登録日:2011/02/03 Thu 22:16:44
更新日:2024/11/20 Wed 14:02:46
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「ジャーマンスープレックス(German Suprex)」は
プロレスに於ける最も代表的な
投げ技の一つ。
「神様」
カール・ゴッチがアマレスに於けるバック投げ(Belly to Buck Suprex)をプロレスに持ち込んだのが始めで、
実に半世紀以上の時間が過ぎながらも、未だにフィニッシング・ムーヴ、流行技の地位からは降格していない。
「スープレックス(反り投げ)」系の技の元祖とも云うべき技であり数々の派生、変型技を持つが、
ここでは基本となるジャーマンスープレックスと、その純粋な変型技のみを記載して行く。
尚、技の要領の類似性から「
ルー・テーズの
バックドロップに対抗するべくゴッチが開発した」と云う説話がまことしやかに語られていたそうだが、
上記の様に由来上は全くの的外れである。
その実力主義故に米国では大成出来なかったゴッチだが、日本マット界ではゴッチを後見人、コーチ役として重用した。
それ故に
日本マット界に根付き、そこから広がりを見せて行った技とも云える。
和名は「原爆固め」(投げ捨てた場合は「原爆投げ」になることも)
通称は「リングに架かる人間橋」
【概要】
相手の背後から腹部に手を回しガッチリとロック…。
近年では、バネを利用して勢い良く後方に持って行く選手もいるが、本来は相手の体を自らに引き付ける様にしつつ、ブリッジしながら後ろに持って行くのが基本で、
最終的には自らの額がマットにベッタリと付くのが「理想的」らしい。
…ここまでやると、落ちる際にかなりの角度が付く上に安定したブリッジによる強烈なホールドが加わる。
また、ブリッジの際に「爪先立ち」で支えるのが確かに見映えも良く多数派を占めるが、「ベタ足立ち」の方が不格好ながら固めた際のバランスが良いとの意見もある。
以上が、基本的なジャーマンの要領であり、他に投げ方によりそれぞれの部分にアレンジが加わる事になる。
【主な種類】
所謂通常型。
相手を投げ固める基本型で、日本では「ジャーマンスープレックス・ホールド」と呼ばれて来た。
腰のバネを利用してとんでもない高さまで吊り上げる高角度式、まるで倒れ込む様な勢いを利用して瞬時に相手を叩き付ける高速式…等がある。
所謂「投げっ放しジャーマン」
スタイナーブラザーズが持ち込んだ危険なアレンジ技。
相手の体を勢い良く放り投げ、落下のダメージのみを与える。
技術が必要無い為、近年の流行、主流となった。
「ロコモーション式」「ローリング式」とも。
相手を投げた後も腕のロックを放さずに2回、3回と回数を増やし叩き付ける。
…近年の流行技の一つ。
…近年、新世代の名手により定着した、ある意味「究極型」。
俯せに寝ている相手を引き摺り起こすと共に、そのままゆっくりと投げ固める。
どちらもそれぞれ腕を体の前でロックし、受身を取れなくするが、ロックの仕方が少しずつ違う。
相手の背後からの投げ技と云う事で混同され易いが、相手の脇の下に頭を差し入れ、斜め方向に落下させるバックドロップと、
相手を自らのブリッジに乗せ、その結果としてマットに叩き付けるジャーマンは、ダメージを与える部位の共通点以外には本質的には全く別の技である。
また、バックドロップは角度を調整し易く自由落下を利用したエグい角度で落とす等のアレンジが出来るのに対し、
ジャーマンは上記変型技の様に投げ方自体にアレンジが加えられる事になる。
【主な使い手】
実在の人物
前述の様にこの技を持ち込んだ元祖。
フランク・クラウザー時代に初来日…。
日本マット界に大きな衝撃を与えた。
全盛期の体重には及ばないとは云えモンスター・ロシモフ時代の
アンドレ・ザ・ジャイアント(当時190キロ)を投げたと云う記録も残っている。
ちなみにゴッチがドイツ出身とされていたのが「ジャーマン」の由来(本人は単に「スープレックス」と呼んでいた)。
また、この技がアメリカで「アトミック・スープレックス」と呼ばれていたのが和名の由来。
