十二支

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十二支 - (2023/10/30 (月) 14:18:17) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/11/28(月) 01:05:08
更新日:2024/03/21 Thu 19:38:13
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十二支とは、古代中国において成立し、暦や方位などに用いられた単位である。


■概要

かつては十二支と同時に、十干と呼ばれる単位も存在していたが、近世以降、これらのものと現代人との縁は急速に薄くなった。
だが、十二支だけは、「自分は○○年生まれ」 などと会話の中でよく話題に上るほか、年賀状のイラストにも描きやすい事もあり、今も表舞台に出てくる存在である。

漢字が動物本来の字と全く違うが、これは関係なかった漢字に動物をあてはめたため。
「干支」ともいうが、これは本来、十「干」と十二「支」を複合させた60を表す単位。
江戸時代までは元号の代わりに歳を示す単語になっており、飛鳥時代の「壬申の乱」から幕末最後の「戊辰戦争」等に使われている。
建物でも使われており、わかりやすい例なら「甲子園球場」だろう。
ちなみに、還暦を迎えることがめでたいのは、干支を一巡するのがちょうど60歳(数え年で61歳)だから
ちなみに英語でChinese_zodiac…つまるところ「中国版の十二宮」という事になる。


■十二支達

故事にいわく、お釈迦様新年の挨拶に来た動物達の順番で、十二支を決めるというものがある。

◆子

ネズミ。チューチュー。
ちゃっかりと牛に便乗、牛がまさしく到着…という瞬間に背中から飛び降りダッシュして一番乗りしたずる賢いやつ。
現代でも東京の地下には大量のネズミがいるらしいが…。
ミッキーやピカチュウなど、キャラクターでも人気者。
対応する方位は北。
対応する時刻は23時から1時。

◆丑

牛。モーモー。
食べてよし、乳を絞ってよしの万能ぶり。
足が遅いので早くに出たのに、背中に乗っていたネズミに一番をとられた。ちょっと不憫。十二星座でも2番目。
対応する方位は北北東。
対応する時刻は1時から3時。
ベトナムでは水牛が充てがわれている。

◆寅

トラフーテンでは無い。がおー。
ジャングルの王者だが、国によっては(モンゴル)や(その他)にとって変わられる。
対応する方位は東北東。
対応する時刻は3時から5時。

◆卯

うさぎ。ぶぅぶぅ♪。うさぎに声帯はないんよ
長い耳と赤目の人気者。擬人化でもたいてい可愛い女の子にされる。
あの年は地震なんか起こって大変だったね…。
対応する方位は東。
対応する時刻は5時から7時。
東南アジアでは猫が充てがわれているのニャ。寅年よりもこの年に充てがわれている事が多いんだニャ。

◆辰

ドラゴン。ギャース。
ロマンの塊。唯一の架空の生き物なので、現実にいないためタツノオトシゴが代替ピッチャー。
対応する方位は東南東。
対応する時刻は7時から9時。
この干支は最もバリエーション豊富な干支と言って言い。何故ならば国によって変更される確率が最も多いからである。イランではクジラ、トルコでは魚、アラビアではワニ、カザフスタンではカタツムリに、タイでは辰というポジションをそのままにナーガが充てがわれている。
一見バラバラな関係に見えて、皆龍伝説に関係のある生き物達だったりする。
ちなみに、本家中国で共産主義が支配的になると、「龍は王の象徴だから共産主義に相応しくないよ」っつー事でパンダが充てがわれていた時期があるという。ややこしくなったので元に戻ったらしいが。

◆巳

蛇。しゃー。
悪いイメージもあるが、白蛇は幸運の象徴。脱け殻もお守りになる。
」の虫偏も蛇を表している。
トグロ巻いてたらう○こに見えるのが欠点か。
干支のマスコットなんかでも大抵トグロ巻きだから、この年に生まれた事を嘆く人もいるとか。
対応する方位は南南東。
対応する時刻は9時から11時。

