格闘場(DQⅢ)

登録日:2021/05/28 Fri 22:12:02
更新日:2025/04/25 Fri 23:48:45
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さあ 手に汗握る 格闘技スタジアムは こちらだよ!
どのモンスターが 勝つか
ずばり当てれば 儲かるぜ!
賭け札は一枚18ゴールドだ。どうだ 買うかい?

ここでは、『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』の格闘場について解説する。

概要
スタジアム内でモンスター達を戦わせ、どのモンスターが勝つか予想する。
予想が当たったら賭け金と倍率に応じた配当を受け取ることができる…という、いわゆるギャンブル施設。後の作品における「モンスター格闘場」のルーツといえるが、あちらと違ってゴールドを直接賭ける。
ロマリア・サマンオサ・イシス・メルキドにあり、それぞれで構造は違う。ロマリアの場合、王様体験中にここに行けば前王がいるので、やめることができる。

モンスターの組み合わせは予め決まっており、覚えておけばどのモンスターに賭ければ勝ちやすいかが分かってくる。
賭け札の値段は勇者のレベル×10G。最大で990G取られるが、その分多くの配当を得ることが出来る。
レベルに応じて参加するモンスターが増えていくのも特徴だが、レベル30台まで。それ以降カードは増えていかない。
また、倍率は1.1〜9.9倍のいずれか。弱いモンスター*1ほど倍率が高くなるが、ベホマスライムのような回復呪文使いでもない限りは下手に高いところに賭けるのは吉ではない。どっちが勝っても1.1倍とかいうぼったくり試合まである。
賭けずに試合だけ見ることも可能。
GBC版だと勝った配当金をダブルアップもできる。
ちなみに組み合わせを見てからキャンセルすることもできる(基本的にDQ4以降ではできない)ため、難しい組み合わせなら中断して持ち金を増やすのが吉。

予想屋もいるがアテにならない。5G払うくらいなら自分の経験を頼りにしよう。

通常の戦闘と異なり、以下の4つのルールが適用される。
  • 本来の範囲を問わず呪文は単体攻撃
  • 炎と吹雪は自分以外に攻撃
  • 10ターン経過で自動的に引き分け、自分の選んだモンスターが生き残っていたら賭け金は返ってくる
  • バシルーラ等一部呪文は味方の命中率が採用される
なお、試合中にBボタン(キャンセルボタン)を押しっぱなしにすると途中退出が可能。
賭け金は返ってこないので、賭けていたモンスターが早々に負けてしまった時などに。まだ生き残っている時は確認のメッセージが表示される。

また、隠しダンジョンにはプレイヤーが参加する格闘場(という体裁のイベント戦闘)もある。
ダークトロルもしくはバラモスエビルと戦うことになるが、単体出現なのでそれほど脅威にはならない。ダークトロルは強敵だが。

と、以上のように長らくドラクエ3のちょっとブラックな…大人な要素として名を馳せてきたのだが、HD-2D版では削除されてしまった。
流石に令和の時代にガチ賭博はマズかったか……現実準拠の競馬ゲームがずっとCERO-Aで通ってるのにね
代わりにザ・モンスター・バトルロードが実装されており、保護したモンスターを一種の運動名目で戦わせて賞金や景品を貰える健全なコンテンツとなっている。
その割に世界観上での扱いは格闘場と大して変わってないのだが