米マットを主戦場とした伝説的レスラー。
ゴッチ公認の2人目の使い手。
新日本プロレス創立時から暫く直伝のジャーマンを
必殺技として使用。
ストロング小林戦での「足浮きジャーマン」は、
ゲームによっては超必殺技扱い。
アマレス出身の鶴田はデビュー当時、フロント、サイド、ダブルアーム、ジャーマンを4大スープレックスと称して必殺技とした。
中でも長身と腰のバネを利用し、二段階のタイミングで落とすジャーマンは、危険過ぎる為にバックドロップ開発後は封印された程。
凄まじいタメとバネを利用した超高角度ジャーマンは一度は見とくべき。
空中技のみが初代の持ち味では無い。
アマレス出身の三沢は二代目タイガーマスク時代からジャーマンを得意技として使用。
12種類のスープレックスのバリエーションの一つ。
Mr.セントーンと呼ばれる職人レスラー。
この技の隠れた名手。
Uインター屈指の実力者。
低空、高速式ジャーマンを定着させた元祖的存在。
「先生」はアマレス出。
現役日本人最高の身長を利用した「
エベレストジャーマン」の使い手。
元来はゆっくりと落差を付ける形だった。
不格好だが、豪快に叩き付け強引に押さえ付けるジャーマンは強力。
「マナバウアー」「大☆中西ジャーマン」「特大☆中西ジャーマン」…最高だ。
ブリッジが非常に綺麗で理想的な形で投げる。
ここぞという時に使用する。
スープレックスのバリエーションとして超高角度で決まる引っこ抜きジャーマンを使用する。
当代一の使い手と呼ばれる。
豪快かつ芸術的な引っこ抜きジャーマンは半端ない。
ミスターR指定。
アマレスの猛者であり若手時代はぶっこ抜きジャーマンをフィニッシュホールドにしていた。
アマレスに於ては神の如き記録を持つ実力者。
二段タメ式の投げ捨て式ジャーマン「デッドエンド」は全日時代からのプロレス用必殺技。
プロレス史上最も危険なスープレックスの使い手。
全盛期のベリートゥバックスープレックスは3回投げれば人を殺せたとも言われる。
アマレス出身のマッチョ兄弟。
90年代を代表する最強タッグの一つ。
元祖「投げっ放しジャーマン」を公式のリングで初めて使用したのは兄のリックとされている。
近年の米マット界にジャーマンを定着させた。
後には角度を浅くした一方で、代名詞のロコモーション式は最高で10連発を放った事も…。
オリンピックをも制したプロレスはおろか、レスリング史上でも見ても屈指の実力者。
ベノワとのWWE時代の攻防は、あまりのレベルに〝周り〟に怪我人が続出した(タッグ等で組んだ奴等が)らしい。
DDTのトップレスラーを経て
新日本で唯一ジュニアとヘビーのリーグ戦を制した
ゴールデン⭐︎スター。
しなやかで美しいブリッジを作る。
ノーモーションと呼ばれる程の速さで投げる為、非常に受身が取り難い。
更にパワーボムとの組み合わせの変形技
フェニックス・プレックス・ホールドも使用。
親友のケニー・オメガも多用する。
NOAHのトップ選手に成長した健介ファミリーの「息子」。
クラッチの位置を二段階に変える非常に滞空時間が長く急角度なジャーマンを使用する。師匠・
佐々木健介の最後の試合に放った技でもある。
佐々木健介の弟子にして現在の全日本プロレスのエースに昇り詰めた満場一致で最高の男。
必殺技は2段式ダルマ式ジャーマン「シャットダウン・スープレックス」。
溜めの効いた美しいアーチを作り、重量級の吉江豊を持ち上げるほどの威力を持つ。
高校在学中にプロデビューしたDDTの「ザ・フューチャー」。
後に日本体育大学に進学、ジャーマンスープレックスをテーマに卒業論文を執筆した。
NOAH新時代のエースもここぞという場面でジャーマンを使用。ブリッジを効かせた美しい流線型を描く。
イケメンその①
ゼンニチ新時代の旗手。188cmの恵まれた体格を活かしデビュー当時より得意とし、闘魂スタイルだの××スタイルだの迷走を続けた中嶋勝彦からピンフォールを奪い、史上最年少の三冠王者となった。
架空の人物
「アトミック・スープレックス」…ハラショー!!
…中国拳法じゃ無いじゃん。
ジャーマンスープレックスだー!!
