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家族会議

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家族会議
別名
みんなで問題解決
用途
望ましくない行動を減らす
(人や自分を傷つけるなど)許しがたい行動を減らす
子どもの自主性を育てる
子どもの問題解決能力を育てる
用例
無視や警告では問題行動が止まらないとき
問題解決に子どもを当事者として参加させたいとき
使用法
1.ターゲットとなる問題行動を明確にする。その行動が親にとってどこがどう問題なのか、また子どもにとってどこがどう問題なのか、はそれぞれ異なる(だからこそ、親子は対立し、互いの主張だけでは問題が解決しない)。そこを明らかにしよう。
2.解決策をつくるために、参加者全員でブレインストーミングをやる。ブレインストーミングのルールは、準用される。すなわち
(1)他人の発言を批判しない。
(2)自由奔放な発言を歓迎する。夢物語でもよい。
(3)質より量を求める。
(4)他人のアイデアに便乗する。
3.たくさんの解決策が出たら、問題のある案から消していく(例:大人はそれでいいが子どもには受け入れられないもの、逆に子どもはいいが大人にはダメなもの。両者にとってダメなものは、真っ先に消せるだろう)。そして全員が賛成できる案がいくつか残るところまで、案を整理する。
4.最もよいと思われる案を選んで、実施する。また案の成否を確認するためのフォローアップの家族会議の日程も、この時決めておく(4〜5日後あたりが、間延びせずいいだろう)。家族の各自は、選んだ案の実施に協力しなければならない。子どもが守ろうとしない時は「警告のち罰」を使うこと。大人についても同様である。
5.決めた日に再びフォローアップのための家族会議を開く。議題はもちろん、「選んだ案がうまくいっているか」を各自の視点から確かめるためである。うまくいっているなら、その案を引き続き続ける。うまくいってないなら、3で残った他の案から、次の試すものを選ぶ。
6.4〜5をうまくいくまで繰り返す。

解説
ここでいう「家族会議」は、よく行われているような「誰もが黙りこくって、父親(?)の裁断を待つ」といったものではない。家庭に「民主主義」を持ち込むことが、親の権威を失墜させ家族を解体させると説く似非評論家がいるが、人間心理についても人間社会についても、およそ語るべきことを持たたない人間オンチである。
問題解決に参加した者は、子どもも大人も、コミットメントの効果がある。自ら決定に参加したルールを破ることは人間には難しい。
また、大人と(正当にも)同等に扱われることは、子どもにとって報酬である。
解決策がうまくいったときは、お互いに褒め合い、自分たちの真剣さとアイデア、そして行動とをたたえ合おう。
家族の難問が、何よりも家族みんなの(もちろん子どもの)成長にとって絶好の機会であることを実感できるだろう。このことは何事にも代え難い教育である。

参考文献
シンシア・ウィッタム『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング』(明石書店)
→邦訳名に偽りあり。ADHDの本ではない。むしろADHDをも含めたすべての子どもと親に役立つ、ペアレント・トレーニングの名著。記述がシンプルで、1章づつ試しながら、読み進めるのがよい。











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