ネネカ隊(機動戦士Vガンダム)

登録日:2023/11/14 Tue 15:40:04
更新日:2025/03/20 Thu 09:25:36
所要時間:約 16 分で読めます










自分の隊の者が全員女だから、こんな格好にさせたのでありますか?






ネネカ隊とは『機動戦士Vガンダム』に登場した女性だけの部隊である。
その姿から終盤登場のゲストでありながら無駄に知名度が高い。


【概要】

第49話「天使の輪の上で」にて登場。
女性のみで構成された部隊であり、ネネカ・ニブローが隊長を務める。
搭乗機は近衛師団仕様のリグ・シャッコーだったが、V2アサルトバスターガンダムの接近を許した事でカテジナから叱責を受け招集された。

そして、カテジナは要塞内にて凄まじい作戦内容を立てる。
それは…




ネネカ隊を露出度の高い水着姿にさせて、生身に無反動砲のみ持たせて迎撃に向かわせる事だった。




当然上記の台詞のように反発されるも、これに対してカテジナは「左右の部屋には数万のサイキッカーが祈りを上げているのだ。体の痛みを感じつつ戦わなければ、サイキッカー達を殺すような戦い方しかしないだろう」「それにネネカたちは身体を張ってエンジェル・ハイロゥを守るとも言ったのだ」と言い、ネネカも「わかりました」と納得した。
これで納得しちゃうネネカさんも十分おかしいですよ

さらにカテジナは「この戦法は絶対に白い奴に勝てる」「ネネカ隊のその美しい姿は、白い奴のパイロットを幻惑させる効果があるんだよ。ことに、あの坊やにはね…」とまで自負。
そしてネネカ隊は生身での出撃を敢行する…


【これが『近衛師団戦闘服』だ!】

本作戦で使用された兵装は後の書籍で「近衛師団戦闘服」と正式名称が出された。ではその詳細を見てみよう!

・頭部
ヘッドギアだ! 無線通信できるぞ!

・胴体
青を基調としたビキニのブラトップとボトムスを細い紐で繋いで、ビキニとスリングショットのいいとこどりにした秀逸なデザインだ!
一体いつ誰が何の目的で発注したんだろうな!

・背部
スラスターにより無重量空間での三次元移動を可能とするぞ! ただし速度はそんなに速くないようだ。
富野監督の設定資料によれば内部にはビニールパックと酸素ボンベが内蔵されており短時間なら宇宙に放り出されても平気だぞ!(※本当にそう書いてある)

・四肢
手首のリストバンドとブーツも青で統一だ! オシャレだね!

・武装
メインウェポンとなる無反動砲に加え、護身用に左脇に拳銃ホルスターがあるぞ! 万が一肉弾戦を挑まれてもこれでどうこうしろ。



いやこんなん無理ゲー過ぎるわ。常識的に考えて。

【メンバー紹介】

ネネカ以外のメンバーは名前が判明していない(キャストにパイロットA(CV:荒木香恵(現・荒木香衣)*1)、パイロットB(CV:まるたまり*2)とある*3彼女達はネネカと違い、コックピットに座っているシーンすらない。。そのため外見から適当に呼称する。

ネネカ・ニブロー(CV:横山智佐
隊長。階級不明であるが、カテジナに敬語を使っているので下手したら10代の可能性すらある
真っ赤な髪を短く刈り込んだ巨乳美女。生真面目でやや堅物な口調。

・青髪の女性隊員
青黒いウェーブのかかった髪の黒人。
V2の頭突きを受ける。

・茶髪の女性隊員
赤褐色の長髪をポニーテールにしており、目立つ。肌色からすると黄色人種か。
V2に素手で払われた。

・おかっぱ頭の女性隊員
黒髪ショートボブで釣り目。やや地味顔。
大女と共にV2の肩に当たってしまった。

・大柄な女性隊員
メンバー中随一の巨体で、髪も肌も一番黒い。
おかっぱと共にV2の肩に当たってしまった。

・金髪の女性隊員
やや短い髪の女性。前髪が七三分け。
なんかよくわからんうちにプカプカ浮いてたのでただ気絶しているだけの可能性がある。

・お団子頭の女性隊員
頭にカチューシャをつけ金髪を纏めている。
何を考えたんだか『スーパーロボット大戦30』にも登場している。「俺の推しの大女じゃないのかよ!」「ポニテは俺の嫁」みたいなファンがいたかどうかは不明。


【戦いの結果…】


エンジェル・ハイロゥ内部に侵入したウッソ・エヴィンが駆るV2ガンダム

戦場に水着姿のネネカ隊が現れた事でウッソは大きく困惑する。


は、裸のお姉さんたち! なに!?

