一社提供(テレビ番組)

登録日:2019/11/08 Fri 21:37:45
更新日:2019/11/10 Sun 07:25:37
所要時間:約 6 分で読めます




一社提供(単独スポンサー)とは、番組の提供形態の一種。

概要

基本的に、テレビ番組というのはCM枠を複数のスポンサー企業に販売し、その利益で番組制作費を賄っている。
しかし、一社提供型番組の場合、CM枠を他のスポンサー企業に販売することが一切なく、完全な独占契約の形をとっている。

一昔前までは、割と多くのテレビ番組でみられた方式だが、近年は徐々に減少傾向にある。
一因としては、スポンサー料が高騰し、一社で全て賄うのが困難になっていること、バブル崩壊による不況などが原因として挙げられる。
それでも深夜帯の15分枠などならば比較的多く生き残っているが、全国区のゴールデンともなると絶滅危惧種に近い。

一社提供であるが故に、番組全体の雰囲気としてスポンサー企業の意向が強く出るのが特徴。

  • 番組内の機材や食材は全てスポンサー企業が提供
  • ライバル企業は絶対に写さない。やむを得ず画面内に入ってしまう場合は、徹底的に隠す。
  • 通常ならば流れない1分枠のロングCMが放送
など。

特にCMはここでしか見られない特殊なものが多い。

逆に欠点としては、スポンサー企業の業績や経営方針がダイレクトに影響してしまうことであり、業績悪化によりあっさりと打ち切られてしまったりするケースも散見される。
複数スポンサー型ならばこのような事態を回避できることを考えると、一社提供にはなかなかリスキーな側面も含まれている。

代表的な一社提供番組

ラジオ番組については、スポンサー料が割安なことと、CM枠の狭さから一社提供番組の比率が非常に高いので、ここではテレビ番組のみを取り上げる。

  • 日立 世界ふしぎ発見!
提供:日立グループ

現在ゴールデン一時間枠で生き残っている希少な一社提供番組。
数々の世界の「ふしぎ」に挑むクイズ番組であり、ご長寿番組の一つでもある。
番組終盤に流れる「この木なんの木」のテーマに合わせて流れる日立グループ各社のリストが圧巻。

  • キユーピー3分クッキング
提供:キユーピー

「愛は食卓にある」のキャッチフレーズでおなじみキユーピーの料理番組。
番組名に反して、 実は3分でできない料理の方が多い ことは内緒(元々の番組の放映時間が3分というだけである。現在は10分枠なのでタイトルに偽りアリの状態に)。
CBCバージョンと日テレバージョンがあり、出演者が異なる。

  • 世界の車窓から
提供:富士通

富士通提供の超ご長寿番組。毎回世界各国の美しい車窓をお届けするだけの番組だが、実際にその国を旅しているかのような感覚を味わえる。

  • 世界遺産 THE WORLD HERITAGE
提供:ソニー→キヤノン

世界各国の世界遺産を紹介するだけの番組だが、流石はキヤノン提供だけありカメラの質の高さには定評がある。
民放初の8Kによる撮影が行われたのもこの番組。
番組ラストには、実際にキヤノンのカメラを使って撮影している光景が紹介されるのがお約束になっている。
番組開始時はキヤノンではなくソニーの一社提供だった。

  • 人生最高レストラン
提供:サントリー

「水と生きる」のキャッチフレーズでおなじみのサントリー提供の番組。
同じく同社一社提供の「チューボーですよ」の後番組で、チューボーが料理して食べる番組に対して、この番組は料理は食べずゲストが料理の思い出を語る番組なのだが、2019年になってから3月に常連客役のピエール瀧、10月にMCのチュートリアル徳井義実がそれぞれ不祥事で降板した。
番組ナレーションは川澄綾子

一社提供から複数スポンサーに変わった番組


提供:東芝

「エネルギーとエレクトロニクスの東芝がお送りいたします」のキャッチコピーを懐かしく思う人もいるだろう。
東芝提供なので、磯野家のお茶の間には常にテレビだけは最新型が置かれ続けていたものである。
それも今や昔、なんと現在は かつての単独スポンサーである東芝がスポンサーから降板する という異常事態に。
これも時代の流れというものであろうか。
ちなみにOPの最後にて画面下から一瞬だけサザエが出てくるのは一社提供時代に東芝のロゴを持ち上げるという演出の名残である。

  • KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち
提供:EPSON→キリンビバレッジ

様々な名画を毎週ひとつの作品に絞って作者の人生から描かれた経緯までを追う番組。
タイトルを見て「ん?」と思われた人もいるかもしれない。 キリンの名を冠しているからにはキリンの一社提供ではないのかと
実は従前はそうだったのだが、2017年4月放送分からは損保ジャパン日本興亜がスポンサーに加わっており、 一社提供ではなくなっている
にもかかわらず、タイトルは「KIRIN ART GALLERY」のままである。この辺りの詳しい事情については不明。

一社提供だった過去の番組

  • ナショナルキッド
提供:松下電器産業株式会社

松下電器が「子供たちに科学への興味を持たせたい」として破格の予算を投じて作成したテレビ特撮ドラマ。
何気に東映初のテレビ特撮番組。松下電器一社提供なので、「ナショナル」の名を冠している。
他にも番組内ではこれでもか、というほどナショナル製品や看板のPRがされるなど一社提供の強みを最大限に生かした構成になっている。
日本におけるテレビ特撮の歴史上、かなり重要なポジションにある作品である。

  • ナショナル劇場→パナソニックドラマシアター
提供:松下電器産業株式会社(現・パナソニック)

水戸黄門」「大岡越前」などのTBS系月曜20時からの1時間ドラマ枠。2008年に社名をパナソニックに変更したことから枠名も変更になるが
提供は変わらず1社体制であった。
また1964年の「ナショナル劇場」への枠名変更前の「ナショナル ゴールデン・アワー」「ナショナルTVホール」「ナショナルカラー劇場」「ナショナルカラー劇場」も松下1社提供であった*1
時代劇ばかりという印象があるが、現代劇や警察モノ、異色なものではトッポ・ジージョも放送されていた枠である。
「平賀源内が悪を倒す」という異色時代劇で有名な「翔んでる!平賀源内」もこの枠で放送された。

  • アップダウンクイズ、クイズダービー、三枝の愛ラブ!爆笑クリニック、SMAP×SMAPなど
提供:ロート製薬

「ロート、ロート、ロート~ロート・製・薬♪」と鳩が飛びながらのOPで始まる番組群。


  • 世界名作劇場
提供:カルピス/ハウス食品

「アルプスの少女ハイジ」や「フランダースの犬」などを放映していた番組枠。
やや事情が特殊であり、同じ番組枠で「カルピスまんが劇場」「カルピスこども劇場」「カルピスファミリー劇場」などと変遷しており、
さらに後には一社提供ではなくなった後ハウス食品の一社提供になる、という独特の経緯をたどっている。
そのため、この番組枠を「カルピス」と認識しているか「ハウス」と認識しているかで世代がわかるとか。
なお、朝ドラ「なつぞら」ではこの番組らしきものが登場し、名前はミルコスとなっておりミルコスの社長を演じていたのは大泉洋である。

地上波では現在再放送以外では放送されていないが、BSでは不定期に新作シリーズも作成されている。

提供:ヤンマーディーゼル

一社提供番組としては最古参の部類に入る天気予報。
定期的にオープニングアニメを刷新しつつ、常に時代に受け入れられるように広告に勤めていたが、現在はヤンマー側が「役割は終わった」と判断して放映は終了している。一社提供はこのようなことがままあるのが怖いところである。
「天気予報」という事情もあり、再放送の望みは絶望的なのが現状。

提供:キングレコード

近年のアニメとしては珍しい1社提供作(生贄とも言われてたが…)
原作ありにもかかわらず原作が掲載されている出版社が名を連ねない珍しいパターン。

番外

  • ACジャパンのCM

本来なら、特定の製品の宣伝などではなく公共の福祉にかかわるようなCMを放送することが多いACジャパン。
たまに主にトラウマ的な意味で視聴者の印象に残るCMを流すこともあるが、基本的には表立って放送されることは少ない存在である。
しかし、一時期全てのテレビ番組がACジャパン一色に染まったことがあった。
言わずと知れた 東日本大震災直後の民間CM自粛状態 のことである。
正確には、ACジャパンがスポンサーになったわけではなく、「スポンサー枠は購入されているのだが、CM自粛のために穴埋めとしてACジャパンのCMを流している」のだが、実質この時期のテレビ番組はACジャパン一社提供に近い状態であった。


ほとんどのテレビ番組では不特定多数の提供会社を一纏めにして、
「ご覧のスポンサーの提供でお送りしました」 の音声と共に紹介するものが多いが、一社提供番組ではこれがない。
また、一部番組では「放送中の番組の右端に音声なし・小さいテロップで紹介する」という芸コマな方法を取っている。


追記・修正はアニヲタWikiの提供でお送りしました。

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