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タイムアウト

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タイムアウト
別名
強化の一時休止
用途
望ましくない行動を減らす
(人や自分を傷つけるなど)許しがたい行動を減らす
用例
無視や警告では問題行動が止まらないとき
使用法
しばらくのあいだ、なにもしてはいけない、という罰。厳しすぎず、時間もかからず、またおよそどんな場所であっても使うことができる。
1.タイムアウトをする場所を選んでおく。親がいる部屋の片隅や、壁に向けた椅子がよく使われる。逆に目が届かない押し入れやバスルームに閉じ込めると、子どもが中で遊んでいるかもしれない。野外や公共の場所でもこの考えで、タイムアウトは使える。邪魔にならないように、部屋の角や橋に壁に向かって黙って立たせるといった方法がある。
2.タイムアウトの時間を決める。子どもの年齢、1歳につき1分、というのがおおよその目安。ただしタイムアウトを受けるのが初めてなら、どんな年長の子どもでも5分以下で十分である。
3.破壊的な行動や有害な行動(つまり「望ましくない行動」よりも悪く「掘っておけない行動)がはじまったら、タイムアウトをまず警告する(「警告のち罰」参照)。
(例)「人をたたいてはいけません。もし叩いたらタイムアウトよ」
(初めてのとき)「タイムアウトの椅子に座りなさいと言われたら、壁に向けたこの椅子に、『タイムアウトは終わり』と言われるまで、じっとだまって座っているのよ」
4.警告された破壊的(有害)な行動(例、人を叩く)をしたら、すぐにタイムアウトを開始する。
5.ぶつぶつ言いながらも椅子に座っているなら、それ以上叱ったり注意したりしない(余計な注目を与えないためである)。
6.タイムアウトをしたがらない場合は、「選択させる」テクニックを使うのもいい。(例)「今すぐ5分間のタイムアウトか、今晩のテレビを15分減らすか、どちらかを選びなさい」
7.タイムアウトが終わったら、お説教したり、慰めたり、弁解したり、抱いてやったり、注目を与える行為は絶対にしない(タイムアウトの効果が台無しになる。問題行動はなくならないどころか、持続するだろう)。わざわざ注目を得るために問題行動をするようになるからだ。時間が来たら(タイマーを使うといい)、事務的に「タイムアウトはおしまいよ」とだけ言う。
8.数分したら、ごく普通のコトバをかけて(「夕飯、○○にしようとおもうけど、それでいい?」などの疑問文が使いやすい)、親はもう怒っていない(罰は終了した)ことを示す。子どもの方は、まだ罰を受けている気分から抜けられず、怒って何か言い返してくるかもしれない。それには無視で応じる(決して、ご機嫌をとったりしないこと)。また数分したら、もう一度だけ、普通のコトバをかける。子どもが応じてこなくても、親が怒っていないことは通じるし、子どもの気分もやがておさまる。
解説
タイムアウトは、行動療法の「time out from reinforcement(強化の一時休止)」から来ている。つまり、子どもが一定期間、自分の行動に対してどんな反応(大抵の他人の反応は、子どもにとって「注目されている」という報酬になる)も得られない時間のことを示す。
 1回の破壊的な行動や有害な行動につき、1回のタイムアウトを用いるのがベスト。強力な効果があり、いつでもどこでも使えるが、四六時中つかっていては、インパクトを失う。問題行動が多い場合は、どの行動(もっとも破壊的な行動)にタイムアウトを用いるか、あらかじめ決めておくこと。
 家の中でタイムアウトのやり方、どの行動にタイムアウトを用いるか、誰が宣告するか、などは家族で話し合って決めておくといい(でないと、タイムアウトの効果を台無しにする、お説教、慰め、弁解、抱っこ等を行う者が現われぬとも限らないので)。

参考文献
シンシア・ウィッタム『きっぱりNO!でやさしい子育て』明石書店











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