「情ケ無用! 戦闘開始ッ!!」
『アカツキ電光戦記』は、同人サークル「SUBTLE STYLE」によって製作された2D対戦格闘ゲーム。
2003年に試作版とも言うべき
『アカツキ試製一號』が発売され、2007年に正式版として
『アカツキ電光戦記』が配布された。
そして2008年に様々な調整を行い、作中での重要な存在の「完全者」を使用キャラとして追加した
『アカツキ電光戦記Ausf.Achse』がセガの汎用アーケード基板「NAOMI」でアーケードに進出した。
同人からアーケードに進出したゲームは『
MELTY BLOOD』に続いて2番目となる。
『アカツキ電光戦記』は
同人版、『アカツキ電光戦記Ausf.Achse』は
AC版と呼ばれる。
しかし、元々開発サークルが無名であり、このゲームタイトル自身も当時は
「知る人ぞ知る」程度の知名度であった事、
見た目がやや地味な事、独特の硬派な雰囲気も合わさって稼働初期は人気は無かった。
登場キャラからして
旧枢軸国軍人(大日本帝国orドイツ国)4名、中華系マフィア2名、
クローン兵士、カルト教団、異端審問官、自衛隊、胡散臭い諜報員、陸戦兵器という上級者向けの人選である。
だが非常に良く練られたシステムとその
立ち回り重視のゲーム性は評価されている。
特にシステムの詰め込みによる操作の複雑化を辿る格闘ゲーム界において、
極限まで簡略化された操作感は、格ゲー初心者、未経験者からの評価が非常に高い。
が、やっぱりキャラが初心者向けではないのであまり見かけない
結構良質な
BGMや、キャラ毎の個性が
色々な意味で強い割に
キャラバランスが整っている事も評価のポイント。
……とは言っても、前述の"強い個性"故にキャラ相性によっては非常に辛い事もあるが。
試製一號は配布終了。在庫も切れている。
電光戦記は公式サイトにて体験版を無料配布している(使用可能キャラが制限されている)。
同人SHOPでは在庫切、大阪のゲームセンターコーハツにて委託販売をしていたが完売。
2012年2月24日にとらのあなで再販が開始されたが、一日で完売した。サポート終了は2009年なのに、すごい人気である。
そして2013年9月10日からメロンブックスでDL販売が開始された。
DL販売の方は同人版のため完全者が使えないのと公式サイトのパッチを当てないとアドラーが使えないので注意。
販売初週には、東方など並み居るタイトルを押しのけてメロンDLの週間トップ売り上げを記録。
相次ぐ在庫切れで購入できなかった方々は是非この機会に。
同人版はネット対戦の設備が整っており、通常のネット対戦とは別にあるマルチマッチングウェブシステムは、
接続コードさえ登録しておけば対戦可能な全国のプレイヤーを探し出してくれるスグレモノ。
ちょっと複雑だからかあんまり人いないけど
概要
AC版を元に解説するが、システム周辺は同人版でもそれほど大きな変化は無い。
せいぜい要撃(攻性防禦周りのカウンター特典)が追加された程度。
打撃は投げに強く、投げは攻性防禦に強く、攻性防禦は打撃に強いという「打撃・投げ・攻性防禦」の3竦みを主軸として、
快適な操作感と読み合いを重視したオーソドックスな作り。
「攻性防禦」以外には大きな特徴のあるシステムも無いため、直感的にプレイできる。
使用するボタンはA(弱攻撃)・B(中攻撃)・C(強攻撃)の3つのみ。
大きな特徴として、
コマンド入力が極限まで簡易化され、いわゆる昇竜コマンドすら存在しない事が挙げられる。
使用するのは基本的に「
↓↘→+攻」「
↓↓+攻」「
↓↙←+攻」「
←タメ→+攻」「
↓タメ↑+攻」5種類のコマンドだけで、
ごく一部のキャラで使う難しいコマンドでも「←タメ↘+攻」「→↘↓+攻」といった程度。
