタン星人と交渉を提案したり、血気盛んな部下を宥めたりといった描写が目立ち、
部下が窮地に陥った際には自ら救助に向かう、ミスをした隊員をきちんとフォローするなど、優秀な隊長として描かれている。
ただ、怪獣の襲撃によってヨシムラ総裁らと共に海底センターに閉じ込められた時に、イライラするヨシムラを落ち着かせるために、
トランプのババ抜きをして落ち着かせようとしたり(当然「こんな事をしていられるか!」とキレられた)、
雨の日に傘を忘れたために
わざわざ部下にビートルを飛ばせて傘を届けさせたり
といった奇行を行った事もあったりする。
特に本編第28話「人間標本5・6号」においては、単身でダダに占領された宇宙線研究所に潜入。
事件に巻き込まれた女性を守りながら、射撃や格闘戦を駆使して ダダを圧倒するという活躍をみせた。 ダダ271号「駄目だ!ムラマツは強い!」
そこまで強い部類の宇宙人では無いにしても、後年の 対怪人戦の 強さの秘密は此処にあるのかも……。
ちなみに演者の小林昭二氏は後に 東映が生んだ国民的ヒーロー作品にて扮した「おやっさん」こと立花藤兵衛でも有名。
これを受けてか『 ヒーロー戦記』では キャップとおやっさんは双子の兄弟という驚愕の設定になっている。 姓が違うじゃねぇか!
『仮面ノリダー』に至っては 同一人物とされている。
衝撃のカミングアウト(08:53より)
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証人:アラシ隊員(06:20より)
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『ウルトラマン』本編より40年後を舞台にした映像作品『ウルトラマン怪獣伝説 40年目の真実』では、
本編第8話「 怪獣無法地帯」で既にハヤタ=ウルトラマンという事実に気付いていた事が示唆された一方、
TV版キャストの小林氏が既に他界していた為、作中でも故人として扱われ、遺影のみ飾られていた。
演:黒部進
漢字表記は「早田進」。科学特捜隊養成学校を主席で卒業したエース *1にして初代ウルトラマンである。
パイロットとして腕利きで、ジェットビートルやヘリなどの操縦を行う事が多く、
漫画『ウルトラマン THE FIRST』では(バルタンの陰謀だったものの)宇宙ステーションへの転属を命じられるほど。
またキャップから隊を任される事もしばしばで、アラシ、イデに指示を出すなど実質的には副隊長であるようだ。
基本的に主人公が防衛チームの新人である事が多いウルトラシリーズでは、結構珍しい設定である。
優秀な隊員である事は間違いないのだが、無謀な作戦に自ら志願したり、
自身の安否を気遣うフジ隊員に「そんな事はどうでも良い」と応じたり、自分を省みない面が目立つ。
結果的に怪獣の被害に単独で巻き込まれて窮地に陥り、ウルトラマンに変身していた。
姿くらまして変身するには都合が良いけど。
インド支部からやってきたパティ隊員のエスコート権を賭けたくじびきで
インチキをして
自分がその権利を得たり、
最早伝説となった
ベータカプセルと間違えてスプーンを掲げた
事件や、怪獣墓場を見て今まで殺してきた怪獣達に詫びるなど、
要所要所で人間らしい一面も見せているが、これらがハヤタ本人の性格なのか、それともウルトラマンのものなのかは不明瞭。
実際、作中でも バルタン星人と会話する時は地球人のハヤタとして、
メフィラス星人相手には宇宙人のウルトラマンとしての立場で会話をしており、
敢えてどちらが主導権を握っているのかは明確にされていないのかもしれない。
その際メフィラス星人に
「貴様は人間なのか、宇宙人なのか!」
と聞かれた際には笑顔で
「両方さ」
と答えている。
金城哲夫氏の小説版ではその突飛な行動から「ノイローゼになったのではないか」と心配される事も多く、
