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得点計画表
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psychotoolbox
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得点計画表
- 別名
- 用途
- 規則正しい生活のルールを整理し理解させる
- 生活のルールを整理し理解させる
- 用例
- 望ましくない習慣を減らしたいとき
- 新しい必要な習慣を身につけたいとき
- 自己管理の力をつけさせたいとき
- 集中力をつけさせたいとき
- 遊びの計画を立てさせ実行できる力をつけさせたいとき
- 勉強の計画を立てさせ実施できる力をつけさせたいとき
- 使用法
- 1:親は、今の現状を分解して、箇条書きにする
- 2:箇条書きした現状のうち、変えたい状況を親子で話し合い、アンダーラインを引く
- 3:「変えたい状況」のそれぞれについて、「理想の状況」を書き出す。
- 4:「理想の状況」のそれぞれを達成するための方法を、親子で話し合い、できるだけアイデアを出す。
- 5:「理想の状況」のそれぞれを達成するための方法を選び、子どもがすること、親がサポートすることを役割分担する。
- 6:達成度を計るルールを決める。完璧でなくても、部分点がとれるように、「変えたい状況」のそれぞれについて配点する。合計点ごとに、子どもが得られる「ごほうび」を決める。なお「ごほうび」の力は、ごほうびそのものの価値よりの、(a)親子で話し合って決めること(b)約束すること、そして約束を守ること(c)ごほうびをあげるときに、心の底から褒めることによっている。
- (例)
- 2:A君の「変えたい」状況リスト
- (1)テレビの時間をすぎても、何度注意されても、なかなか宿題をはじめない
- (2)何を宿題に出されたのか、わかってない(ことが多い)
- (3)宿題をやるときに、気が散っている
- (4)宿題をやり終えたとき、机の上がぐちゃぐちゃになってしまっている
- 3:それぞれ対しての「理想の状況」リスト
- (1)ママに言われなくても、決まった時間には自分から宿題をはじめる
- (2)宿題メモを見れば、何が宿題かすぐにわかる
- (3)宿題は手際よくかたづける
- (4)机の上はいつもかたづいている
- 4と5:達成のためのアイデアと役割分担
- (1)帰ってきたら着替えてリラックスする時間は20分と決める。(その方が宿題が早く終わって、長い時間遊べると気づいてA君も納得)
- (2)宿題を書き込む専用のノート(宿題メモ)をつくることにした。時間割を見て、明日の教科書やノートを準備するとき、宿題メモに明日の時間割に合わせたマス目をつくり、宿題を書き込めるようにした。ママはそれを確認する役割。
- (3)宿題を終える時間を決めて目覚まし時計を鳴らす。鳴らす時間は、宿題メモを見て、A君自身が、決めることにする。
- (4)宿題がおわったら、それをランドセルに入れて、机の上を片付けてからでないと、遊ばないルールをつくった。ママはそれを確認する役割。
- 6:配点とごほうび
- ママは(1)20分したら勉強机に向かうに3点、(2)明日の宿題メモを準備するに1点、明日のランドセルの準備をするに2点、宿題メモをきちんとつけるに2点、(3)宿題の所要時間の予想に1点、予定時間内に宿題を終えるのに3点、(4)机の上を片付けるのに3点を、それぞれ配点し、採点を書き込める一週間の表をつくった。1週間(月〜金)ですべて満点だと合計45点になる。最初の集は35点、次の週から40点を超えたら、親子で話し合った「ごほうび」がもらえることにした。
- 解説
- 目標は子どもが達成できるものでないと、失敗続きで自信をなくさせます。年齢や成長の度合いによって、最初は楽勝な目標を、2〜3個程度に限って始めるとよいでしょう。得点計画表ゲームが続いていけば、マネジメントできる目標の数も難易度も増大していきます。
- 親が得点を表にまとめるのがおっくう、または余裕がない場合は、シールやステッカーを、採点のかわりにあげて、週末、何枚溜まったかを子どもに報告させる方法が使えます。
- 規則正しい生活は、子どもの注意力や集中力を分散させず高める支え(ガイド・バー)になります。単なるスケジュール表よりも、ポイントをしぼり、得点化し、ごほうびと結びついた『得点計画表」の方が、理解しやすく、モチベーションも高まります。
- 時間の使い方を整理することを通じて、頭の使い方を整理すること、つまり、どんな場面で何に集中するのかをはっきりさせる習慣とスキルが身に付きます。
- たとえば学校で必要となる能力の第一がこの注意力や集中力です。
- 一定の時間、静かに集中することができるようになると、外からいろんな情報をキャッチし、整理できるようになります。言い換えれば「勉強ができる」ようになります。
- 逆に、静かに集中する時間を持つ力や習慣がないと、そうした集中力や注意力を前提にした学校のシステムに合わないので、学校で多くの失敗をし、最悪学校が(そして学校に関係する他のいろんなもの、もちろん勉強も)嫌いになります。
- 参考文献
- エリザベート・アウスト・クラウス&ベトラアリーナ・ハンマー『きっと「勉強ができる子」になる本」PHP研究所