加えて大半の技はコマンドを見れば大体の用途が判るため、直感だけで様々なキャラを動かせる気軽さも兼ね備えている。
(↓↘→or←タメ→=牽制・中継、↓↓or↓タメ↑=対空・特殊・〆、↓↙←=
ぶっぱ・中継)
さらに投げは「A+B」、攻性防禦は「B+C」で、
EX必殺技に当たる「特別攻撃」は上記のコマンド+BC同時押しで出せ、
全ゲージ消費の「最終特別攻撃」はABC同時押しだけで出る。
これは元々がPC用ゲームであり、パッド以外にもキーボードで操作する場合を想定した上でのコマンド設定とも言える。
コンボの難易度も易しめで、一部の
目押し・
タメ技関連以外でシビアな操作を要求される事は殆ど無い。
ただ、
「一人コンボゲー」と評されるマリリン・スーや、
たった4連撃で驚かれる「一人サムライスピリッツ」こと不律など、
操作感覚はキャラによって大きく異なってくる場合がある。
また、アーケードでは珍しくトレーニングモードがある。
物語
紀元二六六X年ー
大戦末期、新兵器を輸送中に北極海で沈んだ潜水艦が
突如浮上した。
その中から現れたのは、技術研究のために派遣された
旧帝国陸軍技官・アカツキであった。
半世紀後の世界で、機密兵器「電光機関」をめぐる
エージェント達の死闘が始まる・・・!
主人公はアカツキ。
全体的にキャラ、技名などに軍事ネタが多く絡み、用語に旧字が多く使われるなど独特な雰囲気で統一されている。
(「紀元二六六X年」は
神武天皇即位紀元
での紀年で、西暦にすると200X年に相当。公式サイトより)
硬派とも言えるが、実は
魔法少女がいたり邪眼持ちがいたり転生無限者がいたりと案外はっちゃけた部分も多い。
しかし全体的に物語は暗めで
救いようのないバッドエンドも多かったりする。
キャライメージの陰影がやたらはっきりしており、インパクト抜群かつ目に優しくない。
『エヌアイン』では影の部分が減り目に優しくなったが、のっぺりしてしまったと言う声も。
人物
使用キャラクターは12人
+1台(完全者はAC版のみ)。
キャラの個性が非常に強く、それぞれ全く異なった戦法を取れる。
また軍人の比率が非常に多く(6人もいる)、それとなく硬派な雰囲気を出している。
そんな中で目を引くのが
電光戦車。人間が戦う格ゲーなのに
前代未聞の戦車キャラと言う事で
一部で注目を集めた(
二足歩行型の戦車なら前例はあったが)。
あまりに異質すぎるので
ボーナスステージと勘違いされたりした。あながち間違いでは無かったのが泣ける
+
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硬派…? |
実は女性キャラが属性面で全く自重していない。具体的には、
+
|
実際は…? |
実際は性能が ガチの投げキャラだったり、性格が ガチに糞ビッチだったり、 本気でドMな変態だったりと、 なんか萌えない。
特にミュカレはなぜ萌えられないのか、プレイヤーにもよく解らないが 萌えない。
勝ち台詞が 「ブタめが死んだぞ」だったり、魔法のステッキかと思ってよく見たら、
第三帝国の元帥杖だったりするのが問題なのだろうか。
「萌え要素を詰め込んだ結果、突然変異して萌えなくなったクリーチャー」呼ばわりされた事も。これはひどい。
+
|
てか魔女に体乗っ取られたカティ(元の女の子)哀れすぎるだろjk… |
とか言ってたら『エヌアイン完全世界』ではその カティに取って代わられた。どういう事なの…
こっちは一転して 無邪気な笑顔に八重歯が特徴的な魔法少女キャラになり普通に萌えるようになった。
ミュカレの方がいいというドMなファンもいるが。まぁ中身が変わっても結局イロモノなんだけどな!
