修多羅千手丸(BLEACH)

登録日:2023/12/30 Sat 18:31:26
更新日:2025/02/12 Wed 17:26:34
所要時間:約 10 分で読めます



妾が仕立てた至高の衣

そちの如き雑兵が 纏えただけでも感謝せよ

そして

死ぬ迄脱げると思うなよ






修多羅千手丸とは、漫画『BLEACH』の登場人物。



修多羅千手丸 
しゅたらせんじゅまる
[誕生日]11月1日
[身長]158cm
[職業]死神
[肩書]尸魂界王属特務・零番隊
[CV]佐藤利奈

 [二つ名]零番隊第四官・北方神将・大織守(おおおりがみ)
 [斬魄刀]刺絡(しがらみ)
  〔解号〕??????
 [卍解]娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)
 [零番離殿]???

◆概要


零番隊の一人。
三日月に装飾を施したような豪華な髪飾りと隊首羽織から黄色の六本の義手を付けた人物。作業や戦闘の際にも常に義手を使うため本人の腕の有無は不明。
一人称は(わらわ)
美人で女性のようにもメイクをした線の細いイケメンにも見えるので「Brave Souls」でCVが付くまで男性か女性かちょいちょい議論があったが、公式の回答で女性と判明した*1

性格は強引かつ高飛車で、阿散井恋次の死覇装の採寸の際に「(着ているものを全部脱がないと)一物を切り落として採寸する」と脅迫していた。

彼女の離殿は反物で溢れかえっており、その中央に彼女の座す王座のような内装である。

 活躍



◇─ 千年血戦篇

滅却師の第一次尸魂界侵攻が起こり、零番隊の面々とともに尸魂界へ降り立ってくる。
登場の際には真顔でちんどん屋のようにラッパを鳴らしていた。
皆が会話している間に「阿散井恋次」「朽木ルキア」「朽木白哉」「天鎖斬月」を回収した。涅マユリとは知り合いであり、彼のことを「オヤ 誰かと思えばマユリかえ」と名前で呼ぶ珍しい人物である*2。ただ、仲が良いというわけではなく、技術開発局に勝手に入られたのには「随分舐めた真似をしてくれるネ」とやや怒った感じではあったが、「妾の居った頃よりずいぶんと鍵が緩かった」とサラリと流すように答えている*3

その後、一護と上記の三人を連れて霊王宮にまで連れていき、ユーハバッハの為そうとしていることを「藍染惣右介以上の巨悪である」と一護に語った。

修行の内容は恋次の回想以外描かれなかったが、ルキア・白哉・一護の死覇装の作成と尸魂界へ降りるための王鍵(四人のための外套)の作成だと思われる。この外套は非常に防御性能が高く、ユーハバッハをして「王鍵に勝る防御性能を誇るものものはない」と言わしめた他、ぺぺ・ワキャブラーダの能力をシャットアウトし、アニオリではナナナ・ナジャークープの能力も通じなくなっている。

その後、第二次尸魂界侵攻が起こり、一護が尸魂界へ辿り着く過程で生じた霊王宮への障壁の穴からユーハバッハユーグラム・ハッシュヴァルト石田雨竜が霊王宮へ侵入。霊王宮表参道で麒麟寺が最初に迎撃に当たる。麒麟寺は聖兵達を一掃し、ユーハバッハに斬りかかるも攻撃が当たらず、千手丸に戦闘を交代。神兵を引き連れ、ユーハバッハに攻撃させるもニャンゾル・ワイゾルの能力で麒麟寺同様攻撃が当たらなかった。――しかしニャンゾルが神兵を相手にしている間に彼の衣服に零番隊の隊花の沈丁花を装飾しており、内部から針で串刺しにして倒した。

次なる手としてユーハバッハが星十字騎士団から親衛隊としてアスキン・ナックルヴァールリジェ・バロジェラルド・ヴァルキリーペルニダ・パルンカジャスを招集。
ジェラルドが剣を抜き突撃してきたので咄嗟に刺絡で防御するも刺絡もろとも斬られてしまう。そこで「二級神兵“霊王の盾”」を召喚し、防御を固めるもペルニダによりあっさり霊王の盾は倒され、自身もリジェに頭を撃ち抜かれて死亡。「ユーハバッハの通り道に邪魔」という理由で遺体は肉団子のように丸められて脇に転がされた。
さらにリジェは霊王宮の周りの零番離殿を撃ち落とし、霊王宮も堕とされたかと思いきや――?

