特撮『
ウルトラマン』第35話「怪獣墓場」に登場した
怪獣。別名「亡霊怪獣」。
名前の由来は「海坊主」と脚本で表現されていたことといわれている(海→シー(sea)、坊主→ボーズ)。
全然海とは関係無いし「死亡+坊主」の方がそれっぽい
「怪獣墓場」と呼ばれる、ウルトラマンや防衛組織に倒された怪獣の魂が行き着く、
宇宙の冥界のような異次元にいた怪獣だったが、怪獣墓場の出入り口が地球の付近に出現した際に、
たまたま地球から発射された月ロケットに遭遇し、ロケットにしがみ付いたまま地球に落ちてきてしまった。
地球では出現事例が無い怪獣であり、どこか別の星で倒された怪獣と劇中では推測されている。
怪獣墓場では実体の無い魂だけの存在で、ロケットとの遭遇の際に何らかの理由で実体化したようだが、
元々は別の姿だったのが死後に変化したのか、元からこのような姿だったのかは不明である。
当初は市街地で暴れていたが、これは環境の変化に驚いていただけで、
シーボーズからしてみれば怪獣墓場で安眠していた所を事故で地球で遭難してしまった状況であり、
再び怪獣墓場に帰り永眠することを願っていた。
科学特捜隊に攻撃されても交戦する様子すら見せず、害意のある怪獣ではない。
怪力の持ち主だが、知能はお世辞にも高いとはいえず、飛んで怪獣墓場に帰ろうと高層ビルによじ登り、
手をパタパタさせながらてっぺんからジャンプする始末(当然失敗して落下し痛がる)。
科学特捜隊はシーボーズの意を汲んで怪獣墓場に彼を帰そうと、
元凶となった月ロケットを作った科学者が提供したロケットにシーボーズを括り付け発射させようとするが、
シーボーズが人間サイドの意図が分かるはずもなくパニックで暴れてロケットを倒してしまい破壊してしまう。
やむを得ずハヤタ隊員がウルトラマンに変身し、シーボーズを抱え宇宙に帰そうとするも、
やはりシーボーズがパニックを引きずり抵抗しまくたっため、ウルトラマンの
活動制限時間が
やけに早く尽きてしまい失敗。
しかし、シーボーズが落ち着きを取り戻した後で、ウルトラマンが彼を宇宙に帰そうとしていたのを見ていたことを踏まえ、
ハヤタの「ロケットをウルトラマンの形にすれば、しがみ付いてくれるんじゃないか?」という案が採用され、
壊れたロケットがウルトラマン風に形と色を直され、再度ロケットでシーボーズを宇宙に帰す作戦が実行される。
ウルトラマン型ロケットに誘導されたシーボーズだが、前回よりは警戒心は薄れている様子は見せつつも、
ビビリまくって中々ロケットに近付こうとせず、再度現れたウルトラマンの(
時に肉体言語も含めた)説得により、
ようやく渋々ロケットにしがみ付き、宇宙に帰された。
脚本の佐々木守氏及び監督の実相寺昭雄氏は「
人に害だからという動機で怪獣を殺す事への是非」を問う重いテーマとして同回を作るつもりだったが、
特撮班がコミカルな特撮演出を用いたため(当時は特撮班と普通パート班はスタッフが別)、
「テーマが台無しになる」と怒った実相寺氏と特技監督の高野宏一氏との間で大揉めが起きたらしい。
怪獣墓場を訪れた科特隊がこれまで倒した怪獣たちを弔おうと怪獣たちの葬儀を執り行ったり(シーボーズが落下してきたのはこの最中)、
ハヤタ(ウルトラマン)が「地球の平和を守る為に仕方なかったんだ、許してくれ」と心中で怪獣たちに詫びを入れるシーンなどに名残が見られる。
また、この回を前後して
円谷プロでは本当に怪獣たちの葬儀が執り行われ、多くのファンが訪れたらしい。
恐竜の骨格
と中の人が入る黒い部分のような一見おどろおどろしい姿でありながら、
上述のコミカルな動作や人間の幼児のような仕草、何より無害な怪獣であることから「愛らしい」「かわいい」と評判で、
『
ウルトラマンZ』でオオタ・ユカを演じた黒木ひかり女史が推し怪獣に挙げている。
ある意味
ガヴァドンと似た人気の取り方と言えそうである。
デザインを担当した成田亨は「怪獣は妖怪ではない」「体に傷をつけたり、傷跡をつけたり、血を流したりはしない」
ことを怪獣デザインの原則としており
(後のスペル星人のケロイドですら嫌々デザインしたとか)、
見るからに骨のシーボーズはそういった意味でも異色だが、
造型を担当した高山良策によれば明治時代の洋画家福沢一郎の作品『牛』をモデルにしたものではないか、とも。
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他作品のシーボーズ |
原典と異なり好戦的で粗暴。 ウルトラセブンと同じ、「宇宙陰陽の構え」を繰り出すこともできる。
第24話「狙われない街」にて、 メトロン星人が住み着いている着ぐるみ倉庫の中にスーツが確認できる。
自我があるのか、カイトが倉庫へ入ると戸を閉めていた。
第21話で『マン』の同一個体が登場。ロケットにしがみ付いたまま、怪獣墓場で眠り続けていた。
渡まかな氏がデザインを担当。
骨の衣装が施されたゴスロリ服の少女で、
自身の表情ばかりか、シーボーズの顔を象ったお面も泣いている。
原作でも人気怪獣であるがこちらでも人気投票では10位にランクインしていた。
また、別軸の擬人化企画である『feat.POP』では、怪獣墓場を舞台とした漫画版に擬人化でないシーボーズが登場。
ロケットと共に登場した事から『メビウス』同様に『マン』と同一個体のようで、怪獣墓場を出てすぐ辺りの宙域を漂っていた。
どうも宙域のちょっとした名物になっているようで、 メフィラス星人曰く「あいつを見ると宇宙に来たって気がする」との事。
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MUGENにおけるシーボーズ
怪獣キャラに定評のあるカーベィ氏の製作したキャラが公開中。
2021年のハロウィン付近に公開されたキャラだが、氏曰く意図したわけではないらしい。
残阳伏羲氏提供の
スプライトを用いており、改変は禁止なので注意。
歩き動作や攻撃動作が原作通りの動きになっているのが特徴。
近接戦に特化した性能をしており、
カウンターの当て身技「宇宙陰陽の構え」が搭載されているなど、『ウルトラファイト』の要素も含まれている。
一方で強キックや岩蹴り、とびかかり攻撃では攻撃動作後に転んでしまい一定時間動けなくなってしまう。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「駄々」(
こいつではない)「必殺とびかかり」「ウルトラマンロケット」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
「戦いが終わった。科学特捜隊にはいつものような静かな日が帰った。
それは、パトロールに明け、パトロールに暮れる、退屈な……しかし平和な毎日であった。
『怪獣墓場』……どこへ行っても嫌われる怪獣たちにとって、
平和で静かな毎日は、墓場にしか無いのだろうか。
『怪獣墓場』……それは、広大な宇宙の中の、奇妙なる伝説の一つではないだろうか……」
最終更新:2024年02月27日 22:03