◆午

。ひひーん。
ウサギとは人参仲間。
今日もギャンブルのネタにされ、笑点では笑いのネタにされる。
時間帯を表す「午前」「午後」という単語はここから由来している。
「5回おきに周ってくる(つまり60年に一度の)丙(ひのえ)の午年に生まれる女は気性が荒く夫の命を縮める」という迷信があり、実際に丙午生まれの女性がそれを理由に縁談を断られたり離婚された事例もあるとか。
該当する1906年(明治39年)と1966(昭和41年)は他の年に比べて極端に出生率が低かったりする(ので、受験等に関しては上下の学年より有利だったとも。)
ちなみに次の丙午は2026年。信じるか信じないかは貴方次第。
対応する方位は南。
対応する時刻は11時から13時。

◆未

羊。めーめー。
ふわふわもこもこ。可愛い。
毛皮は衣類に。肉は…、ちょっと臭いけど食用になるよ。
対応する方位は南南西。
対応する時刻は13時から15時。
本家中国などでは山羊が充てがわれているが、日本では山羊が馴染みのない動物の為、いつしか羊になった…もっと馴染みのない動物に変更してどうするんだ。
日本に羊が浸透したのは明治以降でしたとさ…チャンチャン。

◆申

猿。うっきっきー。
最近は餌付けによって、濃い味を覚えてしまい、山に帰れなくなった。
ちなみに、お釈迦様への挨拶に遅れたのは、と喧嘩していたからとか。
対応する方位は西南西。
対応する時刻は15時から17時。
海外で充てがわれる動物が変更される事は無いが、タイなどの切手にはハヌマーンの姿で表わされる事もある。

◆酉

鶏、にわとり。コケコッコー。
卵にお肉に大忙し。
早起きなのに挨拶に遅れたのは、ワンとウッキーを仲裁してたから。いいやつ。インドではガルラに置き換えられる。
対応する方位は西。
対応する時刻は17時から19時。

◆戌

。わんわん。
ソフトバンクのお父さんが有名。
猿と喧嘩してて遅れた。
実際犬猿の仲と言う言葉もあるし、昔の人は物凄い犬猿の喧嘩を見たのだろうか…。
対応する方位は西北西。
対応する時刻は19時から21時。

◆亥

猪。ぶひー。
最近増えて、畑やら荒らしている。実は、亥を猪と解釈しているのは日本だけで、他の外国では豚になる。
西遊記の猪八戒に猪の字があるように、中華料理屋の豚肉料理にはメニューに「猪」 とあるように
本来、「猪」とは豚を指す言葉なのだ。
亥年の皆様、実は皆様、本来は豚年です。
(猪のことは中国では野猪と書きます)
対応する方位は北北西。
対応する時刻は21時から23時。
タイ北部では豚よりもゾウが生活に浸透していた為か、ゾウが充てがわれている。共通点と言ったら牙の発達した鼻が特徴的な生き物ぐらいか。


■十二支になり損ねた動物


ぬこ。にゃんにゃん。
ネズミに1日騙されて、翌朝に来たお間抜けにゃんこ。絶対に許さないにゃ。
その恨みからか、今でも猫はネズミを追いかける。
ネズミに騙されたので対応する方位も時刻もありません。

◆鼬

イタチ。きききっ。
猪に先を越され、十三番目に到着した。惜しい。いたち犠牲になったのだ…。
可哀想だから、お釈迦様は、月のはじめを「ついたち」と呼び、いたちの存在をアピールしてくれた。

◆ラクダ

ラクダ。ぐもぉー。
モンゴルの昔話にて。こちらの昔話では干支はレースではなく、人間への貢献度が高い動物や人間の手本となるべき動物が選ばれる基準となっており、残る一枠をネズミと争っていたが、ずる賢いネズミがラクダを利用して座を獲得してしまう。
哀れに思った神は十二支の優れたパーツをラクダに与えて今の姿にしたという。
おい、誰だ龍のパーツにラクダが使われてるとか言った奴は?

