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バッカス


「ガーッ」

横山光輝氏の漫画『鉄人28号』に登場するロボット。
開発者は金田正太郎のライバルの一人である狂気のマッドサイエンティスト・不乱拳

鉄人と正太郎に煮え湯を飲まされた不乱拳により鉄人を倒す目的で制作が進められた機体であり、
同作に登場した敵ロボットの中では明確に対鉄人用に作られた初めてのロボットであった。
だが、アメリカの大物ギャングの首領であるスリル・サスペンスが、
自分の子分を隠れ家の海底研究所に引き入れて以後、サスペンス一味が博士を脅して突貫での制作を強要、
最終的にサスペンス一味の手に渡り、鉄人と戦う事になる。

鉄人に匹敵する速度を誇る強力な飛行装置を背部に内蔵したスマートなシルエットだが、
基本的なスペックは鉄人28号と同等かそれ以上で、口から熱線を放つなど対人兵器も内蔵している。
バッカスとはローマ神話の酒の神の名だが、この機能を酒を含んで火を噴く姿に見立てたものだろうか。
ローマ神話のバッカス神はそんな中国雑技団みたいな事はしないが
小型操縦器は腕時計型で、この規格は後のブラックオックスにも流用されている。

完成直後に鉄人と水中・空中戦を繰り広げ、鉄人の左腕をもぎ取り、
さらに背後のロケットを脱落させて戦闘不能に陥らせた。
サスペンスはこれを機に鉄人を強奪して行うつもりだった犯罪計画をバッカスで実行し、
各地で強盗などの多数の被害を出した。
しかし、自分の創造物を息子のように考えていた不乱拳博士はバッカスがサスペンスに好き勝手に使われる事が許せず、
より強力で優れた据置型の操縦装置を造り、これによりバッカスはサスペンス一味から奪い返され、
頼みの綱を失ったサスペンス一味はそのまま逮捕された。
しかし、サスペンスが所持していた方の最初の操縦器は警察から敷島博士に預けられており、
これでいつバッカスが遠隔操作されるかも分からない状態はまずいと考えた不乱拳博士は敷島邸から操縦器奪還を画策。
最終的に金庫ごと操縦器を奪取するという荒業を使うが、正太郎らによってバッカスに付けられた発信機で隠れ家が発見されてしまい、
不乱拳博士の逃走を阻止しようとする鉄人と、その鉄人を倒そうとするバッカスは再び激突。
だが、戦闘の際に博士が誤って操縦機を破損させたためにバッカスは暴走し、創造主である不乱拳博士を締め上げて殺害してしまう。
操縦者がいない状況で更に激しい空中戦を繰り広げたが、最後は鉄人の体当たりによって粉々に砕かれて完全に破壊された。
ほぼ鉄人と互角のスペックを誇ったバッカスであったが、装甲の硬さは鉄人の方が勝り、それが勝敗を分けたのである。
微かに息を吹き返した不乱拳博士はバッカスの最期を見届けると鉄人を讃え、自身の研究成果の眠る嘗ての隠れ家の場所を正太郎達に教えて息絶える。
しかし警察が捜索した時その技術は既に何者かに持ち去られていた……。
後に不乱拳博士はかつてモンスターを生み出した死体蘇生技術により蘇るのだが、それはまた別の話。

ちなみに、名前の由来であるバッカスは『ファイナルファンタジー』シリーズにも「バッカスの酒」が登場するように、
上述した通り酒の神として有名であるが、さらに狂気を司る神ともされている。
ただ、それは「飲酒の効能の一つとして正常な理性を失うこと」、要するに酔っ払いの事を意味する。
最終的に暴走して創造主を殺害したこいつにはお似合いのネーミングと言えるだろう。
酔って理性を無くして大暴れしたら気がついたら取り返しが付かない事になっていた、では済まない事件は現実にも起きるのである……。
そもそも不乱拳博士も何を思って名付けたんだか……。酒多飲(シュタイン)なんて名付けた不乱拳博士本人の親から先に言うべきだろうか