なんと今まで戦っていたのは千手丸が霊王宮の風景を模して拵えた反物の内部であり、曳舟が命の檻でユーハバッハらを囲い、兵主部一兵衛が「本物の」霊王宮を隠すための時間稼ぎであった。
そして二枚屋王悦が参戦。瞬く間にリジェ、ジェラルド、ペルニダ、アスキンを斬り伏せて残りはユーハバッハとハッシュヴァルト、石田のみという状況になるもユーハバッハは「聖別」を発動。尸魂界に残った滅却師たちから力を強制剝奪し、親衛隊に分け与えることにより復活。
形勢は逆転し、王悦はリジェに撃ち抜かれ、千手丸も曳舟、麒麟寺と共にダイジェストで倒されてしまった。

原作ではここで出番は終了。
血戦後を描いたスピンオフ小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」では零番隊は離殿さえ無事なら兵主部が名を呼ぶことで復活可能だと判明したのでそれで復活した模様。

◇─ 千年血戦篇(アニメ版)

流石に零番隊の原作での扱いがしょっぱ過ぎる悪かったと思われたのか戦闘シーンや活躍が大幅に追加されている。誰が言ったか「月島さんに知らない過去を挟み込まれた視聴者」「カルピスの原液」

ユーハバッハ達の霊王宮への侵入大まかな流れは原作通りだが、原作では麒麟寺の次にユーハバッハたちと相対していたが、アニメでは神兵を率いて最初に登場*4。王悦の親衛隊撃破までは上述通りだが、その後新たに石田と交戦。麒麟寺の「白骨地獄」を回避した石田に「良い湯じゃぞ? の行水とは勿体無い」と挑発。瞬歩で距離を詰め手刀を駆使して石田を圧倒する。石田も光の雨で応戦するも義手と糸で作った傘型の盾で「春雨のようじゃ」と事も無げに防いで、傘で転がしていた神聖滅矢をカウンターで撃ち返す。

ここでユーハバッハは聖別を発動。親衛隊たちを復活させる。聖別後はリジェに貫かれた王悦の傷口を綿と糸を使い縫合・回復させた。そして曳舟が一対一のフィールドになるように命の檻を変形させて、千手丸は強化されたジェラルドと対峙。
ジェラルドの不意打ちも身代わり人形を囮にしてやり過ごし、投げ飛ばして糸で床に縫い付けて四肢を封じるも、刺絡の心臓への刺突を頑強な体に防がれ、反撃で深手を負う。ほぼ同時に零番隊のメンバーも親衛隊たちにより重傷を負う結果になってしまう。

ジェラルドが「護廷十三隊全軍以上がこの程度か」と吐き捨てたのに対し、王悦がメンバー全員に𠮟咤を飛ばし、「千手丸……奴らを斬るのはお前Da」と命を下す。麒麟寺も曳舟もそれに賛同。


零番隊の本気(マジ)を見せてやる……!


と千手丸を残して全員首の頸動脈を切って自害
そうすることで「血盟の封印」を解き、一人の隊士が全力で戦える(=卍解が使える?)ようにするものであった。


我らが能力は、袖振るだけで三界天地を震えさす。

故に我らは互いの命を結び合うて真の剣を封じておった。

そして今、三つの命と引き換えに血盟の封印は解き放たれた。


そして……

卍解「娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)

まさかの卍解を披露
三界天地を震えさす」とは比喩ではなくてマジで卍解するだけで現世と尸魂界の空を反物が揺れるように震わせ*5、霊王宮へ向かっていた一護達にもその異様さに驚いていた*6

そして卍解で聖別によりパワーアップしてかつ完聖体を発動している親衛隊・ハッシュヴァルト・石田を打ち破った。

...かに見えたが、ユーハバッハの力の9年が終了し、「全知全能(ジ・オールマイティ)」が覚醒・開眼したことで反物に閉じ込めた親衛隊がそれに呼応するかのように輝きだし、ハッシュヴァルトは炎を払うなど復活。(これがユーハバッハの覚醒そのものによるものなのか、「全知全能」の力によるものなのかは不明)
そして、ひとり反物の拘束からも抜け出してきた雨竜と再び一騎打ちとなる。

依然として圧倒的な手数で雨竜を圧倒し、彼を捕らえ反物で拘束する。
この際、滅却師を「霊王に見限られた者共」と意味深な言葉で腐していた。
身動きできなくなった雨竜の首を斬魄刀で突き刺すと、力が暴走するかのように不完全な形で滅却師最終形態の物と思われる一対の翼が生え、雨竜に拘束から逃れられてしまう。

