「壊相は血塗のために 血塗は俺のために 俺は壊相のために生きる」
「俺達は三人で一つだ」
漫画『呪術廻戦』の登場人物。読みは「ちょうそう」。
アニメの担当声優は
浪川大輔
氏。
史上最悪の呪術師・加茂憲倫(同姓同名のキャラが同作では2名いるので注意)が呪霊の子を妊娠する特殊体質の女性を使った実験によって生み出した、
特級呪物「呪胎九相図」の一番が受肉して生まれた「九相図」の長男。
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九相図って?(※グロ話注意) |
元々の意味の「九相図」とは、
色欲を離れがたい僧侶に「どんな美女も死ねば朽ちて白骨になるだけ、虚しい存在だぞ」と教える為、
野晒しの屍が腐り朽ち果てて骨になり埋葬されるまでの九つの段階を写実的に描写した絵画である。
「脹相」とはその一枚目、まだ生前の面影は残りつつも既に腐敗ガスで腹などが膨らみ始めている段階の絵である
(以降、腐敗で肉が崩れ出す「壊相」、崩れた肉から血液や脂肪が流出する「血塗相」とどんどん遺体の状態は悪化していく)。
当然、直球のグロ画像なので検索する時はご注意を。
当時の京の都などはそれこそ道端に普通に死体が転がっていたような末世の有様なのでモデルには事欠かなかっただろうが、
仏門を修める為とはいえこんなモノを見せられたら、そらあトラウマでEDになるケースもあろうさという壮絶な一幅である。
嘗ては才気に溢れ絶世の美女と持て囃されるも、晩年は老醜の末に野晒しの悲惨な最期を遂げたと伝わる小野小町を題材とした、
「小野小町九相図」が現存する物では最も有名だろうか(能の演目「卒塔婆小町」もこの逸話を元に作られている)。
また、第52代天皇・嵯峨天皇の皇后橘嘉智子は死の床に伏せた際に「死後自らの亡骸を路傍に捨て置き朽ち行く様を人々に見せよ」と言い残し、
絵師にその様を九相図として描かせたという伝説も残されている。
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夏油傑や
真人らの作戦によって呪術高専東京校の保管庫から持ち出され、二番の壊相(えそう)と三番の血塗(けちず)共々人間を器に受肉して誕生した。
特級呪霊連合の「人間を滅ぼし、呪霊が取って変わる世界を創造する」という目的には一応協力こそしたが執着は無く、
活動する傍らで高専内に保管されている他の弟達の亡骸の回収を画策していた。
いわば呪霊と人間のハーフであり、弟達以外の人間や呪霊にはほとんど興味関心が無く、
率先して民間人に危害を加えるわけではないが、戦いに民間人を巻き込む事にも一切の躊躇も罪悪感も無い。
その反面弟達への愛情は深く、弟の為なら命を張ることを厭わない。
弟二人を殺害されたことで、
虎杖悠仁と
釘崎野薔薇に報復を誓っていたのだが……?
敵対勢力ながら、弟の模範となるべく実直に生きることをモットーとする好人物であり、
読者からは
当時の同誌を代表する長男とよく比較され、作者自身も「油断すると似過ぎてしまう」と意識していた様子。
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渋谷事変以降ネタバレ注意 |
「どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!」
戦いの末に弟たちの仇として虎杖悠仁を殺そうとした脹相だったが、
その瞬間に「悠仁が自分の弟である」という存在しない記憶が脳内に溢れ出し、混乱したままその場を立ち去った。
それからしばし一人問答していた脹相だったが、呪胎九相図の「血の繋がった弟達の異変はどれほど遠くにいようと感じ取れる」
という特性を思い出し、この記憶は悠仁の死の気配を自身が間近で強烈に感じ取ってしまった結果起きた現象、
つまり自らが虎杖の命の危機を感じ取れたということは「悠仁は血の繋がった『弟』だ」と考えるに至る。
その後、偽夏油と裏梅VS虎杖&高専京都校の学生メンバー&日下部との間で行われていた渋谷事変終局の戦いに乱入し、
夏油の死体を乗っ取った存在が母を弄んで九相図を製作した怨敵である「加茂憲倫」であると感付き、
「兄弟と知らないまま悠仁と弟達を殺し合わせた」「悠仁が自分の弟であることを知らせず悠仁を殺させようとした」ことに対して激昂。
怒りのままに加茂憲倫と裏梅に襲いかかり、悠仁側の助っ人として戦い始めた。
上記の台詞はその際のものなのだが、脹相以外の人間にしてみれば彼が悠仁を弟と見なした根拠の説明をすっ飛ばしたまま、
先刻まで殺し合っていた相手をいきなり弟扱いして味方し始めるという意味不明な事態であり、何かとネタにされている。
これ以降、弟二人を殺害した件に関しても「事故だった」と遺恨を完全に水に流し、
悠仁の味方として行動するようになる。
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そして脹相が何故悠仁の危機に感応したかというと…… |
実は呪胎九相図(脹相)を創り出した加茂憲倫、そして悠仁を産んだ母親は、
本編開始時点では夏油として活動していた呪詛師「羂索」に体を乗っ取られた器に過ぎなかった(全員の額に脳移殖の手術痕が存在する)。
つまり脹相と悠仁は呪術的には共に「羂索の子供」である事から、本物の兄弟と言える存在だったのだ。
…一方で、この事実は「1000年以上前から目的の為に活動していた羂索が、(他人の体でとはいえ)何故悠仁を産み育てたのか」
言い換えると「悠仁が両面宿儺の指を飲み込んだのも、その呪いに耐えられたのも全て羂索の仕込みでは?」という疑問を読者に提示する事になった。
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戦闘能力 |
呪術界御三家の一角の加茂家相伝の術式である「赤血操術」の使い手で、
自分の血を呪力で強化し、自身の血と自身の血が付着した物質を操ることができる。
特級呪物の受肉体でもある脹相の血液は生物に対して猛毒であり、
さらに呪霊と人間のハーフ故に己の呪力を血液に変換できるため失血のリスクが存在しない
( 人間の呪術師の場合は多量に血を流すと失血死の危険があるため予め血液パックなどを用意しなければならない)。
近距離・中距離・遠距離問わず攻撃できる他、外傷を血液を凝固させる事で応急処置できるなど応用性は高い。
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ネット上では上記の「どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!」や末尾の「全力でお兄ちゃんを遂行する!!」の台詞のインパクトが強かったからか、
他作品では主に『
ウマ娘 プリティーダービー』のライスシャワー等のようにプレイヤーを兄と称するキャラと絡めたネタが多い。
オラはお兄ちゃんだゾ!!!
「赦す赦さないじゃない 兄弟とはそういうものだ」
MUGENにおける脹相
「全力でお兄ちゃんを遂行する!!」
出場大会
最終更新:2024年11月12日 17:00