追記・修正は配当を受け取ってから
















…というのが、リメイク版の話。
ここからはFC版の格闘場について語ろう。


概要

場所は変わらないが、全ての場所で構造は共通。ファミコンらしい容量削減術だ。
まぁマップ構造はどうでもいい。
FC版の格闘場はとにかくフリーダムなことに定評がある。
DQ4以降のモンスター格闘場やリメイク版のようにモンスターの組み合わせが決まっているわけではなく、完全にランダム選出。
さらにFC版では上記4つのルールに加え、以下のローカルルールがある。
  • 攻撃呪文はプレイヤーが使った時の威力となる
  • マホカンタ、メダパニ、あまいいき、やけつくいき、眠り攻撃、麻痺攻撃が使用不可
    マタンゴやメイジキメラがサンドバッグと化す
  • 呪文が使用不可の状況(マホトーンorMPが足りない)でもザラキ・ラリホーは使用可能。
    このため元からMPのないベビーサタンは勿論ミミックが大暴れする
    ただしマホトラでMPを吸い取られた場合はこの限りでない
  • ベホマラーは詠唱者以外のモンスターを誰か1体回復させる。運良く自分の賭けたモンスターに入れば勝ち目も見えてくるかも…?
  • スクルトを使うと詠唱者含め全員の防御力が上がる
    例えばじごくのハサミやマクロベータの出る試合は引き分けになりやすい
  • メガンテで全滅すると勝者不在となり、賭け金を黙って巻き上げられる
    耐性持ちのガメゴンロードが勝ち残ることもある
  • 様子見は通常攻撃に置換される
    アグレッシブなばくだんいわは必見

また、試合開始時の演出に「FIGHT!」の文字が浮かぶという独自の演出も取られている。

そして、この項目の立った意味。それは

ほぼ全てのモンスターが出場する

誇張抜きでほぼ全てのモンスターが出場する

ことである。
アレフガルドの強豪モンスターはおろか、ボス級モンスターも登場。バラモスまで参加することがある。
先頭のレベルに応じて出場モンスターが増えるのだが、70以上だとアレフガルドはおろかやまたのおろちを始めとした大ボスが多数出場。
とことんカオスすぎて笑えるので必見。
レベルを上げるのが面倒な方は、動画サイトにもその手の動画が多いのでそちらもどうぞ。
近いレベル帯のモンスターからランダムで対戦カードがされ、大きく違うレベル帯のモンスターとマッチングすることはないらしく、スライムvsバラモスなんてカオス試合は見られない。
せいぜいレベル10帯の戦闘にスライムやあばれザル…のような、前後のレベル帯から乱入するくらい。

出場するモンスター達

  • レベル1〜9
ほぼほぼまほうつかいの一人勝ち。メラはこのレベル帯なら一撃必殺、人面蝶のマヌーサも呪文なら怖くない。HPも高く集中攻撃されなければ倒れることもない。

  • レベル10〜19
防御のぐんたいガニかHPのキャタピラーに賭ければ粘り勝ちしやすい。蟹の時は呪文に注意。
また、あやしいかげは戦闘時と同じくパーティ先頭のレベルを参照してモンスターが化けている。この時は格闘場の制約を無視して化けるため、クラーゴンからスライムまで様々なモンスターとなるギャンブルモンスター。仕様上バラモス兄弟に化けることはない。
ちにみにあやしいかげがあやしいかげに化けることもある。その時のステータスはぐんたいガニのコピペ

  • レベル20〜29
防御力の高いじごくのハサミ、ヒャドとホイミの使い手であるマージマタンゴ、剛腕あばれザル、粘り勝ちベホマスライムの四体が強い。
ただしベホマスライムとじごくのハサミがいる試合は引き分けにもなりやすい。

  • レベル30〜39
エビルマージの独壇場。こいつどういうつもりかモンスターIDがかなり若く、出番はバラモス城、普通なら70帯にいるべきモンスターの筈なのに、格闘場だとピラミッドやダーマのモンスターと同時に出現する。
というわけでこのレベル帯だとこいつに賭けるのが安定。
それ以外ではひとくいばこスカイドラゴンだろう。プレイヤーを苦しめた高い攻撃力も、格闘場では頼もしい味方だ。
ヘルコンドルも魅力的。バシルーラでポンポン飛ぶぞ。
余談だが、上の世界の海のモンスターはここにまとめられている様子。後の作品で言うモンスター図鑑や討伐モンスターリストだと大抵最後の方なので意外である。