血迷うたか?妾の卍解から逃れられると…」と吐き捨てるも、雨竜の「完全反立(アンチシーサス)」の能力により、自身と千手丸の状況を逆転させられ、自身が拘束されていることを指摘される。


僕は石田雨竜。

滅却師の誇りにかけて お前を滅却(ころ)す。

千手丸は雨竜の一撃により心臓を射抜かれて敗死。和尚もユーハバッハに既に敗北しており、彼女の敗北を以て零番隊は全滅
千手丸の卍解に拘束されていた親衛隊とハッシュヴァルトも解放された。


 斬魄刀


◇─ 刺絡(しがらみ)

裁縫の針を30cm程に大きくしたような形状をしている。解号は不明。
原画展『BLEACH EX. FINAL』によれば、その能力は、霊子の糸が無限に出てきてその糸を用いるというもの。
前述のアニオリでは義手と組み合わせて傘を織ったり、リジェに空けられた王悦の身体の修復を行ったりと非常に汎用性の高い始解だといえる。

ジェラルドに「小刀」と馬鹿にされた際には「刺絡(しがらみ)……舐めればその舌、穴が空こうぞ」と返している。

千手丸の作業の速さも相まってニャンゾルやジェラルドですら反応できず、攻撃や拘束を受けることとなってしまった。
ただし、斬魄刀というか「武器」として使用する場合は形状が針な以上攻撃力自体は大したことなく、「斬る」ことも出来ず刺突しか攻撃手段がない
アニメ版ではジェラルドが頑丈なこともあってか彼の心臓を一突きにしようとするもそもそも刺さらなかったり、防御しようにも簡単に折られてしまっている

能力の汎用性は高いものの、扱う千手丸の器用さによって支えられているが故に強力な斬魄刀と言えるだろう。

◇─卍解 娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)


一綛(ひとかせ)解かば万朶(ばんだ)の眼 見つめ返せば眼も潰れよう
二綛(ふたかせ)解かば刃金(はがね)の鎧 纏いて立てる者はなし
三綛(みつかせ)解かば黒砂(こくさ)(はらわた) 手繰るその手が命取り
四綛(よつかせ)解かば凍てつく(しとね) 立ち入りゃ二度とは目覚めぬ所
五綛(いつかせ)解かば焼け野原 灰となるまで抜ける道なし
六綛(むつかせ)解かば闇夜の星よ 捉わば終いの死出の星

悪玉(あくだま)共よ ()く見やれ
千緒万端整えて 放つこの(はた)
死出六色浮文機(しでのろくしきうきもんのはた)

始解と同じくアニオリで披露。三界天地をも揺るがす強大な力を持つ卍解。
解放すると巨大な機織りが出現。フィールドを形成し、敵を分断。上下から様々な模様の反物が現れる。
原画展『BLEACH EX. FINAL』及び、アニメ千年血戦篇27話のアイキャッチによれば、生み出した様々な反物を操る能力であり、能力は幻覚の類ではない。
反物は対峙している敵に合わせて織られ、その織柄を具現化させたような攻撃で敵を葬る。その数や柄は敵の数や特性に合わせて増減する。また、千手丸は反物に触れると同じ色の反物がある場所にワープすることが出来るとのこと。
この反物は文字通り“何でもあり”で、斬る・締め付け・凍結燃焼吸収・無数の(ホロウ)の再現などあらゆる手段で敵対者のメタとなる事象を具現化させて打ち滅ぼす。


ほぼ無限といっていいほどの攻撃手段があり、万能といっても差支えがない強力な卍解である。
発動するための条件こそ和尚以外の零番隊の自害/全滅が必要だが、「護廷十三隊全軍以上」というのは伊達ではなかった


技名を言うことが無かったので仮称としておく。
  • 偽りの霊王宮(仮)
ユーハバッハが霊王宮へ踏み入れた際に仕掛けてあった霊王宮を模した反物
本物と遜色ない風景を反物で作り上げ、零番離殿を撃ち落としたリジェを戸惑わせた。
ニャンゾルと相対し、リジェに頭を撃ち抜かれた千手丸は人形による偽物だったのかは不明。
実は曳舟が命の檻を張るのと、兵主部が本物の霊王宮を隠すための時間稼ぎのものである。