「投げっ放しジャーマーン!!」…「それのどこが詩だ!」
…良く死ななかったな教頭。
重量級6階級制覇を目指す、作中最強の生物。
プロになってからは拳を使わない為にジャーマン等を喧嘩に使用していた(犠牲者は青木)が、多分趣味。
アメリカンプロレスラ―とそれに挑む永遠の知力25。Gスープレックスの名義で使用。ホールドしてるのか麻痺の追加効果あり。
威力はこちら、追加効果は通打に軍配が上がる。
リメイク版では表記がそのまま「ジャーマンスープレックス」に。威力の高さは変わらず。
体術「スープレックス」が得意技。
サガフロのスタッフにはプヲタが居り、合宿所でプロレスビデオを見ながら開発していたらしい。
ヘリコプターをひっくり返す膂力より生み出す。キー坊に留めを差し、復帰前には
虎を絶命させた。
プロレス漫画なので
初代も含めて色んな超人が使用するが、その中でもカオスは「キング・ジャーマンスープレックス」という名の美しいブリッジを描くジャーマンを主力技としている。
キン肉万太郎の「マッスル・G」と連携することで「マッスル・エボルシオン」という強力なツープラトンにもなる。
コピー技「スープレックス」によりジャーマンを始め岩石落としやバックブリッカーなど多彩な投げを見せてくれる技巧派。
例によって犠牲者はカンシュコフ。
二回連続でジャーマンスープレックスを行う「ダブルジャーマン」が必殺技。
コマンド投げ「ジャーマンスープレックス」及びSP必殺技「ダブルジャーマンスープレックス」を持つ。
スカートは鉄壁。
- マッシュ・バーンデッド(マッシュル-MASHULE-)
「大丈夫 僕は……男女平等に扱うから」
レアン寮のシルバ・アイアンとつるんでトッド・バレットをだまくらしたローレン・キャバスをハグした後、そのまま地面に向けてジャーマンスープレックス。
シルバのプライドが粉々にされた後、ローレンは魅了の魔法(とゆうか泣き脅し)でその場をしのごうと目論んだが、マッシュの無茶苦茶な行動の前では無意味で、両目を飛び出しながらリタイアとなった。
「刃牙らへん」から使用。
追記・修正をお願いします。
- 呼んでるだけでワクワクするいい記事だ -- 名無しさん (2014-09-16 14:12:23)
- 飯伏のフェニックス・プレックス・ホールドは -- 名無しさん (2014-09-16 14:34:20)
- MMAファイターだが宮田和幸もよく使う。MMAでも試合の中でたまたま決まるって事はあるけど、得意技にしてるのは宮田ぐらいじゃないか -- 名無しさん (2014-09-16 14:48:05)
- 初代タイガーマスクのデビュー戦の止めのジャーマンは今まで見てきた中でも最高のジャーマンだった -- 名無しさん (2014-11-20 17:11:23)
- 戸澤陽のデッドリフトジャーマンとパッケージジャーマンのブリッジの美しさは素晴らしいと思う -- 名無しさん (2015-07-27 02:28:38)
- クラッチの仕方を変えてオリジナルスープレックス!が大嫌い -- 名無しさん (2016-09-05 20:15:31)
- カービィの説明が「技巧派」になってるの地味に好き。 -- 名無しさん (2020-01-22 16:01:41)
- スマブラカービィの後ろ投げはジャーマンスープレックスっぽいのにずっとブレーンバスター扱いなのが個人的にずっと気になっている -- 名無しさん (2020-01-22 16:31:43)
- ゴッチがアメリカに持ち込んだ時は当時のレスラーの技術では受け身が取り切れず怪我人が続出したので「あんな技を認めて良いのか!?」というプロレス界の論争に発展したんだとか。 -- 名無しさん (2022-01-06 09:09:20)
- 武藤敬司も膝が悪くなかった頃はよく使ってた……が、橋本真也をドラゴンで投げようとして歯を7本だか8本だか折って以来やらなくなってしまった。近年だと内藤の「落とす」ジャーマンはイイね -- 名無しさん (2022-01-20 21:50:43)
- 女子レスラーの方がキレイにブリッジしてくれる人が多い気がする。 全体的に体がやわらかい人が多いからなのかな -- 名無しさん (2024-09-01 19:22:04)
最終更新:2024年11月20日 14:02