からかっているの!? また目をくらます幻覚なの!?


エンジェル・ハイロゥのサイコウェーブの影響で
一度視聴者からすれば総集編も兼ねた幻覚に踊らされた経験もあってか、
今回もかと思うも、ネネカ隊がバズーカを撃ってきた事でこれは現実だという事に気付く。


現実だ! これは夢なんかじゃない!

痛かったら、ごめんなさい!


そしてウッソは困惑したままネネカ隊へ体当たりや格闘などで攻撃する。
生々しい嗚咽や悲鳴を挙げながら隊員たちは斃れていく。


なんで裸の女の人なんだ!? なんで!?

こんな、嘘だ嘘だ嘘だ!!

これは戦争じゃないよ!!


何故裸同然の恰好で迎撃するのかと困惑するウッソ。
さらにその直後、ガンイージが現れ*4驚愕し、その隙を狙ってネネカが背後から攻撃しようとする。


ガンダムッ!!


が、咄嗟に気付いたウッソにより
ネネカはビームサーベルの直撃を食らい、一瞬で蒸発するという凄惨な最期を遂げる。*5



こんなの夢だよ…そのガンイージだって、ジュンコさんかマヘリアさんが乗ってるんでしょ!?


戦争にはあまりにありえない光景にウッソの精神は疲弊し、既に戦死したジュンコやマヘリアたちシュラク隊の隊員までも現れると思ってしまった。
その直後、ガンイージがV2を攻撃。
咄嗟にかわしたウッソはパイロットがカテジナである事に気付き、一連の光景が全てカテジナの差し金でもあった事を悟る。


ウッソ!

カテジナッ! パイロットのやることじゃない!

少しは迷ったか!信念を貫く子供など薄気味が悪い!

こんな…こんなにも汚い事をする人に、僕は恋などしませんよ!!

じゃあ、あたしを殺してごらん、坊や?

そんなの汚い…汚いですよ! 消えてくださいッ!!




…つまり、この作戦は最初からネネカ隊を捨て駒にし、ウッソの精神を徹底的に痛めつける事を目的としたものである。
その非道な作戦にはウッソも恋焦がれていたカテジナを呼び捨てにし本当に殺そうとするくらいには心にクるものがあったようだ。

最も当のカテジナは殺そうとした事に驚きつつも幻と自身を振り切った事に嬉しそうに笑うのだった…

まぁ、このように『Vガンダム』とカテジナのマジキチっぷりを表したトンデモ作戦なのである。
そりゃ「見れたものではないので買ってはいけません!!」と全否定したくもなる

もっとも戦果自体はV2アサルトの追加装備の大半をぶっ壊しているので、後々の戦闘に多少なりとも響いたと考えれば大したものだろうか。


【客演】

その内容から長らくゲーム作品への出演には恵まれていないというかVガン自体が出演に恵まれてないが、『スーパーロボット大戦30』にて遂に登場。
サイドミッション「恐るべき罠」において、原作同様カテジナの策として登場し戦場に出撃。
しかし、このミッションではシャクティもV2に同乗していた影響か、原作ほどの困惑はしなかったためカテジナが作戦失敗と判断。無惨な最期を遂げずにそのまま撤退した。
再現したらCEROがさらに上がりそうだし、生身ユニットとして出てこられても反応に困るので妥当な扱いではある

ちなみにこのミッションは

  • ルペ・シノの恐ろしい拷問
  • サイコウェーブによる精神かく乱(ウッソ以外に効果があったのはアムロカミーユクワトロ・ヨナ)