ニャンゾルが神兵と交戦していた時に彼の服に仕込んだ罠。
糸を引き抜くと内側から針が飛び出して相手は串刺しになる。
ニャンゾルの慢心が故に能力を解説したのもあったが、彼が攻撃を防ぐのは認識したものと即座に見抜いて気づかない速度で服に罠を縫い付けた千手丸のスピードが驚嘆もの。


アニオリで石田の「光の雨」を防ぐのに使用というか即興で作成した代物
また防ぐだけではなく、神聖滅矢を石田に向かって撃ち返した。

  • 肉体の補填(仮)
前述されたリジェの能力で複数箇所が穴を開けられて瀕死だった王悦に対して使用。
負傷箇所に綿を入れて刺絡で縫い合わせると直ぐ様肉体へ変換して王悦を復活させた。

  • 身代わり人形(仮)
復活したジェラルドに対し使用。
攻撃したジェラルドに「刺した」と油断を誘い上から強襲。そのまま投げ飛ばし、彼を即座に床に縫い付け拘束した。
これだけはあまり良い出来とは言えない。

 余談


  • 零番隊昇進時期
BLEACHによくある経歴に非常に謎の多い人物
千年血戦篇序盤で「修多羅等級(スケール)」と単位になっていたり*10、ユーハバッハに対し「久しいのう」と声をかけていたり、上述の通り「マユリ」と彼を下の名前で呼んだりしている。

なお、後に作者ファンクラブQ&Aからの回答で、少しばかり経歴が明かされた。

一度、非公式ながら、モノを作るという意味で技術開発局に近い研究グループがあった。
そのグループのリーダーが千手丸であり、マユリはメンバーだった。
なお、グループが無くなって類似の組織が存在しない期間があり、その後に正式に出来たのが技術開発局である。
……との事である。

長らく彼女が何を創造したのかは不明だったが公式で「死覇装」だと判明。
どのような点でこの服が評価されたのかは不明(色が黒色なのは作者ファンクラブQ&Aによれば返り血が目立たないようにするためらしい)。
死覇装がいつの時代から死神の正式な衣装として採用されたのかは不明だが、千年前の滅却師の尸魂界侵攻の際には全員が死覇装を着用しているためにその発明者たる彼女は優に千歳は軽く超えていると思われる。
まぁBLEACHで明かされなかった謎も多いから気にするだけ無駄だ!


  • 「護廷十三隊全軍以上」
京楽が一護に語った零番隊の戦力についての言葉であるがぶっちゃけ活躍のしょっぱさとユーハバッハの後出し覚醒まで追い詰めた兵主部「だけ」を指していると思っていた読者も多かった*11
だがアニメ化に至り、零番隊の個々人の実力を評価出来るシーンが追加されてマジで世界を揺るがしかねない実力を見た読者・視聴者はその認識を改めさせられたのであった。

  • 移動
どうでもいいが彼女は移動する際全く足を動かしていない。瞬歩をするシーンもあるのだが、普段の移動は下駄に仕込んだキャスターみたいな物で行っているのだろうか?


追記・修正の際は全裸で一物を切り落とされない様にしてからお願いします。

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  • ぴえろの本気
  • 燃え上がるオサレバトル
  • 11月生まれ
  • 11月1日生まれ
  • さそり座
  • さそり座の女
  • 機織り
  • 一人称「妾」
最終更新:2025年02月12日 17:26

*1 佐藤利奈女史は少年役が多いとはいえ男性の声も担当したこともあった上、名前の「千手丸」が男性的なものであったので、「実は男では?」と疑う声はCV判明以降も無くはなかった。

*2 マユリが彼女をどのように呼んでいるかは不明。

*3 マユリも何か言いたげであったがここは空気を読んで反論しなかった。

*4 なお、ニャンゾルを倒した後に彼の遺体をポイ捨てしている。

*5 現世では黒崎一心と石田竜弦が真っ先にその異変に気付いた。

*6 元柳斎の「残火の太刀」ですら長時間使えば戸魂界を焼き付くす(直接影響がでるのは戸魂界内のみ)、であり、スケールの違いがわかる。

*7 この辺りはファンの憶測もあるので「絶対にこうだ!」という正解もないので注意されたし。

*8 詠唱に「刃金」とあるので相当な重量の反物+串刺しでの攻撃だと思われる。

*9 仮に出来たとしても砂の一粒ずつにしか潜り込ませるだけでは意味がない上に圧死ならば「指を斬り落として増殖する」という手段も封じられる。

*10 現実にも名前が単位になった科学者や研究者もいたりする。

*11 聖別前とはいえ、王悦が親衛隊を瞬殺していったのに関しては一定の評価を得ていたが。