  • レベル40〜69
ミミックのザラキとまほうおばばのバシルーラが強い。
モンスターレベルの関係で、まほうおばばのオッズはやたら低いのでかなり美味しい。
やけつくいきでプレイヤーにトラウマを植え付けたじごくのきしは制約上クソザコ…とまではいかず、2回行動による打撃が生きている為そちらで勝つことも多い。は飾りではないのだ。
ばくだんいわは前述の通り地雷。ガメゴンロードくらいしか対抗馬がいないが、あちらはあちらでトロルなどの痛恨で叩き潰される危険性もあり、また耐性があるといっても完全無効ではないため、組み合わせ次第で地雷にも旨い奴にもなる。
たまにメガンテせずに打撃で勝ち抜けすることも。ばくだんいわなのに…

  • レベル70〜
魔境
雑魚モンスターならトロルキング・ボストロール・クラーゴン・だいまじん四天王
トロルキングは高い攻撃力とHP、自動回復50に加えバシルーラ
ボストロールは同じく高い攻撃力に加え、痛恨、中ボス時代にプレイヤーを苦しめた自動回復100、
クラーゴンは恐怖の3回攻撃(しかも痛恨あり)に加え2回メラゾーマされても死なないHP、
大魔神ひとくいばこ並の火力で痛恨あり、2回行動と全員実力が拮抗。
ただしボストロールは元中ボスということもありバシルーラは効かないので、キングVSボスのトロル対決だとキング側がほぼ確実に負ける。お前それでもボストロールの上位種か!?
2連メラゾーマのサタンパピーも美味しい。流石にクラーゴンにはボロ負けするが…
なお、ボストロール同士のミラーマッチは痛恨連発がないので絶対に決着がつかないことは有名。『Ⅳ』のてっきゅうまじん×2も同様のことが言える。

ボスモンスターならやはりバラモス。理由?痛恨こそないが攻撃力大魔神以上、HPクラーゴンの2倍で自動回復100、強力な呪文と炎を吐く能力、バシルーラ保有、
さらにこれで2回行動という奴がどうしたら負ける要素があるのかと・・・
ゾーマ前3連戦のボスもかなり強い。100もの自動回復に加えメラ・ギライオ完全耐性の防御型キングヒドラ、兄と比べ攻撃的なバラモスブロス、防御を捨て去った脳筋バラモスゾンビと、見事に個性が分かれている。
たまに生前と死後のバラモスの試合もある。この場合攻撃力の高いバラモスゾンビはバラモスの自動回復すら上回るダメージを叩きこむが2回行動できるバラモスが高確率で勝利する。
兄弟対決の場合は生前vsブロスだとどちらが勝つか分からないが、ゾンビvsブロスならHP差と攻撃力でゾンビが勝つ。ただ防御力がお察しレベルなのでブロスの行動によっては負けることも。
キングヒドラは攻撃力は高いのだがこのランクだと無駄行動に近い中位の炎吐きを使うので、耐性も絡み、ブロス戦だったらキングヒドラが有利*2
ゾンビ戦は自動回復を押し切られ第7ターン目のゾンビの攻撃でキングヒドラがやられてしまうので、打撃が多く出ないと負ける*3
意外なのがバラモス相手でなんと100%負けないうえ、唯一バラモスに勝てる見込みがあるモンスターだがほぼ確実に引き分けに終わる。
負けない理由はバラモスの呪文で1つもキングヒドラに有効なものがなく、行動がローテーションな事もあって絶対キングヒドラのHPを削れないため。
勝てる見込みというのはキングヒドラ側の打撃1発が平均95ダメージなので2回出ればバラモスの自動回復を上回れるということ。
そしてほぼ確実に引き分けというのは、勝負が引き分けに終わる第10ターンまでにバラモスのHP900を削り切るにはほぼ全ターン打撃2回を続ける必要があるため…つまりほぼ無理。

バラモスがここにエントリーするのは普通に進めれば勇者一行に倒された後のため、動画等では再就職とコメントされることも。
倒す前でも勇者のレベルを上げまくればやはり出場するが、この場合はアルバイトと言われる。本来ならアレフガルドにいるブロスやキングヒドラが地上世界に来た場合は出張
魔王も食っていくためにはバイトや再就職をしないといけないほど世知辛い…のかは定かではないが、シュールである。

