劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本

登録日:2021/01/11 Mon 16:28:47
更新日:2023/07/19 Wed 11:05:46
所要時間:約 5 分で読めます






破滅の本が、世界を飲み込む。


結末をかけた、抜刀。



『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』とは、2020年12月18日に公開された『仮面ライダーセイバー』の劇場オリジナル作品。
同時上映作品は『セイバー』の前作である『仮面ライダーゼロワン』の劇場オリジナル作品となる『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』。
それぞれ脚本はTVシリーズのメインライターである福田卓郎、監督は同様にTVシリーズでパイロット監督を務めた柴崎貴行が担当。
主題歌は東京スカパラダイスオーケストラ の「多重露光 feat.川上洋平」。




概要

仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』までは、冬の時期の仮面ライダー映画作品は現行作と前作のクロスオーバー作品が展開されていた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて2020年7月23日に『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE』と同時公開する予定だった『ゼロワン』の夏の劇場版作品の製作・公開が延期された結果、
『ゼロワン』と『キラメイジャー』はそれぞれ別の時期に上映される事になり、前者は本来冬映画が公開される時期に、後者は『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』のうちの1作として2021年2月20日の公開になった。
本編自体は開幕から話も程々にすぐさま戦闘シーンに移行し、事の経緯の説明もかなり掻い摘んだものに留まっているが、「世界全体の危機」「劇場版限定フォームの登場」「CGを駆使したボスとの決戦」など歴代冬映画の要素が残っている事から、
元々は『ゼロワン』とのクロスオーバーが予定されていた話から急遽『ゼロワン』要素を抜いて、公開時点での現行ライダーである『セイバー』単独で仕上げつつ、所謂「夏映画の戦隊枠」に充てがった可能性もある。

上述の経緯から単独映画作品となっており、前作『ゼロワン』との同時上映ではあるが、同作とのコラボレーション要素は作品内に一切存在しない。
そのため、『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』から続いていた12月シーズンにおける前作とのコラボレーション映画シリーズの系譜は本作にて一旦途切れる形となった。
完成報告会やキャストへのインタビューという形で2作品のキャスト同士の共演自体は実現しているが、ゼロワンとセイバーの2人が共闘する映像作品は2021年7月公開の映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の方に持ち越された他、
スーパー戦隊シリーズ』や『プリキュアシリーズ』も映画の公開が本来のスケジュールから大幅に遅れた影響で、2021年度はクロスオーバー作品の製作が見送られ、
プリキュアは仮面ライダー同様に前作の単独映画『映画 ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』と最新作の短編『映画 トロピカル〜ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ♡ダンスパーティ!』を同時上映し、
戦隊に関してはVシネクスト枠でVSシリーズ『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』の期間限定上映を行った。

「劇場短編」というタイトルが示す通り、上映時間が約23分とTVシリーズ一話分或いは上述の「夏映画の戦隊枠」に相当する非常に短い作品となっており、
その都合で戦闘シーンに尺が多く割かれた結果、かなりストーリー展開が駆け足気味でざっくりとした説明しか行われず、全体的に説明不足になっているのは否めないが、
それでも「少年の成長劇」「仮面ライダーの定義」を訴えるシナリオにもなっている。
また、本作のゲストキャラクターであるバハトが本編にも影響を与える可能性が公式側から示唆され、実際にTV本編の第34章で再登場を果たすなど、少なからず本編への補完・連携要素も存在する。

この映画が本編における時系列でどの時期に位置するのかは現時点では不明だが、登場人物やセイバー・ブレイズ・エスパーダのワンダーコンボ形態の存在から考えて第13章以前だと思われる他、
公式Twitterによる映画公開前の宣伝ツイートにおいては「TV版の9~11話くらいの想定」とされている。


あらすじ

昼間の公園にてサッカーで遊ぶ少年達がいる中、サッカーボールを持ちながらもその中に混ざる一歩が踏み出せない少年・田中逸樹。
そんな逸樹の前に現れた神山飛羽真は彼に対してアドバイスを送り、その背中を押そうとしていた。

その頃、謎多き不死身の剣士・バハトが破滅の本の封印を解いた事によって本から闇が溢れ出した。
その影響によって現実世界とワンダーワールドは虚無に飲み込まれ、多くの人々が犠牲者になる寸前の状況に追い込まれる事態に発展。
この事態を受け、飛羽真=仮面ライダーセイバーを始めとする6人の剣士達はバハトを止めるべく、戦いに向かうが……。


登場人物

本編からの人物

「俺は絶対に諦めない!この世界も、人の未来も!!」

本編の主人公。
勇気が持てない逸樹の前に現れてアドバイスを送る他、決戦ではバハト/ファルシオンと舌戦も交えた激しい一騎打ちを展開する。

「世界の均衡を守る事こそ、僕達の使命です」
「俺の想いは……ここで終わらない」
「マジで世界が終わっちまいそうだぜ…!」
「勝ってみせる!強さが正義!」
「2つの世界の悲鳴が聞こえる…!助けを求めている!」

