ドラゴン(DQ)

登録日:2022/06/27 Mon 00:00:00
更新日:2023/05/27 Sat 16:17:56
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姫… 姫は いずこへ 消えたのだ。
我は 姫を守らねば…。

キサマたちか… 姫を つれさったのは…。
ゆるさぬ…ゆるさぬぞ!



●概要

ドラゴンクエストシリーズに登場するモンスターの1体。
2本のツノに長い首尾を持ち、翼を持たぬ体を強靭な4本足で支える緑色のドラゴン。

全ての始まりであるDQ1で登場した由緒正しきモンスターで、DQ2以降様々な形に派生していくドラゴン系モンスター達の開祖でもある。
シンプルながら迫力のあるビジュアルと確かな実力、何より最古参モンスターということもあって、DQシリーズのモンスターの中でも高い知名度と人気を誇る。

だが意外にもナンバリング本編での出演は多くない。DQ3を最後にリメイク版DQ7まで実に25年もの間再登場を果たせずにいた。つまり天空三部作は未登場。そちらは色付きドラゴンやグレイトドラゴン、バトルレックスなど、別種のドラゴンが登場している。
その代わり外伝作品への出演率は高く、DQMシリーズや不思議のダンジョンシリーズでは堂々の皆勤賞を果たしている。

見た目通り高いHPや攻撃力を持つ強敵としてプレイヤーの前に立ちふさがる場合が多く、殆どの作品で炎のブレスを吐いて攻撃してくる。
特にDQ1では冒険の主目的の一つであるローラ姫救出のために固定配置されているドラゴンを倒す必要があり、事実上シリーズ初のボスキャラとして圧倒的な存在感を放っている。


●ナンバリング作品での活躍


◯DQ1

マイラ南のダンジョン「沼地の洞窟」の特定のマスに足を踏み入れると強制的に戦闘になる。
高い攻撃力に加えて炎まで吐き、こちらのHPを着実に削ってくる。
同ダンジョンに出現するモンスターはおおさそりだのメーダだのといった大して強くない連中ばかりだが、こいつはまさに別格。
初訪問時にうっかり出会おうものなら、まず間違いなくその炎で丸焦げにされてしまうことだろう。
そんな訳でここは一旦スルーして洞窟を抜け、リムルダール地方でレベルを上げたり装備を整えたりして自身を強化し、ドラゴンの打倒を目指そう。
見事撃破できれば、奥に幽閉されているローラ姫を助け出すことができる。しかしずっと洞窟にいて衛生的に大丈夫なんだろうか。

ドムドーラやメルキド周辺等で通常モンスターとしても出現する。
ステータスや行動は沼地の洞窟のものと同じで、強敵であることに変わりはないが、同じエリアにはベギラマ使いのだいまどうや攻撃を避けまくるかげのきし等の厄介なモンスターが目白押しな為、こいつは相対的にまだ楽な方ではある。

リメイク版では沼地の洞窟の個体は専用ステータスを持っており、攻撃力と素早さが下がった代わりにHPが倍以上に引き上げられている。
これを弱くなったと取るか強くなったと取るかは人それぞれ。

◯DQ2

悪名高きロンダルキアへの洞窟に出現するモンスターにして、同ダンジョンの攻略難易度を非常に高くしている要因の一つ。

打撃&炎という単純な行動パターンは変わらないが、前作と違い多人数戦闘になったことで炎が全体攻撃となり、脅威度が大幅にアップ。
しかも今作の炎は防御でダメージを軽減できず、耐性防具も乏しいため碌に対策を講じることもできない。
もちろん攻撃力も非常に高く、サマルムーンは一発殴られただけでかなりHPを持っていかれる。
呪文耐性も高く、頼みの綱のイオナズンは効かないことも多い。
搦め手で無力化しようにもラリホーは完全無効、マヌーサはそこそこ効くがあまり効果を実感できないしそもそも炎には無意味…と八方塞がり。
こんなのが一度に3〜4体で襲いかかってくるのだからたまったものではない。
いっそのこと一か八かでザラキに賭けるのも手である。

後にハーゴンの神殿でも出現するが、ロンダルキアの大地にひしめく怪物どもに比べればこれでもまだ優しい方というのが恐ろしい…。

リメイク版では呪文耐性が大幅に低下しており、かなり戦いやすくなった。ただし火力の高さは相変わらずなので油断は禁物。

なお、リメイク版も含めてドラゴンキラーに特効効果がなく、入手時期の割に威力も微妙なのであまり利用価値がなかった。

◯DQ3

ルビスの塔やゾーマの城に出現。
お馴染みの打撃&炎の他に回復役のごくらくちょうを呼ぶという一芸を披露するようになった。
今作でも徒党を組んで炎を吐きまくってくるが、前作に比べて呪文耐性が落ちているので、全体攻撃呪文でさっさと数を減らしてしまいたい。
良くも悪くも前作や前々作程のインパクトは無くなってしまっている。

◯DQ7(リメイク版)

DQ3以来久々のナンバリング復帰を果たす。
配信石版「古の竜がすむ洞くつ」のボスとして登場。行動パターンは25年前と概ね変わらず。
この石版に登場するモンスターはしりょうのきし、リカント、スターキメラと全員DQ1で登場した懐かしい面々である。