と、Vガンダムを代表するトラップが集合しているため、ある意味で見どころ満載のマップとなっている。


【実際に生身でモビルスーツと戦えるのか?】

無謀ぶりとその死にっぷりが話題に上げられるネネカ隊だが、実は生身でモビルスーツと戦う例は結構ある。

例えば初代『機動戦士ガンダム』においてもTV版限定のエピソードであるガンダムがやたらデカいと評判の第14話「時間よ止まれ」において、
ホバーバイク・ワッパに乗ったジオン兵クワランたちがプラスチック爆弾をガンダムに取り付けて制限時間内に爆破を狙うというものである。

これより少し早い時期を描いた『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』でも、第1話では地球で猛威を振るうザクⅡ相手に
特殊なミサイルランチャー「M-101A3リジーナ」で死に物狂いに戦う連邦兵たちの作戦が描かれた。
彼らの犠牲があって後の連邦MSの量産がなされたのである。合掌。
ちなみにこのリジーナ、17年後が舞台の『機動戦士ガンダムUC』でも、トリントン湾岸基地の連邦兵がジオン残党のMS相手に使おうとしている場面がある。

また『機動戦士ガンダム第08MS小隊』でも、シロー・アマダ(あれ?あなた重力戦線1話にも出てませんでしたっけ?)
バズーカで直接コックピットを撃つことで、(本当はパイロットを殺害せず捕えたかったため)不本意ながらも旧ザクを撃破するに至っている。

ガンダムシリーズ最初の外伝作品として知られる『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では歩兵が携帯する対MSロケット弾が登場。
ザクの頭部を一撃で破壊し、ザクは横転のち制御不能となり放棄された。
巻末の解説では「重装甲のMSには脆弱な部分を狙わなければいけない」とはあるものの、逆にエンジン部分の背後やカメラ関係で重装化ができない頭部などに直撃すれば十分な威力が出ると言うことである。

同作者の短編集「オペレーション:トロイ」ではまさに「MSに挑む歩兵たち」を主役としたエピソードがあり、
足・膝関節裏・股間といった主に下半身周りが体重が掛かるため脆弱で、対戦車兵器でも通用するとのことで、
実際に股間部にロケットランチャーを撃ち込まれたザクは脚が根元からもげて戦闘不能になった。
またこれをやった歩兵は戦車の残骸に隠れながら接近しており、メインカメラが頭部にあるMSは足下の敵が見えにくいという弱点も示唆されている。
同巻では他にも「ズゴックの腕に対戦車バズーカ」「ビルの廃墟に忍び込んでザクの頭にロケット弾」「車でザクの脚の間を駆け抜け、すり抜け際に膝裏にロケット弾」など、歩兵たちがMSの急所を突き打ち倒す場面が描かれている。
巻末解説では「ビルが乱立する市街地では戦車やMSは視界が悪く、瓦礫に潜む敵兵に罠を掛けられやすい」「対MS用歩兵携行火器も長足の進歩を遂げており、一撃で行動不能にもできる」との記述もある。

ただ、いずれの場合も巨大なMSに接近せねばならず、当然被害は甚大で、かつうまく敵を倒せても、MSが横転する衝撃で吹き飛ばされる、という問題もあった。
また理想はやはりMSと歩兵戦力の共同であることは変わりなく、ビル街での戦闘もドムには苦戦していたところ、ジム隊が合流して一発逆転という展開である。

一年戦争から遥かな年月を経た『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では、木星帝国の捕虜となったトビアが余興としてクロスボーン・ガンダムX2と戦わせられる羽目になるも、
腕部の指の隙間にあるダミーバルーンを誤作動させて隙を作る事で、コア・ファイター部分の奪取に成功。

新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』ではデュオ達に機体を破壊されたマリーメイア兵は脱出後に生身で対MS兵器で攻撃を行っており、
デュオ達も不殺を貫いていたので攻撃できずに追い詰められていく一因になっている事がノベライズ版で明かされている。
なお、ネネカ役の横山智佐氏は今回は生身の兵士に攻撃される側になっている。
また、ガンダムW本編開始前にヒイロノインが指揮していた前線司令部を対MS用のバズーカで攻撃したところ、それを庇ったトレーズが乗ったリーオーを撃墜しており、トレーズに重傷を負わせているという設定がある。
ちなみに病院送りになったトレーズと看護婦だったレイアの馴れ初めでもある
そして前世が祟ったのかやたらと対MS兵器に狙われるノインであった

