夜天光


「一夜にて
    天津国まで
      伸び行くは
        ( ひさご )の如き
          宇宙の螺旋」

「…女の前で死ぬか?」

劇場用アニメ『機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-』の主人公テンカワ・アキトの宿敵である、同作の敵組織「火星の後継者」の一員・北辰の搭乗する機体。
火星の後継者の前身に当たるTV版の敵組織・木連のジンシリーズ(エリート部隊用に開発された30m級有人人型戦闘機)の小型発展機である。
「夜天光」とは夜の自然光・微かな光、つまり「月明かり」の事で、影の存在である北辰らしいネーミングである。
主な武装はとミサイルポッド。各所に搭載されたブースターで「傀儡舞」(くぐつまい)と呼ばれる変則的機動を可能にする。
前述のジンシリーズに搭載されていた相転移エンジンは小型化技術が未熟なため搭載できず、
無人兵器用の高注力ジェネレーターを改造したもので代用されている。
出力不足でディストーションフィールドがコクピット周囲にしか張れないが、ブラックサレナのハンドガン程度なら軽く防げる強度を誇る。
短中距離単独ボソンジャンプユニットを搭載しており、A級ジャンパーであるミスマル・ユリカを
演算ユニットの「人間翻訳機」にした事でボソンジャンプ技術を独占、回数制限付ながらボソンジャンプを可能にした。
劇中でも火星の極冠遺跡から地球の秩父山中までジャンプしている。
ボソンジャンプやA級ジャンパー等の設定についてはブラックサレナの項目を参照されたし。

北辰の専用機と思われがちだが、あくまで上級指揮官用の機体で、
後日談にあたるドリームキャストのゲーム『機動戦艦ナデシコ NADESICO THE MISSION』にて、
火星の後継者残党を率いる南雲義政中佐が搭乗し戦いを挑んでくる。

パイロットの北辰は「北辰衆」と呼ばれる木連時代から存在する暗殺集団のトップで、木連の暗部を象徴する人物と言える。
影の存在を意味する夜天光のみならず、北辰という名前自体も人の生死を司る北斗七星と北極星を意味する言葉であるあたり、
暗殺含む汚れ仕事を受け持つ自らに対する強い自負が感じられるというか中二病乙というか
木連時代は頭部がのような巨大なクローキングディバイスになっているステルス仕様のマジンで、
市民艦からの脱走者を非公式で追撃し、劇場版では火星の後継者の発起噴気の為にテンカワ・アキトらA級ジャンパーを誘拐、
更にホシノ・ルリの誘拐をも狙うが未然に防がれている。
その後ナデシコCの火星極冠遺跡への奇襲により、ほぼ全ての部隊が掌握され勝ち目が無い事を悟りつつも、
アキトの抜き撃ちでの一騎打ちに応じるが、アキトの肉を切らせたカウンターパンチによりコクピットの一部を潰されて死亡した。
+ しかし…(ドラマCDネタバレ注意)
特別編ドラマCDではコクピットに遺体が無かった事がマキビ・ハリ少尉により確認されており、
おそらく続編の伏線になると思われた……が、大人の事情により絶望的である。

北辰の声優は七色の声質で有名な 山寺宏一 氏。
氏には珍しいダークなキャラが本作の暗い世界観に合っている為か、独特の人気を誇っている。
有名所では声優の細谷佳正氏が、本作で山寺氏の演技を聴いた事が本格的に声優を目指したきっかけと公言しており、
そういう意味では北辰の存在が声優業界にも結構な影響を与えていると言える。

+ スパロボ等での活躍 (ゲームネタバレ注意)
以下、パイロットの北辰についても含めて記述。

『スーパーロボット大戦』シリーズでは劇場版ナデシコが参戦した作品に漏れなく登場。
いずれにおいても夜天光及び北辰が火星の後継者のボス格としてプレイヤー部隊と対決する事になり、
また北辰衆の特性上シナリオ面でもあちこちに飛び回って暗躍する。

初登場作品の『R』では「私もゲキ・ガンガー3は好きだ…」と皮肉とも取れる迷台詞を残した。
…が、木連の設定的に間違いなく公式設定でもある

『MX』では「火星の後継者」決起までの時間を稼ぐためギガノス帝国に協力したり、
京都で『機甲戦記ドラグナー』のマイヨ・プラートと秘密裏に会談したケーン・ワカバを拉致しようとするも、
同行していたドモン・カッシュとベガ(サイコパワーに非ず)に阻止されたりしている。

『W』では劇場版のシナリオに入っていない第一部でも登場し、アキトを暗殺しようとするもダイゴウジ・ガイに阻まれる。
第二部ではボソンジャンプの精度向上の為に『フルメタル・パニック!』の千鳥かなめとテレサ・テスタロッサも誘拐。
更に『ガンダムSEED』のラウ・ル・クルーゼの協力でラクス・クラインをも誘拐している。

またソーシャルゲーム版の『Card Chronicle』では自軍に敗退した草壁を彼らしき人物が迎えに来るという場面があり、
後々の伏線かと思われたが……残念ながら劇場版ナデシコが参戦する事なく同ゲームはサービス終了してしまった。

+ 『V』、衝撃的なネタバレありの為注意
『V』でも当然のごとく登場。
本作においては、北辰が 反撃が無条件に必ず先制攻撃になる 新スキル「フルカウンター」を所持しているため、
生半可な機体で攻撃を仕掛けるとあっさり返り討ちにされてしまう恐ろしい相手となっている。

今回は北辰がなんと『無敵鋼人ダイターン3』の敵であるサイボーグ・メガノイドと同じ技術で改造手術を受けた、
最後のメガノイドと目される存在という、とんでもないクロスオーバーが組まれる事となった。
でもなんていうか、『KOF』でオロチ八傑集の一人にされた山崎みたいな印象が
もっとも、それを『ダイターン3』の主人公・破嵐万丈に言われた際に本人は否定も肯定もせず受け流しており、
そんな事はどうでもいいとばかりに立ち回っている。そんな所も山崎と同じというか

また、『A.C.E.3』では中の人繋がりで『逆襲のシャア』のギュネイを「気に入らない奴だが、腕は確か」と評したり、
『ドラグナー』のマイヨと共闘し負け戦である事を悟りながら、国や主君の為に戦う姿勢を互いに認め合ったりしている。

(以上、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より一部加筆、改訂)


MUGENにおける夜天光

SSSS氏が製作したものがブラックサレナと共に公開されている。
グラフィックは『スーパーロボット大戦R』を基に、性能は「『A.C.E.』 + 『スーパーロボット大戦』を参考(製作者談)」にしている。
錫杖状態と素手状態があり、錫杖を持つ事で技が大幅に増える。
特にゲージ消費の錫杖鳴らしは地上Hitで相手を気絶と強力な技である。
またゲージを消費してストライカーの六連(むづら)で攻撃でき、
cns記述の変更で一切呼べなくしたり数の制限を無くしたりと変更が可能である。

出場大会

出演ストーリー




「怖かろう悔しかろう、
    たとえ鎧をまとおうと…
      心の弱さは守れないのだ!」


最終更新:2022年01月22日 04:04