ファルシオンとの決戦に参加したソードオブロゴスの剣士達。
本作では破滅の本の影響で大量に出現したメギドとシミーの大群を次々と薙ぎ倒す他、バハトの語る自論に対し、それぞれの性格や価値観に基づいた反論をぶつける場面も。
賢人は公開時点のTVシリーズでは退場しているが、劇場パンフレットに掲載されたキャストインタビューでもその事について触れられており、
「映画の公開に合わせて復活するのでは」という予想も少なくなく、公開後の3月には仮面ライダーカリバーとなり闇堕ちして復活後、後にエスパーダに復帰している。
そして倫太郎は今回もエクレアを食べ損ねた。

  • 須藤芽依
「諦めちゃダメ!飛羽真は、最後の…最後の最後の時まで絶対に諦めない!」

本編のヒロイン。
本作では逸樹などの一般人に対し、仮面ライダーという存在について熱く語る役目を担う。

「このままじゃ、ワンダーワールドが消滅しちゃう!それはつまり…現実の世界が消えちゃうって事~!!」

お馴染み、物語の語り部を務める謎多き人物。
バハト復活の余波に巻き込まれており、彼の大まかな身の上を観客に向けて説明していた。

本作オリジナルキャラクター

劇場版限定ライダー

  • バハト/仮面ライダーファルシオン
「間もなく全てが消え去る。この世の……終焉だ」

演:谷口賢志

無銘剣虚無に選ばれし「不死身の剣士」。
どこかで見た事があるような気もする不気味な容姿をした男性で、仮にも聖剣に選ばれし剣士のはずだが、危険人物として封印されており、原因は不明だが、その封印が解かれた事で復活してしまった。当然だが、過去に消防隊員だった事もない

右頬からはトゲのようなものが生えており、この影響で右眼だけが灰色のオッドアイとなっている。
その素性や目的は全て不明だが、行動原理としては正気を失い、暴走しているかのような破滅主義者かつ、ある種極端なまでの平和主義者。
「争いが無くならないのなら、いっそ全て滅んでしまえばいい」と言わんばかりに、破滅の本の力で現実世界とワンダーワールドの双方を原初の「」に帰し、滅亡させんと目論む。
その平和への意志は「何かを守るための戦い」すら否定し、セイバーとの鍔迫り合いの最中にも、
「ならばお前は今、私と何をしている!?」「人がいるから…!世界があるから!力があるから争いが起こる!!」という矛盾を叩きつける程強固。
詳細は個別項目を参照。

市井の人々

  • 田中逸樹
演:内山そうた

公園でサッカーを遊ぶ少年の集団に入りたがっていたが、なかなかその輪に入る勇気を踏み出せずにいた少年。
飛羽真からアドバイスを受けるが、その後しばらくしてバハトによる世界崩壊の騒動に巻き込まれる。
演じた内山氏だが、実は本編のエンディングテーマ『仮面ライダーセイバー』のMVにも出演している。

  • 飯島美香
演:山口美月
  • 森崎和夫
演:中村公隆
  • 森崎の妻
演:緒方ありさ

様々な悩みを抱えながらも、日常生活を過ごしている一般人の人々。バハトによる世界崩壊の騒動に巻き込まれてしまう。
本編では名前を呼ばれる事はないが、スタッフクレジットや劇場パンフレットには記載されており、当初の予定では何かしら活躍するシーンがあったのかもしれない。


劇場版オリジナルフォーム

  • 仮面ライダーセイバー エモーショナルドラゴン

ファルシオンとの最終決戦の最中に誕生した、セイバーの劇場版オリジナルフォーム。
「勇気」を司るブレイブドラゴンに加え、「愛情」を司るルーンブライトドラゴン、「誇り」を司るルーンディムドラゴンの力を内包した「エモーショナルドラゴンワンダーライドブック」を使用して変身する。
赤・白・黒と3分割されたドラゴンモチーフの装甲を纏い、ファルシオンを圧倒する高い戦闘力を持つ。
詳しくはこちらを参照。


余談

  • 上述したように同時上映の『ゼロワン』とのクロスオーバー要素は水と油レベルで無いが、実は物語的な共通点のようなものが見受けられる。
    本作のゲストライダーであるファルシオンは不死身の再生能力を持っているが、『REAL×TIME』のゲストライダーである仮面ライダーエデンも致命傷を逃れる再生能力を持っている。
    そのギミックこそ世界観の違いもあって全く異なる性質ではあるが、「両ライダー作品においてそれぞれ『再生能力を備えるライダー』が敵として立ちはだかる」という、偶然の一致ながらある意味興味深い構図になっていたりする。



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最終更新:2023年07月19日 11:05