DQ10

魔法の迷宮のコインボスとして登場。実装されたのはDQ11より後である。
使用特技の属性が炎に偏っているため、対策は難しくない。

DQ11

DQ7リメイクでの復帰を経て、系統全体が久々に本気を出した。
中盤ごろのユグノア城跡等に出現。デカい。とにかくデカい。
そして強い。ついに2回行動を身につけ、直前のボスであるアラクラトロを上回る威力の打撃と火炎で猛攻を仕掛けてくる。
耐久力も高く、勇者シルビアがドラゴン斬りを習得していても簡単には倒せない。
さらに1ターン休み攻撃まで放つので、回復役が転ばされると非常にまずいことになる。
自信がなければ手を出さずそっとしておこう。

それ以降に出会う強化版のドラゴン・強は通常攻撃・ブレス共に大幅パワーアップしており、痛恨の一撃まで使用する。
また表エンディング後に出現するものはステータスだけなら上位種を超えてドラゴン系最高。
今作で元祖ドラゴンの威厳を十二分に見せつけたと言えるだろう。

さらに連武討魔行やマジスロでも登場しており、ずっとナンバリングに出られなかった鬱憤を晴らすかのような目立ちっぷりである。


●外伝作品での活躍


◯DQMシリーズ


ひ さ し ぶ り だ な
きゃ く じ ん は !!

テリーのワンダーランドでは「まちびとのとびら」のボスとして登場し、倒すと必ず仲間になる。能力が高く、即戦力として頼れる存在である。デフォルトネームは「ドラン」。

DQ2の未来が舞台であるキャラバンハートでは、数百年の時が過ぎてもなおローラ姫を守る使命に囚われているドラゴンが沼地の洞窟にいる(記事冒頭のセリフはこのドラゴンのもの)。
話しかけると戦闘になるのでこれを倒すと、


おお… 姫よ 姫は いずこへ…。
もう なにも みえぬ…きこえぬ…。

と言い残して消滅してしまう。切ない…。

また、裏ボス撃破後に入れる竜王の城の最奥部にはかつての竜王の配下であるドラゴンのドルバがおり、復活した竜王を倒した後に話しかけると仲間にできる。
ドラゴン関連のイベントが多いのはやはりロトシリーズの未来だからだろうか。

多くのモンスターがリストラされたジョーカーでも続投されている。
しかもジョーカー2ではモンスター2枠分を埋めるメガボディ、ジョーカー3では3枠分のギガボディと、何故かどんどん体が大きくなっている。DQ11でのサイズアップはこれやバトルロードが遠因か…?

配合で作る場合、ほとんどの作品でドラゴンキッズ同士で生み出せる*1
初代JOKER~イルルカでは魔獣系と配合するとダースドラゴンに進化(?)する。

◯不思議のダンジョンシリーズ

直線上の敵に炎を吐いて攻撃する能力を持っており、単純にステータスも高い強敵。
トルネコ1では全てのモンスターの中で最もステータスが高く、正真正銘最強のモンスターである。
対策装備であるドラゴンキラーやドラゴンシールドがあっても二番手のアークデーモンより遥かに厄介。
以降もエンディング直前ダンジョンの最強モンスターというポジションが定着しており、存在感は大きい。
他の敵を巻き込んでブレスを吐いてレベルアップしたり、作品によっては部屋の外からトルネコを認識してブレスを吐くので、油断してはならない。
アイテムドロップ率が高いという特徴もあるが、これが有難いのはトルネコ2くらい。

トルネコ3と少年ヤンガスでは仲間にすることもできる。デフォ名はドーラ。
…が、トルネコ3では味方になっても自分と敵との間にポポロや他の仲間モンスターがいてもお構いなしに炎をぶっ放す困ったちゃんである。これがホントのフレンドリーファイア。
上位種だと敵だけに追尾する炎を吐くようになるので頼れるのだが、仲間にするのもその分大変。
一方、少年ヤンガスでは必要以上に炎を乱射して勝手に疲れを溜める別の意味での困ったちゃんに。


DQ1のストーリーを元にしているので当然登場。
ステージ3「悲しみの姫」のボス。
ローラ姫を助けに来た勇者の前に現れ、噛みつきや炎攻撃で襲いかかってくる。
後のステージ6でも中ボスとして登場する。

DQMB

HP、ちから、みのまもりが高く使いやすいモンスターの1体。
技は単体打撃の「テールアタック」と全体ブレスの「はげしい炎」。
DQMBIIからは亜種のキースドラゴン、ダースドラゴンも参戦。
この3体をスキャンすると合体モンスターのギガントドラゴンへと変化する。
なぜグレイトドラゴンにしなかったのだろう

◯DQビルダーズ

宝箱を守る番人のように配置されていることが多い。
体力は多いが、その場から一切動こうとしないものぐさドラゴンなため、落ち着いて戦えば勝てない相手ではない。
2ではちゃんと歩くようになった。