機動新世紀ガンダムX』でも1話という初っ端からガロードがバルチャーが乗るモビルスーツを奪っている。

機動戦士ガンダム00』では冒頭から少年兵時代のソランが仲間の少年兵達と共に生身でアンフとの交戦を強いられてしまい、
なすすべなく仲間達は全滅し、洗脳されていたはずのソランが「この世界に神なんていない」という確信に至る事になり、そして運命のガンダムと出会う事になる。
なお、本編中刹那は同じ光景を目撃する事になり、それを食い止められなかった事で「俺はガンダムになれない…!」と嘆きの声をあげている。

いずれも、直接戦う事はせず創意工夫を駆使して追い詰めたか、戦っているMS側に事情があったというものばかりである。
やはりネネカ隊が語り草になっているのはそのマジキチな内容からであろう。ソランもマジキチな内容の側だが、それを上回って語り草になるネネカ隊のマジキチのインパクトである

だが、よくよく考えてみると本作内でも偶発的な事態だったが、第29話「新しいスーツV2」で、ウッソがパンツ一丁でザンスカール軍の基地内を走り回ってた時
衛兵たちが文字通り丸腰のウッソを見て何もせずに見送ってしまった事態があったのを覚えているだろうか。(この後追いかけてくるが、直前から追っているルペ・シノに言われてやっと動き始めている。)
すなわち「相手を一瞬すくませる」という作戦ならば「裸」で敵の前に現れるのは決して無謀ではなく、その一瞬で相手が倒せればいいのである。まあ、相手の硬直が解除された後は無防備すぎるが。
ちなみにネネカ隊は全滅したもののその「初撃」でV2ガンダムのアサルトパーツを全損させるという戦果だけ見ればまずまずのものを挙げている。

そして…
Vガンダムの後番組『機動武闘伝Gガンダム』においてはドモン・カッシュ東方不敗マスター・アジアの師弟がさも当然のように生身でモビルスーツを破壊してしまっている。
まあこの師弟…というかGガン世界の人間は全般的に人間辞めてるレベルなので比べるのは酷であるが。


【余談】

  • ことぶきつかさの漫画『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム』最終回では「プリティセブン」の名前で登場した。結果はお察し下さい。
    • ウッソの暴れっぷりは原作を越えるレベルで、お姉さんたちの死に様もさらに凄まじい。具体的にはこっちの紫ババア並み。これにはカテジナも引き気味。
    • ちなみに同漫画ではカテ公はしっかり報いを受ける


  • ガンダムビルドファイターズ GMの野望』にはガンプラマフィアの一員としてネネカの色違いキャラであるネネネが登場し同様の水着作戦に出ている。
    こちらはガンプラバトルという事もあり、当然死なずに済んだし対戦相手のヤサカ・マオは鼻血を垂らしつつ危うく篭絡しかけていた。
    終盤で逮捕されるも、その後改心したのか3年後が舞台*6の『ガンダムビルドファイターズトライ』第10話では海辺のモブとして登場している。






ネネカ隊のその美しい姿は、アニヲタWikiの記事を追記・修正させる効果があるんだよ。
ことに、あの冥殿にはね…

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最終更新:2025年03月20日 09:25

*1 シュラク隊のペギー・リー(第25話・第26話)で出演。

*2 シュラク隊のマヘリア・メリル、シシリー・フィツィーネ、幼年時代のウッソで出演。

*3 台詞は生々しい悲鳴のみ。

*4 その後の描写からコックピットハッチが脱落ないし故障でもしているのか開けっ放しであり、誰かが脱出して放棄されたものなのか鹵獲されたものなのかは不明

*5 実際の映像はMBSにて放送されるようになったシリーズ作品のようなグロ全開のものでない。それでも十分エグイが。

*6 放送はこちらが先

*7 ネタバレになるが、2度目は有名な「そうだ英雄、お前が殺した。」の元ネタである