一方で、最終特攻の技名に 「兇眼」(ただし兇眼は杖から出る)が付いているなど、
どうも このサングラスが絡んでいるような気がするが。
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そんな中、AC版で追加された完全者は 自身の絶妙にへっぽこな性能も合わさって
『アカツキ』で 最も萌えられるキャラとして崇められた。通称・ 不完全者。
なんなんだこのゲーム。
なお、CD特典の女性陣(+α)の集合絵(描いたのは『アルカナハート』のコミカライズを担当した葉生田采丸)では
割と普通に萌えられるようになったのだが、
この絵を見たサウンド担当の福澤正洋氏は、あまりのイメージの違いに面食らったという。
|
ちなみに『エヌアイン完全世界』で追加されたテンペルリッターも、
空飛ぶ金髪ロングヘア巨乳ニーソ腿チラガリ○ンソード女騎士
さらに最終特別攻撃時に 画面ど真ん中でパンモロ(しかもTバック)どアップというサービス(?)っぷりで
自重してるようなしてないような感じである。ただし言動は高潔そうであるなど総合的には常識人っぽい。
まあ、 そんな議論がどうでもよくなるレベルでぶっ飛んでいる電光戦車が存在する時点でお察しくださいと言うべきか。
上記の女性メンバー事情もあってか 特にぶっ飛んだイロモノである戦車とゾルダートが本作のマスコット扱いである。
マジでなんなんだこのゲーム。
独断に満ちたイロモノピラミッド |
完全者 |
電光戦車 ゾルダート |
超 |
アドラー ムラクモ |
強 |
塞 不律 アノニム |
中 |
ミュカレ マリリン 完全者 カティ |
弱 |
鼎 テンペル(ヴァルキュリア) |
常識人 |
アカツキ エヌアイン 魏 |
弱程度なら昨今の創作物には山のように存在するし、
中の段階で他ゲーなら十分 イロモノポジションは務まるであろう。
強辺りの時点でも他ゲーでは 超イロモノ扱いになると思われる。
|
要素
攻性防禦
B+Cで構えを取り、この状態で対応した相手の攻撃を受けると時間停止後自動で反撃する、一種の
当て身技。
ただし
この反撃に無敵時間は無い。反撃を食らった相手は浮くので追撃可能。
攻撃を取ると「特攻ゲージ増加」「ノックバック軽減」「削り無効」「相手の技攻撃力に応じて防禦ゲージを回復」などのメリットがある。
なお、「禦」は「御」と同義なので読みは「こうせいぼうぎょ」。
飛び道具を取った場合は自動反撃を行わず、即座に行動可能になる。
攻性防禦成功時は、即座にモーションを攻性防禦でキャンセルできる。
これにより多段ヒットする飛び道具や
必殺技などは、攻撃のヒット数分だけ攻性防禦すれば、無傷で受け流せる。
攻性されると基本的にキャンセルできなくなるが自動反撃の発生まで間(6F)があるため、
飛び込み深当てなら着地で硬直がキャンセルされるのでガードが間に合う。
それどころか着地の瞬間に無敵技or攻性を入力する事で逆に反撃し返す事が可能。
地面スレスレならば攻性防禦を取られた瞬間に必殺技を入力すると、空中にいるのに地上必殺技が出るバグ (?) がある。
ブロッキング、
リコイルガード、
弾きなどと誤解されるが、上記の通りそのどれとも違う。
決定打にはならず、頼りすぎると成功しても痛い目を見る。そんなシステムである。
なお、AC版では攻性防禦後の連続技に特殊なダメージ補正が追加された。(詳しくは下記)
A+Bどこでも使用可能な投げ。地上版と空中版がある。
地上版は空中・喰らい中・ガード中の相手を掴めない。
空中版は地上の相手を掴めないが、喰らい中・ガード中の相手を掴める。
空中版は地上よりも発生が速く、一部キャラのものは受身も不可能。
掴まれた瞬間にA+Bを押すと投げ抜けが可能。