◯DQヒーローズ

1では最初のボスモンスターとして大抜擢される…が、ぶっちゃけチュートリアルボスであり強くはない。
2では普通の雑魚モンスターとして登場している。


魔王軍六大軍団の中でも最強と言われる『超竜軍団』の主力モンスター。
この評価は軍団長であるバランの実力もあってのことだが、アバンが修行をつけるためドラゴラムを使った際の発言からも、やはり一般モンスターの中では別格の強さらしい。
序盤でダイ紋章の力を発揮した時には、その象徴としてドラゴンの姿が描かれていた。
ベンガーナの街では敵としてドラゴン5匹が登場しポップやダイと戦い、過去エピソードでは魔王ハドラーに使役されたがアバンの毒牙の粉で暴走したため魔王自らの手で始末された。
また新アニメ版ではダイが金の筒から呼び出し、偽勇者一行を圧倒してみせた。


●亜種


◯キースドラゴン

青い体色のドラゴン。バンデットではない。
DQ1では炎を吐くが、他の作品では氷のブレスを使うことが多い。

ステータスと呪文耐性が上がったドラゴンという感じで、搦め手は通じにくいため正攻法で戦うしかない。

ドラゴンがDQ2、3にも登場する一方でこいつとダースドラゴンにはお呼びがかからなかった*2が、リメイク版DQ7以降は3体揃っての出演が多くなっている。

しかしDQMジョーカーでドラゴンとダースドラゴンが登場できたのにこいつはジョーカー3までハブられていたり、DQ11における強化版のキースドラゴン・邪が3DS版ではやけに弱かったりと、3体の中ではやや不遇な扱いが目立つ…かも。

不思議のダンジョンシリーズではその部屋のどこにいてもこちらを補足してヒットするブレスを吐く。大部屋モンスターハウスで真の恐ろしさを発揮する。
なお、この特技は風来のシレンシリーズのスカイドラゴンの逆輸入である(初代トルネコはモンスターのレベルアップが無いので、無印ドラゴンが最強種だった)。
トルネコ3での仲間として見るとドラゴンは上記の通り問題児で、ダースドラゴンは仲間にするのがトップクラスに難しいのでドラゴン系ではキースドラゴンが一番働いてくれる。
ステータスや炎のダメージではダースドラゴンに劣るものの、それでも下手な最上位モンスターより頼れる。
またダースドラゴンの炎が全フロア対象だがその分目の前の敵を放置しがちなのに対し、こちらは同じフロアの敵に集中してくれるという地味なメリットもある。

◯ダースドラゴン

橙の体色のドラゴン。チョコレートではない。
本来は「ダークドラゴン」だったがFC本体のメモリ容量の都合*3でダースになったのは割と有名な話。
イルルカのまめちしきやDQ11のライブラリでは「ドラゴン族で最も古い12氏族の最後のドラゴン」とされ、「ダース」な名前とかけた大層な設定を賜っている。

DQ1の通常モンスターの中では最強の存在と言える。というのも高いステータスは勿論のこと、下位種2体と違いラリホーを使用するのだ。
FC版DQ1の敵が使うラリホーは100%確実に効くという鬼畜仕様のため、唱えられた瞬間に睡眠確定。下手すりゃそのまま永眠である。
マホトーンも必ず効くとは限らず、最悪不意打ちでラリホーを使われてハメ殺されるなんてことも。
場合によってはラスボスの竜王より強いかもしれない。リメイク版では使用呪文がマホトーンに変更された。
なお、DQ11でも高性能のラリホーを交えて勇者達を返り討ちしようとする。

また、不思議のダンジョンシリーズではその凶悪さで有名。
こいつの炎はアークドラゴンの逆輸入であり、フロアのどこから吐いても対象にヒットするという超絶インチキ仕様。
こいつの出現するフロアを対策なしで歩いているとあっという間に焼き殺されてしまう。その恐怖感、絶望感、理不尽感は筆舌に尽くし難いものがある。
その分トルネコ3や少年ヤンガスで仲間にした場合は非常に頼れる仲間となるが、道のりは険しい。それだけに、ステータスにはなる。
ただ成長タイプが攻撃面に偏っている上に上記の通り目の前の敵を放置することがあるので、あまり敵に狙われないように注意。

ドラゴンクエストビルダーズシリーズでも場面は少ないが強力な敵モンスターとして登場。
1では他の魔物相手なら奮闘してくれる村人や兵士たちをまとめて返り討ちにする格の違う強さを持ち、2では守りを固めた建築を触れただけで破壊してまわるという怪獣映画さながらの侵攻をしてくる。

他にも少年ヤンガスで登場したゴールデンドラゴン、DQヒーローズで登場した光の番人、DQ10で登場した魔瘴魂ゼノドラゴンといった亜種が存在している。



追記・修正はローラ姫を守りながらお願いします。


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最終更新:2023年05月27日 16:17

*1 GB、PS版では配合後の+が3以下のみドラゴンに、4以上はグレイトドラゴンになる

*2 一応DQ3にはGBC版の追加ダンジョンでダース共々登場している

*3 FC版DQ1の開発容量・メモリはカツカツで、使用するカタカナを20文字程度に絞った結果「ク」が使えなかった