その他、蛙、鹿、、タヌキ、キツネ、亀、鶴、リスなども、干支候補に上がっていたらしい。
ところであなたは何年ですか?


■モチーフにしたもの等

主人公たちが十二支をモチーフにしている。

幻獣拳の拳士達が、十二支をモチーフにしたデザインになっている。

主要登場人物がそれぞれ十二支にあやかっている名前。また、彼らが通う学校は「埼玉県立十二支高校」である。

十二支をモチーフにした「十二神将」が登場する。『山海経』に登場する中国における伝説の怪物の名前と、西洋の神話の怪物との複合モチーフ。

ハンター協会の12人の最高幹部「十二支ん」が登場。外見・性格等を十二支の動物に合わせて改造している。

主人公アマテラスの能力「筆神」が十二支をモチーフにしている。猫も含まれている

登場する組織および属するデジモン「十二神将」が、それぞれ十二支にあやかっている。
デジモンテイマーズ』では敵キャラとして登場した。

十二支にちなんだXレアスピリット「十二神皇」が主要スピリットとして登場する。

  • アルナムの牙
十二支にちなんだ12の部族からなる「獣族」という特殊な能力を持った亜人種が登場する。

  • 黒虎
「徳川十二支神将」という十二支と対応する武士と武家が存在する。

  • えとたま
萌え擬人化された十二支が「干支神」と呼ばれて登場。

  • NINKU -忍空-
主人公たち忍空使いの部隊長が「干支忍」と呼ばれている。

術を発動させる為に結ぶ印の形が十二支をモチーフとしているほか、火の国の大名を守護する為の精鋭部隊「守護忍十二支」が登場する。

主要登場人物がそれぞれ十二支の物の怪に取り憑かれているという設定。

作中の武闘大会「裏武闘殺陣」の審判達の名前が十二支にあやかっている*1

  • 恨み来、恋、恨み恋。
登場人物の姓がそれぞれ干支(もしくは、妖怪)にあやかっている。

12年に一度、十二支の戦士が集い争う「大戦」を開き、勝利者が願いを叶えられるという物語。

「十二獣」というカード群がある。


■余談

認識
一般的には、正月や方位関連、年号といった何かしらの名称などに古くから使われているため、日本に住んでいて干支を目にしないという人はまずいないだろう。
また、風水(一般的には気学や四柱推命)を学ぶ上で十二支は必ず覚えなくてはならない要素なので、占いに詳しい人ならば何も見ずに干支の対応する方角や時刻を言えてしまう。

アニヲタ的には、暦や方位としての十二支も丑寅の方角「鬼門」や時刻における丑と寅の間「丑三つ時」という形で牛と虎だけはよく出てくる。
に牛の角が生えて虎の毛皮を着ているのも鬼門由来だとか。
鬼門の反対である裏鬼門(南西)もあるのだが、こちらは羊と猿というなんともいえないコンビのためかあまりネタにされていない。
ただ、桃太郎がイヌ・サル・キジをお供にするのは裏鬼門に近くに位置する申酉戌が由来であるという説が存在している。

各国の動物たち
猫はチベットやタイやベトナムやベラルーシにおいて十二支である
また各動物の説明内にもあるが、他の国々では、クジラ、豚、ワニヤギ、魚、ゾウ、カタツムリ、水牛、ヒョウ、ガルーダも十二支に含まれる。(詳しくは上述)

ちなみに厳密には十二支ではないものの、ネイティブアメリカンの占星術にも12匹の動物をトーテムとした考え方が存在している*2
順番はカワウソ→ハヤブサ→ビーバー→シカ→キツツキ→クマ→レイヴン→蛇→フクロウ→ガチョウの順に一巡する。
周期は十二支のように年単位ではなく、十二宮のような月単位。

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