ただし投げ抜けは喰らい中・防禦崩壊中などは不可能。
大抵の投げは発生・攻撃力が同じだが、一部キャラの投げは異なる。また間合いもキャラによって微妙に違う。
要撃
AC版での追加要素。状況によって攻性防禦と投げのダメージが増加するシステム。
攻性防禦中の相手を投げるとダメージが増加する。
対応する性質の技を攻性防禦すると「要撃攻性防禦」となり、通常より反撃時の威力が増加する。
+
|
要撃対応表 |
自分の状態 |
相手の攻撃 |
立ち攻性防禦 |
地上上段、中段技 |
屈み攻性防禦 |
地上下段技 |
空中攻性防禦 |
空中技 |
|
防禦ゲージ
敵の攻撃をガードすると、食らった場合に受けるはずのダメージだけ防禦ゲージが減る。上限は全キャラ10000。
防禦ゲージが0になると防禦崩壊となり、大きな隙を晒してしまう。
しゃがみガードした場合は減少量に×1.25、空中ガードした場合は×2.00の
補正がかかる。
また連続ガード中は、ガード2段目に×0.75、3段目に×0.50、4段目以降に×0.25の補正がかかる。
防禦ゲージは時間と共に徐々に回復していく。
ただし、塞の「邪視」で防禦低下の状態を付加された場合は一定時間回復しない。
先述の「攻性防禦」を成功させる事でも技に応じた回復量を取得でき、この場合は防禦低下状態でも回復できる。
タメ技のコマンド
地味にかなり特徴的な仕様。
タメが完了すると一定時間同じコマンドの他のタメ技がタメ無しで出せる。
簡単に言えば4タメ6+攻の攻撃がヒットした時に6+BCと入力すると4タメ6+BCの技が出る。
これにより、タメ技のキャンセルが非常に簡単になり、タメキャラの強さを押し上げる要因にもなっている。
攻撃の仕様
電光戦車と不律を除き空中A攻撃は動作終了後普通の空中状態に戻るため、もう一度別の行動を取る事が可能。
たとえば昇り空中Aが空振りした後に下りでもう一度空中Aや空中Bを出すなど。ガードや攻性も可能。
また、基本的にA→Bのみヒット時の連携のルートは用意されている。
余談だが、試製一號ではAのみならず全ての空中攻撃がこの仕様であった。つまり空中Cを2回出すなんて事も可能。
なので空中の行動が非常に強く(特に垂直空Cが壁バウンドのアカツキと多段ヒットの塞)、下の動画のような愉快な事になったりする。
その他、ダウン属性を持たない攻撃が空中ヒットすると相手はすぐ復帰するが、連続ヒットになるとダウン属性が付加する。
なので空対空でJA>JBと攻撃がヒットした後に着地して更にコンボを決める事も可能である。
これらの補正は何個でも重複する。
ちなみに各キャラの体力は一律で14400。
2HIT目は×0.75、3HIT目は×0.50、4HIT目以降は×0.25される。
補正が非常に強いのでコンボは派生よりも始動技が重要になるが、
下限が割と限られているので繋げまくった場合は結構なダメージとなる事も多く、
同人版のマリリンの火力やアカツキの「神風」を絡めたコンボの減りにその事が顕著に表れている。
自分の体力が敵より少ないと与ダメージが増え、被ダメージが減る。
多かった場合は上記の逆。
計算式はダメージに ×{1+(防御側体力-攻撃側体力)÷57600}
ヒット状況 |
倍率 |
相対攻撃 |
1.25 |
ダウン追撃 |
0.5 |
背面ヒット |
1.5 |
キャラクター |
被ダメージ倍率 |
MUGEN換算 |
ヴァルキュリア |
0.900 |
1111 |
電光戦車 |
0.925 |
1081 |
魏 |
0.950 |
1053 |
鼎二尉 |
0.975 |
1026 |
アカツキ、塞、不律、ゾルダート、ムラクモ |
1.00 |
1000 |
マリリン・スー、アドラー、エヌアイン、アノニム・ガード(完全世界) |