バッカス以前に登場したロボットで鉄人に大したダメージを与えた機体はいなかった事などから、
ファンの間ではバッカスは鉄人28号が初めて戦った強敵として知られている。
長谷川裕一氏による『皇帝の紋章』のあとがきでも「なんだかバッカスってすごい強敵だったイメージがある」と言及されている。

+ 他媒体でのバッカス
上記の『皇帝の紋章』ではドイツ人科学者フランケン博士がアメリカに亡命する前にドイツで開発した"酒の神"号として登場。
空戦に特化したスピード型の機体とされており、鉄人の原始的なロケットに対して最新鋭のジェット推進を採用、
高い機動力に加えて口からはミサイルを発射するという、大戦時代の旧式機である鉄人を上回る最新鋭のロボットとなっている。
謎の組織によって強奪され行方不明になったとされているが、実際はドイツ軍諜報部によって運用されており、
その指揮官である女スパイ・ネルケが楽器に偽装された操縦装置を演奏する事によって起動する。
またネルケの部下である女性諜報部員達が生身の正太郎を狙って攻撃するという連携で、鉄人と正太郎を苦しめた。
本編ではドイツ少女楽団に偽装して来日したネルケらによって分解された状態で持ち込まれ、密かに組み立てられ、
第一話後半において、キーアイテムとなる皇帝の紋章を巡って東京を舞台にイギリス軍諜報部のサターンと対決。
パワー型のサターンを翻弄し、さらに鉄人が介入してくるとサターンと共闘、2対1の構図に持ち込んで鉄人を追い詰めるも、
鉄人が重量級のサターンを投げ飛ばすという想定外の出力を発揮。空中にいたバッカスはサターンを回避できず激突してしまい、
そこにロケット噴射の大ジャンプから繰り出された鉄人のハンマーパンチを受けて、サターン諸共破壊されてしまった。
なお、ネルケはその後も正太郎と彼の確保した紋章を狙うも、たびたび村雨健二の妨害に遭って阻止され、
そしてCIAスパイに捕まって拷問されかけた所を逆に正太郎に救われた事で、以後彼の協力者となるのだった。
本作のロリ枠なアリスに対して巨乳枠ですね

今川泰宏監督による2004年アニメ版にも登場するものの、
不乱拳博士とは関係無くアメリカ軍が開発したロボットとして登場する。
同作ではアメリカ軍はロボット開発技術で日本に劣っているという設定であり、馬力と装甲は鉄人と同等ではあるものの、
飛行機能は存在しない上に、受電装置の性能が低いため操縦電波の届く範囲は数百mしかなく、
範囲を超えてしまうと暴走してしまうという原作に比べればかなりパワーダウンした性能となっている。
また、その操縦装置も5~6人で操作する必要があるなど大規模なものであり、
リモコンや腕時計で自由に動かせる鉄人やブラックオックスの技術力が浮かび上がるものとなった。
またリアリティ重視の為か熱線ではなく火炎放射器が搭載されている。
作中ではスペンサー大佐率いるアメリカのロボット視察団によって運用され、
実用テストの一環として密かに貨物列車を襲撃していた(様々な陰謀論が噂される「国鉄三大ミステリー事件」が元ネタ)。
スリル・サスペンスが鉄人28号を奪取する事件が起きると、日本警察への協力を名目とした実戦テストとして鉄人に挑んだが、
飛行能力の有無と操縦可能範囲の狭さが災いして敗北。その為スペンサーは鉄人を強奪して受電装置を解析する事を画策する。
その後、海上の孤島に隠れたサスペンスらから鉄人を奪う為に出撃するも、突如として暴走を始めてしまう
実は操縦可能距離を伸ばす為、鉄人に恨みを抱くギャング・村雨健二に電波増幅装置を持たせて島へ潜入させていたのだが、
サスペンスらとの銃撃戦で村雨が被弾し、増幅装置が破壊されるという想定外の事態が起こっていた。
暴走したバッカスはスペンサー大佐や操縦装置の載った艦を火炎放射器で焼き払い、更に沿岸の港湾地帯で暴れ始める。
しかし、サスペンスから操縦機を取り返し、様々なしがらみを振り切った正太郎が再起。
バッカスは空中へと運び去られ、落下中に受けた急降下パンチで胴体を両断されて爆散した。