ハヤタ自身、ウルトラマンである事に対しての葛藤から、ふてくされて「ウルトラマンになるもんか」と零す事もあった。
尤も、これは怪獣との戦闘時、現場にハヤタ隊員がいない事をマスコミがバッシングしたせいでもあるが……。
また、漫画『フジアキコ物語~ウルトラマン撮影秘話~』は「ウルトラマンの撮影をギャグ調に描く」という作品なのだが、
ここでのハヤタは
エリート隊員らしくむやみに自信たっぷりで皮肉屋
と、とても主人公とは思えない性格だったりする。
……しかし、視聴者からの本編でのハヤタの印象は案外こんな感じだったりするから困る。
ウルトラマン分離後は、合体中の記憶を失ってしまい、その後もおぼろげにしか思い出せずにいたが、
『ウルトラマン怪獣伝説 40年目の真実』では再度ウルトラマンから接触を受け、ベータカプセルを新たな若者に託す使命を担う。
TV本編ベースの『THE FIRST』では分離後も記憶を失った様子は無く、むしろ明らかに残っている形で描写されていた。
本作の番外編では格闘ゲームが不得意な様子も見せており、
ウルトラマンを操作してペギラやナメゴンにボコボコにされてしまい、意気消沈する一幕もあった。
一峰大二氏のコミカライズ版に至っては、分離する事なくウルトラマンと共に地球を去って終幕を迎えている。
また、『月刊ヒーローズ』連載の漫画『ULTRAMAN』では、
ウルトラマンが去ってから数十年後が舞台で、ハヤタの息子・早田進次郎を主役に新たな物語が展開されている。
こちらのハヤタは防衛大臣になっており、ウルトラマンと同化していた影響で超人的な身体能力を持ち、
その因子が息子にも受け継がれている…という設定。
ウルトラマンとしての記憶は失っていたが、宇宙人が二十数年ぶりに現れた事で記憶を取り戻す。
その後、突如出現した異星人・ ベムラーを相手に ウルトラマンを模したパワードスーツで立ち向かっている。
演:石井伊吉(現:毒蝮三太夫)
漢字表記は「嵐大助」。科学特捜隊日本支部の武闘派。ハヤタの一年先輩である。
隊随一の射撃の名手であり、また格闘技にも長け、人間大のグリーンモンスを投げ飛ばした事がある。
スパイダーショットなど大火力の武器を操るのは、もっぱらアラシの役目であった。
血気盛んな熱血漢であり、切り込み隊長として真っ先に突っ込む事が多く、
その為にバルタン星人に乗っ取られるなどの危険な目にあっていた。
イデと仲が良く、コンビを組んで行動する事が多い。
演:二瓶正也
漢字表記は「井手光弘」。科学特捜隊の開発担当。
バッジ型通信機、スパイダーショット、マルス133を始めとする殆どの装備は彼の発明したものであり、
宇宙語にも(「君の宇宙語は分かりにくい」と言われたが)堪能で、万能翻訳機パンスペースインタープリターを開発。
これらの装備の多くは、後の防衛チームの装備の基盤となっており、その活躍を支え続けてきた。
明るくひょうきんな性格から隊全体のムードメーカーとしての役割も担っていた一方で、
ナイーブな面もあり、危険な作戦を前にしり込みしたり、自分のせいで作戦が失敗した際には脱隊を考えたり、
また事情を知った後は ジャミラとの戦闘を拒むなど、極めて人間的なキャラクターとしてファンから愛されている。
長年にわたってウルトラシリーズのテーマとなる「ウルトラマンがいるなら自分達はいらないのではないか」という事を、
最初に悩み、苦しみ、そしてそれに対する 回答を提示した人物でもある。
楳図かずお氏の漫画版ではTV版以上にムードメーカー……もとい
ギャグ要員
扱いであり、
ハヤタやフジが多少劇画調に描かれているのに対し、彼のみ明らかなギャグキャラ顔に描かれている。
扱いの例を挙げると、ウルトラマンとハヤタの両方が腕に傷を負っていた事で、彼の正体に勘付くも、
ウルトラマンが怪我していたのは右手だったか左手だったか忘れてしまっていた
とか。