1.025 |
976 |
ミュカレ、アノニム(電光戦記)、完全者、カティ、テンペルリッター |
1.050 |
952 |
見れば分かるが、本作では防御力の平均値である1.00を満たさないキャラがかなり多め。
体力が3600以下になると、被ダメージが減る。
計算式はダメージに×(0.5+防御側体力÷7200)
AC版で新たに追加された補正で、攻性防禦成功時の自動反撃ヒット後の追撃に特殊な補正がかかる。
あくまで自動反撃ヒット時の補正なので、飛び道具を攻性した後に、手動で反撃した場合には適用されない。
なお、浮きの高さにも補正がかかるが、こちらは通常時、要撃時共に変化は無い。
エヌアイン完全世界
2010年6月より本作の世界観とキャラクターを引き継いだ『エヌアイン完全世界』が稼働。
使用基板はSIエレクトロニクス社の汎用アーケード基板「SYSTEMBOARD Y2」。
開発はSUBTLE STYLEの他に、るつぼゲームワークス有限会社も協力している。
ちなみにこの会社は、歳相当の方なら「タイニーゼビウス」の制作者の会社といえば分かるかも。
前作同様ニッチで稼働店舗が少ないが、2012年2月22日よりNESiCAxLiveで配信が開始。
オンラインで配信されているため前作以上にあちこちのゲーセンでプレイする事が可能となった(ただし、ネットワークサービスには対応していない)。
旧作のキャラクターのスプライトは殆どが使い回しで構成され新規モーションが少ない事や、
前作が地味といわれた反動か
ヒットエフェクトなどのエフェクトがやたら色彩豊かな事など演出面では賛否両論である。
ちなみにロケテスト時はガードエフェクトが画面を覆い尽くすぐらいでかかったり、攻性防禦の際に暗転が入ったりともっと派手で目に悪かった。
また、トレーニングモードの削除やストーリーの簡略化などより対戦ツールである事を意識した仕様になっている。
新しいシステムの恩恵の差が旧キャラ間で激しい事などが原因で前作よりも若干バランスは崩れているとされる。
といってもやはりキャラの個性が強いので相性に左右される部分は相変わらず大きく、そこまで上下に差が出ているわけではない。
上位陣については未だランクについて議論がされている事からもそれが窺えるだろう。
システム的にも次々と攻撃を繋げていく所謂「コンボゲー」に近付いているが、
2段ジャンプ、完全連鎖を使った立ち回りは独特かつ面白いもので、
完全連鎖という次に繋げるために余裕のあるポイントができた事による連続技の容易さなど、
前作の長所であった敷居の低さがしっかりと引き継がれている事は間違いない。
また、雰囲気に関しても明るくなった事で逆に目に付き、
新規プレイヤーが全体的に入りやすくなった点なども指摘されており、
賛否両論ながらもこちらも魅力のある作品なのは間違いないだろう。
人物
使用キャラクターは14人+1台(ヴァルキュリアはCPU専用)。
ストーリーの都合上前作キャラからミュカレがリストラ。3人追加された。
前作のキャラも一部名称が変更されており、性能面も若干の変化が加えられている。
ただしアノニム・ガードは前作のアノニムとは別人という設定を反映してか性能が大きく変化している。
物語
西暦20XX年、チベットの秘境
ツァンポ峡谷での崩落事故が小さく報じられた。
その数ヵ月後、”新聖堂騎士団”を名乗る組織による
世界同時テロルが勃発し、世界は混沌と化した。
この混乱に乗じた各勢力による
新世界の覇権を巡る暗闘が今始まる---
主人公はエヌアインに交代。
前作のような第二次世界大戦を思わせるような表現は減少(神武天皇即位紀元ではなく西暦を用いるなど)し、
前作のメインであった電光機関よりも新世界を作ろうとする完全教団やその実現のための複製體技術がメインとなってきている。