同作のパラレルワールドが舞台の劇場版『白昼の残月』では、ベラネード財団の所有ロボットとして登場。
性能的には原作に近いものとなっており、武器は火炎放射のままだが飛行が可能になっている。
日本占拠の為にVL2号、ギルバート、サターンと共に上陸し、正太郎を襲ったが、謎の自律行動を始めた鉄人に阻まれる。
このとき登場した4体の中では最後まで生き残ったものの、サターンの回転体当たりをいなされてぶつけられたり、
空中攻撃を回避されて逆に空中キックを食らうなどひたすらボコられる様子が目立ち、
最期は両手両脚をもぎ取られたダルマ状態でもがいていたところを、首を引き千切られるという生々しい方法で破壊された。
物語的にも途中から「鉄人を操る謎の人物」の正体が話の主軸となり、彼との会話がてら片手間に処理されてしまった感がある。
また、DVDのカバーイラストも「バッカスが鉄人に殴られ、上半身を破砕された瞬間」が描かれている。

なお、原作完全版が公開される以前に流通していた単行本では、完成直後に大爆発を起こしてそのまま退場という不遇な扱いを受けていた。
酔っ払って大損害ではなく、急性アルコール中毒になってしまった
恐らく長編故に1巻に収まらないための処置と思われるが、書籍『鉄人28号大研究』での被害者の会では何故か関西弁で嘆いていた。


ゲームにおけるバッカス

サンドロットによる2004年のアクションゲーム『鉄人28号』においては、
OPムービーのトリを飾る鉄人の対戦相手として抜擢され、鉄人と激戦を繰り広げている。
火炎放射を浴びせるも口に木を叩き込まれて防がれ、空中戦に移行するのだが、
特筆すべきはこのバッカス戦の鉄人の動きをゲーム本編でも操縦次第で再現できるという点で、
プレイヤー達のある種お手本として、実に魅力ある戦闘に仕上がっている。
ゲーム本編では原作とは逆にオックスの撃破後、不乱拳の基地を物色していたX団によって発見され実戦投入される。
空を飛び、熱線をも発射できるバッカスの性能を聞いたX団団長は「無敵だ!」と大喜びしていた。
その無敵のロボットを作れる不乱拳を交渉もせず射殺したのはこの団長本人なのだが
案の定撃破されるが、X団は残された設計図を基に量産
バッカス3体で構成されたバッカス軍団で襲ってくるが、やはり無理があったのか性能が落ちており、そちらも鉄人に殲滅された。
大分後のステージで再登場し、この時は成り行きで捜索中の大塚署長が近くにいたため、彼を巻き込まないように鉄人は戦う羽目になる。
のだが、本編だとよせばいいのに大塚署長がバッカスの周囲をヘリで飛び回って鉄人を妨害しているようにしか見えないという……
完全クリア後の隠しステージでは「ロボット軍団」として再生ロボット7体のうちの1番手(ギルバートとサターンも同時に出るが)として登場。

性能的には防御力は低めだが飛行可能で、陸上でも空中でも機動性が高いのが特徴。
必殺技は口から吐く「熱線」、空に飛びあがって地上へ体当たりする「急降下」という原作通りのものの他、
何故か空中に飛び上がって回転キックを繰り出す「竜巻旋風脚 スピンキック」、
通常技扱いだが、飛び上がりながら回転アッパー攻撃を繰り出す「昇龍拳 ロケットアッパー」という技もある。


MUGENにおけるバッカス

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。全体的に2004年アニメ版とPS2版をベースとした演出が多い。
Gesura505氏提供のスプライトを用いて製作されている。
パンチやキックに加えて「体当たり」「ロケットアッパー」などの近接攻撃で戦う他、飛び道具「火炎」も持つ。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、火炎の強化型にあたる「熱線」、無敵突進技の「スピンキック」、コマンド投げ「首絞め」の3つ。
また、7P以降はガード不可になる代りにハイパーアーマーが付与される。
AIもデフォルトで搭載されている。
夢の対決

出場大会

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最終更新:2026年06月27日 22:09