映画『甦れ!ウルトラマン』ではゼットンを倒したのが彼の新兵器となっており、
TVとは逆に「自分達は強くなったからウルトラマンはいらないのではないか」という構図になっている。
最終的にはウルトラマン用のスタミナ剤を作りそれを打ち込む事でウルトラマンのピンチを救い、
これによってウルトラマンはスランプから脱している。
劇中では正確に宇宙人襲来を予知しており(他に予知できたのはウルトラマン=ハヤタだけ)、
この事からハヤタが「実は彼も宇宙人なのではないか」と考えていたようだが、真相は不明。
漫画『ウルトラマン THE FIRST』では ジャミラ戦で嬉々として倒した怪獣が地球人だったという現実に絶望し、
「宇宙人が攻撃したとしてもそれに耐えきれば宇宙人も侵略に来ない」という考えに取りつかれ、
フジ隊員に憑依したバルタン星人の策略でスペシウム光線にも耐える装甲を開発、
見事に持ち逃げされてウルトラマンを窮地に追いやった。
漫画『ULTRAMAN』では科学技術研究所の所長になっている。
また、こちらではハヤタがウルトラマンだった事に気付いていたとされている。
演:桜井浩子
漢字表記は「藤明子」。科学特捜隊の通信官にして紅一点。
基地待機を命じられる事は多いが、率先して現場に向かったり、密かにハヤタのヘリに乗り込んだりと行動派。
女の子扱いされる事に対しての反感はあるようだが、料理をしたり着物を着たり、女性らしさに溢れている。
初代ウルトラヒロインではあるが、明確な恋愛描写は皆無で、ハヤタの身を案じる事が多かった程度。
何故か宇宙人に狙われる事が多く、一度 メフィラス星人に 巨大化させられた事も。 *2
その為おっきな女の子が好きな人界隈ではある種伝説の女神的扱いされてたり。
後年の漫画『ウルトラマン THE FIRST』では補正ががっつりかかって完全にハヤタとイイ感じのヒロインである。
同作では序盤に バルタン星人に憑依され、暫く鳴りを潜めていたものの、終盤から打倒ウルトラマンのために暗躍する。
挙句の果てに
ハヤタを庇って死亡してしまう
。な、なんだこの扱い……。
ちなみに 兄さんが持ってきた二つの命の内の一つを使う事でハヤタ共々無事蘇生した。
お陰でウルトラマンは死体のまま光の国に帰る事になったが
また、番外編に彼女の休日を題材にした短編エピソードが存在しており、
漫画オリジナルのハヤタに好意を寄せる女性整備士と15時間ぶっ通しで格闘ゲームで対戦するという、
廃人クラスの格闘ゲーマーとしての姿を見せた。
演:津沢彰秀
漢字表記は「星野勇」。科特隊日本支部に出入りしている11歳の少年。
理由については特に説明されていないが、後に科学特捜隊養成所に入所したとの事なので、その前の実習か何かであろう。
流石に危険な任務にはついて行かせてもらえないものの、こっそり機体に忍び込んでいたりと行動力抜群。
また能力も申し分なく、窮地に陥ったハヤタを助け、ビートルを緊急発進させ、 ネロンガを狙撃するなどの活躍を見せた。
これらの功績によって本編中で準隊員として認められ、科学特捜隊の制服をプレゼントされているのだが、
実はウルトラシリーズに出てくるレギュラーの少年の中で、 防衛チームのメンバーとなった唯一の人物である。
ただ演者である津沢彰秀氏が 骨折した為に降板。25話を最後に登場しなくなってしまう。
氏も声変わりに苦労しながら熱演をしており、中学進学を機に芸能界を引退してしまったが、ウルトラマンへの思い入れは強く、
近年になって開かれた対談では「(ウルトラマンへの出演は)ものすごい財産。一番の財産ですよ」と語っていた。
前述通り、設定上は科特隊養成所で将来の科特隊員として勉強と訓練に励んでいるため、
ムラマツ班での経験が、ホシノ少年の人生にとっても極めて大きいものだった事は想像に難くない。
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