また、前作の誰のEDから話が繋がっているのかはっきりしていない。
旧作キャラクターのストーリーは全て前作のEDの内容を反映したものである(アドラーの転生やマリリンの黒手会掌握など)。
操作キャラクターのEDから話が繋がるようにされているのだろうか。
雰囲気は大分明るくなっており、登場人物の向かえる結末も前作に比べハッピーエンドが多いのだが、
実際のところは既に
完全教団による人類抹殺が開始しており、背景には人や動物の命を思わせるものは殆ど無く、
CPU戦の序盤ステージは
廃墟となったビルが並ぶ街中で、さらにキャラによっては
人類滅亡という展開も見せるなど
グラフィックの明るさに反してどこぞの
世紀末のようなかなり殺伐とした世界となっている。
要素
追加要素をメインに解説する。
完全煉鎖
AAAAやBBBなどボタンを順番に押す事でコンボができる、
チェーンコンボや
コンビネーションのようなシステム。
煉鎖から別の煉鎖への派生も可能で、各キャラごとに煉鎖の内容は決まっている。
Aの締めはダウン技、Bは途中までをコンボの中継に使いCは
中段というパターンが多い。
攻性防禦
本作では専用のボタンが割り当てられDボタンで使用可能になった(特攻使用も可)。従来通りにBC同時押しでも可能である。
要撃含め基本的にAC版と同じだが反撃が出るのが前作より遅くなっているが、自動反撃の出がかり数Fを必殺技以上の技でキャンセルする事が可能。
攻性を取られてるので相手は技をキャンセルできず、自動反撃ではないので攻性補正は付かない。
これを利用して自動反撃より発生の早い技で反撃する事などができる。
要撃
前作AC版に加え投げを打撃で潰すと「要撃」となり威力が若干増加する仕様が追加。
…と思いきや、表示が出るだけで実は増加しない(
コマンド投げの時は増加する模様)。
喰らい姿勢補正
喰らい姿勢によって初段の攻撃のダメージが増加する。しゃがみ喰らい時は1.05倍、空中喰らい時は1.1倍。
ガード関連
ニュートラルガードが搭載。レバーニュートラルでめくりなどに対応できるガードを自動的にするが防禦ゲージの減少量が増加する。
連続ガード中にニュートラルにしても移行できる。
また、空中でもガードに上下段の区別が付けられるようになった。
空中で下段攻撃をガードしようとしたら斜め下にレバー入力する必要がある(逆に空対空でのガードは斜め下にレバーが入っているとできない)。
本作では
背面側からの攻撃はガード不能。これは背面側で発生した設置型飛び道具なども対象になる。
ミュカレがいたらグングニルがとんでもない事になる所だった
この仕様を利用して、空中にいる相手にダウンしない(連続ヒットしない)ように背面から攻撃を当て、
復帰した所を再び背面攻撃で拾う…という
背面連携が非常に強力。
連続ヒットではないのでコンボ補正がかからず、しかも背面攻撃は威力が増加するので2~3発当てるとそれだけで4割近く持っていく事も。
ただし、連続ガードをしている間に背面から攻撃してもガードされる。
また、背面からでも攻性防禦はできる事と、完全世界の存在から背面連携が必ずしも
永久パターンになるという事はない。
ジャンプ
テンペルリッターと大魏の速度強化中は3F、通常時の大魏と電光戦車は5F、それ以外は4Fのジャンプ移行
フレーム。
移行フレーム中は地上判定で、攻撃を受けると地上仰け反り。
前作では投げ無敵だったが、
本作ではコマンド投げに対してのみ無敵が無くなったので、コマンド投げ持ちの地位が向上している。
二段ジャンプ
空中でもう一度ジャンプできる。
どの高度からでも出す事ができ、高いところから飛べば低く、低いところから飛べば高く跳ねる。