なお、弱いモンスターほどオッズが高いと先程書いたが、例外中の例外がこのレベル帯のスライムベス。どういうわけか弱さに反してオッズ1.8倍程度と超人気モンスターになっている。見た目で人気?
これはモンスターレベルが何故か63(最高レベル)というのが原因で強く見られているらしく、ラダトーム周辺でなかなかトヘロスが効かないのは大体こいつのせい。当然地雷だが、その分対戦相手のオッズを引き上げるのである意味美味しい奴。

メディアミックス

  • 小説版
ロマリア王に連れられ訪問。
この時アレルたちは商人サバロが金銭(馬も売却されてた)を持ち逃げしたことで無一文状態。困り果てていた中、事情を知らないままの王に誘われてとりあえず観戦することに。
するとどういうわけか王をして「こんなバカツキは初めて」と言うほどの大穴連発であっという間に300倍に(サバロたちに盗まれた額よりも多い)。
王は賭けに勝つことよりも楽しむことが目当てだったので、「お忍びに付き合ってくれた礼」として、得た金を全てアレル一行にポンと譲り、上機嫌のまま飲みに出かけた。

余談

  • ホイミスライム、バンパイア、カンダタ、カンダタ子分、オルテガゾーマの6種は登場しない。人間のオルテガやカンダタ一味、ラスボスのゾーマはともかく、何故ホイミスライムとバンパイアが出れなかったのかは謎。誰かしらを出禁しようとしてプログラムミスでもしたのだろうか?

  • ゾーマの城のオルテガvsキングヒドラも格闘場に似た形で戦闘を繰り広げている。
    ちなみに、オルテガが勝利した時のセリフも一応用意されてはいるのは有名だが、乱数の都合上オルテガが勝つことは絶対にありえないのはあまり知られていない。*4
    そのため、「昔オルテガが勝ったセリフを見ることが出来た」と言っている人は勘違いの可能性が高いので優しく教えてあげよう。

  • 週刊少年ジャンプ’89年36号でのインタビューで堀井雄二は「ゲームバランス調整のために賭け金・倍率共に低くしたものの、そのせいで面白さが活かしきれず不満だった」と語っている。この不満が、ゴールドの代わりにコインを賭ける4のカジノに繋がったのだろう。
    また、『ドラゴンクエストマスターズクラブ』単行本でゲームライター・ペニー松山氏はこの格闘場を"絶対ハマる"理由に「いつも苦しめられているモンスターの戦いを高みの見物出来る」「お金を賭けているので1匹に感情移入しやすく応援に熱が入る」「外しても大穴でもゲーム進行にそんなに影響がない」を挙げ、最後には「プロレスなんか比じゃない」と絶賛している。

最後に

この項目でおすすめしたモンスターはあくまで「こいつに賭けると勝ちやすい」というだけで、必ず勝てるわけではない。
場合によっては試合を下りたり、別のモンスターに賭ける方がいい時もある。
こればかりは完全に運なので、好きなやり方で格闘場に挑もう。



場内の 皆様に 申し上げます。
ただいまの勝負は 引き分けと 致します。
尚 賭け金は お返ししますので
またの 勝負を お楽しみください。

追記・修正はバラモスの敗北を見届けてからお願いします。
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最終更新:2025年04月25日 23:48

*1 モンスターレベルが低いモンスターのことを指す

*2 打撃1回の平均ダメージはキングヒドラ→バラモスブロスが70・バラモスブロス→キングヒドラが92.5と向こうの方が上だが、ブロスはHPが低く自動回復量も半分程度なうえ打撃の比率が少なく1回行動のこともあるのでかなり不利。

*3 キングヒドラ→バラモスゾンビの1発平均ダメージは打撃が120・炎が約30代ぐらいなので1/3~1/4ぐらい差が出る

*4 通常戦闘なら戦闘中に乱数調整でキングヒドラの動きをコントロール出来るが、オルテガvsキングヒドラの場合は自動戦闘なので戦闘に入った時点の乱数で戦闘結果が決まる都合上乱数調整が出来ない。しかし通常乱数+戦闘用乱数の合計2^28通りの中でオルテガが勝つパターンは1つもないのだ