前後のものは上よりもレバー入力方向への力が強く、どちらかというと空中ダッシュのような感覚(ちなみにモーションも基本的にダッシュの流用)。
空中戦の幅が広がったが二段ジャンプ中は空中ガードをする事ができない(攻性はできる)のでリスキーな行動でもある。
ダッシュ攻撃
前ダッシュ中に攻撃ボタンを押す事でダッシュ攻撃が出せる。
ヒットすれば相手を吹き飛ばし画面端に近ければ後述の壁貼り付けを誘発する。
これの存在のためか本作のダッシュは一部除き地上判定の模様。
基本的にダッシュ中はいつでも出せるが、ムラクモと完全者だけはダッシュがワープ型なので出がかりにしか入力を受け付けない。
発生F等は以下の通り。
マリリン大姐 |
発生13F、全体46F、ガード時17F不利 |
完全者 |
発生7F、全体34F、ガード時12F不利 |
その他のキャラ |
発生7F、全体32F、ガード時10F不利 |
壁貼り付け
貼り付け誘発技をヒットさせると画面端に一定時間貼り付きそれから下にずるずると落ちていくような特殊なやられになる。
このやられ中にヒットした攻撃は仰け反りが無くなり相手はただ下に落ちていくだけとなる(ヒットするごとに下がる)。
地面に着いた後はKO時のようによろめいてダウンする。以降の追撃はダウン追撃扱いとなりタイミング次第では受け身も可能。
しかし、この時は地上判定なので
コマンド投げが入る。このため本作ではコマンド投げ持ちの地位が上がっている。ただし
ロック技ではロックできない。
全キャラ共通でダッシュ攻撃は貼り付け誘発。一部キャラには他にも誘発技が用意されている。
完全世界
A+B+Dで発動可能。発動時全画面の攻撃判定で相手を吹き飛ばして体力を少量回復。
以降一定時間の間
ヴァイタルソースの部分まで徐々に回復、攻撃力増加などの恩恵を受ける。発動中はカウントが停止する(カウントのみで相手は動ける)。
仰け反っている間にも出せるので
アルカナフォースや
サイクバーストのような回避手段に使える。
ただし、相手の最終特別攻撃・投げ・完全神殺成立中は発動できない。また、仰け反っている間に出すと最初の回復量と効果時間が減少する。
使用時は跳ね上がり地上に落ちるまで無防備なので最初の全画面判定(飛び道具判定)を攻性で取られると反確。
発動条件は特に存在しないが、使用したラウンドでは以降ゲージが消失しゲージ技が使用不可能になる。
発動中に完全神殺を出す事が可能。
完全神殺
完全世界中にA+B+Dで発動可能。使用すると残り時間に関係なく完全世界が終了し、最終特別攻撃に匹敵する威力の攻撃を繰り出す。
キャラによって異なるが単発もしくは2ヒットする突進技である事が多い。そのため補正の影響を大きく受ける。
発生が早く長い無敵と突進速度を持つ事が多く、更にキャラ全体に攻撃判定が出るため、普通ならダウン追撃になる高さでもヒットする場合がある。
ゲージ補正
ゲージ本数によって攻撃力が増加する。1本で1.05倍、2本で1.10倍、3本で1.15倍。
完全世界中は発動時のゲージ本数に関係なく1.2倍になる。
ラウンド補正
相手よりラウンドを多く取っている(勝っている)状況になると与ダメージにマイナス補正が掛かる。
例えば2本先取の場合、1ラウンド目を取られると2ラウンド目の被ダメージが×0.975。
ラウンドをとっている数が両方同じだと補正は切れ、また補正の量はラウンドをとっている数では変化しない。
技の仕様
前作ではB攻撃以下からC攻撃への連携は用意されていないキャラが多かったが、
本作では完全煉鎖の搭載もあってかほぼ全員B攻撃以下からC攻撃への連携が用意されている。
空中通常技の仕様も変化し、空中A攻撃は空振り時動作終了後は別の行動が取れなくなった。
代わりにこちらもB攻撃以下からC攻撃への連携がほぼ全員に用意され、
空中C攻撃を連携で出した場合にはアカツキやアドラーの空中Cのように相手をたたきつけてダウンを奪う技になる。
ただし、アノニム・ガードの連携Cはモーションが異なり、ヒットすると壁貼り付けとなる。
また、不律には空中連携が用意されておらず、電光戦車はA→Bしか空中連携が無い(Bヒット時はダウン効果)。
ダウン属性のある攻撃が相対攻撃でヒットすると、相手は回転して飛ぶ特殊なやられになり受け身不能となる。
判定自体は回転するもののそのまま残っているためそこから追撃する事も一応可能。
本作の飛び道具は発生してから相手に当たるまでの時間の経過に応じてダメージが減衰していく。
つまり距離を飛ぶと飛び道具の威力はどんどん下がっていくため、飛び道具の地位が下がっている。
ただし、電光戦車のエレクトロアウゲや完全者のシュテルンブレッヒャーなど、ビーム型の飛び道具はこの仕様が適用されない。
その他
タッグプレイ
タイムリリースで解禁されるモード。
2人目のプレイヤーが参加した際、セレクトシーンで「対戦/協力」を選択でき、タッグでCPU戦を勝ち進んでいく。
体力は両者共有で、コンティニュー不可。
筐体の都合上二人しか参加できないゲームなのでタッグで対人戦はできない。
前作のアーケードでのゾルダート戦の仕様が近いか。
当然ながらこちらの火力が低下し、また体力を共有するため、ワンサイドゲームにする位でなければ押し負けやすい。
特にラスボスの特別攻撃を二人で喰らおうものなら死が見える。
なお、相手を挟んで交互にB連鎖を連打すれば簡単に永久になる。あくまでおまけのモードといったところか。
勝利画面で表示されるキャラと勝利メッセージが別々になるという謎かつ素敵仕様があるので、これで遊ぶものといわれている。
カティの台詞を言う大魏やエヌアイン・アドラーの台詞を言う電光戦車はインパクト抜群である。
エヌアイン完全世界 Anastasis
長らくゲームとしての新展開がなかった本シリーズだが、なんと稼働から12年経過した2022年に『エヌアイン完全世界』のリメイク移植企画が始動。
新キャラクターや新要素の追加を掲げ、クラウドファンディングで出資を募っていた(出資者へのリターンとして設定資料配布などが行われていた)。
2023年2月21日に稼働開始。
稼働開始時は新キャラクターとして一式電光兵「イナヅマ」が追加された他、各種キャラ性能の調整が行われたバージョンとなっている。
その後もアップデートでCPU専用だったヴァルキュリアがプレイアブル化され、以降も様々な要素が追加予定されている。続報を待とう。
MUGENにおけるアカツキシリーズ
2009年末頃からみきた氏・HM氏を中心として断続的にキャラが製作・公開されている。
AC版のみのためMUGENへの移植は絶望的と言われていた完全者も『
ペルフェクティと賢者の石』にて製作され、公開された。
女性キャラクターのMUGEN入りが多少遅れはしたが、HM氏のミュカレ公開によって
遂に『アカツキ電光戦記』における全てのキャラクターが使用可能となった。
また、現在コンシューマー版が存在しないためエヌアインキャラの参戦は絶望的とされているが、
既存キャラのエヌアイン仕様はway-oh氏・HM氏等の製作者によって少しずつ公開されているようだ。
また、
他作品キャラのエヌアイン仕様も増えつつある模様。
また、D0ながら主人公のエヌアインもMUGEN入りを果たした。
これで残すは完全者のブリスやストライカーで姿を見せるカティと
ぱんつテンペルリッター・ヴァルキュリアだけである。
動画では主にアカツキ、ゾルダート、アドラー、ムラクモの出番が多く、この4人は個体数も多い。
最終更新:2024年05月23日 01:17